トップ
>
用
>
よう
ふりがな文庫
“
用
(
よう
)” の例文
「
雪
(
ゆき
)
がふると
出
(
で
)
られなくなるから、ちょっと、となり
村
(
むら
)
まで
用
(
よう
)
たしにいってくる。」と、
父親
(
ちちおや
)
は、
身
(
み
)
じたくをしながら、いいました。
ペスときょうだい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宗助
(
そうすけ
)
にも
御米
(
およね
)
にも
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けない
程
(
ほど
)
稀
(
たま
)
な
客
(
きやく
)
なので、
二人
(
ふたり
)
とも
何
(
なに
)
か
用
(
よう
)
があつての
訪問
(
はうもん
)
だらうと
推
(
すゐ
)
したが、
果
(
はた
)
して
小六
(
ころく
)
に
關
(
くわん
)
する
件
(
けん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんどは何かまとまった
要
(
い
)
り
用
(
よう
)
があるとかで、
守口
(
もりぐち
)
の双葉屋という遊女屋から、お仙のからだを
抵当
(
かた
)
に、百両ほど借りてしまった。
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『お
前
(
まへ
)
は
亞尼
(
アンニー
)
とか
云
(
い
)
つたねえ、
何
(
なん
)
の
用
(
よう
)
かね。』と
私
(
わたくし
)
は
靜
(
しづ
)
かに
問
(
と
)
ふた。
老女
(
らうぢよ
)
は
虫
(
むし
)
のやうな
聲
(
こゑ
)
で『
賓人
(
まれびと
)
よ。』と
暫時
(
しばし
)
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
つたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
用
(
よう
)
じゃァねえが、おかみさんもああいうンだから、
晩
(
ばん
)
にしたらどうだ。どうせいま
行
(
い
)
ったって、
会
(
あ
)
えるもんでもねえンだから。——」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
「どういうわけだか
知
(
し
)
らないが、むろん
用
(
よう
)
もないのに、人の
家
(
うち
)
の中なんぞをかってにのぞいたりなんぞしませんから、
安心
(
あんしん
)
して
下
(
くだ
)
さい。」
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
留
(
とま
)
つとつちやいかん。
用
(
よう
)
のない
者
(
もの
)
はずんずん
前進
(
ぜんしん
)
する‥‥」と、
騷
(
さわ
)
ぎの
最中
(
さいちう
)
に
小隊長
(
せうたいちやう
)
の
大島少尉
(
おほしませうゐ
)
ががみがみした
聲
(
こゑ
)
で
呶鳴
(
どな
)
つた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
余は
不足
(
ふそく
)
の
品
(
しな
)
と余分の
品
(
しな
)
との
直接交換
(
ちよくせつこうくわん
)
のみならず、必要以外の品と雖も
後日
(
ごじつ
)
の
用
(
よう
)
を考へて取り換へ置く事も有りしならんと思惟するなり
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
便所
(
べんじょ
)
の二つもあるドアはみなあけはなされ、そのおくでは、いまや
一人
(
ひとり
)
の
使節
(
しせつ
)
が、
日本流
(
にほんりゅう
)
に
用
(
よう
)
をたしているのが、まる
見
(
み
)
えです。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
影
(
かげ
)
を
映
(
うつ
)
した
時
(
とき
)
でした……
其
(
そ
)
の
間
(
ま
)
に
早
(
は
)
や
用
(
よう
)
の
趣
(
おもむき
)
を
言
(
い
)
ひ
聞
(
き
)
かされた、
髮
(
かみ
)
の
長
(
なが
)
い、
日本
(
につぽん
)
の
若
(
わか
)
い
人
(
ひと
)
の、
熟
(
じつ
)
と
見
(
み
)
るのと、
瞳
(
ひとみ
)
を
合
(
あは
)
せたやうだつたつて……
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
カピ長
默
(
だま
)
れ、むが/\むが/\と、
阿呆
(
あはう
)
め!
其許
(
おぬし
)
の
御託宣
(
ごたくせん
)
は、
冗口仲間
(
むだぐちなかま
)
と
酒
(
さけ
)
でも
飮合
(
のみあ
)
ふ
時
(
とき
)
に
被言
(
おしゃ
)
れ、こゝには
用
(
よう
)
は
無
(
な
)
いわ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『ラランいふのはおまへか。ヱヴェレストはそんな
鴉
(
からす
)
に
用
(
よう
)
はないぞ。おまへなんぞに
来
(
こ
)
られると
山
(
やま
)
の
穢
(
けが
)
れだ。
帰
(
かへ
)
れ、
帰
(
かへ
)
れ。』
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
南軍と北軍と、軍情おのずから異なること
是
(
かく
)
の如し。一は人
役
(
えき
)
に
就
(
つ
)
くを
苦
(
くるし
)
み、一は人
用
(
よう
)
を
為
(
な
)
すを
楽
(
たのし
)
む。
彼此
(
ひし
)
の差、勝敗に影響せずんばあらず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「十八日。晴。朝飯より出立。
用
(
よう
)
が
瀬
(
せ
)
迄小坂五六あり。当駅より人車に而
布袋
(
ほてい
)
村迄、夫より歩行、午後一時頃
味野
(
あぢの
)
村へ著。」
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
言葉はなるべく簡略なるがよいというのも無理ならぬ説なれども、僕の考えでは名も言葉も
自
(
おのずか
)
ら物や思想の
実
(
じつ
)
を現すだけで
用
(
よう
)
の足るものでない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ナイフは
真珠貝
(
しんじゅがい
)
の
柄
(
え
)
のついた
綺麗
(
きれい
)
なものだったし、一ルーブリ
銀貨
(
ぎんか
)
はのっぴきならぬ
用
(
よう
)
にいるのであった。で、
先生
(
せんせい
)
のところへいいつけに
行
(
い
)
った。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
このにぎやかな町にはいってから、五、六
町
(
ちょう
)
歩
(
ある
)
くうちに清造はどこの店も、自分にはまるで
用
(
よう
)
のないものだということを、小さな頭にさとりました。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
すると、
先
(
ま
)
づ
裁縫
(
さいほう
)
の
本
(
ほん
)
とか、
料理
(
れうり
)
の
本
(
ほん
)
とか、
或
(
あるひ
)
は
又
(
また
)
育兒
(
いくじ
)
に
關
(
くわん
)
する
本
(
ほん
)
とかいふものがある。
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
これは、
大抵
(
たいてい
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
婦人
(
ふじん
)
のみに
用
(
よう
)
のある
書物
(
しよもつ
)
である。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
左仲が
煙管
(
きせる
)
の
元
(
もと
)
へ
差出
(
さしいだ
)
すにぞ左仲は
愕然
(
ぎよつ
)
となし思はず
震
(
ふる
)
へ出せし體を見るより彼の者は
莞爾
(
につこ
)
と笑ひ左仲が側へ同じく
腰
(
こし
)
打掛
(
うちかけ
)
旅人
(
りよじん
)
は何等の
用
(
よう
)
にて
斯
(
かく
)
夜道を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
上杉
(
うえすぎ
)
といふ
苗字
(
めうじ
)
をば
宜
(
よ
)
いことにして
大名
(
だいめう
)
の
分家
(
ぶんけ
)
と
利
(
き
)
かせる
見得
(
みえ
)
ぼうの
上
(
うへ
)
なし、
下女
(
げじよ
)
には
奧樣
(
おくさま
)
といはせ、
着物
(
きもの
)
は
裾
(
すそ
)
のながいを
引
(
ひ
)
いて、
用
(
よう
)
をすれば
肩
(
かた
)
がはるといふ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いや
入
(
い
)
らん、もう
死
(
し
)
ぬまで、ズボンや、チョッキ、
長靴
(
ながぐつ
)
には
用
(
よう
)
が
無
(
な
)
いのかも
知
(
し
)
れん。しかし
奇妙
(
きみょう
)
な
成行
(
なりゆき
)
さ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いえ、
氷山
(
ひょうざん
)
にぶっつかって船が
沈
(
しず
)
みましてね、わたしたちはこちらのお父さんが
急
(
きゅう
)
な
用
(
よう
)
で二か月前、一足さきに本国へお帰りになったので、あとから
発
(
た
)
ったのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ヸリヤム・ブレイクの
兄弟
(
きやうだい
)
がヸリヤムに
對
(
たい
)
してしたやうに。
君
(
きみ
)
はもう
我々
(
われわれ
)
には
用
(
よう
)
はないかも
知
(
し
)
れないけれど、
僕
(
ぼく
)
は
一
(
いつ
)
ぺん
君
(
きみ
)
に
逢
(
あ
)
ひたいと
思
(
おも
)
つてゐる。
逢
(
あ
)
つて
話
(
はな
)
したい。
「三つの宝」序に代へて
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
彼
(
かれ
)
は
其
(
その
)
手先
(
てさき
)
の
自由
(
じいう
)
を
失
(
うしな
)
うた
時
(
とき
)
自棄
(
やけ
)
の
心
(
こゝろ
)
から
彼
(
かれ
)
の
風呂敷包
(
ふろしきづゝみ
)
を
解
(
と
)
いた。
野田
(
のだ
)
に
居
(
ゐ
)
た
頃
(
ころ
)
主人
(
しゆじん
)
や
又
(
また
)
は
主人
(
しゆじん
)
の
用
(
よう
)
での
出先
(
でさき
)
から
貰
(
もら
)
つた
幾筋
(
いくすぢ
)
の
手拭
(
てぬぐひ
)
を
繼
(
つ
)
ぎ
合
(
あは
)
せて
拵
(
こしら
)
へた
浴衣
(
ゆかた
)
を
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
はい、お
掛
(
か
)
けなさいまし。僧「
余
(
あま
)
り寒いから一
杯
(
ぱい
)
附
(
つ
)
けてお
呉
(
く
)
れ。亭「エ
畏
(
かし
)
こまりました、
此方
(
こつち
)
へお
掛
(
か
)
けなさいまし。僧「
一寸
(
ちよつと
)
小便
(
こよう
)
に
行
(
ゆ
)
きたいが、
何処
(
どこ
)
か
用
(
よう
)
を
足
(
た
)
す
処
(
ところ
)
はあるまいか。 ...
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
自分
(
じぶん
)
は
義母
(
おつかさん
)
に『これから
何處
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くのです』と
問
(
と
)
ひたい
位
(
くらゐ
)
であつた。
最早
(
もう
)
我慢
(
がまん
)
が
仕
(
し
)
きれなくなつたので、
義母
(
おつかさん
)
が
一寸
(
ちよつ
)
と
立
(
たつ
)
て
用
(
よう
)
たしに
行
(
い
)
つた
間
(
ま
)
に
正宗
(
まさむね
)
を
命
(
めい
)
じて、コツプであほつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
祖母
(
おばあ
)
さんはあの
鍵
(
かぎ
)
の
用
(
よう
)
が
濟
(
す
)
むと、
藏
(
くら
)
の
前
(
まへ
)
の
石段
(
いしだん
)
を
降
(
お
)
りて、
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
りましたが、そこに
父
(
とう
)
さんがよく
遊
(
あそ
)
んで
居
(
ゐ
)
たのです。
味噌藏
(
みそぐら
)
の
階上
(
うへ
)
には
住居
(
すまゐ
)
に
出來
(
でき
)
た二
階
(
かい
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『「
愛
(
あい
)
ちやん!まァ
此處
(
こゝ
)
へお
出
(
い
)
で、
用
(
よう
)
があるんだから
サ
!」「
一寸
(
ちよツと
)
お
入
(
はい
)
り、
乳母
(
ばア
)
やも!
私
(
わたし
)
が
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
るまで
鼠
(
ねずみ
)
が
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
さないやうに、
此
(
この
)
鼠穴
(
ねずみあな
)
を
番
(
ばん
)
してお
居
(
ゐ
)
で」だけど』と
云
(
い
)
つて
尚
(
な
)
ほ
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「そりや
偶時
(
たま
)
には
然
(
さ
)
う思はんでも無いな。
併
(
しか
)
しお前は俺には
用
(
よう
)
のある人間だ。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『音もなく香もなく常に
天地
(
あめつち
)
は、書かざる経をくりかへしつつ』とあるのがその
体
(
たい
)
でございまして、『天地の恵みつみ置く無尽蔵、鍬で掘り取れ鎌で刈り取れ』と申すのがその
用
(
よう
)
なんでございます。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
或
(
あるひ
)
は
曰
(
いは
)
く、『
老莱子
(
らうらいし
)
も
亦
(
また
)
楚人也
(
そひとなり
)
、
書
(
しよ
)
十五
篇
(
へん
)
を
著
(
あら
)
はして
道家
(
だうか
)
の
(一四)
用
(
よう
)
を
言
(
い
)
ふ。
孔子
(
こうし
)
と
時
(
とき
)
を
同
(
おな
)
じうすと
云
(
い
)
ふ』と。
蓋
(
けだ
)
し
老子
(
らうし
)
は百
有
(
いう
)
六十
餘歳
(
よさい
)
、
或
(
あるひ
)
は
言
(
い
)
ふ二百
餘歳
(
よさい
)
と。
其
(
そ
)
の
道
(
みち
)
を
修
(
をさ
)
めて
壽
(
じゆ
)
を
養
(
やしな
)
へるを
以
(
もつ
)
て
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
取
(
と
)
りも
直
(
なほ
)
さず
學問
(
がくもん
)
を
實際
(
じつさい
)
の
用
(
よう
)
に
立
(
た
)
てるの
凖備
(
じゆんび
)
であります。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
「どんな
用
(
よう
)
だえ。
聽
(
き
)
いてやるがら
言
(
ゆ
)
つて
見
(
み
)
たらよからう」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
私
(
わたし
)
は、
用
(
よう
)
たしをするためここをはなれなければなりませんでした。そして、一
時間
(
じかん
)
ばかりの
後
(
のち
)
、ふたたび、ここを
通
(
とお
)
りかけました。
ひとをたのまず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幸
(
さいはひ
)
に
御米
(
およね
)
の
産氣
(
さんけ
)
づいたのは、
宗助
(
そうすけ
)
の
外
(
そと
)
に
用
(
よう
)
のない
夜中
(
よなか
)
だつたので、
傍
(
そば
)
にゐて
世話
(
せわ
)
の
出來
(
でき
)
ると
云
(
い
)
ふ
點
(
てん
)
から
見
(
み
)
れば
甚
(
はなは
)
だ
都合
(
つがふ
)
が
好
(
よ
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
婦人
(
をんな
)
は
膝
(
ひざ
)
をついて
坐
(
すわ
)
つたが、
前
(
まへ
)
へ
伸上
(
のびあが
)
るやうにして
黄昏
(
たそがれ
)
にしよんぼり
立
(
た
)
つた
私
(
わし
)
が
姿
(
すがた
)
を
透
(
す
)
かし
見
(
み
)
て、(
何
(
なに
)
か
用
(
よう
)
でござんすかい。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
馬鹿
(
ばか
)
をいわッし。おいらが
何
(
な
)
んで、
牛
(
うし
)
の
皮
(
かわ
)
に
用
(
よう
)
があるんだ。もっともこの
薬罐
(
やかん
)
の
傍
(
そば
)
へ
鼻
(
はな
)
を
押
(
お
)
ッつけて、よく
嗅
(
か
)
いで見ねえ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「聞きずてにならぬ
暴言
(
ぼうげん
)
、
用
(
よう
)
があればこそ
幕内
(
まくうち
)
へとおる。それは
奉行
(
ぶぎょう
)
の
役権
(
やっけん
)
じゃ。
役儀
(
やくぎ
)
の
権
(
けん
)
をもって
通
(
とお
)
るになんのふしぎがあろう。どけどけ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ちょうどこのうちの人たちはよそへ行くところらしいから、きっと
馬
(
うま
)
が
入
(
い
)
り
用
(
よう
)
だろう。ここらで
売
(
う
)
って
行
(
い
)
く
方
(
ほう
)
が
安心
(
あんしん
)
だ。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
これを思えば道すなわち道徳はその
性
(
せい
)
高くしてその
用
(
よう
)
低く、その来たるところ遠くして、その及ぼすところ広く、
田夫野人
(
でんぷやじん
)
も守り
得
(
う
)
るものであるらしい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それは、
長崎
(
ながさき
)
でつうやくをしている
森山多吉郎
(
もりやまたきちろう
)
という
人
(
ひと
)
が、いま
江戸
(
えど
)
にきて、
幕府
(
ばくふ
)
のご
用
(
よう
)
をつとめているが、
英語
(
えいご
)
ができるといううわさをきいたのです。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
カピ妻
用
(
よう
)
とは
斯
(
か
)
うぢゃ。
乳母
(
うば
)
や、ちっとの
間
(
ま
)
退席
(
はづ
)
してたも、
内密
(
ないしょう
)
の
話
(
はなし
)
ぢゃによって。……いや/\、
乳母
(
うば
)
、
戻
(
もど
)
りゃ、
一通
(
ひとゝほ
)
り
聽
(
き
)
いておいて
貰
(
もら
)
うたはうがよかった。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
欺
(
あざむ
)
き
取
(
とり
)
仕合
(
しあはせ
)
よしと
微笑合
(
ほゝゑみあひ
)
是
(
これ
)
を
斯
(
かう
)
してあゝしてと
奢
(
おご
)
る事
而已
(
のみ
)
談合
(
かたらひ
)
けり
偖
(
さて
)
其年
(
そのとし
)
も
暮
(
くれ
)
明
(
あく
)
れば
享保
(
きやうほ
)
九年春も三月と
成
(
なり
)
しに
江戸中
(
えどぢう
)
大火
(
たいくわ
)
に付此白子屋も
諸侯方
(
しよこうがた
)
を
始
(
はじ
)
め
多分
(
たぶん
)
の
用
(
よう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
旦那
(
だんな
)
や
御新造
(
ごしんぞ
)
に
宜
(
よ
)
くお
禮
(
れい
)
を申て
來
(
こ
)
いと
父
(
とゝ
)
さんが
言
(
い
)
ひましたと、
子細
(
しさい
)
を
知
(
し
)
らねば
喜
(
よろこ
)
び
顏
(
かほ
)
つらや、まづ/\
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
され、
少
(
すこ
)
し
用
(
よう
)
もあればと
馳
(
は
)
せ
行
(
ゆ
)
きて
内外
(
うちと
)
を
見廻
(
みまは
)
せば
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いや
入
(
い
)
らん、もう
死
(
し
)
ぬ
迄
(
まで
)
、ヅボンや、チヨツキ、
長靴
(
ながぐつ
)
には
用
(
よう
)
が
無
(
な
)
いのかも
知
(
し
)
れん。
然
(
しか
)
し
奇妙
(
きめう
)
な
成行
(
なりゆき
)
さ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
英
(
えい
)
國
製
(
せい
)
で、シイ・テツサア四・五
鏡玉
(
レンズ
)
、千百六十分の一
秒
(
べう
)
まで
利
(
き
)
くシヤツタア付の、手
札
(
ふだ
)
形
(
かた
)
レフレツクス、
素
(
しろ
)
人
用
(
よう
)
としては
殆
(
ほとん
)
どこの上ないものといつて
差支
(
さしつか
)
へないのだが
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
遺跡發見物中には
灰
(
はい
)
も有り
燒
(
や
)
けたる
木片
(
ぼくへん
)
も有りてコロボツクルが
火
(
ひ
)
の
用
(
よう
)
を知り居りし事は明なるが、
鉢形
(
はちがた
)
鍋形
(
なべがた
)
の土器の中には其外面の
燻
(
くす
)
ぶりたる物も有れば、
湯
(
ゆ
)
を
沸
(
わ
)
かし
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
つまり、
料理
(
れうり
)
とか
裁縫
(
さいほう
)
とか、
育兒
(
いくじ
)
とかといふ
書物以外
(
しよもついぐわい
)
に——
婦人
(
ふじん
)
が
實生活
(
じつせいくわつ
)
の
中
(
なか
)
に
勤
(
つと
)
める
役割
(
やくわり
)
に
關
(
くわん
)
した
書物以外
(
しよもついぐわい
)
に、
婦人
(
ふじん
)
にのみ
用
(
よう
)
のある
書物
(
しよもつ
)
があるかどうかといふ
事
(
こと
)
は
疑問
(
ぎもん
)
である。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
即
(
すなは
)
ち
現今
(
げんこん
)
に
於
(
おい
)
て
最
(
もつと
)
も
精巧
(
せいこう
)
なる
潜水器
(
せんすいき
)
でも、
海底
(
かいてい
)
五十
米突
(
メートル
)
以下
(
いか
)
に
沈
(
しづ
)
んでは
水
(
みづ
)
の
壓力
(
あつりよく
)
の
爲
(
た
)
めと
空氣喞筒
(
くうきポンプ
)
の
不完全
(
ふくわんぜん
)
なる
爲
(
ため
)
に、
到底
(
たうてい
)
其
(
その
)
用
(
よう
)
を
爲
(
な
)
さぬのであるから、
潜水器
(
せんすいき
)
を
用
(
もち
)
ゆる
海賊船
(
かいぞくせん
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それは
殆
(
ほと
)
んど
用
(
よう
)
をなしませんでした、
石盤
(
せきばん
)
に
何
(
なん
)
の
痕跡
(
あと
)
も
殘
(
のこ
)
らぬので。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
“用”の意味
《名詞》
(ヨウ)用事、用件。
(ヨウ)有用であること、有用性。役に立つこと。
(出典:Wiktionary)
用
常用漢字
小2
部首:⽤
5画
“用”を含む語句
入用
費用
作用
不用
用達
用意
使用
用立
信用
雑用
要用
御入用
所用
用事
小用
御用
胸算用
御用達
御用聞
採用
...