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月日
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つきひ
ふりがな文庫
“
月日
(
つきひ
)” の例文
さう云ふ
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
つて
過
(
す
)
ごす時間が、本当の時間で、穴倉で光線の試験をして
暮
(
くら
)
す
月日
(
つきひ
)
は寧ろ人生に遠い閑生涯と云ふべきものである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
月日
(
つきひ
)
のたつのは
早
(
はや
)
いもので、そのときから、もう六、七
年
(
ねん
)
はたちました。その
間
(
あいだ
)
に
叔父
(
おじ
)
さんは、
病気
(
びょうき
)
でなくなってしまわれました。
人の身の上
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そんなことをいいいい、
毎日
(
まいにち
)
暮
(
く
)
らしているうちに、
十日
(
とおか
)
たち、
二十日
(
はつか
)
たち、もうかれこれ
一月
(
ひとつき
)
あまりの
月日
(
つきひ
)
がたちました。
松山鏡
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
月日
(
つきひ
)
の
暈
(
かさ
)
が、これを
支
(
さゝ
)
ふる水氣のいと
濃
(
こ
)
き時にあたり、これを
彩
(
いろど
)
る光を卷きつゝその
邊
(
ほとり
)
に見ゆるばかりの 二二—二四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
其
(
そ
)
の
窶
(
やつ
)
れた
目
(
め
)
の
憂
(
うれ
)
へるのを
彼
(
かれ
)
は
見
(
み
)
るに
忍
(
しの
)
びなかつたからである。
彼
(
かれ
)
のさういふ
意志
(
いし
)
は
長
(
なが
)
い
月日
(
つきひ
)
の
病苦
(
びやうく
)
に
嘖
(
さいな
)
まれて
僻
(
ひが
)
んだ
女房
(
にようばう
)
の
心
(
こゝろ
)
に
通
(
つう
)
ずる
理由
(
わけ
)
がなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
道子
(
みちこ
)
は
小岩
(
こいは
)
の
色町
(
いろまち
)
へ
身売
(
みうり
)
をした
時
(
とき
)
の
年季
(
ねんき
)
と、
電話
(
でんわ
)
の
周旋屋
(
しうせんや
)
と一
緒
(
しよ
)
に
暮
(
くら
)
した
月日
(
つきひ
)
とを
胸
(
むね
)
の
中
(
うち
)
に
数
(
かぞ
)
へ
返
(
かへ
)
しながら
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
または
年祝
(
としいわ
)
いといって老人の長命を祝う日、いっぽうにはまた人が
亡
(
な
)
くなって
野辺送
(
のべおく
)
りをする
後先
(
あとさき
)
から、しだいに
月日
(
つきひ
)
がたって
月忌
(
げっき
)
年忌
(
ねんき
)
の祭りをする日まで
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
あの
本
(
ほん
)
を
作
(
つく
)
つた
時
(
とき
)
から、もう三
年
(
ねん
)
の
月日
(
つきひ
)
がたちます。
太郎
(
たらう
)
は十六
歳
(
さい
)
、
次郎
(
じらう
)
は十四
歳
(
さい
)
にもなります。
父
(
とう
)
さんの
家
(
うち
)
には、
今
(
いま
)
、
太郎
(
たらう
)
に、
次郎
(
じらう
)
に、
末子
(
すゑこ
)
の三
人
(
にん
)
が
居
(
ゐ
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何事ぞ、眞の武士の
唇頭
(
くちびる
)
に
上
(
の
)
ぼすも
忌
(
いま
)
はしき一女子の色に迷うて、
可惜
(
あたら
)
月日
(
つきひ
)
を
夢現
(
ゆめうつゝ
)
の境に
過
(
すご
)
さんとは。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
但馬さんとも相談して、私は、ほとんど身一つで、あなたのところへ参りました。
淀橋
(
よどばし
)
のアパートで暮した二
箇
(
か
)
年ほど、私にとって楽しい
月日
(
つきひ
)
は、ありませんでした。
きりぎりす
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
見
(
み
)
たい
土地
(
とち
)
はふみ
難
(
がた
)
く、
兀々
(
こつ/\
)
として
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
らねばならぬかと
思
(
おもふ
)
に、
氣
(
き
)
のふさぐも
道理
(
だうり
)
とせめては
貴孃
(
あなた
)
でもあはれんでくれ給へ、
可愛
(
かわい
)
さうなものでは
無
(
な
)
きかと
言
(
い
)
ふに
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御両親は
掌中
(
たなぞこ
)
の
璧
(
たま
)
と
愛
(
め
)
で
慈
(
いつく
)
しみ、
後
(
あと
)
にお子供が出来ませず、一粒種の事なれば
猶
(
なお
)
さらに
撫育
(
ひそう
)
される
中
(
うち
)
、
隙
(
ひま
)
ゆく
月日
(
つきひ
)
に
関守
(
せきもり
)
なく、今年は
早
(
は
)
や嬢様は十六の春を迎えられ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今
(
いま
)
斯
(
か
)
くなつて
同
(
おな
)
じ
境遇
(
きやうぐう
)
に、
長
(
なが
)
き
月日
(
つきひ
)
を
暮
(
くら
)
す
間
(
あひだ
)
には、
何時
(
いつ
)
か
君等
(
きみら
)
の
前
(
まへ
)
に、
其事
(
そのこと
)
の
表顯
(
あらはれ
)
ずには
終
(
をは
)
るまい。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
樹々
(
きゞ
)
に落葉のある如く、
月日
(
つきひ
)
にも落葉がある。無邊のあなたから吹いて來る
音無
(
おとなし
)
の風は歳月の樹々を震はせて、黄ばみ
戰
(
わなゝ
)
く月日をば順々に落してゆく。落ちてどこへ行くのだらう。
落葉
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
月日
(
つきひ
)
と
共
(
とも
)
に
傷
(
きず
)
の
疼痛
(
いたみ
)
は
薄
(
うす
)
らぎ、
又
(
また
)
傷痕
(
きずあと
)
も
癒
(
い
)
えて
行
(
ゆ
)
く。しかしそれと
共
(
とも
)
に
悔
(
くゐ
)
も
亦
(
また
)
消
(
き
)
え
去
(
さ
)
るものゝやうに
思
(
おも
)
つたのは
間違
(
まちが
)
ひであつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
今
(
いま
)
初
(
はじ
)
めて
誠
(
まこと
)
の
悔
(
くゐ
)
を
味
(
あぢ
)
はつたやうな
氣
(
き
)
がした。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
このまま
引
(
ひ
)
いてしまったら、
折角
(
せっかく
)
鍛
(
きた
)
えたおのが
芸
(
げい
)
を、
根
(
ね
)
こそぎ
棄
(
す
)
てなければならぬ
悲
(
かな
)
しさ。それゆえ、
秋
(
あき
)
の
野
(
の
)
に
鳴
(
な
)
く
虫
(
むし
)
にも
劣
(
おと
)
る、はかない
月日
(
つきひ
)
を
過
(
す
)
ごして
来
(
き
)
たが、……おせんちゃん。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
僕
(
ぼく
)
が
此校長
(
このかうちやう
)
の
下
(
もと
)
に
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
に
居
(
ゐ
)
たのは二
年半
(
ねんはん
)
で、
月日
(
つきひ
)
にすれば
言
(
い
)
ふに
足
(
た
)
らず、十二
歳
(
さい
)
より十五
歳
(
さい
)
まで、
人
(
ひと
)
の
年齡
(
ねんれい
)
にすれば
腕白盛
(
わんぱくざかり
)
でありましたけれど、
僕
(
ぼく
)
が
眞
(
しん
)
の
教育
(
けういく
)
を
受
(
う
)
けたのは
此時
(
このとき
)
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
だん/\
月日
(
つきひ
)
の
經
(
へ
)
るに
從
(
したが
)
つて
日本
(
につぽん
)
でも
青銅器
(
せいどうき
)
を
造
(
つく
)
るようになつたのでありますが、
材料
(
ざいりよう
)
はやはり
多
(
おほ
)
くは
支那
(
しな
)
から
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
たものでありまして、
時
(
とき
)
には
支那
(
しな
)
から
輸入
(
ゆにゆう
)
した
古錢
(
こせん
)
を
鑄
(
ゐ
)
つぶして
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
里
(
さと
)
の
言葉
(
ことば
)
を
知
(
し
)
らぬ
身
(
み
)
も、
戀
(
こひ
)
には
女
(
をんな
)
賢
(
さかし
)
うして、
袖
(
そで
)
に
袂
(
たもと
)
に
蔽
(
おほ
)
ひしが、
月日
(
つきひ
)
經
(
た
)
つまゝ、
鶴
(
つる
)
はさすがに
年
(
とし
)
の
功
(
こう
)
、
己
(
おの
)
が
頭
(
かしら
)
の
色
(
いろ
)
や
添
(
そ
)
ふ、
女
(
むすめ
)
の
乳
(
ちゝ
)
の
色
(
いろ
)
づきけるに、
總毛
(
そうげ
)
を
振
(
ふる
)
つて
仰天
(
ぎやうてん
)
し、
遍
(
あまね
)
く
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
掻搜
(
かきさが
)
して
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それが
月日
(
つきひ
)
を
経
(
ふ
)
るに従い、黄身は黄身、白身は白身と分かれ、さらに進んでは頭もでき、手も足もそなわり、一つの
雛
(
ひな
)
に
化
(
か
)
するように、きわめて幼少の折から自然的に各分業的の
萠
(
きざし
)
あるものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「
月日
(
つきひ
)
は流れ、歳は人を待ってはくれないものですが……」
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
入る
中
(
うち
)
月日
(
つきひ
)
の
關守
(
せきもり
)
なくはや十八年の
星霜
(
せいさう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
明日
(
あす
)
の
月日
(
つきひ
)
のないものを。
ゴンドラの唄
(旧字旧仮名)
/
吉井勇
(著)
これや
月日
(
つきひ
)
の
破壞
(
はゑ
)
ならじ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
月日
(
つきひ
)
がたつにつれて、ガラスのびんはしぜんに
汚
(
よご
)
れ、また、ちりがかかったりしました。
飴
(
あめ
)
チョコは、
憂鬱
(
ゆううつ
)
な
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
ったのであります。
飴チョコの天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
一見
(
いつけん
)
こだわりの
無
(
な
)
ささうな
是等
(
これら
)
の
人
(
ひと
)
の
月日
(
つきひ
)
と、
自分
(
じぶん
)
の
内面
(
ないめん
)
にある
今
(
いま
)
の
生活
(
せいくわつ
)
とを
比
(
くら
)
べて、
其
(
その
)
懸隔
(
けんかく
)
の
甚
(
はなは
)
だしいのに
驚
(
おど
)
ろいた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
年齡
(
とし
)
を
積
(
つ
)
むに
從
(
したが
)
つて
短
(
みじか
)
く
感
(
かん
)
ずる
月日
(
つきひ
)
がさういふ
間
(
あひだ
)
に
循環
(
じゆんくわん
)
して、くすんで
見
(
み
)
えることの
多
(
おほ
)
い
江戸川
(
えどがは
)
の
水
(
みづ
)
を
往復
(
わうふく
)
する
通運丸
(
つううんまる
)
の
牛
(
うし
)
が
吼
(
ほ
)
えるやうな
汽笛
(
きてき
)
も
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
みて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
こういう
楽
(
たの
)
しい、
平和
(
へいわ
)
な
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
り
迎
(
むか
)
えするうちに、
今年
(
ことし
)
は
子供
(
こども
)
がもう七つになりました。それはやはり
野面
(
のづら
)
にはぎやすすきの
咲
(
さ
)
き
乱
(
みだ
)
れた
秋
(
あき
)
の
半
(
なか
)
ばのことでした。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
表向
(
おもてむ
)
きには
何
(
なん
)
とも
無
(
な
)
い
月日
(
つきひ
)
を
大凡
(
おほよそ
)
どの
位
(
くらい
)
送
(
おく
)
つた
物
(
もの
)
で
御座
(
ござ
)
んすか、
今
(
いま
)
の
千葉
(
ちば
)
が
樣子
(
やうす
)
を
御覽
(
ごらん
)
じても、
彼
(
あ
)
れの
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
ならばと
大底
(
たいてい
)
にお
合點
(
がてん
)
が
行
(
ゆき
)
ましよ、
病氣
(
びやうき
)
して
煩
(
わづら
)
つて、お
寺
(
てら
)
の
物
(
もの
)
に
成
(
なり
)
ましたを
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
芳町
(
よしちょう
)
と
蔵前
(
くらまえ
)
に
別
(
わか
)
れ
別
(
わか
)
れに
住
(
す
)
むようになったばかりに、いつか
会
(
あ
)
って
語
(
かた
)
る
日
(
ひ
)
もなく二
年
(
ねん
)
は三
年
(
ねん
)
三
年
(
ねん
)
は五
年
(
ねん
)
と、
速
(
はや
)
くも
月日
(
つきひ
)
は
流
(
なが
)
れ
流
(
なが
)
れて、
辻番付
(
つじばんづけ
)
の
組合
(
くみあわ
)
せに、
振袖姿
(
ふりそですがた
)
の
生々
(
いきいき
)
しさは
見
(
み
)
るにしても
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
月日
(
つきひ
)
は過ぎて行く。いつかわれわれは舟遊びにも飽きて舟を借りにも行かなくなってから、また更に月日がたつ。尋常中学を出て専門の学校も卒業した後、或会社に雇われて
亜米利加
(
アメリカ
)
へ行った。
向島
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一
年
(
ねん
)
、二
年
(
ねん
)
、三
年
(
ねん
)
と、
月日
(
つきひ
)
の
車
(
くるま
)
は
我等
(
われら
)
の
仕事
(
しごと
)
の
進行
(
すゝみ
)
と
同
(
おな
)
じ
速力
(
そくりよく
)
に
※去
(
すぎさ
)
つて、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
が
兼
(
かね
)
て
豫定
(
よてい
)
した
通
(
とう
)
りに、
世
(
よ
)
にも
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
も、
今
(
いま
)
は
九分九厘
(
くぶくりん
)
まで
竣成
(
しゆんせい
)
し、いよ/\
今
(
この
)
二月
(
にぐわつ
)
の十一
日
(
にち
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その
明
(
あ
)
くる
年
(
とし
)
も、またつぎの
明
(
あ
)
くる
年
(
とし
)
も、つばめは
夏
(
なつ
)
の
初
(
はじ
)
めになると、
飛
(
と
)
んできました。そして、
長
(
なが
)
い
月日
(
つきひ
)
をそこに
送
(
おく
)
りました。
つばめの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「それじゃぼくより七つばかり若い。七年もあると、人間はたいていの事ができる。しかし
月日
(
つきひ
)
はたちやすいものでね。七年ぐらいじきですよ」
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼等
(
かれら
)
は
平生
(
へいぜい
)
家族
(
かぞく
)
に
交
(
まじ
)
つて、
其
(
その
)
老衰
(
らうすゐ
)
の
身
(
み
)
がどうしても
自然
(
しぜん
)
に
壯者
(
さうしや
)
の
間
(
あひだ
)
に
疎外
(
そぐわい
)
されつゝ、
各自
(
かくじ
)
は
寧
(
むし
)
ろ
無意識
(
むいしき
)
でありながら
然
(
しか
)
も
鬱屈
(
うつくつ
)
して
懶
(
ものう
)
い
月日
(
つきひ
)
を
過
(
すご
)
しつゝある
時
(
とき
)
に
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「まあ、お
前
(
まえ
)
がここへ
来
(
き
)
なすってからもう三
年
(
ねん
)
になるよ。
月日
(
つきひ
)
のたつのは
早
(
はや
)
いものだね。」
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
憂
(
う
)
きに
月日
(
つきひ
)
の
長
(
なが
)
からん
事
(
こと
)
愁
(
つ
)
らや、
何事
(
なにごと
)
もさらさらと
捨
(
す
)
てヽ、
憂
(
う
)
からず
面白
(
おもしろ
)
からず
暮
(
くら
)
したき
願
(
ねが
)
ひなるに、
春風
(
はるかぜ
)
ふけば
花
(
はな
)
めかしき、
枯木
(
かれき
)
ならぬ
心
(
こヽろ
)
のくるしさよ、
哀
(
あは
)
れ
月
(
つき
)
は
無
(
な
)
きか
此胸
(
このむね
)
はるけたきにと
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今
(
いま
)
になつて
回想
(
かんがへ
)
ると、三
年
(
ねん
)
の
月日
(
つきひ
)
もさて/\
速
(
はや
)
いものだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いつしか、
月日
(
つきひ
)
はたちました。いつか、
南
(
みなみ
)
の
方
(
ほう
)
の
港
(
みなと
)
の
町
(
まち
)
にいってから三
年
(
ねん
)
めになりました。
冬
(
ふゆ
)
が、またやってきましたときに
気まぐれの人形師
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
機會
(
きくわい
)
に、
佐伯
(
さへき
)
の
消息
(
せうそく
)
は
折々
(
をり/\
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
耳
(
みゝ
)
へ
洩
(
も
)
れる
事
(
こと
)
はあるが、
其外
(
そのほか
)
には、
全
(
まつた
)
く
何
(
なに
)
をして
暮
(
く
)
らしてゐるか、
互
(
たがひ
)
に
知
(
し
)
らないで
過
(
すご
)
す
月日
(
つきひ
)
が
多
(
おほ
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
猶
(
なほ
)
其人
(
そのひと
)
の
戀
(
こひ
)
しきも
愁
(
つ
)
らく、
涙
(
なみだ
)
に
沈
(
しづ
)
んで
送
(
おく
)
る
月日
(
つきひ
)
に、
知
(
し
)
らざりしこそ
幼
(
をさ
)
なけれ、
憂
(
う
)
き
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
に
憂
(
う
)
きを
重
(
かさ
)
ねて、
宿
(
やど
)
りし
胤
(
たね
)
の
五月
(
さつき
)
とは、
扨
(
さて
)
もと
計
(
ばか
)
り
身
(
み
)
を
投
(
なげ
)
ふして
泣
(
なき
)
けるが、
今
(
いま
)
は
人
(
ひと
)
にも
逢
(
あ
)
はじ
物
(
もの
)
も
思
(
おも
)
はじ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
は、
月日
(
つきひ
)
を
流
(
なが
)
れる
水
(
みず
)
にたとえましたが、まことに、ひとときもとどまることなく、いずくへか
去
(
さ
)
ってしまうものです。
たましいは生きている
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此
(
この
)
二三
年
(
ねん
)
の
月日
(
つきひ
)
で
漸
(
やうや
)
く
癒
(
なほ
)
り
掛
(
か
)
けた
創口
(
きずぐち
)
が、
急
(
きふ
)
に
疼
(
うづ
)
き
始
(
はじ
)
めた。
疼
(
うづ
)
くに
伴
(
つ
)
れて
熱
(
ほて
)
つて
來
(
き
)
た。
再
(
ふたゝ
)
び
創口
(
きずぐち
)
が
裂
(
さ
)
けて、
毒
(
どく
)
のある
風
(
かぜ
)
が
容赦
(
ようしや
)
なく
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
みさうになつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
描
(
ゑが
)
かぬ
畫
(
ゑ
)
もおなじ
事
(
こと
)
御覽
(
ごらん
)
じ
知
(
し
)
る
筈
(
はず
)
もあらねば
萬一
(
もし
)
やの
頼
(
たの
)
みも
無
(
な
)
きぞかし
笑
(
わら
)
はるゝか
知
(
し
)
らねども
思
(
おも
)
ひ
初
(
そめ
)
し
最初
(
はじめ
)
より
此願
(
このねが
)
ひ
叶
(
かな
)
はずは一
生
(
しやう
)
一人
(
ひとり
)
で
過
(
す
)
ぐす
心
(
こゝろ
)
憂
(
う
)
きに
送
(
おく
)
る
月日
(
つきひ
)
のほどに
思
(
おも
)
ひこがれて
死
(
し
)
ねばよし
命
(
いのち
)
が
若
(
も
)
しも
無情
(
つれな
)
くて
如何
(
いか
)
に
美
(
う
)
るは
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
月日
(
つきひ
)
がたって、いつしか
政
(
せい
)
一は、
上級生
(
じょうきゅうせい
)
となりました。
彼
(
かれ
)
は、また
釣
(
つ
)
りが
大好
(
だいす
)
きなので、
祭日
(
さいじつ
)
や、
日曜日
(
にちようび
)
などには、よく
釣
(
つ
)
りに
出
(
で
)
かけました。
窓の内と外
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此塵
(
このちり
)
は二三十年かゝつて漸く
積
(
つも
)
つた貴とい
塵
(
ちり
)
である。静かな
月日
(
つきひ
)
に打ち勝つ程の静かな
塵
(
ちり
)
である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
花
(
はな
)
の
下
(
した
)
ふむ
露
(
つゆ
)
のあした
双
(
なら
)
ぶる
翅
(
つばさ
)
の
胡蝶
(
こてふ
)
うらやましく
用事
(
ようじ
)
にかこつけて
折々
(
をり/\
)
の
訪
(
とひ
)
おとづれに
餘所
(
よそ
)
ながら
見
(
み
)
る
花
(
はな
)
の
面
(
おもて
)
わが
物
(
もの
)
ながら
許
(
ゆる
)
されぬ
一重垣
(
ひとへがき
)
にしみ/″\とは
物
(
もの
)
言交
(
いひかは
)
すひまもなく
兎角
(
とかく
)
うらめしき
月日
(
つきひ
)
なり
隙行
(
ひまゆ
)
く
駒
(
こま
)
に
形
(
かたち
)
もあらば
我
(
わ
)
れ
手綱
(
たづな
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
子供
(
こども
)
は、ここの
家
(
うち
)
から、かしこの
家
(
うち
)
へというふうに
移
(
うつ
)
り
変
(
か
)
わって、だんだん
月日
(
つきひ
)
とともに
大
(
おお
)
きくなっていったのであります。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そうしてただ自然の恵から来る
月日
(
つきひ
)
と云う
緩和剤
(
かんわざい
)
の力だけで、ようやく落ちついた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
若
(
わか
)
い
女
(
おんな
)
のうずめられたところは、いつしか、
古墳
(
こふん
)
といわれるようになりました。そして、それからまた、
幾
(
いく
)
百
年
(
ねん
)
の
月日
(
つきひ
)
がたったのであります。
うずめられた鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“月日”の意味
《名詞》
月日(がっぴ、つきひ)
(つきひ)月と太陽。
(つきひ、がっぴ)暦における月と日。
(つきひ)歳月。
(出典:Wiktionary)
月
常用漢字
小1
部首:⽉
4画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“月日”で始まる語句
月日亭