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大
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おほ
ふりがな文庫
“
大
(
おほ
)” の例文
件
(
くだん
)
の
古井戸
(
ふるゐど
)
は、
先住
(
せんぢう
)
の
家
(
いへ
)
の
妻
(
つま
)
ものに
狂
(
くる
)
ふことありて
其處
(
そこ
)
に
空
(
むな
)
しくなりぬとぞ。
朽
(
く
)
ちたる
蓋
(
ふた
)
犇々
(
ひし/\
)
として
大
(
おほ
)
いなる
石
(
いし
)
のおもしを
置
(
お
)
いたり。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
市街
(
まち
)
の
中程
(
なかほど
)
に
大
(
おほ
)
きな
市場
(
いちば
)
がある、
兒童
(
こども
)
は
其處
(
そこ
)
へ出かけて、山のやうに
貨物
(
くわもつ
)
の
積
(
つん
)
である
中
(
なか
)
にふんぞり
返
(
かへ
)
つて
人々
(
ひと/″\
)
の
立騒
(
たちさわ
)
ぐのを
見
(
み
)
て居る。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
恐
(
おそ
)
ろしく
大
(
おほ
)
きな
犬
(
いぬ
)
ころが、
大
(
おほ
)
きな
圓
(
まる
)
い
眼
(
め
)
をして
愛
(
あい
)
ちやんを
見下
(
みおろ
)
して
居
(
ゐ
)
ました、
愛
(
あい
)
ちやんに
觸
(
さわ
)
らうとして
前足
(
まへあし
)
を一
本
(
ぽん
)
恐
(
おそ
)
る/\
伸
(
の
)
ばして。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其晩
(
そのばん
)
宗助
(
そうすけ
)
は
裏
(
うら
)
から
大
(
おほ
)
きな
芭蕉
(
ばせう
)
の
葉
(
は
)
を二
枚
(
まい
)
剪
(
き
)
つて
來
(
き
)
て、それを
座敷
(
ざしき
)
の
縁
(
えん
)
に
敷
(
し
)
いて、
其上
(
そのうえ
)
に
御米
(
およね
)
と
並
(
なら
)
んで
涼
(
すゞ
)
みながら、
小六
(
ころく
)
の
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
逆手
(
さかて
)
に
持
(
もち
)
し
儘
(
まゝ
)
氣
(
き
)
を
失
(
うしな
)
ひて
倒
(
たふ
)
れ
居
(
ゐ
)
たりしかば是は
何事
(
なにごと
)
ならんと
氣付
(
きつけ
)
を
與
(
あた
)
へて
樣子
(
やうす
)
を
聞
(
きく
)
に
敵討
(
かたきうち
)
なりと申
故
(
ゆゑ
)
半左衞門
(
はんざゑもん
)
大
(
おほ
)
いに驚き
早々
(
さう/\
)
町役人
(
ちやうやくにん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
彼女
(
かのぢよ
)
が
小使部屋
(
こづかひべや
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
りかゝつた
時
(
とき
)
、
大
(
おほ
)
きな
爐
(
ろ
)
の
炭火
(
すみび
)
が
妙
(
めう
)
に
赤
(
あか
)
く
見
(
み
)
える
薄暗
(
うすくら
)
い
中
(
なか
)
から、
子供
(
こども
)
をおぶつた
内儀
(
かみ
)
さんが
慌
(
あわ
)
てゝ
聲
(
こゑ
)
をかけた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ところで、
竹
(
たけ
)
の
中
(
なか
)
から
出
(
で
)
た
子
(
こ
)
は、
育
(
そだ
)
て
方
(
かた
)
がよかつたと
見
(
み
)
えて、ずん/\
大
(
おほ
)
きくなつて、
三月
(
みつき
)
ばかりたつうちに
一人前
(
いちにんまへ
)
の
人
(
ひと
)
になりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
それからいよ/\
問題
(
もんだい
)
が
大
(
おほ
)
きく
擴
(
ひろ
)
がつて、
大學人類學教室
(
だいがくじんるゐがくけうしつ
)
で『
彌生式研究會
(
やよひしきけんきうくわい
)
』が
開
(
ひら
)
かれ、
其結果
(
そのけつくわ
)
として、
加瀬探檢
(
かせたんけん
)
の
遠足會
(
えんそくくわい
)
が
催
(
もよほ
)
された。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
鹿
(
しか
)
は
大
(
おほ
)
きな
環
(
わ
)
をつくつて、ぐるくるぐるくる
廻
(
まは
)
つてゐましたが、よく
見
(
み
)
るとどの
鹿
(
しか
)
も
環
(
わ
)
のまんなかの
方
(
はう
)
に
気
(
き
)
がとられてゐるやうでした。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
是
(
これ
)
から
宅
(
たく
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
支度
(
したく
)
をして
居
(
ゐ
)
る
中
(
うち
)
に
長家
(
ながや
)
の者も
追々
(
おひ/\
)
悔
(
くや
)
みに
来
(
く
)
る、
差配人
(
さはいにん
)
は
葬式
(
さうしき
)
の
施主
(
せしゆ
)
が
出来
(
でき
)
たので
大
(
おほ
)
きに喜び
提灯
(
ちやうちん
)
を
点
(
つ
)
けてやつて
参
(
まゐ
)
り
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
磐梯山破裂
(
ばんだいざんはれつ
)
の
跡
(
あと
)
には
大
(
おほ
)
きな
蒸氣孔
(
じようきこう
)
を
殘
(
のこ
)
し、
火山作用
(
かざんさよう
)
は
今
(
いま
)
もなほ
盛
(
さか
)
んであるが、
眉山
(
まゆやま
)
の
場合
(
ばあひ
)
には
毫
(
ごう
)
も
右樣
(
みぎよう
)
の
痕跡
(
こんせき
)
を
止
(
とゞ
)
めなかつたのである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
ハイ、
御覽
(
ごらん
)
の
通
(
とほ
)
り、
村
(
むら
)
では
大
(
おほ
)
きな
建物
(
たてもの
)
です。しかしこのお
寺
(
てら
)
は
村中
(
むらぢう
)
の
人達
(
ひとたち
)
の
爲
(
た
)
めにあるのです。
私
(
わたし
)
はこゝに
御奉公
(
ごほうこう
)
して
居
(
ゐ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
卯平
(
うへい
)
は
其
(
そ
)
の
薄暗
(
うすぐら
)
い
家
(
うち
)
の
中
(
なか
)
に
只
(
たゞ
)
煙草
(
たばこ
)
を
吹
(
ふ
)
かしては
大
(
おほ
)
きな
眞鍮
(
しんちう
)
の
煙管
(
きせる
)
で
火鉢
(
ひばち
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
卯平
(
うへい
)
と
勘次
(
かんじ
)
とは
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
碌
(
ろく
)
に
口
(
くち
)
も
利
(
きか
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
次第に短気のまさりて
我意
(
わがまま
)
つよく、これ一つは年の
故
(
せい
)
には御座候はんなれど、随分あたりの者御機げんの取りにくく、
大
(
おほ
)
心配を致すよし
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この
日
(
ひ
)
から、
少年
(
せいねん
)
のちいさい
胸
(
むね
)
には
大
(
おほ
)
きな
黒
(
くろ
)
い
塊
(
かたまり
)
がおかれました。
妬
(
ねた
)
ましさににて
嬉
(
うれし
)
く、
悲
(
かな
)
しさににて
懐
(
なつか
)
しい
物思
(
ものおもひ
)
をおぼえそめたのです。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
私
(
わたし
)
も
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
りあのSさんのやうに
皆
(
みな
)
さんにもうお
訣
(
わか
)
れです、でもね
私
(
わたし
)
は
今
(
いま
)
、
大
(
おほ
)
きな
大
(
おほ
)
きな
丘陵
(
きうりよう
)
のやうに、
安心
(
あんしん
)
して
横
(
よこ
)
たはつてゐますのよ。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
「
無事
(
ぶじ
)
であつて
何
(
なに
)
よりじや。その
黒
(
くろ
)
い
大
(
おほ
)
きな
山
(
やま
)
とは、
鯨
(
くじら
)
ぢやつた。おそろしいこと、おそろしいこと、
聞
(
き
)
いただけでも
慄
(
ぞつ
)
とする」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
跳
(
は
)
ねかへさうとすれば、
母
(
はゝ
)
の
大
(
おほ
)
きな
肥
(
こえ
)
えた
體
(
からだ
)
が、
澤庵漬
(
たくあんづけ
)
のやうに細つこいあたしの上に乘つて、ピシヤンコにつぶしてしまふ。
お灸
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
儞
(
なんぢ
)
に欝懐の委曲を語りて、
修羅
(
しゆら
)
の苦因を晴るけんとぞ思ふ、と
大
(
おほ
)
ドロ/\で現はれ出た訳でも何でも無いが、一体将門は気の毒な人である。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
またさうした
博物館
(
はくぶつかん
)
をこしらへるには
非常
(
ひじよう
)
に
大
(
おほ
)
きな
建
(
た
)
て
物
(
もの
)
が
入
(
い
)
る、それを
見
(
み
)
て
廻
(
まは
)
るだけでも
二日
(
ふつか
)
も
三日
(
みつか
)
もかゝり、かへって
不便
(
ふべん
)
になります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
で、
私
(
わたくし
)
は
堅
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じてゐます。
若
(
も
)
し
來世
(
らいせい
)
が
無
(
な
)
いと
爲
(
し
)
たならば、
其時
(
そのとき
)
は
大
(
おほ
)
いなる
人間
(
にんげん
)
の
智慧
(
ちゑ
)
なるものが、
早晩
(
さうばん
)
是
(
こ
)
れを
發明
(
はつめい
)
しませう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その
家
(
うち
)
の
女房
(
かみさん
)
が芝居の
八百蔵
(
やほざう
)
が大の
贔屓
(
ひいき
)
だつたが、その頃不入続きで
悄気
(
しよげ
)
てゐると、狸は「八百蔵
大
(
おほ
)
へいこ」と書いて済ましてゐたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何事
(
なにごと
)
も
外國人
(
ぐわいこくじん
)
の
説
(
せつ
)
を
妄信
(
まうしん
)
する
日本人
(
にほんじん
)
は、これを
聞
(
き
)
いて
大
(
おほ
)
いに
感服
(
かんふく
)
したもので、
識見
(
しきけん
)
高邁
(
かうまい
)
と
稱
(
せう
)
せられた
故
(
こ
)
岡倉
(
をかくら
)
覺
(
かく
)
三
氏
(
し
)
の
如
(
ごと
)
きも
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
悪
(
わる
)
いラランも
少
(
すこ
)
しばかり
寂
(
さび
)
しくなつてきた。
今度
(
こんど
)
こそ
腹
(
はら
)
も
減
(
へ
)
つてきた。すると
突然
(
とつぜん
)
、ヱヴェレストの
頂上
(
てうじやう
)
から
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こえ
)
で
怒鳴
(
どな
)
るものがあつた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
(イ)
洪水
(
こうずい
)
の
豫防
(
よぼう
)
。
森林
(
しんりん
)
とは
山
(
やま
)
や
丘
(
をか
)
の
一面
(
いちめん
)
に、こんもり
木
(
き
)
が
生
(
は
)
え
茂
(
しげ
)
つて、
大
(
おほ
)
きな
深
(
ふか
)
い
林
(
はやし
)
となつてゐる
状態
(
じようたい
)
をいふのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
付記 なほ四五十年
前
(
ぜん
)
の東京にはかう云ふ歌もあつたさうである。「ねるぞ、ねだ、たのむぞ、たる木、
梁
(
はり
)
も聴け、明けの
六
(
む
)
つには起せ
大
(
おほ
)
びき」
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
でもな、
眞實
(
ほんたう
)
に
小額
(
こびたひ
)
の
處
(
ところ
)
に
雛鷄
(
ひよっこ
)
のお
睾丸程
(
きんたまほど
)
の
大
(
おほ
)
きな
腫瘤
(
こぶ
)
が
出來
(
でき
)
ましたぞや、
危
(
あぶな
)
いことよの、それで
甚
(
きつ
)
う
啼入
(
なきい
)
らッしゃった。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
秀吉
(
ひでよし
)
の
志
(
こころざし
)
大
(
おほ
)
いなるも、
一四七
はじめより
天地
(
あめつち
)
に満つるにもあらず。
一四八
柴田と
丹羽
(
には
)
が富貴をうらやみて、羽柴と云ふ
氏
(
うぢ
)
を設けしにてしるべし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
『もツと
側
(
そば
)
へ
寄
(
よ
)
つて、ほんたうに
檢死
(
けんし
)
をなさらんと、
玄竹
(
げんちく
)
檢案書
(
けんあんしよ
)
を
認
(
したゝ
)
めませんぞ。』と、
玄竹
(
げんちく
)
は
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
した。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
我国の餅花は春なり。正月十四日までを
大
(
おほ
)
正月といひ、十五日より廿日までを
小
(
こ
)
正月といふ、是
我
(
わが
)
里俗の
習
(
ならは
)
せなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
A
或程
(
なるほど
)
、
君
(
きみ
)
を
叱
(
しか
)
つたつて
仕樣
(
しやう
)
がない。
今
(
いま
)
に
俺
(
おれ
)
は
大
(
おほ
)
いに
外
(
ほか
)
の
奴等
(
やつら
)
を
叱
(
しか
)
つてやるんだから、
今日
(
けふ
)
はマア
君
(
きみ
)
と
女
(
をんな
)
の
話
(
はなし
)
でもしよう。
其
(
そ
)
の
方
(
はう
)
なら
君
(
きみ
)
の
專門
(
せんもん
)
だから。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
余
(
あま
)
り
大
(
おほ
)
きかつた
文壇的名声
(
ぶんだんてきめいせい
)
に
囚
(
とら
)
はれてゐたことも
分明
(
はつきり
)
して
来
(
き
)
た。
勿論
(
もちろん
)
学窓
(
がくそう
)
などに
落着
(
おちつ
)
いてはゐられなかつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
大
(
おほ
)
きくなりました
段
(
だん
)
か。
近々
(
きん/\
)
に
橄欖島
(
かんらんたう
)
でお
逢
(
あ
)
ひになつたら、そりや
喫驚
(
びつくり
)
なさる』とまた
兵曹
(
へいそう
)
が
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
然矣
(
しかり
)
、苦いほど酔つてゐる。こんなに酔つてゐるに
就
(
つ
)
いては
大
(
おほ
)
いに訳が有るのだ。さうして又宮さんなるものが大いに介抱して可い訳が有るのだ。宮さん!」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
たゞそれだけで
滿足
(
まんぞく
)
せずに、
新月
(
しんげつ
)
の
頃
(
ころ
)
から
注意
(
ちゆうい
)
してゐたのが、こんなに
大
(
おほ
)
きく
立派
(
りつぱ
)
に
咲
(
さ
)
いたといふようなおもしろみを
附
(
つ
)
けたのは、ほんとうはよくないのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「だん/\お
腹
(
なか
)
の
中
(
なか
)
で
大
(
おほ
)
きくなつてまゐります。もう
十日
(
とをか
)
もしたら
生
(
うま
)
れませう。」と
牝牛
(
めうし
)
はいひました。
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
「それは/\、まあいくつになんなさるかな。へえ、十三かな、
大
(
おほ
)
けえなあ。」と婆さんは云つた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
真夏の暑い日ざかりに
畑
(
はたけ
)
の雑草を取つてゐて、それから
発熱
(
ほつねつ
)
してつひに歿した。それは大正十二年七月すゑで、日本の関東に
大
(
おほ
)
地震のおこる約一ヶ月ばかり前のことである。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
混効験集に、「
大
(
おほ
)
ころ、男の事か、こしあて大ころと云へば夫の事なり」とあるコロはすなわちこれである。朝鮮にも古く「骨」の字をあててコルと
訓
(
よ
)
み、族の意義に用いた。
「ケット」と「マット」
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
小川
(
をがは
)
の
油
(
あぶら
)
のやうな
水面
(
すゐめん
)
は
大
(
おほ
)
きく
波立
(
なみだ
)
つて、
眞黒
(
まつくろ
)
な
人影
(
ひとかげ
)
が
毆
(
こは
)
れた
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
のやうに
動
(
うご
)
いてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
可
(
か
)
なり
大
(
おほ
)
きな
物價
(
ぶつか
)
の
變動
(
へんどう
)
であつて、
此間
(
このあひだ
)
に
少
(
すく
)
なからざる
商賣
(
しやうばい
)
の
不圓滑
(
ふゑんこつ
)
を
來
(
きた
)
したのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
こゝは
湯気
(
ゆげ
)
が一ぱい
籠
(
こ
)
もつてゐて、
遽
(
にはか
)
に
這入
(
はひ
)
つて
見
(
み
)
ると、しかと
物
(
もの
)
を
見定
(
みさだ
)
めることも
出來
(
でき
)
ぬ
位
(
くらゐ
)
である。その
灰色
(
はひいろ
)
の
中
(
なか
)
に
大
(
おほ
)
きい
竈
(
かまど
)
が三つあつて、どれにも
殘
(
のこ
)
つた
薪
(
まき
)
が
眞赤
(
まつか
)
に
燃
(
も
)
えてゐる。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
若
(
も
)
し前に述べたやうな大多数の婦人の正直と労力とが仏国
今日
(
こんにち
)
の富を助長して居る事の
大
(
おほ
)
いなのを想ふならば、台所に
許
(
ばか
)
り
閉籠
(
とぢこも
)
つて居る婦人の
然
(
さ
)
まで役立たないことが
解
(
わか
)
るであらう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
『南も参るので御座いますがね、どうしても出なければならない講義がありましてね、私ばかり参りましたの、皆様が
大
(
おほ
)
よろこびで大変で御座いましたの、奥様まあおめでたう御座います。』
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
此処
(
こゝ
)
でさん/″\
待
(
ま
)
たせられて、
彼此
(
かれこれ
)
三四十
分
(
ぷん
)
暗黒
(
くらやみ
)
の
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
つた
後
(
のち
)
、
漸
(
やうや
)
く
桟橋
(
さんばし
)
の
外
(
そと
)
に
出
(
で
)
ることが
出来
(
でき
)
た。
持
(
も
)
ち
出
(
だ
)
したのは
形
(
かた
)
ばかりの
小
(
ちひ
)
さな
手荷物
(
てにもつ
)
で、
大
(
おほ
)
きなトランクは
明朝
(
みやうてう
)
取
(
と
)
りに
来
(
こ
)
いとのことだ。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
不動のうねり、
大
(
おほ
)
らかに、ゆくらゆくらに
傳
(
つたは
)
らむ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
銀
(
ぎん
)
いろの
蕪
(
かぶら
)
の中に坐りたる
面黒
(
おもぐろ
)
の
眼
(
め
)
のみ
大
(
おほ
)
きな娘
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大
(
おほ
)
いなる
敵
(
てき
)
目の前に
躍
(
をど
)
り
出
(
い
)
でよと
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
大
(
おほ
)
きな
頭
(
あたま
)
を
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
我
(
わ
)
が
獲
(
え
)
ものとを
見較
(
みくら
)
べながら、かたまけると
云
(
い
)
ふ
笑方
(
ゑみかた
)
の、
半面
(
はんめん
)
大
(
おほ
)
ニヤリにニヤリとして、
岩魚
(
いはな
)
を
一振
(
ひとふり
)
、ひらめかして、また、すた/\。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
“大”を含む語句
大丈夫
大人
大概
大海
大洋
大神
大方
大切
大家
大分
大通
大臣
大変
大将
大根
大嫌
大地
大略
大王
大食
...