トップ
>
聞
>
き
ふりがな文庫
“
聞
(
き
)” の例文
柱時計
(
はしらどけい
)
は、カッタ、コット、カッタ、コットと、たゆまず
時
(
とき
)
をきざんでいましたが、
聞
(
き
)
きなれているので、かくべつ
耳
(
みみ
)
につきません。
風七題
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
串戯
(
じやうだん
)
はよして、
些細
(
さゝい
)
な
事
(
こと
)
ではあるが、おなじ
事
(
こと
)
でも、こゝは
大力
(
だいりき
)
が
可
(
い
)
い。
強力
(
がうりき
)
、と
云
(
い
)
ふと、九
段坂
(
だんざか
)
をエンヤラヤに
聞
(
き
)
こえて
響
(
ひゞき
)
が
悪
(
わる
)
い。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
近所
(
きんじょ
)
の
家
(
いえ
)
の二
階
(
かい
)
の
窓
(
まど
)
から、
光子
(
みつこ
)
さんの
声
(
こえ
)
が
聞
(
き
)
こえていた。そのませた、
小娘
(
こむすめ
)
らしい
声
(
こえ
)
は、
春先
(
はるさき
)
の
町
(
まち
)
の
空気
(
くうき
)
に
高
(
たか
)
く
響
(
ひび
)
けて
聞
(
き
)
こえていた。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
宜
(
よ
)
きことにして
金
(
かね
)
やらん
妾
(
せう
)
になれ
行々
(
ゆく/\
)
は
妻
(
つま
)
にもせんと
口惜
(
くちを
)
しき
事
(
こと
)
の
限
(
かぎ
)
り
聞
(
き
)
くにつけても
君
(
きみ
)
さまのことが
懷
(
なつ
)
かしく
或
(
あ
)
る
夜
(
よ
)
にまぎれて
國
(
くに
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
可愛
(
かはい
)
さうに
景氣
(
けいき
)
のよい
聲
(
こゑ
)
、
肺臟
(
はいざう
)
から
出
(
で
)
る
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いたのは十
年
(
ねん
)
ぶりのやうな
氣
(
き
)
がして、
自分
(
じぶん
)
は
思
(
おも
)
はず
立上
(
たちあが
)
つた。
見
(
み
)
れば
友人
(
いうじん
)
M君
(
エムくん
)
である。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
会衆は
蠱惑
(
こわく
)
されて
聞
(
き
)
き
惚
(
ほ
)
れていた。底の底から清められ深められたクララの心は、露ばかりの愛のあらわれにも嵐のように感動した。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
この
話
(
はなし
)
を
但馬守
(
たじまのかみ
)
が、
與力
(
よりき
)
から
聞
(
き
)
いて、一
層
(
そう
)
玄竹
(
げんちく
)
が
好
(
す
)
きになつたのであつた。それからもう
一
(
ひと
)
つ、
玄竹
(
げんちく
)
が
但馬守
(
たじまのかみ
)
を
喜
(
よろこ
)
ばせた
逸話
(
いつわ
)
がある。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
皆
(
みな
)
は
又
(
また
)
少時
(
しばし
)
默
(
もく
)
して
了
(
しま
)
ふ。
其中
(
そのうち
)
に
茶
(
ちや
)
が
出
(
で
)
る。ドクトル、ハヾトフは
皆
(
みな
)
との一
般
(
ぱん
)
の
話
(
はなし
)
の
中
(
うち
)
も、
院長
(
ゐんちやう
)
の
言
(
ことば
)
に
注意
(
ちゆうい
)
をして
聞
(
き
)
いてゐたが
突然
(
だしぬけ
)
に。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
帽子屋
(
ばうしや
)
はこれを
聞
(
き
)
いて
著
(
いちじる
)
しく
其
(
そ
)
の
眼
(
め
)
を
瞪
(
みは
)
りました、が、
云
(
い
)
つたことは、『
何故
(
なぜ
)
嘴太鴉
(
はしぶとがらす
)
が
手習机
(
てならひづくゑ
)
に
似
(
に
)
てるか?』と、
只
(
たゞ
)
これだけでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
私
(
わたくし
)
は
未
(
ま
)
だ
此
(
この
)
大佐
(
たいさ
)
とは
甞
(
かつ
)
て
面會
(
めんくわい
)
した
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いが、
兼
(
かね
)
て
聞
(
き
)
く
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
とは
無二
(
むに
)
の
親友
(
しんいう
)
で、また、
私
(
わたくし
)
の
爲
(
ため
)
には
終世
(
しゆうせい
)
忘
(
わす
)
るゝ
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
ない
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
おじいさんは
今
(
いま
)
まで
一人
(
ひとり
)
ぼっちで、
寂
(
さび
)
しくってたまらなかったところですから、
声
(
こえ
)
を
聞
(
き
)
くとやっと
生
(
い
)
き
返
(
かえ
)
ったような
気
(
き
)
がしました。
瘤とり
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
此返事
(
このへんじ
)
を
聞
(
き
)
いて、むつと
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つた。
頭巾
(
づきん
)
の
下
(
した
)
に
歯
(
は
)
を
剥出
(
むきだ
)
して、
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
い
)
い
頸元
(
えりもと
)
に
伸
(
の
)
し
掛
(
かゝ
)
ると
向
(
むかう
)
は
後退
(
あとすざり
)
もしない。また
質
(
き
)
いて
見
(
み
)
た。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
しかし
祖父
(
そふ
)
が
聞
(
き
)
きたいと思ってるのは、そんなものではなかった。
祖父
(
そふ
)
は口をつぐんで、もうクリストフに取りあわない
風
(
ふう
)
をした。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
しかし、之を
聞
(
き
)
いてゐる中に、下人の心には、
或
(
ある
)
勇氣
(
ゆうき
)
が生まれて來た。それは、さつき、
門
(
もん
)
の
下
(
した
)
でこの男に缺けてゐた勇氣である。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勘次
(
かんじ
)
はお
品
(
しな
)
が
病氣
(
びやうき
)
に
罹
(
かゝ
)
つたのだといふのを
聞
(
き
)
いて
萬一
(
もし
)
かといふ
懸念
(
けねん
)
がぎつくり
胸
(
むね
)
にこたへた。さうして
反覆
(
くりかへ
)
してどんな
鹽梅
(
あんばい
)
だと
聞
(
き
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「そうともそうとも。こうなったら、
急
(
いそ
)
いでくれろと
頼
(
たの
)
まれても、
足
(
あし
)
がいうことを
聞
(
き
)
きませんや。あっしと
仙蔵
(
せんぞう
)
との、
役得
(
やくとく
)
でげさァね」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それから二三日は、代助も
門野
(
かどの
)
も平岡の消息を
聞
(
き
)
かずに
過
(
す
)
ごした。
四日目
(
よつかめ
)
の
午過
(
ひるすぎ
)
に代助は
麻布
(
あざぶ
)
のある
家
(
いへ
)
へ園遊会に呼ばれて
行
(
い
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのやうな
語
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
かせて
予
(
わし
)
を
切
(
き
)
りさいなむとは
酷
(
むご
)
いわい、つれないわい、それでも
高僧
(
かうそう
)
か、
司悔僧
(
しくわいそう
)
か、
教導師
(
けうどうし
)
か、
莫逆
(
ばくぎゃく
)
と
誓
(
ちか
)
うた
信友
(
しんいう
)
か?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それは、お
日様
(
ひさま
)
が
温
(
あたたか
)
く
照
(
て
)
っているのを
見
(
み
)
たり、
雲雀
(
ひばり
)
の
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
いたりして、もうあたりがすっかりきれいな
春
(
はる
)
になっているのを
知
(
し
)
りました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
聞
(
き
)
けばこの
村
(
むら
)
はかつて
壯丁
(
そうてい
)
の
多數
(
たすう
)
が
出漁中
(
しゆつりようちゆう
)
に
火
(
ひ
)
を
失
(
しつ
)
して
全村
(
ぜんそん
)
灰燼
(
かいじん
)
に
歸
(
き
)
したことがあるさうで、これに
鑑
(
かんが
)
みて
其後
(
そのご
)
女子
(
じよし
)
の
消防隊
(
しようぼうたい
)
をも
編成
(
へんせい
)
し
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「
無事
(
ぶじ
)
であつて
何
(
なに
)
よりじや。その
黒
(
くろ
)
い
大
(
おほ
)
きな
山
(
やま
)
とは、
鯨
(
くじら
)
ぢやつた。おそろしいこと、おそろしいこと、
聞
(
き
)
いただけでも
慄
(
ぞつ
)
とする」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
その一方の
土手
(
どて
)
むこう、
外
(
そと
)
ぼりをへだてた
城外
(
じょうがい
)
の
柳
(
やなぎ
)
のかげに、耳に手をかざして、館のなかの
騒音
(
そうおん
)
をジッと
聞
(
き
)
いている者がある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あなたは、なんでも
知
(
し
)
つておいでなされるといふことであるから、これをお
彈
(
ひ
)
きになるでせう。一つ
彈
(
ひ
)
いて
聞
(
き
)
かせて
下
(
くだ
)
さい」
今昔物語:21 大江匡衡が歌をよむ話
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
『すると、あの
石
(
いし
)
の
斧
(
をの
)
や
石
(
いし
)
の
鏃
(
やぢり
)
や、あれ
等
(
ら
)
と
同時代
(
どうじだい
)
の
製作
(
せいさく
)
ですか』と
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
ると。『
然
(
さ
)
うです、三千
年
(
ねん
)
前
(
ぜん
)
のコロボツクル
人種
(
じんしゆ
)
の
遺物
(
ゐぶつ
)
です。 ...
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
金工
(
かざりや
)
は
仕事場
(
しごとば
)
へ
坐
(
すわ
)
って、
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
を
造
(
つく
)
っていましたが、
家根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
で
歌
(
うた
)
っている
鳥
(
とり
)
の
声
(
こえ
)
を
聞
(
き
)
くと、いい
声
(
こえ
)
だと
思
(
おも
)
って、
立上
(
たちあが
)
って
見
(
み
)
に
来
(
き
)
ました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
何事
(
なにごと
)
も
外國人
(
ぐわいこくじん
)
の
説
(
せつ
)
を
妄信
(
まうしん
)
する
日本人
(
にほんじん
)
は、これを
聞
(
き
)
いて
大
(
おほ
)
いに
感服
(
かんふく
)
したもので、
識見
(
しきけん
)
高邁
(
かうまい
)
と
稱
(
せう
)
せられた
故
(
こ
)
岡倉
(
をかくら
)
覺
(
かく
)
三
氏
(
し
)
の
如
(
ごと
)
きも
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
非常
(
ひじやう
)
なもんだよ。
君
(
きみ
)
は
好
(
い
)
い
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
いてくれた。
俺
(
おれ
)
の
頭腦
(
づなう
)
の
明晰
(
めいせき
)
を一
層確實
(
そうかくじつ
)
に
證據
(
しようこ
)
だてる
機會
(
きくわい
)
を
與
(
あた
)
へてくれた
事
(
こと
)
を
君
(
きみ
)
に
感謝
(
かんしや
)
するね。
待
(
ま
)
ちたまへ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
「えいくそッ、びっくりした。おかしらなどと
呼
(
よ
)
ぶんじゃねえ、
魚
(
さかな
)
の
頭
(
あたま
)
のように
聞
(
き
)
こえるじゃねえか。ただかしらといえ。」
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
あの
牌音
(
パイおと
)
を
聞
(
き
)
くといふ
力強
(
ちからづよ
)
い
魅力
(
みりよく
)
がある。だからこそ、
麻雀
(
マアジヤン
)
は
少
(
すこ
)
し
遊
(
あそ
)
びを
覺
(
おぼ
)
えると、
大概
(
たいがい
)
の
人
(
ひと
)
が一
時
(
じ
)
熱病的
(
ねつびやうてき
)
になつてしまふ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
S、H
氏
(
し
)
だけは「
彼是
(
かれこれ
)
言
(
い
)
ふべきものぢやない。
羨望
(
せんぼう
)
すべきものぢやないか」と
言
(
い
)
つたといふことを、二三
度
(
ど
)
或青年
(
あるせいねん
)
から、
私
(
わたし
)
は
聞
(
き
)
かされてゐた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
聞
(
き
)
き
畢
(
おわ
)
りて
眠
(
ねむり
)
に就くころは、ひがし窓の
硝子
(
ガラス
)
はやほの暗うなりて、笛の音も断えたりしが、この夜イイダ姫おも影に見えぬ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「今のは
猿
(
さる
)
の
鳴
(
な
)
き声であります。これからまた
他
(
ほか
)
の
鳴
(
な
)
き声をお
聞
(
き
)
かせいたします。……さあひょっとこ人形、
鳴
(
な
)
いたり
鳴
(
な
)
いたり、犬の
鳴
(
な
)
き声」
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
再
(
さい
)
三
再
(
さい
)
四
自分
(
じぶん
)
で
研究
(
けんきう
)
して
熟考
(
じゆくかう
)
して
來
(
き
)
た
上
(
うへ
)
で
愈々
(
いよ/\
)
解
(
わか
)
らねば
其時
(
そのとき
)
始
(
はじ
)
めて
其
(
そ
)
の
理由
(
りいう
)
を
説明
(
せつめい
)
して
聞
(
き
)
かす
位
(
くらゐ
)
にして
置
(
お
)
くのであります。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
「なに
貴女
(
あなた
)
それ
程
(
ほど
)
でも有りますまいで……
何
(
なん
)
でも
聞
(
き
)
いた
程
(
ほど
)
ではないものどす……そー御心配しやはると
御子
(
をこ
)
はんより
貴女
(
あなた
)
の
方
(
ほう
)
が御よはりどすえ」
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
自分
(
じぶん
)
が
内職
(
ないしよく
)
の
金
(
かね
)
で
嫁入衣裳
(
よめいりいしよう
)
を
調
(
とゝの
)
へた
娘
(
むすめ
)
が
間
(
ま
)
もなく
実家
(
さと
)
へ
還
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
たのを
何故
(
なぜ
)
かと
聞
(
き
)
くと
先方
(
さき
)
の
姑
(
しうと
)
が
内職
(
ないしよく
)
をさせないからとの
事
(
こと
)
ださうだ(二十日)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
芳輔
(
よしすけ
)
は、十時ごろに
台所
(
だいどころ
)
からあがってこっそり自分のへやへはいった。パチリパチリと
碁
(
ご
)
の音は十二時すぎまで
聞
(
き
)
こえた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
聞
(
き
)
くところによれば橋本という人は、外見はまことに温和に柔順な好男子であったから、この人の心情を知らぬものは、この柔順らしい皮の下に
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
また
別
(
べつ
)
の
先生方
(
せんせいがた
)
からお
聞
(
き
)
きになる
場合
(
ばあひ
)
がありませう。なほ
古
(
ふる
)
いお
寺
(
てら
)
のあつたところには、
瓦
(
かはら
)
のほかに
大
(
おほ
)
きな
柱
(
はしら
)
の
礎石
(
そせき
)
が
殘
(
のこ
)
つてゐることもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
衞國
(
ゑいこく
)
の
法
(
はふ
)
、
竊
(
ひそか
)
に
君
(
きみ
)
の
車
(
くるま
)
に
駕
(
が
)
する
者
(
もの
)
は
罪
(
つみ
)
、
(一〇七)
刖
(
げつ
)
に
至
(
いた
)
る、
既
(
すで
)
にして
彌子
(
びし
)
の
母
(
はは
)
病
(
や
)
む。
人
(
ひと
)
聞
(
き
)
き、
往
(
ゆ
)
いて
夜
(
よる
)
之
(
これ
)
を
告
(
つ
)
ぐ。
彌子
(
びし
)
矯
(
いつは
)
つて
君
(
きみ
)
の
車
(
くるま
)
に
駕
(
が
)
して
出
(
い
)
づ。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
母もやっぱり、わが子の読書の声を嬉しがって
聞
(
き
)
き
惚
(
ほ
)
れています。やがて読書の声が止んで、しばらくして裏口からハタハタと駆け出して来た子供。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
汝將に京に入らんとすと
聞
(
き
)
く、請ふ吾が爲めに
恭順
(
きようじゆん
)
の意を致せと。余江戸を發して桑名に
抵
(
いた
)
り、柳原
前光
(
さきみつ
)
公軍を
督
(
とく
)
して至るに遇ふ。余爲めに之を告ぐ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
私
(
わたし
)
は、
金魚
(
きんぎょ
)
のことばかり
気
(
き
)
にしていました。それから
島本
(
しまもと
)
に、
生
(
い
)
きていた
時
(
とき
)
の
金魚
(
きんぎょ
)
はどんなだかつて
聞
(
き
)
いたんです。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
お
聞
(
き
)
きでないかあのもの
靜
(
しづ
)
かな
筧
(
かけひ
)
の
音
(
おと
)
を。
見
(
み
)
る
通
(
とほ
)
りに
雪
(
ゆき
)
は
眞白
(
ましろ
)
く
山
(
やま
)
に
積
(
つも
)
つてゐる。そして
日蔭
(
ひかげ
)
はあらゆるものの
休止
(
きうし
)
の
姿
(
すがた
)
で
靜
(
しづ
)
かに
寒
(
さむ
)
く
默
(
だま
)
りかへつてゐる。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
もし「そう言うお前は?」と
聞
(
き
)
く人があったら、私は即座に、しかも進んでブラームスのために
左袒
(
さたん
)
するだろう。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
理学士の称号を貰い、三年の大学院の研究を終えて来た丘助手にとって、博士の仰有った一言は、いくら木戸博士と
仰
(
あお
)
ぐにしても、
聞
(
き
)
き
捨
(
す
)
てになり兼ねた。
キド効果
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それから、さうさう、
苔
(
こけ
)
の
野原
(
のはら
)
の
夕陽
(
ゆふひ
)
の
中
(
なか
)
で、わたくしはこのはなしをすきとほつた
秋
(
あき
)
の
風
(
かぜ
)
から
聞
(
き
)
いたのです。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
私
(
わたくし
)
が
重
(
おも
)
い
枕
(
まくら
)
に
就
(
つ
)
いて、
起居
(
たちい
)
も
不自由
(
ふじゆう
)
になったと
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
に、
第一
(
だいいち
)
に
馳
(
は
)
せつけて、なにくれと
介抱
(
かいほう
)
に
手
(
て
)
をつくしてくれましたのは
矢張
(
やは
)
り
鎌倉
(
かまくら
)
の
両親
(
りょうしん
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
側
(
そば
)
に居た女が
聞
(
き
)
き
咎
(
とが
)
めて
理由
(
わけ
)
を訊くと、光政は宵の
間
(
ま
)
にあつた蜜柑の事を話して、あの折自分が、その位の事だつたら
此方
(
こつち
)
にも知つてゐるとでも言はうものなら
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
つたか今の話しを
聞
(
き
)
きたる
奴
(
やつ
)
は
逃
(
にが
)
しはせぬと
飛掛
(
とびかゝ
)
つて捕る
袂
(
たもと
)
を
振拂
(
ふりはら
)
ひお梅は聲立人殺し人殺しぞと
呼所
(
よぶところ
)
へ昌次郎の
後
(
あと
)
追
(
お
)
うて此所へ來かゝる親上臺は女のさけびごゑを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
トルストイ、ツルゲネーフ
等
(
とう
)
の
名
(
な
)
は
吾人
(
ごじん
)
久
(
ひさ
)
しく
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
けども、ドストイヱフスキーの
名
(
な
)
と
著書
(
ちよしよ
)
に
至
(
いた
)
りては
吾文界
(
わがぶんかい
)
に
之
(
これ
)
を
紹介
(
せうかい
)
するの
功
(
こう
)
不知庵
(
フチアン
)
に
多
(
おほ
)
しと
言
(
い
)
はざる
可
(
べ
)
からず。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
聞
常用漢字
小2
部首:⽿
14画
“聞”を含む語句
外聞
御聞
見聞
聞分
聞人
申聞
新聞
風聞
聞取
聞済
名聞
聴聞
聞説
醜聞
聞合
新聞記者
伝聞
聞流
聞違
傍聞
...