)” の例文
いながら、まさかりをほうりして、いきなりくまみつきました。そしてあしがらをかけて、どしんとびたにげつけました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
一体いつたい東海道とうかいだう掛川かけがは宿しゆくからおなじ汽車きしやんだとおぼえてる、腰掛こしかけすみかうべれて、死灰しくわいごとひかへたから別段べつだんにもまらなかつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
にん子供こどもらはそのからたいんで隣村となりむらかけていって太郎たろうとけんかをしました。しかし先方せんぽうはいつも太郎たろう一人ひとりでありました。
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
王子はうでんで、いわの上にすわりました。いつまでもじっと我慢がまんしていました。しかし、そのうちに、だんだんおそろしくなってきました。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
たま/\おんわせがしぜんとそうなっているまでだと、いくたびもおもいかえしておりますうちに、又もや朝露軒どのは
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
またくらのようなものは、おほくは今日こんにち奈良なら正倉院しようそういん御倉おくらなどにるような、みあはせた校倉あぜくらといふものであつたとおもはれます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
萬歳ばんざい難有ありがたいが、おにともまんず荒男あらくれをとこが、前後左右ぜんごさゆうからヤンヤヤンヤと揉上もみあげるので、そのくるしさ、わたくし呼吸いきまるかとおもつた。
芋蟲いもむしうでんで其頂そのいたゞきにすわり、悠々いう/\なが水煙草みづたばこ煙管きせるふかしてゐて、あいちやんや其他そのたものにも一切いつさいをくれませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それは丸太まるたんで出来できた、やっと雨露うろしのぐだけの、きわめてざっとした破屋あばらやで、ひろさはたたみならば二十じょうけるくらいでございましょう。
う云ふ時に代助は、あたま内側うちがは外側そとがはが、しつことなつた切りみ細工で出来上できあがつてゐるとしか感じ得られないくせになつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのうちたけまばらになると、何本なんぼんすぎならんでゐる、——わたしは其處そこるがはやいか、いきなり相手あひてせました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
半睡はんすいのぼんやりした夢の中で、レエヌさんにとった自分の態度を、後悔したり、肯定したり、んずほぐれつという工合にこねかえしていたが
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「つねにりきたえている胡蝶こちょうじんみましょう。ふだん武芸ぶげいをはげむのも、こういう場合ばあいのためにではありませぬか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松男君まつおくん比良夫君ひらおくんんだ。そして足掛あしかけでたおそうとしたが、比良夫君ひらおくん相撲すもう選手せんしゅだから、ぎゃくこしをひねって松男君まつおくんしてしまった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
うるさいほど沢山蠅の群が集つて、何処どこから塵埃ほこりと一緒に舞込んで来たかと思はれるやうに、鴨居だけばかりのところをんづほぐれつしたのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「自身番の疝気野郎、飛んでもねえどじをみやがって、お話にもならねえ」と、幸次郎は忌々いまいましそうに云った。
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
不味まづさうに取揃とりそろへられた晝食ひるめしへると、かれ兩手りやうてむねんでかんがへながら室内しつないあるはじめる。其中そのうちに四る。五る、なほかれかんがへながらあるいてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これが永福門院えいふくもんいんのおうたです。御覽ごらんのとほり、ものいろあひ、あはせが、非常ひじよううつくしくつくられてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
死刑しけいをば十ぶん利用りようしなければならぬといふ議論ぎろんてさせ、着々ちやく/\それを實行じつかうしようとした。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
その天棚てんだな以前もと立派りつぱはしら丁度ちやうどちひさないへ棟上むねあげでもしたやうなかたちまれたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
早朝関翁以下駅逓えきていの人々に別を告げる。斗満橋を渡って、見かえると、谷をむるあお朝霧あさぎりの中に、関翁は此方に向い、つえかしらに両手をんで其上にひたい押付おしつけて居られた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
平常着ふだんぎのまゝで御座ござりましたかとへば、はあ羽織はをりだけえてかれたやうで御座ござんす、なにつてゆきましたか、いゑそのやうにはおぼえませぬとるに、はてなとうでまれて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はじめ家族までもきづつけんという心はなかりしが、きり入りし一同いちどうの鳥銃放ちて引上げたるとき、一人足らざりしかば、怪みて臼井が邸にかえりて見しに、此男六郎が母にまれて
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そこで體を突ツ張つて、腕を足拍子あしひやうしを取つて、出來るだけえらさうに寛々ゆる/\と歩いて見る。駄目だ。些ともえらくなれない。何かむやみと氣にかゝツて、不安は槍襖やりぶすまを作ツておそツて來る。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
それはたとへば堂塔だうたふ伽藍がらんつく場合ばあひに、巨大きよだいなるおも屋根やねさゝへる必要上ひつえうじやう軸部ぢくぶ充分じうぶん頑丈ぐわんぜうかためるとか、宮殿きうでんつく場合ばあひに、その格式かくしきたもち、品位ひんゐそなへるために、優良いうれうなる材料ざいれうもち
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
死んでも、目をとじてくれたり、両手をむねの上でわせてくれる人のいないのが、気になってしかたがなかったんですね。どうか、おまえさん、もう一どいって、そうしてやってくれませんか?
ゆびしぼり胸隱くす
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
め、子供こども
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
なぞ曲路まがりみち
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
あへちうするにおよばないが、くるまうへ露呈あらは丸髷まるまげなり島田しまだなりと、散切ざんぎりの……わるくすると、揉上もみあげながやつが、かたんで、でれりとしてく。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こんどはうさぎが行司ぎょうじになって、鹿しかくまみましたが、鹿しかはすぐつのごとくまにひっくりかえされてしまいました。金太郎きんたろう
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「おれは、けてもけっして、あやまりはしない。けんかをしたら、いのちのあらんかぎりみついているだろう。その結果けっかは、どうなるのか?」
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
またそのぎにはいしあはせてかんつくることをしないで、ふたとは別々べつ/\として、いしをくりいて、おほきなかんつくるように進歩しんぽしてました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
おどしだに山間さんかんから、かわるがわるに手車てぐるまんで竹童ちくどうを助けだしてきた少女たちは、その松原の横へはいって、しきりと彼を看護かんごしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おもふかおもはないうちに、つまたけ落葉おちばうへへ、ただ一蹴ひとけりに蹴倒けたふされた、(ふたたびほとばしごと嘲笑てうせう盜人ぬすびとしづかに兩腕りやううでむと、おれの姿すがたをやつた。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
二人ふたり精神せいしんてる神經系しんけいけいは、最後さいご纖維せんゐいたまでたがひつて出來できあがつてゐた。彼等かれらおほきな水盤すゐばんおもてしたたつた二てんあぶらやうなものであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
旦那方の前ですが、ここでわたくしは飛んだドジをんでしまって、まことに面目次第もございません。
真鬼偽鬼 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
不味まずそうに取揃とりそろえられた昼食ひるめしえると、かれ両手りょうてむねんでかんがえながら室内しつないあるはじめる。そのうちに四る。五る、なおかれかんがえながらあるいている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そこあいちやんは恰度ちやうど稽古けいこときのやうに前掛まへかけうへ兩手りやうてんで、それを復習ふくしうはじめました、が其聲そのこゑ咳嗄しわがれてへんきこえ、其一語々々そのいちご/\平常いつもおなじではありませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
どうかんがへても、このいつつの現象げんしようが、ひとつの完全かんぜんやまのありさまにてゝかんじられてはません。こんなひとですから、時々とき/″\おどけたうたつくつて、ひとわらはせようとしました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
やだとつても此組このくみ大將たいしやうてくんねへ、左樣さうどぢばかりまないからとて面目めんぼくなさゝうに謝罪わびられてればれでもわたしやだともひがたく、仕方しかたところまでやるさ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三十有餘名いうよめいの、日頃ひごろおにともまん水兵等すいへいらも、いままつた無言むごんに、此處こゝ一團いちだん彼處かしこ一團いちだんたがひかほ見合みあはすばかりで、其中そのうちに二三めいは、萬一まんいちにも十二のたるうち一つでも、二つでも
吉之丞はぐったりとなり、あおのけに寝て胸の上で手をんだ、いつものらく姿勢しせいをとると、ひょっとすると、明日は眼がさめないのかも知れないと思いながら、うつらうつらしだした。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それからそれへと纏まりのない思想の断片が脳中をんずほぐれつした。
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
どぜう一尾いつぴき獲物えものい。いのを承知しやうちで、此処こゝむとふのは、けるとみづしづめたあみなかへ、なんともへない、うつくしいをんなうつる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
だからおれのくちから人生観じんせいかんなどと、しゃれたことをいうのはおかしいが、人間にんげん社会しゃかいは、てられた機械きかいのようなものだとしんじているのさ。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、小文治が乗りつけてみると、ひとりの怪人かいじん、蔦之助をみふせて鋭利えいりな短刀をその胸板むないたきとおそうとしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして鹿しかこししてくまむねみついて、みんなそうがかりでうんうんいって、金太郎きんたろうたおそうとしましたが、どうしてもたおすことができませんでした。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
さうして兩手りやうてはして、其中そのなかくろあたまんでゐるから、ひぢはさまれてかほがちつともえない。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たとへばつるぎつかのところを鹿しかつの裝飾そうしよくし、そのうへ外國がいこくではられない直線ちよくせん弧線こせんあはせた模樣もようをつけた日本風につぽんふう刀劍とうけんが、外國的がいこくてき刀劍とうけん同時どうじもちひられてゐたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)