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驚
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おどろ
ふりがな文庫
“
驚
(
おどろ
)” の例文
おじいさんは、
眼鏡
(
めがね
)
をかけて、はさみをチョキチョキと
鳴
(
な
)
らしながら、くしをもって、
若者
(
わかもの
)
の
頭髪
(
かみ
)
にくし
目
(
め
)
を
入
(
い
)
れてみて
驚
(
おどろ
)
きました。
てかてか頭の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
子家鴨達
(
あひるたち
)
は、
今
(
いま
)
まで
卵
(
たまご
)
の
殻
(
から
)
に
住
(
す
)
んでいた
時
(
とき
)
よりも、あたりがぐっとひろびろしているのを
見
(
み
)
て
驚
(
おどろ
)
いて
言
(
い
)
いました。すると
母親
(
ははおや
)
は
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
山中
(
さんちう
)
江
(
え
)
の
浦
(
うら
)
にて
晝食
(
ちうじき
)
、
古代
(
こだい
)
そつくりの
建場
(
たてば
)
ながら、
酒
(
さけ
)
の
佳
(
か
)
なる
事
(
こと
)
驚
(
おどろ
)
くばかり、
斑鯛
(
ふだひ
)
?の
煮肴
(
にざかな
)
、
蛤
(
はまぐり
)
の
汁
(
つゆ
)
、
舌
(
した
)
をたゝいて
味
(
あぢは
)
ふに
堪
(
た
)
へたり。
熱海の春
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ラプンツェルは、まだ一
度
(
ど
)
も、
男
(
おとこ
)
というものを
見
(
み
)
たことがなかったので、
今
(
いま
)
王子
(
おうじ
)
が
入
(
はい
)
って
来
(
き
)
たのを
見
(
み
)
ると、
初
(
はじ
)
めは
大変
(
たいへん
)
に
驚
(
おどろ
)
きました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
実
(
じつ
)
に
驚
(
おどろ
)
きました、
彼
(
あ
)
んなお
丈夫
(
ぢやうぶ
)
さまなお
方
(
かた
)
が
何
(
ど
)
うして
御死去
(
おなくな
)
りになつたかと
云
(
い
)
つて、
宿
(
やど
)
の
者
(
もの
)
も
宜
(
よろ
)
しう
申
(
まう
)
しました、
嚥
(
さぞ
)
お
力落
(
ちからおと
)
しで……。
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
内
(
うち
)
より
明
(
あ
)
けて
面
(
おもて
)
を
出
(
いだ
)
すは
見違
(
みちが
)
へねども
昔
(
むかし
)
は
殘
(
のこ
)
らぬ
芳之助
(
よしのすけ
)
の
母
(
はゝ
)
が
姿
(
すがた
)
なり
待
(
ま
)
つ
人
(
ひと
)
ならで
待
(
ま
)
たぬ
人
(
ひと
)
の
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らず
佇
(
たゝず
)
むかげに
驚
(
おどろ
)
かされて
物
(
もの
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
自分
(
じぶん
)
が
大学
(
だいがく
)
にいた
時分
(
じぶん
)
は、
医学
(
いがく
)
もやはり、
錬金術
(
れんきんじゅつ
)
や、
形而上学
(
けいじじょうがく
)
などと
同
(
おな
)
じ
運命
(
うんめい
)
に
至
(
いた
)
るものと
思
(
おも
)
うていたが、
実
(
じつ
)
に
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
進歩
(
しんぽ
)
である。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
機械
(
きかい
)
の
轟
(
とどろき
)
、
勞働者
(
ろうどうしや
)
の
鼻唄
(
はなうた
)
、
工場
(
こうば
)
の
前
(
まへ
)
を
通行
(
つうかう
)
する
度
(
たび
)
に、
何時
(
いつ
)
も耳にする響と聲だ。
決
(
けつ
)
して
驚
(
おどろ
)
くこともなければ、
不思議
(
ふしぎ
)
とするにも
足
(
た
)
らぬ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
最
(
さい
)
近廣津和郎氏が「さまよへる
琉球
(
りうきう
)
人」といふ
作
(
さく
)
の
主
(
しゆ
)
人
公
(
こう
)
にした青年がどうもその青年と同一人らしいので、
私
(
わたし
)
はちよつと
驚
(
おどろ
)
いてゐる。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
大臣
(
だいじん
)
たちはみんな
驚
(
おどろ
)
いて、
太子
(
たいし
)
も、このこじきも、みんなただの人ではない、
慈悲
(
じひ
)
の
功徳
(
くどく
)
を
世
(
よ
)
の中の人たちにあまねく
知
(
し
)
らせるために
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「ええ」と
領
(
うなず
)
きながら、ぼくはふいと目頭が熱くなったのに、自分で
驚
(
おどろ
)
き、汗を
拭
(
ぬぐ
)
うふりをすると、
慌
(
あわ
)
てて船室に駆け降りました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
下
(
した
)
を
見
(
み
)
ると
驚
(
おどろ
)
く
程
(
ほど
)
首
(
くび
)
が
長
(
なが
)
くなつて
居
(
ゐ
)
て、
宛
(
まる
)
でそれは、
遙
(
はる
)
か
眼下
(
がんか
)
に
横
(
よこ
)
たはれる
深緑
(
しんりよく
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
海
(
うみ
)
から
抽
(
ぬ
)
き
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
る
莖
(
くき
)
のやうに
見
(
み
)
えました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
救
(
すく
)
はん爲に
故意
(
わざ
)
と
罪
(
つみ
)
に
陷
(
おちい
)
りしならん何ぞ是を知らずして殺さんや其方は
井筒屋茂兵衞
(
ゐづつやもへゑ
)
が
惣領
(
そうりやう
)
ならんと申されければ
雲源
(
うんげん
)
驚
(
おどろ
)
き感じ今は何を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なん
)
が
故
(
ゆえ
)
に
私宅教授
(
したくけふじゆ
)
の口がありても
錢取道
(
ぜにとるみち
)
を
考
(
かんが
)
へず、
下宿屋
(
げしゆくや
)
の
婢
(
ひ
)
に、
何
(
なに
)
を
爲
(
し
)
て
居
(
ゐ
)
ると
問
(
と
)
はれて
考
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
を
爲
(
し
)
て
居
(
ゐ
)
ると
驚
(
おどろ
)
かしたるや。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
はは、
驚
(
おどろ
)
いているな。おまえはな、さっき店の前に立って、
凧
(
たこ
)
の絵を見ているうちに、ううんといってぶっ
倒
(
たお
)
れてしまったんだ。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
道子
(
みちこ
)
は
一晩
(
ひとばん
)
稼
(
かせ
)
げば
最低
(
さいてい
)
千
(
せん
)
五六
百円
(
ぴやくゑん
)
になる
身体
(
からだ
)
。
墓石
(
ぼせき
)
の
代金
(
だいきん
)
くらい
更
(
さら
)
に
驚
(
おどろ
)
くところではない。
冬
(
ふゆ
)
の
外套
(
ぐわいたう
)
を
買
(
か
)
ふよりも
訳
(
わけ
)
はない
話
(
はなし
)
だと
思
(
おも
)
つた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
然
(
しか
)
し
其
(
その
)
最
(
もつと
)
も
恐
(
おそ
)
れを
懷
(
いだ
)
くべき
金錢
(
きんせん
)
の
問題
(
もんだい
)
が
其
(
その
)
心
(
こゝろ
)
を
抑制
(
よくせい
)
するには
勘次
(
かんじ
)
は
餘
(
あま
)
りに
慌
(
あわ
)
てゝ
且
(
かつ
)
驚
(
おどろ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
醫者
(
いしや
)
は
鬼怒川
(
きぬがは
)
を
越
(
こ
)
えて
東
(
ひがし
)
に
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
... 持って歩いても
直
(
すぐ
)
に流れ出すような事はありません」小山「ヘー、
驚
(
おどろ
)
きますな。それもやっぱり今のような製法ですか」お登和嬢
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
にはそれが
意外
(
いぐわい
)
であつた。
然
(
しか
)
し
大
(
たい
)
した
綺羅
(
きら
)
を
着飾
(
きかざ
)
つた
譯
(
わけ
)
でもないので、
衣服
(
いふく
)
の
色
(
いろ
)
も、
帶
(
おび
)
の
光
(
ひかり
)
も、
夫程
(
それほど
)
彼
(
かれ
)
を
驚
(
おどろ
)
かす
迄
(
まで
)
には
至
(
いた
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
云
(
い
)
いながら
裾
(
すそ
)
の
方
(
かた
)
に立寄れる女を
蹴
(
け
)
つけんと、
掻巻
(
かいまき
)
ながらに足をばたばたさす。女房は
驚
(
おどろ
)
きてソッとそのまま
立離
(
たちはな
)
れながら
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
驚
(
おどろ
)
いて
眼
(
め
)
が
覺
(
さ
)
めたが、たしかに
猫
(
ねこ
)
の
聲
(
こゑ
)
がする、
夢
(
ゆめ
)
か
怪
(
かい
)
か、はね
起
(
お
)
きて
見
(
み
)
たら
枕
(
まくら
)
もとには
例
(
れい
)
の
兒猫
(
こねこ
)
が
座
(
すは
)
つてゐた、どこから
忍
(
しの
)
んで
來
(
き
)
たのやら。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
こう言うや、殿様はそばの刀を取って引き
抜
(
ぬ
)
こうとしました。とんまの六兵衛も、これには
驚
(
おどろ
)
き、がたがたふるえ出しました。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
驚
(
おどろ
)
いて
跡
(
あと
)
を
見送
(
みおく
)
つてゐる
閭
(
りよ
)
が
周圍
(
しうゐ
)
には、
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
盛
(
も
)
つてゐた
僧
(
そう
)
等
(
ら
)
が、ぞろ/\と
來
(
き
)
てたかつた。
道翹
(
だうげう
)
は
眞蒼
(
まつさを
)
な
顏
(
かほ
)
をして
立
(
た
)
ち
竦
(
すく
)
んでゐた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
夜
(
よる
)
になりました。こつそりでかけました。そして
見
(
み
)
て
驚
(
おどろ
)
きました。「なあんだ。こりや
石
(
いし
)
じやないか。ちえツ、
馬鹿々々
(
ばか/″\/″\
)
しい」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
鷄
(
にはとり
)
は
驚
(
おどろ
)
いて、
桐
(
きり
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に
頭
(
あたま
)
をさげて
居
(
ゐ
)
る
友伯父
(
ともをぢ
)
さんの
方
(
はう
)
へ
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
ました。そして、
髮
(
かみ
)
を
刈
(
か
)
つて
貰
(
もら
)
つて
居
(
ゐ
)
る
友伯父
(
ともをぢ
)
さんの
側
(
わき
)
で
鳴
(
な
)
きました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ある日のこと、かなり長い散歩から、昼飯に帰ってみると、
驚
(
おどろ
)
いたことには、わたしは一人きりで食事をしなければならぬことがわかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
島の上も、海の上とおなじで、一めんに
濃
(
こ
)
い
霧
(
きり
)
がたちこめていました。ところが、ニールスは、岸を見たとき、アッと
驚
(
おどろ
)
いてしまいました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
そう
言
(
い
)
いながら、
私
(
わたくし
)
は
成
(
な
)
るべく
先方
(
むこう
)
を
驚
(
おどろ
)
かさないように、
徐
(
しず
)
かに
徐
(
しず
)
かに
腰
(
こし
)
を
降
(
おろ
)
して、この
可愛
(
かわい
)
い
少女
(
しょうじょ
)
とさし
向
(
むか
)
いになりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
及
(
およ
)
びその右手のこととて、彼にのり移るのも不思議はなかったが、その後一時平静に
復
(
かえ
)
ったシャクが再び譫言を吐き始めた時、人々は
驚
(
おどろ
)
いた
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
お
絹
(
きぬ
)
とは
何人
(
なんぴと
)
ぞ、
君
(
きみ
)
驚
(
おどろ
)
く
勿
(
なか
)
れ、
藝者
(
げいしや
)
でも
女郎
(
ぢよらう
)
でもない、
海老茶
(
えびちや
)
式部
(
しきぶ
)
でも
島田
(
しまだ
)
の
令孃
(
れいぢやう
)
でもない、
美人
(
びじん
)
でもない、
醜婦
(
しうふ
)
でもない、たゞの
女
(
をんな
)
である
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
驚
(
おどろ
)
いたのはモンクスだった。敵の上半身をねらってただ一
撃
(
げき
)
と思いきや、相手は寝てしまったんだ。
拍子抜
(
ひょうしぬ
)
けがして、ぼんやりしてしまった。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
「わっ」といって二人を
驚
(
おどろ
)
かして上げようと思って、いきなり大きな声を出して二人の方に走り寄りました。ところがどうしたことでしょう。
僕の帽子のお話
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
山
(
やま
)
全体
(
ぜんたい
)
が
動
(
うご
)
いたやうだつた。
急
(
きふ
)
に
四辺
(
あたり
)
が
薄暗
(
うすくら
)
くなり、
引
(
ひ
)
き
裂
(
さ
)
けるやうな
冷
(
つめた
)
い
風
(
かぜ
)
の
唸
(
うな
)
りが
起
(
おこ
)
つてきたので、
驚
(
おどろ
)
いたラランは
宙返
(
ちうがへ
)
りしてしまつた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
私
(
わたし
)
の
人物
(
じんぶつ
)
が
全
(
まつた
)
く
想像
(
さうざう
)
と
反
(
はん
)
して
居
(
ゐ
)
たのに
驚
(
おどろ
)
いたと
云
(
い
)
ひます、
甚麼
(
どんな
)
に
反
(
はん
)
して
居
(
ゐ
)
たか聞きたいものですが、ちと
遠方
(
ゑんぱう
)
で今
問合
(
とひあは
)
せる
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
きません
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
たとへば
昆蟲
(
こんちゆう
)
の
標本室
(
ひようほんしつ
)
にはひつて
見
(
み
)
ますと、
珍
(
めづら
)
しい
蝶々
(
ちよう/\
)
や
甲蟲
(
かぶとむし
)
などの
變
(
かは
)
つた
種類
(
しゆるい
)
のものが
驚
(
おどろ
)
く
程
(
ほど
)
たくさんに
集
(
あつ
)
めてあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
聞く者その
威容
(
いよう
)
に
怖
(
おそ
)
れ弁舌に
驚
(
おどろ
)
き
這々
(
ほうほう
)
の
体
(
てい
)
にて引き
退
(
さが
)
るを常としたりきと云っているもって春琴の勢い込んだ
剣幕
(
けんまく
)
を想像することが出来よう。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
以上
(
いじやう
)
で、
吾
(
わ
)
が
敬愛
(
けいあい
)
する
讀者
(
どくしや
)
諸君
(
しよくん
)
は
髣髴
(
ほうふつ
)
として、
此
(
この
)
艇
(
てい
)
の
構造
(
かうざう
)
と
其
(
その
)
驚
(
おどろ
)
くべき
戰鬪力
(
せんとうりよく
)
について、
或
(
ある
)
想像
(
さうざう
)
を
腦裡
(
こゝろ
)
に
描
(
えが
)
かれたであらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
けれど、
寝耳
(
ねみみ
)
に水の変を聞いた、一
党
(
とう
)
のものの
驚
(
おどろ
)
きはどんなであったか。なかにも、
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
はその
急報
(
きゅうほう
)
をうけるとともに
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
コロボツクルの男子中
果
(
はた
)
して衣服を
着
(
つけ
)
ざる者有りとせばアイヌは
實
(
じつ
)
に其
無作法
(
ぶさはふ
)
に
驚
(
おどろ
)
きしならん。氣候の
寒暖
(
かんだん
)
は衣服の有無を
决定
(
けつてい
)
するものに
非
(
あら
)
ず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
彼はちょっと
驚
(
おどろ
)
いて一度遊びに来るようにいって、そのまま別れたときから、いっそうかれのことが頭から
離
(
はな
)
れなかった。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
生業
(
せいぎょう
)
ということにかかわっていれば、らちもないことにも
怖
(
お
)
じ
驚
(
おどろ
)
くばかばかしさを主人はふかく感じた。
細君
(
さいくん
)
もでてきて
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「
春重
(
はるしげ
)
の
変
(
かわ
)
り
者
(
もの
)
だってこたァ、いつも
師匠
(
ししょう
)
がいってるじゃねえか。
今
(
いま
)
さら
変
(
かわ
)
り
者
(
もの
)
ぐれえに、
驚
(
おどろ
)
くおめえでもなかろうによ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「ナニ、あんたが松吉さんだったのか。これは
驚
(
おどろ
)
いた」と、紳士はギクリと身体を
顫
(
ふる
)
わせた。「もう忘れてしまったかネ、こんな顔の男を。……」
雷
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
終夜
(
しうや
)
雨
(
あめ
)
に
湿
(
うるほ
)
ひし為め、水中を
歩
(
あゆ
)
むも
別
(
べつ
)
に意となさず、二十七名の一隊
粛々
(
しゆく/\
)
として
沼
(
ぬま
)
を
渉
(
わた
)
り、
蕭疎
(
しようそ
)
たる
藺草
(
いくさ
)
の間を
過
(
す
)
ぎ、
悠々
(
いう/\
)
たる
鳧鴨
(
ふわう
)
の群を
驚
(
おどろ
)
かす
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
官服
(
ふく
)
はもちろん懐中の金も一文も盗まれてはいなかった。そして屍骸の死に顔には「
驚
(
おどろ
)
き」の表情はあったけれども「無念」の表情は少しもない。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
粗末
(
そまつ
)
な
布
(
きれ
)
の
下衣
(
したぎ
)
しか
着
(
き
)
てゐないで、
足
(
あし
)
には
何
(
なに
)
も
履
(
は
)
かず、
眼
(
め
)
は
落着
(
おちつ
)
いてゐて、
別
(
べつ
)
に
驚
(
おどろ
)
いた
風
(
ふう
)
も
無
(
な
)
く、こちらを
見上
(
みあ
)
げた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
見物人
(
けんぶつにん
)
は
驚
(
おどろ
)
いてしまいました。なにしろ人形が
独
(
ひと
)
りで
動
(
うご
)
き
廻
(
まわ
)
るのは、見たことも
聞
(
き
)
いたこともありません。
皆
(
みな
)
立ちあがって、やんやと
喝采
(
かっさい
)
しました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ブランドは
驚
(
おどろ
)
いてコスターをだいた手をはなし、フハンの両耳をつかんで一生けんめいに戦った。人と犬! 押しつ押されつ汗みずくになってもみあった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
虐待
(
ぎやくたい
)
はずゐぶん
酷
(
ひど
)
いやうです。
或晩
(
あるばん
)
なぞ、
鉄瓶
(
てつびん
)
の
煮湯
(
にえゆ
)
をぶつかけて、
首
(
くび
)
のあたりへ
火焦
(
やけど
)
をさしたんでせう。さすがに
驚
(
おどろ
)
いて、
私
(
わたし
)
のところへやつて
来
(
き
)
たんです。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
かねて
支度
(
したく
)
してあつたお
輿
(
こし
)
に
載
(
の
)
せようとなさると、
姫
(
ひめ
)
の
形
(
かたち
)
は
影
(
かげ
)
のように
消
(
き
)
えてしまひました。
帝
(
みかど
)
も
驚
(
おどろ
)
かれて
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
驚
常用漢字
中学
部首:⾺
22画
“驚”を含む語句
吃驚
驚愕
喫驚
驚駭
驚怖
驚破
驚嘆
驚異
驚喜
頓驚
驚惶
驚懼
一驚
驚目
驚歎
驚倒
打驚
驚風
驚入
驚殺
...