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結
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むす
ふりがな文庫
“
結
(
むす
)” の例文
彼
(
かれ
)
は、この
話
(
はなし
)
をきくと、なんとなく
体
(
からだ
)
じゅうが、ぞっとしました。
女
(
おんな
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
ると、
長
(
なが
)
い
黒
(
くろ
)
い
髪
(
かみ
)
は
結
(
むす
)
ばずに、
後
(
うし
)
ろに
垂
(
た
)
れていました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
且
(
かつ
)
面白
(
おもしろ
)
い
人物
(
じんぶつ
)
であるから
交際
(
かうさい
)
して
見給
(
みたま
)
へと
云
(
い
)
ふのでありました、
是
(
これ
)
から
私
(
わたし
)
が
又
(
また
)
山田
(
やまだ
)
と
石橋
(
いしばし
)
とを
引合
(
ひきあは
)
せて、
先
(
ま
)
づ
桃園
(
とうゑん
)
に
義
(
ぎ
)
を
結
(
むす
)
んだ
状
(
かたち
)
です
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
と言いながらムクの面を見ていた時に、ふと気がつけば、その首に糸が巻いてあって、糸の下には
結
(
むす
)
び
状
(
ぶみ
)
が附けてあるのを認めました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
わたしたちの
芝居小屋
(
しばいごや
)
はさっそくできあがった。四本の木になわを
結
(
むす
)
び回して、その長方形のまん中にわたしたちは
陣取
(
じんど
)
ったのである。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
現世
(
げんせ
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
なら
愛
(
あい
)
と
欲
(
よく
)
との
二筋
(
ふたすじ
)
で
結
(
むす
)
ばれるのも
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ぬが、一たん
肉体
(
にくたい
)
を
離
(
はな
)
れた
上
(
うえ
)
は、すっかり
欲
(
よく
)
からは
離
(
はな
)
れて
了
(
しま
)
わねばならぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
餘所
(
よそ
)
の
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
は
大抵
(
たいてい
)
は
綺麗
(
きれい
)
な
赤
(
あか
)
い
帶
(
おび
)
を
締
(
し
)
めて、ぐるりと
褰
(
から
)
げた
衣物
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
は
帶
(
おび
)
の
結
(
むす
)
び
目
(
め
)
の
下
(
した
)
へ
入
(
い
)
れて
只管
(
ひたすら
)
に
後姿
(
うしろすがた
)
を
氣
(
き
)
にするのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
路
(
みち
)
も
纔
(
わずか
)
に通ずるばかり、枯れても
未
(
ま
)
だ
葎
(
むぐら
)
の
結
(
むす
)
ぼれた上へ、煙の如く降りかゝる
小雨
(
こさめ
)
を透かして、遠く其の
寂
(
さび
)
しい
状
(
さま
)
を
視
(
なが
)
めながら
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
花前は、よどみなく
決然
(
けつぜん
)
と答えて
平気
(
へいき
)
でいる。話のしりを
結
(
むす
)
ばないことになれてる主人も、ただありませんと聞いたばかりではこまった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
神聖
(
たふと
)
い
語
(
ことば
)
で
二人
(
ふたり
)
の
手
(
て
)
を
結
(
むす
)
び
合
(
あ
)
はして
下
(
くだ
)
されば、
戀
(
こひ
)
を
亡
(
ほろぼ
)
す
死
(
し
)
の
爲
(
ため
)
に
此身
(
このみ
)
が
如何樣
(
どのやう
)
にならうとまゝ。
妻
(
つま
)
と
呼
(
よ
)
ぶことさへ
叶
(
かな
)
へば、
心殘
(
こゝろのこ
)
りはない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
電氣
(
でんき
)
の一
極
(
きよく
)
を
活字
(
くわつじ
)
と
結
(
むす
)
び
付
(
つ
)
けて
置
(
お
)
いて、
他
(
た
)
の一
極
(
きよく
)
を
紙
(
かみ
)
に
通
(
つう
)
じて、
其紙
(
そのかみ
)
を
活字
(
くわつじ
)
の
上
(
うへ
)
へ
壓
(
お
)
し
付
(
つ
)
けさへすれば、すぐ
出來
(
でき
)
るのだと
小六
(
ころく
)
が
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
兎角
(
とかく
)
する
程
(
ほど
)
に
結
(
むす
)
びの
綱
(
つな
)
は
解
(
と
)
かれて、
吾等
(
われら
)
兩人
(
りやうにん
)
を
乘
(
の
)
せたる
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
は、
遂
(
つひ
)
に
勢
(
いきほひ
)
よく
昇騰
(
しようたう
)
をはじめた。
櫻木大佐等
(
さくらぎたいさら
)
は
一齊
(
いつせい
)
にハンカチーフを
振
(
ふ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
君子
(
きみこ
)
は
背
(
せ
)
のびをして
結
(
むす
)
ばれた
電氣
(
でんき
)
の
綱
(
つな
)
をほどいてゐた。とその
時
(
とき
)
、
母
(
はゝ
)
は
恰
(
あたか
)
もその
光
(
ひか
)
りに
彈
(
はじ
)
かれたやうにぱつと
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
つた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ば
何日
(
いつ
)
とて云うて來ぬかモウ今日あたりは
來然
(
きさう
)
な物と
親父
(
おやぢ
)
が
言
(
いへ
)
ば
女兒
(
むすめ
)
もまた戀しい人と二世の
縁
(
えん
)
結
(
むす
)
ぶに附て
嬉
(
うれ
)
しさの
一日
(
ひとひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わたしは
今
(
いま
)
でもこの
事
(
こと
)
だけは、
感心
(
かんしん
)
だと
思
(
おも
)
つてゐるのです。わたしと二十
合
(
がふ
)
斬
(
き
)
り
結
(
むす
)
んだものは、
天下
(
てんか
)
にあの
男
(
をとこ
)
一人
(
ひとり
)
だけですから。(
快活
(
くわいくわつ
)
なる
微笑
(
びせう
)
)
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
父
(
とう
)
さんがその
小
(
ちい
)
さな
紫
(
むらさき
)
いろの
花
(
はな
)
の
前
(
まへ
)
で
自分
(
じぶん
)
の
草履
(
ざうり
)
の
紐
(
ひも
)
を
結
(
むす
)
ばうとして
居
(
を
)
りますと、
伯父
(
をぢ
)
さんは
父
(
とう
)
さんの
側
(
そば
)
へ
來
(
き
)
て、
腰
(
こし
)
を
曲
(
こゞ
)
めて
手傳
(
てつだ
)
つて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
なにぶん
薄
(
うす
)
い
鐵
(
てつ
)
の
板
(
いた
)
でつくり、これを
革
(
かは
)
の
紐
(
ひも
)
で
結
(
むす
)
び
合
(
あは
)
せたものでありますから、
今
(
いま
)
ではぼろ/\に
壞
(
こは
)
れて、
完全
(
かんぜん
)
に
遺
(
のこ
)
つてゐるものは
稀
(
まれ
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
暗
(
やみ
)
でもてえげえ
見
(
み
)
えるだろうが、おいらァ
堅気
(
かたぎ
)
の
商人
(
しょうにん
)
で、四
角
(
かく
)
い
帯
(
おび
)
を、うしろで
結
(
むす
)
んで
来
(
き
)
た
訳
(
わけ
)
じゃねえんだ。
面目
(
めんぼく
)
ねえが
五一三分六
(
ごいちさぶろく
)
のやくざ
者
(
もの
)
だ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
兒
(
ちご
)
を
靜
(
しづ
)
かに
寢床
(
ねどこ
)
に
移
(
うつ
)
して
女子
(
をなご
)
はやをら
立上
(
たちあが
)
りぬ、
眼
(
まな
)
ざし
定
(
さだ
)
まりて
口元
(
くちもと
)
かたく
結
(
むす
)
びたるまゝ、
疊
(
たゝみ
)
の
破
(
やぶ
)
れに
足
(
あし
)
を
取
(
と
)
られず
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのとき明智は、たずなをはなして、腰のかげんでウマを走らせながら、両手でほそびきのたばをほぐし、
結
(
むす
)
び
玉
(
だま
)
をつくって、大きな輪にしました。
サーカスの怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
第二例に
於
(
おい
)
ては此部に
布目
(
ぬのめ
)
の痕を付けたり是等の遮光器は
左右兩端
(
さいうりやうはし
)
に在る紐を以て頭に
結
(
むす
)
び付けられたるものの如し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
白布
(
しらぬの
)
の
汗止
(
あせど
)
め、キッチリとうしろに
結
(
むす
)
び、思いきって
袴
(
はかま
)
を高くひっからげた
姿
(
すがた
)
——
群集
(
ぐんしゅう
)
のむかえる眼にも
涼
(
すず
)
しかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人知
(
ひとし
)
れず
忍
(
しの
)
んできた同じような
苦
(
くる
)
しみとお
互
(
たがい
)
の
憐
(
あわ
)
れみの
気持
(
きもち
)
とが、悲しいやさしみをもって二人を
結
(
むす
)
びつけていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
友染
(
いうぜん
)
の着物に
白茶錦
(
しらちやにしき
)
の帯を
矢
(
や
)
の
字
(
じ
)
結
(
むす
)
びにして、まだ小い頃から
蝶々髷
(
てふ/\まげ
)
やら
桃割
(
もゝわれ
)
を
結
(
ゆ
)
つて、銀の
薄
(
すゝき
)
の
簪
(
かんざし
)
などを挿して
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
今の私には、その氣持ちがかなりはつきり理解できるが、當時は、それを怜悧な保身術と解し、
京阪
(
かみがた
)
の人間としての本性と
結
(
むす
)
びつけて考へない
譯
(
わけ
)
にいかなかつた。
「鱧の皮 他五篇」解説
(旧字旧仮名)
/
宇野浩二
(著)
私は萱の
葉
(
は
)
の
混
(
こ
)
んだ
所
(
ところ
)
から
無理
(
むり
)
にのぞいて見ましたら二人ともメリケン
粉
(
こ
)
の
袋
(
ふくろ
)
のようなものを小わきにかかえてその口の
結
(
むす
)
び目を立ったまま
解
(
と
)
いているのでした。
二人の役人
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして福徳円満とあるこの土性で自分が居たい心持がしきりに起り、覚えて来たばかりの縁結びというのを行って見ると、どうしても自分と小歌とが
結
(
むす
)
ばらない
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
いそに
漂着
(
ひょうちゃく
)
したる丸太や竹を
梁
(
はり
)
や
桁
(
けた
)
とし、
芦
(
あし
)
を
結
(
むす
)
んで屋根を
葺
(
ふ
)
き、
苫
(
とま
)
の破片、
藻草
(
もぐさ
)
、松葉等を掛けてわずかに
雨露
(
あめつゆ
)
を
避
(
さ
)
けたるのみ。すべて
乏
(
とぼ
)
しく荒れ果てている。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
今
(
いま
)
少時
(
しばし
)
、
※
(
ねえ
)
さんの
膝
(
ひざ
)
を
枕
(
まくら
)
の
假寐
(
かりね
)
に
結
(
むす
)
んだ
愛
(
あい
)
ちやんの
夢
(
ゆめ
)
、
解
(
と
)
いてほどけば
美
(
うつく
)
しい
花
(
はな
)
の
數々
(
かず/\
)
、
色鮮
(
いろあざや
)
かにうるはしきを
摘
(
つ
)
みなして、この一
篇
(
ぺん
)
のお
伽噺
(
とぎばなし
)
は
出來
(
でき
)
あがつたのです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其後
(
そののち
)
、
帝室博物館
(
ていしつはくぶつくわん
)
に
行
(
ゆ
)
つて
陳列品
(
ちんれつひん
)
を一
見
(
けん
)
し、それから
水谷氏
(
みづたにし
)
と
交際
(
かうさい
)
を
結
(
むす
)
ぶ
樣
(
やう
)
になり、
氏
(
し
)
の
採集品
(
さいしふひん
)
を一
見
(
けん
)
し、
個人
(
こじん
)
の
力
(
ちから
)
を
以
(
もつ
)
て
帝室博物館
(
ていしつはくぶつくわん
)
以上
(
いじやう
)
の
採集
(
さいしふ
)
を
成
(
な
)
し
得
(
う
)
る
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
り。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
生
(
い
)
ける
銃架
(
じうか
)
。おう
家
(
いへ
)
を
離
(
はな
)
れて
野
(
の
)
に
結
(
むす
)
ぶ
眠
(
ねむ
)
りの
裡
(
うち
)
に、
風
(
かぜ
)
は
故郷
(
こきやう
)
のたよりをお
前
(
まへ
)
に
伝
(
つた
)
へないのか
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
冬曉
(
とうげう
)
早
(
はや
)
く
蓐
(
じよく
)
を
離
(
はな
)
れて
斗滿川
(
とまむがは
)
に
行
(
ゆ
)
き、
氷穴中
(
へうけつちゆう
)
に
結
(
むす
)
べる
氷
(
こほり
)
を
手斧
(
てをの
)
を
以
(
もつ
)
て
破
(
やぶ
)
り(
此
(
この
)
氷
(
こほり
)
の
厚
(
あつ
)
さにても
數寸餘
(
すうすんよ
)
あり)
身
(
み
)
を
沒
(
ぼつ
)
し、
曉天
(
げうてん
)
に
輝
(
かゞや
)
く
星光
(
せいくわう
)
を
眺
(
なが
)
めながら
灌水
(
くわんすゐ
)
を
爲
(
な
)
す
時
(
とき
)
の、
清爽
(
せいさう
)
なる
情趣
(
じやうしゆ
)
は
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
見えない猫の二本の前足が、細いゴムのバンドで
結
(
むす
)
んであることだった。そのゴムのバンドは、草むらの中にあって、よくよく見ないと、青二の目には、はいらない場所であった。
透明猫
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
福島、特に
郡山
(
こおりやま
)
を中心に養蚕や製糸の業が盛であります。
川俣
(
かわまた
)
は
羽二重
(
はぶたえ
)
の産地として名を成しました。ですが主に輸出ものでありますから土地の暮しとは深い
結
(
むす
)
ばりがありません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
こういう
人
(
ひと
)
たちも、みなごんごろ
鐘
(
がね
)
と、
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えない
糸
(
いと
)
で
結
(
むす
)
ばれているのだ。
僕
(
ぼく
)
はいまさら、この
大
(
おお
)
きくもない
鐘
(
かね
)
が、じつにたくさんの
人
(
ひと
)
の
生活
(
せいかつ
)
につながっていることに
驚
(
おどろ
)
かされた。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
そのうちふと
気
(
き
)
がつくと、これこそ
話
(
はなし
)
にきいた一つ
家
(
や
)
の
鬼
(
おに
)
だ、ぐずぐずしているととんでもないことになると
思
(
おも
)
って、あわててわらじのひもを
結
(
むす
)
ぶひまもなく
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
そうとしました。
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
磐代
(
いはしろ
)
の
浜松
(
はままつ
)
が
枝
(
え
)
を
引
(
ひ
)
き
結
(
むす
)
び
真幸
(
ささき
)
くあらば
亦
(
また
)
かへり
見
(
み
)
む 〔巻二・一四一〕 有間皇子
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
○さて此関山村のかたほとりに、
独
(
ひと
)
り
草庵
(
さうあん
)
を
結
(
むす
)
びて
住
(
す
)
む
源教
(
げんけう
)
といふ
念仏
(
ねんぶつ
)
の
道心坊
(
だうしんばう
)
ありけり。年は六十あまり、たゞ念仏
三昧
(
ざんまい
)
の
法師
(
はふし
)
にて、
无学
(
むがく
)
なれどもその
行
(
おこなひ
)
は
碩僧
(
せきそう
)
にもをさ/\
劣
(
おとら
)
ず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
という場合、単に
女子
(
じょし
)
という文字だけにてはさらに善悪の意を含んでおらぬが、
小人
(
しょうじん
)
という
語
(
ことば
)
と
結
(
むす
)
びあわせると、
女子
(
じょし
)
を
卑下
(
ひげ
)
する心持が現れている。ちょっと普通行わるる
諺
(
ことわざ
)
を見ても
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「誰にも言ふな、最初若旦那の柳吉は、手代の喜三郎に殺されたのだ。犬の
綱
(
つな
)
に
匕首
(
あひくち
)
を
結
(
むす
)
んだのは、喜三郎の
細工
(
さいく
)
だよ、小僧の佐吉と一緒の部屋で寢て、夜中に拔出して仕事をしたのさ」
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
是は
結
(
むす
)
んで居るうち附た癖です譬えば真直な髪の毛でもチョン髷に結べば其髷の所だけは
解
(
とい
)
た後でも揺れて居ましょう、夫と同じ事で此髪も縮れ毛では無い結んで居た為に
斯様
(
かよう
)
に癖が附たのです
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
僕はも少しで言うのを忘れてしまうところだったが、その箱は
締
(
し
)
めてありました。錠前とか、何かほかのそういったようなものでなしに、金の紐を大変込み入った
結
(
むす
)
び方にして留めてあったのです。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
教会
(
けうくわい
)
は
草木
(
さうもく
)
又
(
また
)
は
動物
(
どうぶつ
)
の如き
自然物
(
しぜんぶつ
)
にあらず、草木は
時期
(
じき
)
を
定
(
さだ
)
めて
花
(
はな
)
を
有
(
も
)
ち
菓
(
み
)
を
結
(
むす
)
び、
小児
(
せうに
)
は
或
(
あ
)
る
時期
(
じき
)
を
経過
(
けいくわ
)
すれば
成人
(
せいじん
)
して
智力
(
ちりよく
)
の
啓発
(
けいはつ
)
に至るべし、
然
(
しか
)
れども
教会
(
けうくわい
)
は
人為的
(
じんゐてき
)
なり、
復興
(
ふくこう
)
せんと
欲
(
ほつ
)
せば
明日
(
めうにち
)
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
よし飯焚を
為
(
し
)
ないにしても、朝飯とお弁当は、お冷でも善い、菜が無いなら、漬物だけでも苦しうない、といふ工合で、食ぱんのぽそ/\も、
噎
(
むせ
)
ツたいと思はず、餌を
撮
(
つま
)
んだ手で、お
結
(
むす
)
びを持ツても
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
羅馬法皇
(
ろおまほふわう
)
のやうな
薔薇
(
ばら
)
の花、世界を祝福する
御手
(
みて
)
から
播
(
ま
)
き散らし給ふ
薔薇
(
ばら
)
の花、
羅馬法皇
(
ろおまほふわう
)
のやうな
薔薇
(
ばら
)
の花、その
金色
(
こんじき
)
の
心
(
しん
)
は
銅
(
あかがね
)
づくり、その
空
(
あだ
)
なる
輪
(
りん
)
の上に、露と
結
(
むす
)
ぶ涙は
基督
(
クリスト
)
の
御歎
(
おんなげ
)
き、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
歴史上
(
れきしじよう
)
の
事實
(
じじつ
)
に
結
(
むす
)
びつけて、
考
(
かんが
)
へられたものだとおもひます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「私は、この山の上に
庵
(
あん
)
を
結
(
むす
)
んでおりますよ」
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「だけど紐が
結
(
むす
)
ぼれて——手を貸して。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
さてはまた、野に霜
結
(
むす
)
んで枯るるごと
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
喙
(
くちばし
)
の
結
(
むす
)
びたゞしく
しやうりの歌
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
或
(
あるひ
)
は
霜
(
しも
)
とおき
結
(
むす
)
び
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
“結”の意味
《名詞》
結(けつ)
漢詩の起承転結の最後。結句。
(出典:Wiktionary)
“結”の解説
結(ゆい)とは、主に小さな集落や自治単位における共同作業の制度である。一人で行うには多大な費用と期間、そして労力が必要な作業を、集落の住民総出で助け合い、協力し合う相互扶助の精神で成り立っている。
(出典:Wikipedia)
結
常用漢字
小4
部首:⽷
12画
“結”を含む語句
結局
結末
結構
結果
結髪
凝結
結合
元結
結婚
結目
結納
結句
髪結
結綿
結立
結着
引結
文七元結
手結
結直
...