)” の例文
さっそくうちけてかえって、いつか薬売くすりうりからもらいました丸薬がんやくってきて、それをにかかっているわしにのませてやりました。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれども、グレーテルはどんどんかけていきました。こうして、ばちあたりの魔法使まほうつかいは、むごたらしくんでしまったのです。
みながそれをると、子安貝こやすがひではなくてつばめ古糞ふるくそでありました。中納言ちゆうなごんはそれきりこしたず、氣病きやみもくははつてんでしまひました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
うんがわるいのだ、まがわるいのだ。若くてぬ人もいくらもある世の中だ。あきらめねばなるまい。あきらめるよりほかに道はない。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
われゆゑぬるひとのありとも御愁傷ごしうしようさまとわきくつらさ他處目よそめやしなひつらめ、さりともおりふしはかなしきことおそろしきことむねにたゝまつて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
這麼老朽こんならうきうからだんでも時分じぶんだ、とさうおもふと、たちままたなんやらこゝろそここゑがする、氣遣きづかふな、こといとつてるやうな。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わがすむ魚沼郡うをぬまこほりの内にて雪頽なだれため非命ひめいをなしたる事、其村の人のはなしをこゝにしるす。しかれども人の不祥ふしやうなれば人名じんめいつまびらかにせず。
天空そらには星影ほしかげてん、二てんた三てんかぜしてなみくろく、ふね秒一秒べういちべうと、阿鼻叫喚あびけうくわんひゞきせて、印度洋インドやう海底かいていしづんでくのである。
「あの若者わかもの毎日まいにちつっしたきり、ものべずにいる様子ようすだが、あのままいてかつえにになれでもしたら、おてらけがれになる。」
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
千九百二十四年、すなわち大正十三年に、彼はにました。これで一時代じだいが終わったといわれるほど大きな事件じけんでありました。(訳者)
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
うだ、んだとへば、生死いきしにわからなかつた、おまへ無事ぶじかほうれしさに、張詰はりつめたゆるんで落胆がつかりして、それきりつたんだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いまこそ彼女かのぢよは、をつとれい純潔じゆんけつ子供こどもまへに、たとへ一時いつときでもそのたましひけがしたくゐあかしのために、ぬことが出來できるやうにさへおもつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
秦王しんわうのちこれい、ひとをしてこれゆるさしむれば、すでせり。申子しんし韓子かんしみなしよあらはし後世こうせいつたふ、(一二一)學者がくしやおほり。
井戸いどのことは、もうおねがいしません。またどこか、ほかの場所ばしょをさがすとします。ですから、あなたはどうぞ、なないでください。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「それはわしほうからいふ言葉ことばでさあ。こうして此處こゝうまれて此處こゝでまた俺等わしらです。一つたび土産みやげはなしでもきかせてくれませんか」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
ベンヺ おゝ、ロミオ/\、マーキューシオーはおにゃったぞよ! あの勇敢ゆうかんたましひ氣短きみじか此世このよいとうて、くもうへのぼってしまうた。
で、自然しぜん私達わたくしたち対話はなしんでからのち事柄ことがらかぎられることになりました。わたくし真先まっさきにいたのは良人おっと死後しご自覚じかく模様もようでした。——
おつぎもおしなんでからくるしい生活せいくわつあひだに二たびはるむかへた。おつぎは餘儀よぎなくされつゝ生活せいくわつ壓迫あつぱくたいする抵抗力ていかうりよく促進そくしんした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「いいえ。私のいのちなんか、なんでもないんです。あなたが、もし、もっと立派りっぱにおなりになるためなら、私なんか、百ぺんでもにます」
めくらぶどうと虹 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そういう袖子そでことうさんはやもめで、中年ちゅうねんいにわかれたひとにあるように、おとこ一つでどうにかこうにか袖子そでこたちをおおきくしてきた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
然うしたら社會の人として、あるひ安楽あんらく生活せいくわつるかも知れない。しかし精神てきには、まつたんで了ツたのもおなじことなんだ!
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
何の顏さげて人にいはれん然れば其時ぬるより外に方便てだても無き身なればおそかれ早かれ死ぬ此身とても死ぬなら今日只今長庵方へ押掛ゆきいのち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
のちにわかつたが、原因げんいん青酸加里せいさんかりによる毒殺どくさつだつた。死体したい両手りょうてがつきのばされて、はちのふちにつかみかかろうという恰好かっこうをしている。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
だれ戦争せんそうまうけ、だれなんうらみもない俺達おれたちころひをさせるか、だれして俺達おれたちのためにたたかひ、なに俺達おれたち解放かいほうするかを
「だが、なんともわからないぞ、あんなにやっつけられたんじゃ、ひょっとしたらぬかもしれねえぜ。」とでも言いたそうなかおつきでした。
わたくしは一さいがくだらなくなつて、みかけた夕刊ゆふかんはふすと、また窓枠まどわくあたまもたせながら、んだやうにをつぶつて、うつらうつらしはじめた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
君は眞理のために生きにしようといふ、しかしそれは單なる言葉ではないよ。君はそれを實際に生きなければならぬのだ。
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
そんなおしゃべりをしていますと、突然とつぜん空中くうちゅうでポンポンとおとがして、二がんきずついて水草みずくさあいだちてに、あたりのみずあかそまりました。
汽車の中で炭をいてそくなったり、貨車へ乗って、カンテラをけて用を足そうとすると、そのカンテラがゆすぶれてすぐ消えてしまったり
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「『きみはずかしめらるればしんす』ということさえある。臣が君より上席に坐れば、とりもなおさず臣が君を辱めることになる」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
このうたつくりかへて、べつかはつた領分りようぶんひらいたものがあります。それは明治めいじになつてんだ京都きようと蓮月れんげつといふあまさく
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
たゞ洗禮バッテスモを受けず信仰に入らずしてぬるあらんに、かゝる人を罰する正義いづこにありや、彼信ぜざるもそのとがはたいづこにありやと 七六—七八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
魔符まふがそれに封じ込まれてあると分っていても、封を破ってぬすみ見るようなことは武門としてゆるされもせず、官兵衛としても自己にじる。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう姫君ひめぎみんだのだ、んでしまへば、もうこのはなも、とりも、うたも、ふたヽびきくこともみることもできないのだ。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
麓の活躍した心臓を圧迫するか、頂のく肺臓を黙殺するか、この二つの背反に波打って村は二派に分れていた。
花園の思想 (新字新仮名) / 横光利一(著)
せるにあらぬかといふ、夢幻むげんきやうにさまよひ、茫然ばうぜんとしてうごかずにうしろから、突然とつぜん、一黒影くろかげ出現しゆつげんした。
といふのは、せう代に両しんわかれた一人つ子の青木さんは、わづかなその遺産ゐさんでどうにか修学しうがくだけはましたものの、全く無財産むざいさんの上だつた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ひととなれ』とは先生せんせい訓言くんげんでした。ひと碌々ろく/\としてぬべきでない、ちからかぎりつくして、英雄えいゆう豪傑がうけつとなるを本懷ほんくわいとせよとは其倫理そのりんりでした。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
きていればね。だが、おそらくんでいるだろう。目に見えないねこに、えさをやる人もいないだろうからね」
うつくしといもはやねやもけりともわれるべしとひとはなくに 〔巻十一・二三五五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
くにかへつて田地でんちを買ふ約束をしたり、いへたて木材きざいを山からすやうにしたり、ちやんと手筈てはずけて江戸えどかへつてると、塩原多助しほばらたすけんでゐた。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
妹梅子の轢死体を頂戴ちょうだいいたして帰りましたが、まあこのような世間様に顔向けの出来ないようでございますから、お通夜つうやも身内だけとし、今日の夕刻ゆうこく
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
雷にうたれてぬ運命の人間が、地の此部分にあるなら、其は取りもなおさず彼でなくてはならぬ。彼は是非なく死を覚期した。彼は生命が惜しくなった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「あの老人ろうじんたすけをもとめたくはない。なあに、いのちがけでおりてみせる。ぼくぬか、それとも、うちつかだ」
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
一二 土淵村山口に新田乙蔵にったおとぞうという老人あり。村の人は乙爺おとじいという。今は九十に近くみてまさになんとす。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そしてそれが原因げんいん洞穴ほらあな研究けんきゆうをして、これを學界がつかい發表はつぴようしましたが、當時とうじたれしんずるものがなく、サウツオラは失望しつぼう落膽らくたんし、殘念ざんねんおもひながらんだのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
あたしゃんでる人形にんぎょうしくない。きた、たましいのこもった人形にんぎょうをこさえておくんなさるなら、どんな辛抱しんぼうでもすると、あれほどかた約束やくそくをしたじゃァねえか。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
韓蘇紫兼かんそしけんの筆恐くは田夫野老の舌に及ばざらん、又他の一例を引んに、後醍醐天皇新田義貞に勾当こうとうの内侍を賜わる、義貞歓喜よろこびの余り「さればねとのおおせかや」
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
よしや一の「モルヒ子」になぬためしありとも月夜つきよかまかれぬ工風くふうめぐらしべしとも、当世たうせい小説せうせつ功徳くどくさづかりすこしも其利益りやくかうむらぬ事かつるべしや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
そうして宋太郎そうたろうは、のちに西南せいなんえき西郷隆盛さいごうたかもり部下ぶかとなり、城山しろやまんだのですが、朝吹あさぶき慶応義塾けいおうぎじゅくをさかんにするうえで、なくてはならぬひとになりました。