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枝
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えだ
ふりがな文庫
“
枝
(
えだ
)” の例文
天気
(
てんき
)
のよくない
日
(
ひ
)
は、あたりが
暗
(
くら
)
く、
日
(
ひ
)
がいっそう
短
(
みじか
)
いように
思
(
おも
)
われたのです。
小鳥
(
ことり
)
がぬれながら、あちらの
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
にとまりました。
おきくと弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ジョバンニは、せわしくいろいろのことを考えながら、さまざまの
灯
(
あかり
)
や木の
枝
(
えだ
)
で、すっかりきれいに
飾
(
かざ
)
られた街を通って行きました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
しばらくすると、
此
(
こ
)
の
毛蟲
(
けむし
)
が、
盡
(
こと/″\
)
く
眞白
(
まつしろ
)
な
蝶
(
てふ
)
になつて、
枝
(
えだ
)
にも、
葉
(
は
)
にも、
再
(
ふたゝ
)
び
花片
(
はなびら
)
を
散
(
ち
)
らして
舞
(
ま
)
つて
亂
(
みだ
)
るゝ。
幾千
(
いくせん
)
とも
數
(
かず
)
を
知
(
し
)
らない。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
春の頃野山の
樹木
(
きゞ
)
の下
枝
(
え
)
は雪にうづもれたるも
稍
(
こずゑ
)
は雪の
消
(
きえ
)
たるに、シガのつきたるは玉もて作りたる
枝
(
えだ
)
のやうにて見事なるものなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
小木
(
せうぼく
)
は
枝
(
えだ
)
諸共
(
もろとも
)
に
伐
(
き
)
り
倒
(
たほ
)
して
猛進
(
まうしん
)
するのであるから、
如何
(
いか
)
なる
險山
(
けんざん
)
深林
(
しんりん
)
に
會
(
くわい
)
しても、
全
(
まつた
)
く
進行
(
しんかう
)
を
停止
(
ていし
)
せらるゝやうな
患
(
うれひ
)
はないのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
これすなわち僕の若返りの
工夫
(
くふう
)
である。要するに
脳髄
(
のうずい
)
のうちに折々
大掃除
(
おおそうじ
)
を行って、
煤
(
すす
)
、
埃
(
ごみ
)
、
芥
(
あくた
)
、
枯
(
か
)
れ
枝
(
えだ
)
等をみな払うことをしたい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
卯平
(
うへい
)
は
久振
(
ひさしぶり
)
で
故郷
(
こきやう
)
に
歳
(
とし
)
を
迎
(
むか
)
へた。
彼等
(
かれら
)
の
家
(
いへ
)
の
門松
(
かどまつ
)
は
只
(
たゞ
)
短
(
みじか
)
い
松
(
まつ
)
の
枝
(
えだ
)
と
竹
(
たけ
)
の
枝
(
えだ
)
とを
小
(
ちひ
)
さな
杙
(
くひ
)
に
縛
(
しば
)
り
付
(
つ
)
けて
垣根
(
かきね
)
の
入口
(
いりくち
)
に
立
(
た
)
てたのみである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
草原
(
くさはら
)
まできますと、あのオオカミが木のそばにねころんで、それこそ木の
枝
(
えだ
)
もふるわすくらいの、大いびきをかいてねていました。
オオカミと七ひきの子ヤギ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
山姥
(
やまうば
)
がいい
心持
(
こころも
)
ちそうに、ぱちぱちいう
枯
(
か
)
れ
枝
(
えだ
)
の
音
(
おと
)
を
雨
(
あめ
)
の
音
(
おと
)
だと
思
(
おも
)
って
聞
(
き
)
いていますと、その
間
(
ま
)
に
馬吉
(
うまきち
)
は
枯
(
か
)
れ
枝
(
えだ
)
に火をつけました。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
眩
(
まぶ
)
しいものが一
閃
(
せん
)
、
硝子
(
ガラス
)
を
透
(
とほ
)
して
私
(
わたし
)
の
眼
(
め
)
を
射
(
い
)
つた。そして一
瞬
(
しゆん
)
の
後
(
のち
)
、
小松
(
こまつ
)
の
枝
(
えだ
)
はもう
無
(
な
)
かつた。それは
光
(
ひかり
)
の
中
(
なか
)
に
光
(
ひか
)
り
輝
(
かゞや
)
く
斑點
(
はんてん
)
であつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
父
(
とう
)
さんは
枝
(
えだ
)
から
枝
(
えだ
)
をつたつて
登
(
のぼ
)
つて、
時
(
とき
)
にゆすつたりしても
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
は
怒
(
おこ
)
りもしないのみか、『もつと
遊
(
あそ
)
んでお
出
(
いで
)
。もつと
遊
(
あそ
)
んでお
出
(
いで
)
。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
雪は昨夜もふりつづいたらしく、
赤松
(
あかまつ
)
がずっしりと重く
枝
(
えだ
)
をたれており、くぬぎ林が、雪だるまをならべたようにまるまっていた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
三鷹村
(
みたかむら
)
の方から千歳村を
経
(
へ
)
て世田ヶ谷の方に流るゝ大田圃の一の小さな
枝
(
えだ
)
が、
入江
(
いりえ
)
の如く彼が家の下を東から西へ入り込んで居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
旧藩の平穏は自から原因あり私の経済話から段々
枝
(
えだ
)
がさいて長くなりましたが、
序
(
ついで
)
ながら中津藩の事に
就
(
つい
)
て、モ少し云う事があります。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
枝
(
えだ
)
からもぎとられると、はるばると、
汽車
(
きしゃ
)
や
汽船
(
きせん
)
でゆられてきたくだものは、
毎日毎日
(
まいにちまいにち
)
、つぎからつぎへといたみくさっていくのでした。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
得たりと勢込んで紀昌がその矢を放てば、飛衛はとっさに、傍なる
野茨
(
のいばら
)
の
枝
(
えだ
)
を折り取り、その
棘
(
とげ
)
の
先端
(
せんたん
)
をもってハッシと鏃を
叩
(
たた
)
き落した。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
と、
自在鉤
(
じざいかぎ
)
の
掛
(
か
)
かっている下には、つい
昨夜
(
さくや
)
焚火
(
たきび
)
をしたばかりのように新しい
灰
(
はい
)
が
積
(
つ
)
もり、木の
枝
(
えだ
)
の
燃
(
も
)
えさしが
散
(
ち
)
らばっていた。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
永年にわたる松のこしらえはどの松を見ても、
枝
(
えだ
)
をためされ
撥
(
ばち
)
と
搦
(
から
)
み竹をはさみこんで、苦しげにしかし
亭亭
(
ていてい
)
として
聳
(
そび
)
えていた。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
中
(
なか
)
には
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
に
腰
(
こし
)
かけて、
上
(
うえ
)
から
水草
(
みずくさ
)
を
覗
(
のぞ
)
くのもありました。
猟銃
(
りょうじゅう
)
から
出
(
で
)
る
青
(
あお
)
い
煙
(
けむり
)
は、
暗
(
くらい
)
い
木
(
き
)
の
上
(
うえ
)
を
雲
(
くも
)
の
様
(
よう
)
に
立
(
た
)
ちのぼりました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
あたりは青々と、光に満ちていた。風は木々の葉なみをそよがせ、時おり
木苺
(
きいちご
)
の長い
枝
(
えだ
)
を、ジナイーダの頭上で
揺
(
ゆ
)
すっていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
「イヤイヤ、あそこは深い
檜谷
(
ひのきだに
)
、何百年も
斧
(
おの
)
を
入
(
い
)
れたことのない
茂
(
しげ
)
りだ。落ちても
枝
(
えだ
)
にかかるか深い
灌木
(
かんぼく
)
の上にきまっている」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なしお
待遊
(
まちあそ
)
ばせよと
待遇
(
もてなし
)
ぶり
詞
(
ことば
)
滑
(
なめら
)
かの
人
(
ひと
)
とて
中々
(
なか/\
)
に
歸
(
かへ
)
しもせず
枝
(
えだ
)
に
枝
(
えだ
)
そふ
物
(
もの
)
がたり
花子
(
はなこ
)
いとゞ
眞面目
(
まじめ
)
になりて
斯
(
か
)
う
申
(
まを
)
してはを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして
殘
(
のこ
)
つた
四分
(
しぶん
)
の
三
(
さん
)
の
雨
(
あめ
)
が
葉
(
は
)
から
枝
(
えだ
)
、
枝
(
えだ
)
から
幹
(
みき
)
へ
流
(
なが
)
れて、
徐々
(
じよ/\
)
に
地面
(
じめん
)
に
落
(
お
)
ち、そこにある
落
(
お
)
ち
葉
(
ば
)
に
吸
(
す
)
ひ
取
(
と
)
られるのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
川
(
かわ
)
の
堤
(
つつみ
)
に
出
(
で
)
たとき、
紋次郎君
(
もんじろうくん
)
が
猫柳
(
ねこやなぎ
)
の
枝
(
えだ
)
を
折
(
お
)
って
来
(
き
)
て
鐘
(
かね
)
にささげた。ささげたといっても、
鐘
(
かね
)
のそばにおいただけである。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
門口
(
かどぐち
)
に
誰
(
だれ
)
の
所有
(
しよいう
)
とも
付
(
つ
)
かない
柳
(
やなぎ
)
が一
本
(
ぽん
)
あつて、
長
(
なが
)
い
枝
(
えだ
)
が
殆
(
ほとん
)
ど
軒
(
のき
)
に
觸
(
さは
)
りさうに
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれる
樣
(
さま
)
を
宗助
(
そうすけ
)
は
見
(
み
)
た。
庭
(
には
)
も
東京
(
とうきやう
)
と
違
(
ちが
)
つて、
少
(
すこ
)
しは
整
(
とゝの
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
容器を
熔融水晶
(
ようゆうすいしょう
)
で作ることはあまり
珍
(
めずら
)
しくないとして、その
枝
(
えだ
)
の管から導線を引き出す場合、絶対に空気が
漏
(
も
)
れず
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
茎
(
くき
)
は立って六〇〜九〇センチメートルの高さとなり
枝
(
えだ
)
を
分
(
わ
)
かっている。葉は大形で
葉柄
(
ようへい
)
を
具
(
そな
)
え、
茎
(
くき
)
に
互生
(
ごせい
)
している。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
川へ
流
(
なが
)
したるに女の首のみ
柳
(
やなぎ
)
の
枝
(
えだ
)
に
止
(
とまり
)
たるは則ち
縁
(
えん
)
も引ものか
左右
(
とかく
)
怪
(
あやし
)
き所なり
必定
(
ひつぢやう
)
此公事は願人共の
不筋
(
ふすぢ
)
ならんと
流石
(
さすが
)
明智
(
めいち
)
の
眼力
(
がんりき
)
に
洞察
(
みぬか
)
れしこそ畏こけれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
というのは、わたしは自分のしごとに
夢中
(
むちゅう
)
になっていましたから。つまりわたしは、かえるを打つために使うくるみの
枝
(
えだ
)
をおろうと、
一生
(
いっしょう
)
けんめいでした。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
丁度私の頭上に
枝
(
えだ
)
を大きく
拡
(
ひろ
)
げながら、それがあんまり高いので
却
(
かえ
)
って私に気づかれずにいた、それだけが私にとっては昔
馴染
(
なじみ
)
の桜の老樹が見上げられた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
『それは
思
(
おも
)
いませぬ……。
私達
(
わたくしたち
)
を
心
(
こころ
)
から
可愛
(
かわい
)
がってくださる
人間
(
にんげん
)
に
枝
(
えだ
)
の一
本
(
ほん
)
や二
本
(
ほん
)
歓
(
よろこ
)
んでさしあげます……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
堅
(
かた
)
い
地伏
(
ぢふく
)
の上に立てられた、がっしりした大きなお宮である。お宮のそとには大きなけやきの木がそびえたっている。その
大木
(
たいぼく
)
の上の
枝
(
えだ
)
は天をおおっている。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
一
ト
廻
(
まは
)
りして
愛
(
あい
)
ちやんが
他
(
ほか
)
の
方
(
はう
)
へ
現
(
あらは
)
れた
時
(
とき
)
に、
犬
(
いぬ
)
ころはモ一
度
(
ど
)
枝
(
えだ
)
を
目蒐
(
めが
)
けて
跳
(
と
)
びかゝり、それに
掴
(
つか
)
まらうとして
餘
(
あま
)
り
急
(
いそ
)
いだ
爲
(
た
)
め、
過
(
あやま
)
つて
筋斗返
(
とんぼがへ
)
りを
打
(
う
)
ちました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
之をアイヌ間に存する口碑に
徴
(
ちやう
)
するに、コロボックルは土を堀り窪めて
低所
(
ていしよ
)
を作り、木の
幹
(
みき
)
枝
(
えだ
)
を以て屋根の骨とし、之を
草木
(
さうもく
)
の葉にて覆ひて住居とせしものの如し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
その下には
箪笥
(
たんす
)
の一ツも欲しいところだ。この部屋は
寝室
(
しんしつ
)
にでも当てるにふさわしく、二方が壁で窓の外には桐の
枝
(
えだ
)
がかぶさり、小里万造氏の台所口が遠くに見えた。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
庭樹に飛んで来た雀が二羽三羽、
枝
(
えだ
)
遷
(
うつ
)
りして追随しながら、
睦
(
むつ
)
ましげに何か物語るように鳴いた。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
牧場
(
まきば
)
の中には、美しい
調子
(
ちょうし
)
の
笛
(
ふえ
)
のような
蟇
(
がま
)
のなく声が聞えていた。
蟋蟀
(
こおろぎ
)
の
鋭
(
するど
)
い
顫
(
ふる
)
え声は、星のきらめきに
答
(
こた
)
えてるかのようだった。
風
(
かぜ
)
は
静
(
しず
)
かに
榛
(
はん
)
の
枝
(
えだ
)
をそよがしていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
小鳥
(
ことり
)
の
群
(
むれ
)
は
枝
(
えだ
)
から
枝
(
えだ
)
を
飛
(
と
)
び
廻
(
まは
)
つて
思
(
おも
)
ひのまゝ
木實
(
このみ
)
を
啄
(
ついば
)
んでも
叱
(
しか
)
り
手
(
て
)
がないといふ
次第
(
しだい
)
であつた。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
正面
(
しやうめん
)
にはもう
多田院
(
ただのゐん
)
の
馬場先
(
ばばさ
)
きの
松並木
(
まつなみき
)
が
枝
(
えだ
)
を
重
(
かさ
)
ねて、ずうつと
奧
(
おく
)
へ
深
(
ふか
)
くつゞいてゐるのが
見
(
み
)
えた。
松並木
(
まつなみき
)
の
入口
(
いりくち
)
のところに、
川
(
かは
)
を
背
(
せ
)
にして、
殺生
(
せつしやう
)
禁斷
(
きんだん
)
の
碑
(
ひ
)
が
立
(
た
)
つてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
あしひきの
山道
(
やまぢ
)
も
知
(
し
)
らず
白橿
(
しらかし
)
の
枝
(
えだ
)
もとををに
雪
(
ゆき
)
の
降
(
ふ
)
れれば 〔巻十・二三一五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
あなの中にいて、大空も海も牧場も見ないこんな人こそは、きっと天国に行きたいにちがいないと思いましたから、鳩は木の
枝
(
えだ
)
の上で天国の歓喜を鳩らしく歌い始めました。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
浜町
(
はまちょう
)
の
細川邸
(
ほそかわてい
)
の
裏門前
(
うらもんまえ
)
を、
右
(
みぎ
)
へ
折
(
お
)
れて一
町
(
ちょう
)
あまり、
角
(
かど
)
に
紺屋
(
こうや
)
の
干
(
ほ
)
し
場
(
ば
)
を
見
(
み
)
て、
伊勢喜
(
いせき
)
と
書
(
か
)
いた
質屋
(
しちや
)
の
横
(
よこ
)
について
曲
(
まが
)
がった三
軒目
(
げんめ
)
、おもてに一
本柳
(
ぽんやなぎ
)
が
長
(
なが
)
い
枝
(
えだ
)
を
垂
(
た
)
れたのが
目印
(
めじるし
)
の
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
どうせ、いざとなれば、
銃丸
(
じゅうがん
)
一
発
(
ぱつ
)
でしとめられるのだが、私はそのりっぱな皮を
傷
(
きず
)
つけたくなかったので、他の
繩
(
なわ
)
を取って、まず木の
枝
(
えだ
)
をロボへ投げると、かれはそれを歯で受けとめた。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
それは
五人
(
ごにん
)
とも
別々
(
べつ/\
)
で、
石造皇子
(
いしつくりのみこ
)
には
天竺
(
てんじく
)
にある
佛
(
ほとけ
)
の
御石
(
みいし
)
の
鉢
(
はち
)
、
車持皇子
(
くらもちのみこ
)
には
東海
(
とうかい
)
の
蓬莱山
(
ほうらいさん
)
にある
銀
(
ぎん
)
の
根
(
ね
)
、
金
(
きん
)
の
莖
(
くき
)
、
白玉
(
しらたま
)
の
實
(
み
)
をもつた
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
一本
(
いつぽん
)
、
阿倍
(
あべ
)
の
右大臣
(
うだいじん
)
には
唐土
(
もろこし
)
にある
火鼠
(
ひねずみ
)
の
皮衣
(
かはごろも
)
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
南洋に産する「
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
蝶
(
ちょう
)
」、内地いたるところに産する「
桑
(
くわ
)
の
枝
(
えだ
)
尺取
(
しゃくと
)
り」などはその最も知られた例であるが、「木の葉蝶」は
翅
(
はね
)
の表面のあざやかなるに似ず、その裏面は全く枯葉のとおりで
自然界の虚偽
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
玄子
(
げんし
)
と
余
(
よ
)
とは
先
(
ま
)
づ
林
(
はやし
)
に
入
(
い
)
りて、
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
を
折
(
を
)
り
來
(
きた
)
り、それを
柱
(
はしら
)
として
畑中
(
はたなか
)
に
立
(
た
)
て、
日避
(
ひよけ
)
の
布片
(
きれ
)
を
天幕
(
てんと
)
の
如
(
ごと
)
く
張
(
は
)
り、
豆
(
まめ
)
の
莖
(
くき
)
の
束
(
たば
)
にしてあるのを
借
(
か
)
り
來
(
きた
)
つて、
地
(
ち
)
に
置
(
お
)
き、
其上
(
そのうへ
)
に
布呂敷
(
ふろしき
)
シオルなど
敷
(
し
)
いて
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
吉野山
(
よしのやま
)
よ。その
吉野山
(
よしのやま
)
の
櫻
(
さくら
)
の
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
に、
見
(
み
)
てゐると、
雪
(
ゆき
)
がちら/\
降
(
ふ
)
りかゝつてゐて、これでは、
花
(
はな
)
がいつ
咲
(
さ
)
きさうにも
思
(
おも
)
はれない。
今年
(
ことし
)
は、
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
くことの
晩
(
おそ
)
くおもはれる
年
(
とし
)
よ、といふのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
松が
枝
(
え
)
ともみぢの
枝
(
えだ
)
にふる時雨松には
松雀
(
まつめ
)
もみぢには鵯
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
風で木の
枝
(
えだ
)
がゆれているばかりで、だれひとりいない。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
八葉
(
はちよう
)
の
芙蓉
(
ふよう
)
の花を一りんのかつらの
枝
(
えだ
)
にさかせてぞみる
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“枝”の解説
枝(えだ)とは、
草木のえだ。植物の主たる幹から分かれた茎。(多年生の維管束植物の)幹から分かれた茎。
ものの“本”(本筋・本体など)から別れ出たもの。「枝道」
(出典:Wikipedia)
枝
常用漢字
小5
部首:⽊
8画
“枝”を含む語句
一枝
下枝
三枝
上枝
小枝
枝葉
大枝
折枝
枝垂
枝折
茘枝
二枝
叉枝
啣楊枝
枝々
五百枝
枝下
柳枝
大日枝
実枝
...