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斷
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た
ふりがな文庫
“
斷
(
た
)” の例文
新字:
断
油煙
(
ゆえん
)
がぼうつと
騰
(
あが
)
るカンテラの
光
(
ひかり
)
がさういふ
凡
(
すべ
)
てを
凉
(
すゞ
)
しく
見
(
み
)
せて
居
(
ゐ
)
る。
殊
(
こと
)
に
斷
(
た
)
ち
割
(
わ
)
つた
西瓜
(
すゐくわ
)
の
赤
(
あか
)
い
切
(
きれ
)
は
小
(
ちひ
)
さな
店
(
みせ
)
の
第
(
だい
)
一の
飾
(
かざ
)
りである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
結構
(
けつこう
)
らしい、
事
(
こと
)
ばかり
思
(
おも
)
ひます、
左樣
(
さう
)
いふ
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ふにつけて
現在
(
げんざい
)
の
有
(
あり
)
さまが
厭
(
いや
)
で
厭
(
いや
)
で、
何
(
ど
)
うかして
此中
(
このなか
)
をのがれたい、
此絆
(
このきづな
)
を
斷
(
た
)
ちたい
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
路
(
みち
)
の
兩側
(
りやうがは
)
しばらくのあひだ、
人家
(
じんか
)
が
斷
(
た
)
えては
續
(
つゞ
)
いたが、いづれも
寢靜
(
ねしづ
)
まつて、
白
(
しら
)
けた
藁屋
(
わらや
)
の
中
(
なか
)
に、
何家
(
どこ
)
も
何家
(
どこ
)
も
人
(
ひと
)
の
氣勢
(
けはひ
)
がせぬ。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
次
(
つぎ
)
に
著意
(
ちやくい
)
して
道
(
みち
)
を
求
(
もと
)
める
人
(
ひと
)
がある。
專念
(
せんねん
)
に
道
(
みち
)
を
求
(
もと
)
めて、
萬事
(
ばんじ
)
を
抛
(
なげう
)
つこともあれば、
日々
(
ひゞ
)
の
務
(
つとめ
)
は
怠
(
おこた
)
らずに、
斷
(
た
)
えず
道
(
みち
)
に
志
(
こゝろざ
)
してゐることもある。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
到底
(
とても
)
其の望は無いから、自分は淋しいやうな
怖
(
こわ
)
いやうな妙な心地で、
斷
(
た
)
えずびくつきながら、
悄々
(
しほ/\
)
とお
家
(
うち
)
の方へ足を向けた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
ロミオ
氣
(
き
)
は
狂
(
ちが
)
はぬが、
狂人
(
きちがひ
)
よりも
辛
(
つら
)
い
境界
(
きゃうがい
)
……
牢獄
(
らうごく
)
に
鎖込
(
とぢこ
)
められ、
食
(
しょく
)
を
斷
(
た
)
たれ、
笞
(
むちう
)
たれ、
苛責
(
かしゃく
)
せられ……(下人の近づいたのを見て)や、
機嫌
(
きげん
)
よう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「私に
構
(
かま
)
はず、其綱を
斷
(
た
)
つてお
了
(
しま
)
ひよ。私ア磔柱の上から、福屋の屋根にペンペン草の生えるのを見てやりたい」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ベアトリーチェはかくこの
曲
(
カント
)
をうたひいで、言葉を
斷
(
た
)
たざる人のごとく、聖なる教へを續けていふ。 一六—一八
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
午迄
(
ひるまで
)
こんな
姑息
(
こそく
)
手段
(
しゆだん
)
で
斷
(
た
)
えず
額
(
ひたひ
)
を
冷
(
ひ
)
やして
見
(
み
)
たが、
一向
(
いつかう
)
はか/″\しい
驗
(
げん
)
もないので、
御米
(
およね
)
は
小六
(
ころく
)
のために、わざ/\
起
(
お
)
きて、
一所
(
いつしよ
)
に
食事
(
しよくじ
)
をする
根氣
(
こんき
)
もなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
その
)
仇浪
(
あだなみ
)
の
立騷
(
たちさわ
)
ぐ
邊
(
ほとり
)
海鳥
(
かいてう
)
二三
羽
(
ば
)
夢
(
ゆめ
)
に
鳴
(
な
)
いて、うたゝ
旅客
(
たびゞと
)
の
膓
(
はらわた
)
を
斷
(
た
)
つばかり、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
無邪氣
(
むじやき
)
である
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
私の心の
緒
(
を
)
を
斷
(
た
)
ち切りながら、あなたは、私の惡い
根性
(
こんじやう
)
を
根絶
(
ねだやし
)
するとばかり思つていらつしやる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
龐涓
(
はうけん
)
其
(
そ
)
の
己
(
おのれ
)
に
賢
(
まさ
)
るを
恐
(
おそ
)
れて
之
(
これ
)
を
(一六)
疾
(
ねた
)
み、
則
(
すなは
)
ち
法刑
(
はふけい
)
を
以
(
もつ
)
て
其兩足
(
そのりやうそく
)
を
斷
(
た
)
ちて
之
(
これ
)
を
(一七)
黥
(
げい
)
し、
(一八)
隱
(
かく
)
れて・
見
(
み
)
る
勿
(
な
)
からんことを
欲
(
ほつ
)
す。
齊
(
せい
)
の
使者
(
ししや
)
、
(一九)
梁
(
りやう
)
に
如
(
ゆ
)
く。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
渠はもツと早くかの女を
斷
(
た
)
つ筈であつたのだと
悔
(
くや
)
んだ。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
橋
(
はし
)
を
斷
(
た
)
ちて
砲
(
つゝ
)
おしならべ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
斷
(
た
)
ち切れぬ命の一筋に
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
春光臺
腸
(
はらわた
)
斷
(
た
)
ちし若人を
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
獵箭
(
さつや
)
弓弦
(
ゆづる
)
を
斷
(
た
)
つがごと
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
私
(
わたし
)
はもう
今宵
(
こよひ
)
かぎり
何
(
ど
)
うしても
歸
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
は
致
(
いた
)
しませぬとて、
斷
(
た
)
つても
斷
(
た
)
てぬ
子
(
こ
)
の
可憐
(
かわゆ
)
さに、
奇麗
(
きれい
)
に
言
(
い
)
へども
詞
(
ことば
)
はふるへぬ。
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして
斷
(
た
)
えず其の考に
小突
(
こづか
)
かれるのであるから、神經は次第にひ
弱
(
よわ
)
となツて、
頬
(
ほゝ
)
の肉は
剡
(
こ
)
ける、顏の色は
蒼白
(
あをじろ
)
くなる
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
父樣
(
おとつさん
)
は
善
(
よ
)
いお
方
(
かた
)
で、
其
(
それ
)
きり
跡
(
あと
)
の
斷
(
た
)
えるやうな
惡
(
わる
)
い
事
(
こと
)
爲置
(
しお
)
かれた
方
(
かた
)
ではありませんから、
私
(
わたくし
)
どもは
甚麽
(
どんな
)
危
(
あぶな
)
い
恐
(
こは
)
い
目
(
め
)
に
出會
(
であ
)
ひましても、
安心
(
あんしん
)
でございます。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「今度は繪圖面が
紛失
(
ふんしつ
)
して、お家の安危に
關
(
かゝ
)
はるから、
斷
(
た
)
つて御出府を願ひたいと仰しやればいいんで——」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼方
(
かなた
)
、即ち諸〻の半圓の、空處に
斷
(
た
)
たるゝところには、降り給へるクリストに目をむけし者坐す 二五—二七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
小麥粉
(
こむぎこ
)
を
少
(
すこ
)
し
鹽
(
しほ
)
を
入
(
い
)
れた
水
(
みづ
)
で
捏
(
こ
)
ねて、それを
玉
(
たま
)
にして、
筵
(
むしろ
)
の
間
(
あひだ
)
へ
入
(
い
)
れて
足
(
あし
)
で
蹂
(
ふ
)
んで、
棒
(
ぼう
)
へ
卷
(
ま
)
いては
薄
(
うす
)
く
延
(
の
)
ばして、
更
(
さら
)
に
幾
(
いく
)
つかに
疊
(
たゝ
)
んでそく/\と
庖丁
(
はうちやう
)
で
斷
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
頭
(
あたま
)
の
徃來
(
わうらい
)
を
通
(
とほ
)
るものは、
無限
(
むげん
)
で
無數
(
むすう
)
で
無盡藏
(
むじんざう
)
で、
決
(
けつ
)
して
宗助
(
そうすけ
)
の
命令
(
めいれい
)
によつて、
留
(
と
)
まる
事
(
こと
)
も
休
(
やす
)
む
事
(
こと
)
もなかつた。
斷
(
た
)
ち
切
(
き
)
らうと
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
ふ
程
(
ほど
)
、
滾々
(
こん/\
)
として
湧
(
わ
)
いて
出
(
で
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は書齋にゐるのだつた——彼の椅子に掛けて——彼は私に近々とゐた。「もし私が今、餘りに
鋭
(
するど
)
い悲痛もなく、生命を
斷
(
た
)
つことが出來るのだつたら、私は嬉しいだらう、」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
嗚呼
(
あゝ
)
この堂々たる手の
裏
(
うち
)
に、金は無いか、銀將無きかとうれたがり、今にして、
斷
(
た
)
ち
截
(
き
)
らずば、末を
奈何
(
いかに
)
と
懸念貌
(
けねんがほ
)
、仔細らしく意味取りちがへて濫用する圍棋
詞
(
ことば
)
の粘、塗、抑、約いと
五月蠅
(
うるさ
)
しと。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
續
(
つゞ
)
きつゝ
斷
(
た
)
えつゝ
哀
(
かな
)
し
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
この者二の翼を、
中央
(
なか
)
の一と左右の三の
線
(
すぢ
)
の間に伸べたれば、その一をも
斷
(
た
)
たず
損
(
そこな
)
はず 一〇九—一一一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
には
諦
(
あきら
)
めとか、
忍耐
(
にんたい
)
とか
云
(
い
)
ふものが
斷
(
た
)
えず
動
(
うご
)
いてゐたが、
未來
(
みらい
)
とか
希望
(
きばう
)
と
云
(
い
)
ふものゝ
影
(
かげ
)
は
殆
(
ほと
)
んど
射
(
さ
)
さない
樣
(
やう
)
に
見
(
み
)
えた。
彼等
(
かれら
)
は
餘
(
あま
)
り
多
(
おほ
)
く
過去
(
くわこ
)
を
語
(
かた
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
高
(
たか
)
涙
(
なみだ
)
の
顏
(
かほ
)
恨
(
うら
)
めしげに、お
情
(
なさけ
)
なしまだ
其樣
(
そん
)
なこと
自由
(
まゝ
)
にならば
此胸
(
このむね
)
の
中
(
なか
)
斷
(
た
)
ち
割
(
わ
)
つて
御覽
(
ごらん
)
に
入
(
い
)
れたし。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして
寢床
(
ねどこ
)
に入ツても、誰かと話してゐるうちにも、また
散歩
(
さんぽ
)
してゐる時、色を此うして出さうとか、人物の表情は此うとか、
斷
(
た
)
えず其の製作に
就
(
つ
)
いてのみ考えてゐた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
俺
(
お
)
らはあ、
暫
(
しばら
)
くやんねえから、
煙草
(
たばこ
)
は
身體
(
からだ
)
の
工合
(
ぐえゝ
)
惡
(
わ
)
りいから
斷
(
た
)
つたんだから
何
(
なん
)
だが、
酒
(
さけ
)
は
此
(
こ
)
れ
錢
(
ぜね
)
は
稼
(
かせ
)
げねえし、ちつとでも
飮
(
の
)
めば
又
(
また
)
飮
(
の
)
みたくなつから
廢
(
や
)
めつちやつたな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
もう
私
(
わたし
)
は
死
(
し
)
ぬ
處
(
ところ
)
だつたの。
又
(
また
)
笑
(
わら
)
ふでせうけれども、
七日
(
なぬか
)
ばかり
何
(
なん
)
にも
鹽
(
しほ
)
ツ
氣
(
け
)
のものは
頂
(
いたゞ
)
かないんですもの、
斯
(
か
)
うやつてお
目
(
め
)
に
懸
(
かゝ
)
りたいと
思
(
おも
)
つて、
煙草
(
たばこ
)
も
斷
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
たんですよ。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
二つの感情の
縺
(
もつ
)
れも切り拔け、或ひは
斷
(
た
)
ち切つて——人間の弱さとの最後の戰ひです、それを征服することは分つてゐます、征服すると誓つたのですから——そして僕は東洋へ向けて
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
義憤
(
ただしきいかり
)
の爲に汝等を殺し汝等の樂しき生活を
斷
(
た
)
ち、かくして汝等の嘆を生み出せる家は 一三六—一三八
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そして
斷
(
た
)
えず其の考に
小突
(
こづか
)
かれるのであるから、神經は次第にひ
弱
(
よわ
)
となツて、
頬
(
ほゝ
)
の肉は
剡
(
こ
)
ける、顏の色は
蒼白
(
あをじろ
)
くなる、誰が見てもカラ元氣のない
不活發
(
ふくわつぱつ
)
な青年となツて[#
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
然
(
しか
)
も、
先方
(
さき
)
は、
義理
(
ぎり
)
、
首尾
(
しゆび
)
で、
差當
(
さしあた
)
つては
間
(
ま
)
の
惡
(
わる
)
い
處
(
ところ
)
を、お
前樣
(
まへさま
)
が
突詰
(
つきつ
)
めて、
斷
(
た
)
つて、
垣
(
かき
)
も
塀
(
へい
)
も、
押倒
(
おしたふ
)
し
突破
(
つきやぶ
)
る、……
其
(
そ
)
の
力
(
ちから
)
で、
胸
(
むね
)
を
掻毮
(
かきむし
)
るやうにあせるから、
婦
(
をなご
)
も
切
(
せま
)
つて
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
露
(
つゆ
)
の
世
(
よ
)
といへばほろりとせしもの、はかないの
上
(
うへ
)
なしなり、
思
(
おも
)
へば
男
(
をとこ
)
は
結髮
(
いひなづけ
)
の
妻
(
つま
)
ある
身
(
み
)
、いやとても
應
(
おう
)
とても
浮世
(
うきよ
)
の
義理
(
ぎり
)
をおもひ
斷
(
た
)
つほどのこと
此人
(
このひと
)
此身
(
このみ
)
にして
叶
(
かな
)
ふべしや
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今
(
いま
)
はと
思
(
おも
)
ひ
斷
(
た
)
ちて四
月
(
ぐわつ
)
のはじめつ
方
(
かた
)
、
浮世
(
うきよ
)
は
花
(
はな
)
に
春
(
はる
)
の
雨
(
あめ
)
ふる
夜
(
よ
)
、
別居
(
べつきよ
)
の
旨
(
むね
)
をいひ
渡
(
わた
)
しぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
西國船
(
さいこくぶね
)
の
難船
(
なんせん
)
においらが
叔父的
(
をぢき
)
の
彌次郎兵衞
(
やじろべゑ
)
、
生命懸
(
いのちがけ
)
の
心願
(
しんぐわん
)
、
象頭山
(
ざうづざん
)
に
酒
(
さけ
)
を
斷
(
た
)
つたを、
咽喉
(
のど
)
もと
過
(
す
)
ぎた
胴忘
(
どうわす
)
れ、
丸龜
(
まるがめ
)
の
旅籠
(
はたご
)
大物屋
(
だいもつや
)
へ
着
(
つ
)
くと
早
(
は
)
や、
茶袋
(
ちやぶくろ
)
と
土瓶
(
どびん
)
の
煮附
(
につけ
)
、とつぱこのお
汁
(
しる
)
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ひとりの女夢にわが許に來れり、口
吃
(
ども
)
り目
眇
(
すが
)
み足
曲
(
まが
)
り手
斷
(
た
)
たれ色蒼し 七—九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
事
(
こと
)
なく
高砂
(
たかさご
)
をうたひ
納
(
おさ
)
むれば、
即
(
すなは
)
ち
新
(
あた
)
らしき一
對
(
つい
)
の
夫婦
(
めをと
)
出來
(
でき
)
あがりて、やがては
父
(
ちゝ
)
とも
言
(
い
)
はるべき
身
(
み
)
なり、
諸縁
(
しよゑん
)
これより
引
(
ひ
)
かれて
斷
(
た
)
ちがたき
絆
(
ほだし
)
次第
(
しだい
)
にふゆれば、一
人
(
にん
)
一
箇
(
こ
)
の
野澤桂次
(
のざわけいじ
)
ならず
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
恐
(
おそ
)
る/\「
御料理
(
おんれうり
)
下
(
くだ
)
さる
段
(
だん
)
、
冥加
(
みやうが
)
身
(
み
)
に
餘
(
あま
)
り
候
(
さふら
)
へども、
此中
(
このなか
)
にて
給
(
たま
)
はる
儀
(
ぎ
)
は、
平
(
ひら
)
に
御免
(
ごめん
)
下
(
くだ
)
されたし」と
侘
(
わび
)
しげに
申上
(
まをしあ
)
ぐれば、
幼君
(
えうくん
)
、「
何
(
なに
)
も
慰
(
なぐさみ
)
なり、
辭退
(
じたい
)
せず、
其中
(
そのなか
)
にて
相伴
(
しやうばん
)
せよ」と
斷
(
た
)
つての
仰
(
おほせ
)
。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
世
(
よ
)
に
引
(
ひ
)
かるヽ
心
(
こヽろ
)
も
斷
(
た
)
ちたきものと、
决心
(
けつしん
)
此處
(
こヽ
)
に
成
(
な
)
りし
今宵
(
こよひ
)
、
切
(
せ
)
めては
妻戸
(
つまど
)
ごしのお
聲
(
こゑ
)
きヽたく、
見
(
み
)
とがめられん
罪
(
つみ
)
も
忘
(
わす
)
れて
此處
(
こヽ
)
に
斯
(
か
)
く
忍
(
しの
)
ぶ
身
(
み
)
と
袖
(
そで
)
にすがりて
敏
(
さとし
)
なげヽば、これを
拂
(
はろ
)
ふ
勇氣
(
ゆうき
)
今
(
いま
)
は
無
(
な
)
く
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
唱
(
とな
)
へ
出
(
いだ
)
す
節
(
ふし
)
は
泣
(
な
)
くがごとく、
怨
(
うら
)
むがごとく、いつも(
應
(
おう
)
)の
來
(
きた
)
りて
市街
(
しがい
)
を
横行
(
わうかう
)
するに
從
(
したが
)
うて、
件
(
くだん
)
の
童謠
(
どうえう
)
東西
(
とうざい
)
に
湧
(
わ
)
き、
南北
(
なんぼく
)
に
和
(
わ
)
し、
言語
(
ごんご
)
に
斷
(
た
)
えたる
不快
(
ふくわい
)
嫌惡
(
けんを
)
の
情
(
じやう
)
を
喚起
(
よびおこ
)
して、
市人
(
いちびと
)
の
耳
(
みゝ
)
を
掩
(
おほ
)
はざるなし。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
身
(
み
)
はいにしへの
齋藤主計
(
さいとうかずへ
)
が
娘
(
むすめ
)
に
戻
(
もど
)
らば、
泣
(
な
)
くとも
笑
(
わら
)
ふとも
再度
(
ふたゝび
)
原田太郎
(
はらだたらう
)
が
母
(
はゝ
)
とは
呼
(
よ
)
ばるゝ
事
(
こと
)
成
(
な
)
るべきにもあらず、
良人
(
おつと
)
に
未練
(
みれん
)
は
殘
(
のこ
)
さずとも
我
(
わ
)
が
子
(
こ
)
の
愛
(
あい
)
の
斷
(
た
)
ちがたくは
離
(
はな
)
れていよ/\
物
(
もの
)
をも
思
(
おも
)
ふべく
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
は
冷汗
(
ひやあせ
)
を
流
(
なが
)
して、
一生
(
いつしやう
)
足袋
(
たび
)
を
斷
(
た
)
たうと
思
(
おも
)
つた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
我
(
わ
)
れ
聞
(
き
)
きたり
辛苦
(
しんく
)
さこそなるべけれど
奉公大切
(
ほうこうだいじ
)
に
勉
(
つと
)
め
給
(
たま
)
へと
仰
(
おほ
)
せられしが
耳
(
みゝ
)
に
殘
(
のこ
)
りて
忘
(
わす
)
られぬなり
彼
(
あ
)
れほどにお
優
(
やさ
)
しからずば
是
(
こ
)
れほどまでにも
歎
(
なげ
)
かじと
斷
(
た
)
ち
難
(
がた
)
き
絆
(
きづな
)
つらしとて
人
(
ひと
)
見
(
み
)
ぬ
暇
(
ひま
)
には
部屋
(
へや
)
のうちに
伏
(
ふ
)
し
沈
(
し
)
づみぬ
何
(
いづ
)
れ
劣
(
おと
)
らぬ
双美人
(
そうびじん
)
に
慕
(
した
)
はるゝ
身
(
み
)
嬉
(
うれ
)
しかるべきを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
斷
部首:⽄
18画
“斷”を含む語句
斷念
斷崖
斷然
斷片
寸斷
斷々
斷言
獨斷
斷乎
間斷
斷續
斷間
斷絶
斷割
斷水
斷髮
縱斷
引斷
横斷
裁斷
...