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俗
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ぞく
ふりがな文庫
“
俗
(
ぞく
)” の例文
〔評〕死を決するは、
薩
(
さつ
)
の長ずる所なり。公義を説くは、土の
俗
(
ぞく
)
なり。
維新
(
いしん
)
の初め、一公卿あり、南洲の所に往いて
復古
(
ふくこ
)
の事を説く。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
俗
(
ぞく
)
に
神
(
かみ
)
の
申子
(
もうしご
)
は
弱
(
よわ
)
いなどと
申
(
もう
)
しますが、
決
(
けっ
)
してそのようなものではなく、この
児
(
こ
)
も
立派
(
りっぱ
)
に
成人
(
せいじん
)
して、
父親
(
ちちおや
)
の
実家
(
じっか
)
の
後
(
あと
)
を
継
(
つ
)
ぎました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
之
(
これ
)
が
俗
(
ぞく
)
に
謂
(
い
)
ふ
虫
(
むし
)
の
知
(
し
)
らせとでもいふものであらうかと、
後
(
のち
)
に
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
つたが、
此時
(
このとき
)
はたゞ
離別
(
りべつ
)
の
情
(
じやう
)
さこそと
思
(
おも
)
ひ
遣
(
や
)
るばかりで、
私
(
わたくし
)
は
打點頭
(
うちうなづ
)
き
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
○新撰字鏡
魚
(
うを
)
の
部
(
ぶ
)
に鮭(
佐介
(
さけ
)
)とあり、和名抄には本字は
鮏
(
さけ
)
俗
(
ぞく
)
に
鮭
(
さけ
)
の字を用ふるは
非
(
ひ
)
也といへり。されば鮭の字を用ひしも
古
(
ふる
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
学問をする人が
煩瑣
(
うるさ
)
い
俗
(
ぞく
)
用を避けて、成るべく単純な生活に我慢するのは、みんな研究の為め
已
(
やむ
)
を得ないんだから仕方がない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
しばらくして、
此
(
こ
)
の
大手筋
(
おほてすぢ
)
を、
去年
(
きよねん
)
一昨年
(
おととし
)
のまゝらしい、
枯蘆
(
かれあし
)
の
中
(
なか
)
を
縫
(
ぬ
)
つた
時
(
とき
)
は、
俗
(
ぞく
)
に
水底
(
みづそこ
)
を
踏
(
ふ
)
んで
通
(
とほ
)
ると
言
(
い
)
ふ、どつしりしたものに
見
(
み
)
えた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
俗
(
ぞく
)
に「ふみきり」といふペタルで、つまり
普
(
ふ
)
通の自轉車のやうに、或る程度の
惰性
(
だせい
)
がついたらペタルの上で足を休ませてゆくといふことが出來ない。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
の
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
は
過激
(
くわげき
)
な
勞働
(
らうどう
)
から
俗
(
ぞく
)
にそら手というて
手
(
て
)
の
筋
(
すぢ
)
が
痛
(
いた
)
んだので二三
日
(
にち
)
仕事
(
しごと
)
に
出
(
で
)
られなかつた。それから六七
日
(
にち
)
たつて
烈
(
はげ
)
しい
西風
(
にしかぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
釋
(
しやく
)
の
字
(
じ
)
釈に
作
(
つくる
)
の外、
澤
(
たく
)
を沢、驛を
駅
(
えき
)
に
作
(
つくる
)
は
俗
(
ぞく
)
なり、しかれども巻中
驛
(
えき
)
澤
(
たく
)
の字多し。
姑
(
しばらく
)
俗
(
ぞく
)
に
从
(
したが
)
うて駅沢に作り、以
梓繁
(
しはん
)
を
省
(
はぶ
)
く。
余
(
よ
)
の
省字
(
せうじ
)
は皆
古法
(
こほふ
)
に
从
(
したが
)
ふ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
並背
(
なみぜい
)
にていが
栗
(
ぐり
)
の
頭髮
(
つむり
)
も
思
(
おも
)
ひなしか
俗
(
ぞく
)
とは
變
(
かは
)
りて、
藤本信如
(
ふぢもとのぶゆき
)
と
訓
(
よみ
)
にてすませど、
何處
(
どこ
)
やら
釋
(
しやく
)
といひたげの
素振
(
そぶり
)
なり。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昔時
(
むかし
)
シヽリーといふ島のダイオインシアスといふ
国王
(
こくわう
)
がございました。
此
(
こ
)
の王が
好
(
この
)
んで詩を作りますが、
俗
(
ぞく
)
にいふ
下手
(
へた
)
の
横好
(
よこず
)
きで、一
向
(
かう
)
上手
(
じやうず
)
でございません。
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(一三)
區區
(
くく
)
の
齊
(
せい
)
を
以
(
もつ
)
て、
(一四)
海濱
(
かいひん
)
に
在
(
あ
)
り、
(一五)
貨
(
くわ
)
を
通
(
つう
)
じ
財
(
ざい
)
を
積
(
つ
)
み、
國
(
くに
)
を
富
(
と
)
まし
兵
(
へい
)
を
彊
(
つよ
)
うし、
(一六)
俗
(
ぞく
)
と
好惡
(
かうを
)
を
同
(
おな
)
じうす
故
(
ゆゑ
)
に
(一七)
其稱
(
そのしよう
)
に
曰
(
いは
)
く、
(一八)
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
梅の花ぢやよ、——
巣鴨
(
すがも
)
のさる御屋敷の庭に、大層見事な梅の古木がある。この二三日は丁度盛りで、時には
鶯
(
うぐひす
)
も來るさうぢや。場所が場所だから、
俗
(
ぞく
)
も
風雅
(
ふうが
)
も一向寄り付かない。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これを
讀
(
よ
)
むものも
亦
(
ま
)
た
其
(
その
)
心
(
こゝろ
)
して
讀
(
よま
)
ざる
可
(
べ
)
からず、
涙香
(
ルイコウ
)
子
探偵小説
(
たんていせうせつ
)
の
如
(
ごと
)
く
俗
(
ぞく
)
を
喜
(
よろこ
)
ばすものにてなき由を
承知
(
しようち
)
して一
讀
(
どく
)
せば
自
(
みづか
)
ら
妙味
(
みようみ
)
を
發見
(
はつけん
)
すべきなり、余はこの
書
(
しよ
)
を
讀者
(
どくしや
)
に
推薦
(
すいせん
)
するを
憚
(
はばか
)
らず
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
もっとも、
利助
(
りすけ
)
ほどの
天才
(
てんさい
)
は、
自分
(
じぶん
)
のものが
長
(
なが
)
く
保存
(
ほぞん
)
されるためとか、どうとかいうような
俗
(
ぞく
)
な
考
(
かんが
)
えはもたなかったろう。ただ、
気品
(
きひん
)
の
高
(
たか
)
いものを
作
(
つく
)
り
上
(
あ
)
げたいと
思
(
おも
)
っていたにちがいない。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一葉女史
(
いちえふぢよし
)
はおのれと
同
(
おな
)
じ
園生
(
そのふ
)
にありて
萩
(
はぎ
)
の
舍
(
や
)
の
露
(
つゆ
)
におほし
立
(
たて
)
られし
下葉
(
したは
)
なり
萩
(
はぎ
)
の
舍
(
や
)
中島
(
なかじま
)
の
師
(
し
)
は
常
(
つね
)
にいにしへぶりのしなたかきを
教
(
をしへ
)
さとし
給
(
たま
)
へれど
性來
(
せいらい
)
のすき
心
(
こゝろ
)
によの
耳
(
みゝ
)
ちかく
俗
(
ぞく
)
に
今樣
(
いまやう
)
の
情態
(
じやうたい
)
を
うもれ木:01 序
(旧字旧仮名)
/
田辺竜子
(著)
俗
(
ぞく
)
に
改
(
あらた
)
め千
辛萬苦
(
しんばんく
)
して
首尾能
(
しゆびよく
)
兄の敵を討し段
誠
(
まこと
)
に女
丈夫
(
ぢやうふ
)
共云べし又友次郎事も花を助け敵を
討
(
うた
)
せし段
信義
(
しんぎ
)
厚
(
あつ
)
く
賞
(
しやう
)
するに餘り有依て父佐太夫に申
諭
(
さと
)
し
勘當
(
かんだう
)
を免させ今より花と夫婦になり松田の家を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
石匕
石鏃
(
せきぞく
)
石錐抔
(
いしきりなど
)
と
同質
(
どうしつ
)
にして其大さ是等の五倍或は十倍なる物有り。
形状
(
けいじよう
)
は
長方形
(
ちようはうがた
)
、
橢圓形
(
たいえんがた
)
、
三角形
(
さんかくがた
)
等の
不規則
(
ふきそく
)
なるものにして一部に必ず
短
(
みじか
)
き把柄有り。此の如き
石器
(
せきき
)
を
俗
(
ぞく
)
に
天狗
(
テング
)
の
飯匙
(
メシカヒ
)
と
呼
(
よ
)
ぶ。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
狸
(
たぬき
)
は
俗
(
ぞく
)
にむじなともいひますが、これは
地方
(
ちほう
)
によつてさういふのでたぬきもむじなと
同
(
おな
)
じです。また
穴熊
(
あなぐま
)
のことをむじなとよぶ
地方
(
ちほう
)
もあり、
夏時
(
なつどき
)
のたぬきのことをむじなといふところもあります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
俗
(
ぞく
)
に
竹取
(
たけと
)
りの
翁
(
おきな
)
といふ
名
(
な
)
で
通
(
とほ
)
つてゐました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
肩
(
かた
)
が
頸
(
くび
)
より
高
(
たか
)
く
聳
(
そび
)
えて、
俗
(
ぞく
)
に
引傾
(
ひきかたが
)
りと
云
(
い
)
ふ
代物
(
しろもの
)
、
青
(
あを
)
ン
膨
(
ぶく
)
れの
腹
(
はら
)
大
(
おほい
)
なる
瓜
(
うり
)
の
如
(
ごと
)
しで、
一尺
(
いつしやく
)
餘
(
あま
)
りの
棚
(
たな
)
ツ
尻
(
ちり
)
、
剩
(
あまつさ
)
へ
跛
(
びつこ
)
は
奈何
(
いかん
)
。
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ちゞみのみにはかぎらず
織物
(
おりもの
)
はすべて
然
(
しか
)
ならんが、
目前
(
もくぜん
)
に
我
(
わ
)
が
視
(
みる
)
ところなればいふ也。かゝる縮を
僅
(
わづか
)
の
価
(
あたひ
)
にて
自在
(
じざい
)
に
着用
(
ちやくよう
)
するは
俗
(
ぞく
)
にいふ安いもの也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
御茶の
御馳走
(
ごちそう
)
になる。
相客
(
あいきゃく
)
は僧一人、
観海寺
(
かんかいじ
)
の
和尚
(
おしょう
)
で名は
大徹
(
だいてつ
)
と云うそうだ。
俗
(
ぞく
)
一人、二十四五の若い男である。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
俗
(
ぞく
)
の
欲
(
ほつ
)
する
所
(
ところ
)
は
因
(
よ
)
つて
之
(
これ
)
を
(二五)
予
(
あた
)
へ、
俗
(
ぞく
)
の
否
(
ひ
)
とする
所
(
ところ
)
は
因
(
よ
)
つて
之
(
これ
)
を
去
(
さ
)
る。
其
(
そ
)
の
政
(
まつりごと
)
を
爲
(
な
)
すや、
善
(
よ
)
く
禍
(
わざはひ
)
に
因
(
よ
)
つて
福
(
さいはひ
)
と
爲
(
な
)
し、
敗
(
やぶ
)
れを
轉
(
てん
)
じて
功
(
こう
)
と
爲
(
な
)
し、
(二六)
輕重
(
けいぢう
)
を
貴
(
たつと
)
び、
權衡
(
けんかう
)
を
愼
(
つつし
)
めり。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
釋
(
しやく
)
の
字
(
じ
)
釈に
作
(
つくる
)
の外、
澤
(
たく
)
を沢、驛を
駅
(
えき
)
に
作
(
つくる
)
は
俗
(
ぞく
)
なり、しかれども巻中
驛
(
えき
)
澤
(
たく
)
の字多し。
姑
(
しばらく
)
俗
(
ぞく
)
に
从
(
したが
)
うて駅沢に作り、以
梓繁
(
しはん
)
を
省
(
はぶ
)
く。
余
(
よ
)
の
省字
(
せうじ
)
は皆
古法
(
こほふ
)
に
从
(
したが
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
毛糸
(
けいと
)
の
手袋
(
てぶくろ
)
を
箝
(
は
)
め、
白足袋
(
しろたび
)
に、
日和下駄
(
ひよりげた
)
で、
一見
(
いつけん
)
、
僧侶
(
そうりよ
)
よりは
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
宗匠
(
そうしやう
)
といふものに、
其
(
それ
)
よりも
寧
(
むし
)
ろ
俗
(
ぞく
)
歟
(
か
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれども
臍帶纏絡
(
さいたいてんらく
)
と
云
(
い
)
つて、
俗
(
ぞく
)
に
云
(
い
)
ふ
胞
(
えな
)
を
頸
(
くび
)
へ
捲
(
ま
)
き
付
(
つ
)
けてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
母親殿
(
おふくろどの
)
は
頬板
(
ほゝツぺた
)
のふくれた、
眦
(
めじり
)
の
下
(
さが
)
つた、
鼻
(
はな
)
の
低
(
ひく
)
い、
俗
(
ぞく
)
にさし
乳
(
ぢゝ
)
といふあの
毒々
(
どく/″\
)
しい
左右
(
さいう
)
の
胸
(
むね
)
の
房
(
ふさ
)
を
含
(
ふく
)
んで、
何
(
ど
)
うして
彼
(
あれ
)
ほど
美
(
うつく
)
しく
育
(
そだ
)
つたものだらうといふ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
俊頼朝臣
(
としよりあそん
)
に「
降雪
(
ふるゆき
)
に
谷
(
たに
)
の
俤
(
おもかげ
)
うづもれて
稍
(
こずゑ
)
ぞ冬の
山路
(
やまぢ
)
なりける」これらは
実
(
じつ
)
に越後の雪の
真景
(
しんけい
)
なれども、此あそん越後にきたり玉ひしにはあらず、
俗
(
ぞく
)
にいふ
哥人
(
かじん
)
は
居
(
ゐ
)
ながら
名所
(
めいしよ
)
をしるなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
枕
(
まくら
)
に
就
(
つ
)
いて
初夜
(
しよや
)
過
(
す
)
ぐる
頃
(
ころ
)
ほひより、
少
(
すこ
)
し
氣候
(
きこう
)
がゆるんだと
思
(
おも
)
ふと、
凡
(
およ
)
そ
手掌
(
てのひら
)
ほどあらうといふ、
俗
(
ぞく
)
に
牡丹
(
ぼたん
)
となづくる
雪
(
ゆき
)
が、しと/\と
果
(
はて
)
しもあらず
降出
(
ふりだ
)
して
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
蛾眉山
(
がびさん
)
のある
蜀
(
しよく
)
の
地
(
ち
)
は都を
去
(
さ
)
る事
遠
(
とほ
)
き
僻境
(
へききやう
)
なり。
推量
(
すゐりやう
)
するに、
田舎
(
ゐなか
)
の
標準
(
みちしるべ
)
なれば
学者
(
がくしや
)
の
書
(
かき
)
しにもあるべからず、
俗子
(
ぞくし
)
の筆なるべし。されば
我
(
わが
)
今の
俗
(
ぞく
)
竹を※と
亻
(
にんべん
)
に
誤
(
あやまる
)
の
類
(
るゐ
)
か、
猶
(
なほ
)
博識
(
はくしき
)
の
説
(
せつ
)
を
俟
(
ま
)
つ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
兩側
(
りやうがは
)
に
大藪
(
おほやぶ
)
があるから、
俗
(
ぞく
)
に
暗
(
くら
)
がり
坂
(
ざか
)
と
稱
(
とな
)
へる
位
(
ぐらゐ
)
、
竹
(
たけ
)
の
葉
(
は
)
の
空
(
そら
)
を
鎖
(
とざ
)
して
眞暗
(
まつくら
)
な
中
(
なか
)
から、
烏瓜
(
からすうり
)
の
花
(
はな
)
が
一面
(
いちめん
)
に、
白
(
しろ
)
い
星
(
ほし
)
のやうな
瓣
(
はなびら
)
を
吐
(
は
)
いて、
東雲
(
しのゝめ
)
の
色
(
いろ
)
が
颯
(
さつ
)
と
射
(
さ
)
す。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
俗
(
ぞく
)
に、
蟇
(
ひきがへる
)
は
魔
(
ま
)
ものだと
言
(
い
)
ふ。
嘗
(
かつ
)
て
十何匹
(
じふなんびき
)
、
行水盥
(
ぎやうずゐだらひ
)
に
伏
(
ふ
)
せたのが、
一夜
(
いちや
)
の
中
(
うち
)
に
形
(
かたち
)
を
消
(
け
)
したのは
現
(
げん
)
に
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
樣子
(
やうす
)
が
何
(
ど
)
うも、ふびんや、
餘
(
あま
)
り
小遣
(
こづかひ
)
がなかつたらしい。
尤
(
もつと
)
も
地
(
ぢ
)
もの
張
(
はり
)
と
俗
(
ぞく
)
に
號
(
がう
)
する
徒
(
てあひ
)
は、
懷中
(
くわいちう
)
の
如何
(
いかん
)
に
係
(
かゝ
)
はらず、
恁
(
か
)
うしたさもしい
料簡
(
れうけん
)
と、
昔
(
むかし
)
から
相場
(
さうば
)
づけに
極
(
き
)
めてある。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勿體
(
もつたい
)
ないが、
俗
(
ぞく
)
に
言
(
い
)
ふ
上潮
(
あげしほ
)
から
引上
(
ひきあ
)
げたやうな
十錢紙幣
(
じつせんしへい
)
が
蟇口
(
がまぐち
)
に
濕々
(
じめ/\
)
して、
金
(
かね
)
の
威光
(
ゐくわう
)
より、
黴
(
かび
)
の
臭
(
にほひ
)
を
放
(
なは
)
つた
折
(
をり
)
から、
當番
(
たうばん
)
の
幹事
(
かんじ
)
は
決
(
けつ
)
して
剩錢
(
つりせん
)
を
持出
(
もちだ
)
さず、
會員
(
くわいゐん
)
は
各自
(
かくじ
)
九九九
(
くうくうくう
)
の
粒
(
つぶ
)
を
揃
(
そろ
)
へて
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
憎
(
にく
)
さげな、
高慢
(
かうまん
)
な、
人
(
ひと
)
を
馬鹿
(
ばか
)
にした
形
(
かたち
)
は
何
(
ど
)
うだい、
總別
(
そうべつ
)
、
氣
(
き
)
に
食
(
く
)
はない
畜生
(
ちくしやう
)
だ、と
云
(
い
)
ふ
心
(
こゝろ
)
から、
石段
(
いしだん
)
の
割
(
わ
)
れた
欠
(
かけら
)
を
拾
(
ひろ
)
つて、
俗
(
ぞく
)
にねこと
言
(
い
)
ふ、
川楊
(
かはやぎ
)
の
葉
(
は
)
がくれに、
熟
(
ぢつ
)
と
狙
(
ねら
)
つて、ひしりと
擲
(
な
)
げる
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
俗
(
ぞく
)
に、
隧道
(
トンネル
)
の
最
(
もつと
)
も
長
(
なが
)
いのも、ゆつくり
吸
(
す
)
つて
敷島
(
しきしま
)
一
本
(
ぽん
)
の
間
(
あひだ
)
と
聞
(
き
)
く。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
こ
)
の
寺中
(
じちう
)
に
又
(
また
)
一
(
ひと
)
ツの
小堂
(
せうだう
)
あり。
俗
(
ぞく
)
に
甲胄堂
(
かつちうだう
)
といふ。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“俗(
世俗
)”の解説
世俗(せぞく、英語:Secularity セキュラリティ)とは、「世俗的」(英語:secular セキュラー)であること。政教分離を経て、国家と宗教が分離している状態。
日本語で「世俗」は、「世間一般に見られるさま」「俗世間」「世の中の風俗・習慣」などを意味する。ここでは、Secularityの訳語としての世俗について説明する。
(出典:Wikipedia)
俗
常用漢字
中学
部首:⼈
9画
“俗”を含む語句
風俗
俗諺
俗気
習俗
俗名
俗物
俗人
俗説弁惑
還俗
俗謡
凡俗
世俗
卑俗
俗間
俗習
鄙俗
民俗記
俗離
俗界
俗僧
...