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氷
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こほり
ふりがな文庫
“
氷
(
こほり
)” の例文
「
熊
(
くま
)
さん、どうです、
今日
(
けふ
)
あたりは。
雪
(
ゆき
)
の
唄
(
うた
)
でもうたつておくれ。わしあ、
氷
(
こほり
)
の
塊
(
かたまり
)
にでもならなけりやいいがと
心配
(
しんぱい
)
でなんねえだ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
艸木の
実
(
み
)
の
円
(
まろき
)
をうしなはざるも気中に
生
(
しやう
)
ずるゆゑ也。雲
冷際
(
れいさい
)
にいたりて雨とならんとする時、
天寒
(
てんかん
)
甚しき時は
雨
(
あめ
)
氷
(
こほり
)
の
粒
(
つぶ
)
となりて
降
(
ふ
)
り
下
(
くだ
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼
(
かれ
)
は
眼前
(
がんぜん
)
に
氷
(
こほり
)
が
閉
(
と
)
ぢては
毎日
(
まいにち
)
暖
(
あたゝか
)
い
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
溶解
(
ようかい
)
されるのを
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た。
彼
(
かれ
)
にはそれが
只
(
たゞ
)
さういふ
現象
(
げんしやう
)
としてのみ
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
冬時
(
とうじ
)
此
(
この
)
河
(
かは
)
に
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふには、
豫
(
あらかじ
)
め
身體
(
しんたい
)
を
入
(
い
)
るゝに
足
(
た
)
る
孔穴
(
こうけつ
)
を
氷
(
こほり
)
を
破
(
やぶ
)
りて
設
(
まう
)
け
置
(
お
)
き、
朝夕
(
あさゆふ
)
此
(
この
)
孔穴
(
こうけつ
)
に
身
(
み
)
を
沒
(
ぼつ
)
して
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふ。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
風入
(
かぜい
)
れの
此
(
こ
)
の
窓
(
まど
)
も、
正西
(
まにし
)
を
受
(
う
)
けて、
夕日
(
ゆふひ
)
のほとぼりは
激
(
はげ
)
しくとも、
波
(
なみ
)
にも
氷
(
こほり
)
にも
成
(
な
)
れとて
觸
(
さは
)
ると、
爪下
(
つました
)
の
廂屋根
(
ひさしやね
)
は、さすがに
夜露
(
よつゆ
)
に
冷
(
つめた
)
いのであつた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
そこへまた、
何
(
なに
)
か
雷
(
かみなり
)
のやうに
怒鳴
(
どな
)
る
聲
(
こえ
)
がしたかと
思
(
おも
)
ふと、
小牛
(
こうし
)
ほどもある
硬
(
かた
)
い
氷
(
こほり
)
の
塊
(
かたまり
)
がピユーツと
墜
(
を
)
ちてきて、
真向
(
まつこう
)
からラランのからだを
撥
(
は
)
ね
飛
(
と
)
ばした。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
引からげ
堪忍
(
かんにん
)
しろと
後
(
うしろ
)
から
浴
(
あび
)
せ掛たる
氷
(
こほり
)
の
刄
(
やいば
)
肩先
(
かたさき
)
深
(
ふか
)
く切込れアツとたまきる聲の下ヤア情けなや三次どの何で
妾
(
わらは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
真
(
まこと
)
に
是
(
こ
)
れ一の夢幻界なり。湾に沿へる
拿破里
(
ナポリ
)
の
市
(
まち
)
は次第に暮色
微茫
(
びばう
)
の中に没せり。
眸
(
ひとみ
)
を放ちて遠く望めば、雪を
戴
(
いただ
)
けるアルピイの山脈
氷
(
こほり
)
もて削り成せるが如し
ヴエスヴイオ山
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
味噌
(
みそ
)
こし
下
(
さ
)
げて
端
(
はし
)
たのお
錢
(
あし
)
を
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
つて
米屋
(
こめや
)
の
門
(
かど
)
までは
嬉
(
うれ
)
しく
驅
(
か
)
けつけたれど、
歸
(
かへ
)
りには
寒
(
さむ
)
さの
身
(
み
)
にしみて
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
龜
(
かじ
)
かみたれば
五六軒
(
ごろくけん
)
隔
(
へだ
)
てし
溝板
(
どぶいた
)
の
上
(
うへ
)
の
氷
(
こほり
)
にすべり
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
氷
(
こほり
)
の
死
(
し
)
の
手
(
て
)
をば
引外
(
ひッぱづ
)
して
右手
(
めて
)
に
附入
(
つけい
)
りまする
手練
(
しゅれん
)
の
切先
(
きっさき
)
、それを
撥反
(
はねかへ
)
すチッバルト。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
醫者
(
いしや
)
は
芥子
(
からし
)
を
局部
(
きよくぶ
)
へ
貼
(
は
)
る
事
(
こと
)
と、
足
(
あし
)
を
濕布
(
しつぷ
)
で
温
(
あたゝ
)
める
事
(
こと
)
と、
夫
(
それ
)
から
頭
(
あたま
)
を
氷
(
こほり
)
で
冷
(
ひや
)
す
事
(
こと
)
とを、
應急
(
おうきふ
)
手段
(
しゆだん
)
として
宗助
(
そうすけ
)
に
注意
(
ちゆうい
)
した。さうして
自分
(
じぶん
)
で
芥子
(
からし
)
を
掻
(
か
)
いて、
御米
(
およね
)
の
肩
(
かた
)
から
頸
(
くび
)
の
根
(
ね
)
へ
貼
(
は
)
り
付
(
つ
)
けて
呉
(
く
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ほれごらんなさい こんなに
氷
(
こほり
)
だらけになつたわ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
あゝ わが神霊
氷
(
こほり
)
よりさむし
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
氷
(
こほり
)
が
張
(
は
)
つて
お月さまいくつ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鯛
(
たひ
)
の
子
(
こ
)
はくやしくつて
火
(
ひ
)
のやうに
眞赤
(
まつか
)
になりました。けれどまた
怖
(
こわ
)
くつて、
氷
(
こほり
)
のやうに
硬
(
こは
)
ばつてぶるぶる、ふるえてをりました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
其
氷室
(
ひむろ
)
は水の
氷
(
こほり
)
ををさめおくやうに
諸書
(
しよしよ
)
の
注釈
(
ちゆうしやく
)
にも見えしが、水の氷れるは
不潔
(
ふけつ
)
なり、不潔をもつて
貢献
(
こうけん
)
にはなすべからず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
井戸端
(
ゐどばた
)
の
桶
(
をけ
)
には
芋
(
いも
)
が
少
(
すこ
)
しばかり
水
(
みづ
)
に
浸
(
ひた
)
してあつて、
其
(
その
)
水
(
みづ
)
には
氷
(
こほり
)
がガラス
板
(
いた
)
位
(
ぐらゐ
)
に
閉
(
と
)
ぢて
居
(
ゐ
)
る。おつぎは
鍋
(
なべ
)
をいつも
磨
(
みが
)
いて
居
(
ゐ
)
る
砥石
(
といし
)
の
破片
(
かけ
)
で
氷
(
こほり
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
氷々
(
こほり/\
)
、
雪
(
ゆき
)
の
氷
(
こほり
)
と、こも
俵
(
だはら
)
に
包
(
つゝ
)
みて
賣
(
う
)
り
歩
(
ある
)
くは
雪
(
ゆき
)
をかこへるものなり。
鋸
(
のこぎり
)
にてザク/\と
切
(
き
)
つて
寄越
(
よこ
)
す。
日盛
(
ひざかり
)
に、
町
(
まち
)
を
呼
(
よ
)
びあるくは、
女
(
をんな
)
や
兒
(
こ
)
たちの
小遣取
(
こづかひとり
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見て汝は何者なるや
我
(
われ
)
今宵
(
こよひ
)
此質屋へ忍び入り思ひの
儘
(
まゝ
)
に
盜
(
ぬす
)
まんと
今
(
いま
)
引窓
(
ひきまど
)
より
這入
(
はひり
)
たるに屋根にて
足音
(
あしおと
)
する故
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出來
(
いできた
)
りたり汝聲を立てなば一
討
(
うち
)
と
氷
(
こほり
)
の如き
刄
(
やいば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今日
(
けふ
)
は
用
(
よう
)
なしの
身
(
み
)
なればとて
兄
(
あに
)
は
終日
(
しゆうじつ
)
此處
(
こゝ
)
にありけり、
氷
(
こほり
)
を
取寄
(
とりよ
)
せて
雪子
(
ゆきこ
)
の
頭
(
つむり
)
を
冷
(
ひや
)
す
附添
(
つきそひ
)
の
女子
(
をなご
)
に
代
(
かは
)
りて、どれ
少
(
すこ
)
し
私
(
わし
)
がやつて
見
(
み
)
やうと
無骨
(
ぶこつ
)
らしく
手
(
て
)
を
出
(
いだ
)
すに、
恐
(
おそ
)
れ
入
(
いり
)
ます
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
冬曉
(
とうげう
)
早
(
はや
)
く
蓐
(
じよく
)
を
離
(
はな
)
れて
斗滿川
(
とまむがは
)
に
行
(
ゆ
)
き、
氷穴中
(
へうけつちゆう
)
に
結
(
むす
)
べる
氷
(
こほり
)
を
手斧
(
てをの
)
を
以
(
もつ
)
て
破
(
やぶ
)
り(
此
(
この
)
氷
(
こほり
)
の
厚
(
あつ
)
さにても
數寸餘
(
すうすんよ
)
あり)
身
(
み
)
を
沒
(
ぼつ
)
し、
曉天
(
げうてん
)
に
輝
(
かゞや
)
く
星光
(
せいくわう
)
を
眺
(
なが
)
めながら
灌水
(
くわんすゐ
)
を
爲
(
な
)
す
時
(
とき
)
の、
清爽
(
せいさう
)
なる
情趣
(
じやうしゆ
)
は
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
彼
(
かれ
)
は氷嚢を隔てゝ、
氷
(
こほり
)
に
食
(
く
)
ひ
付
(
つ
)
いた時の様に物足らなく思つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
氷室
(
ひむろ
)
は水の
氷
(
こほり
)
ををさめおくやうに
諸書
(
しよしよ
)
の
注釈
(
ちゆうしやく
)
にも見えしが、水の氷れるは
不潔
(
ふけつ
)
なり、不潔をもつて
貢献
(
こうけん
)
にはなすべからず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
可哀
(
かはい
)
さうな、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
らしい、あの、しをらしい、
可愛
(
かはい
)
い
蟲
(
むし
)
が、
何
(
なん
)
にも
知
(
し
)
つた
事
(
こと
)
ではないんですけれど、でも
私
(
わたし
)
、
鉦
(
かね
)
たゝきだと
思
(
おも
)
ひますだけでも、
氷
(
こほり
)
で
殺
(
ころ
)
して、
一筋
(
ひとすぢ
)
づゝ
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜
(
よ
)
は
深
(
ふ
)
けた。
外
(
そと
)
の
闇
(
やみ
)
は
氷
(
こほ
)
つたかと
思
(
おも
)
ふやうに
只
(
たゞ
)
しんとした。
蒟蒻
(
こんにやく
)
の
水
(
みづ
)
にも
紙
(
かみ
)
の
如
(
ごと
)
き
氷
(
こほり
)
が
閉
(
と
)
ぢた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
かしく
解
(
と
)
けではあられぬ
春
(
はる
)
の
氷
(
こほり
)
イヤ
僕
(
ぼく
)
こそが
結局
(
けつきよく
)
なり
妹
(
いも
)
といふもの
味
(
あぢ
)
しらねどあらば
斯
(
か
)
くまで
愛
(
あい
)
らしきか
笑顔
(
えがほ
)
ゆたかに
袖
(
そで
)
ひかへて
良
(
りやう
)
さん
昨夕
(
ゆふべ
)
は
嬉
(
うれ
)
しき
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たりお
前様
(
まへさま
)
が
学校
(
がくかう
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
唯
(
たゞ
)
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
にも、はじめて
嬉
(
うれ
)
しさを
知
(
し
)
りましたのは、
私
(
わたし
)
たち
婦
(
をんな
)
の
長
(
なが
)
い
黒髮
(
くろかみ
)
です……
白
(
しろ
)
い
枕
(
まくら
)
に
流
(
なが
)
れるやうに
掛
(
かゝ
)
りましたのが、
自分
(
じぶん
)
ながら
冷々
(
ひや/\
)
と、
氷
(
こほり
)
を
伸
(
の
)
ばして
敷
(
し
)
いたやうで
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
地寒
(
ちかん
)
のよわきとつよきとによりて
氷
(
こほり
)
の
厚
(
あつき
)
と
薄
(
うすき
)
との
如
(
ごと
)
し。天に
温冷熱
(
をんれいねつ
)
の三
際
(
さい
)
あるは、人の
肌
(
はだへ
)
は
温
(
あたゝか
)
に
肉
(
にく
)
は
冷
(
ひやゝ
)
か
臓腑
(
ざうふ
)
は
熱
(
ねつ
)
すると
同
(
おな
)
じ
道理
(
だうり
)
也。
気中
(
きちゆう
)
万物
(
ばんぶつ
)
の
生育
(
せいいく
)
悉
(
こと/″\
)
く天地の
気格
(
きかく
)
に
随
(
したが
)
ふゆゑ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その
下駄
(
げた
)
にて
重
(
おも
)
き
物
(
もの
)
を
持
(
も
)
ちたれば
足
(
あし
)
もと
覺束
(
おぼつか
)
なくて
流
(
なが
)
し
元
(
もと
)
の
氷
(
こほり
)
にすべり、あれと
言
(
い
)
ふ
間
(
ま
)
もなく
横
(
よこ
)
にころべば
井戸
(
いど
)
がはにて
向
(
むか
)
ふ
臑
(
ずね
)
したゝかに
打
(
う
)
ちて、
可愛
(
かわい
)
や
雪
(
ゆき
)
はづかしき
膚
(
はだ
)
に
紫
(
むらさき
)
の
生々
(
なま/\
)
しくなりぬ
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鉢肴
(
はちざかな
)
また
洗
(
あらひ
)
と
稱
(
とな
)
へ、
縁日
(
えんにち
)
の
金魚
(
きんぎよ
)
を
丼
(
どんぶり
)
に
浮
(
う
)
かせて——(
氷
(
こほり
)
を
添
(
そ
)
へてもいゝ)——
後
(
のち
)
にひきものに
持
(
も
)
たせて
歸
(
かへ
)
す、
殆
(
ほとん
)
ど
籠城
(
ろうじやう
)
に
馬
(
うま
)
を
洗
(
あら
)
ふ
傳説
(
でんせつ
)
の
如
(
ごと
)
き、
凄
(
すご
)
い
寸法
(
すんぱふ
)
があると
仄聞
(
そくぶん
)
した。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今日
(
けふ
)
よりは
私
(
わたし
)
も
家
(
うち
)
に
歸
(
かへ
)
りて
伯父樣
(
おぢさま
)
の
介抱
(
かいほう
)
活計
(
くらし
)
の
助
(
たす
)
けもしまする、
知
(
し
)
らぬ
事
(
こと
)
とて
今朝
(
けさ
)
までも
釣瓶
(
つるべ
)
の
繩
(
なわ
)
の
氷
(
こほり
)
を
愁
(
つ
)
らがつたは
勿躰
(
もつたい
)
ない、
學校
(
がくかう
)
ざかりの
年
(
とし
)
に
蜆
(
しゞみ
)
を
擔
(
かつ
)
がせて
姉
(
あね
)
が
長
(
なが
)
い
着物
(
きもの
)
きて
居
(
ゐ
)
らりようか
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
人
(
ひと
)
づてに
聞
(
き
)
いたばかりですけれども、
野
(
の
)
に、
山
(
やま
)
に、
雨
(
あめ
)
となり、
露
(
つゆ
)
となり、
雪
(
ゆき
)
や、
氷
(
こほり
)
で、もとの
水
(
みづ
)
へ
返
(
かへ
)
つた
果
(
はて
)
は、
妓夫上
(
ぎふあが
)
りと
世帶
(
しよたい
)
を
持
(
も
)
つて、
土手
(
どて
)
で、おでん
屋
(
や
)
をしてゐたのが
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
待
(
まつ
)
て
春
(
はる
)
の
氷
(
こほり
)
に
朝日
(
あさひ
)
かげおのづから
解
(
と
)
けわたる
折
(
をり
)
ならでは
何事
(
なにごと
)
の
甲斐
(
かひ
)
ありとも
覺
(
おぼ
)
えず
誰
(
た
)
れも/\
異見
(
いけん
)
は
言
(
い
)
ふな
心
(
こゝろ
)
の
浮
(
う
)
く
話
(
はなし
)
に
氣
(
き
)
をなぐさめて
面白
(
おもしろ
)
き
世
(
よ
)
をおもしろしと
思
(
おも
)
はするのが
肝要
(
かんえう
)
ぞと
我
(
われ
)
先立
(
さきだ
)
ちて
機嫌
(
きげん
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
禪師
(
ぜんじ
)
見給
(
みたま
)
ひて、やがて
禪杖
(
ぜんぢやう
)
を
拿
(
とり
)
なほし、
作麽生
(
そもさん
)
何所爲
(
なんのしよゐ
)
ぞと
一喝
(
いつかつ
)
して、
他
(
かれ
)
が
頭
(
かうべ
)
を
撃
(
うち
)
たまへば、たちまち
氷
(
こほり
)
の
朝日
(
あさひ
)
に
逢
(
あ
)
ふが
如
(
ごと
)
く
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて、かの
青頭巾
(
あをづきん
)
と
骨
(
ほね
)
のみぞ
草葉
(
くさば
)
にとゞまりける。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
チチと
沸
(
わ
)
くのが
氷
(
こほり
)
の
裂
(
さ
)
けるやうに
響
(
ひゞ
)
いて、ふきこぼるゝ
泡
(
あは
)
は
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
を
乱
(
みだ
)
した。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おほみそかは
大薩摩
(
おほざつま
)
の、もの
凄
(
すご
)
くも
又
(
また
)
可恐
(
おそろ
)
しき、
荒海
(
あらうみ
)
の
暗闇
(
やみ
)
のあやかしより、
山寺
(
やまでら
)
の
額
(
がく
)
の
魍魎
(
まうりやう
)
に
至
(
いた
)
るまで、
霙
(
みぞれ
)
を
錬
(
ね
)
つて
氷
(
こほり
)
を
鑄
(
い
)
つゝ、
年
(
とし
)
の
瀬
(
せ
)
に
楯
(
たて
)
を
支
(
つ
)
くと
雖
(
いへど
)
も、
巖間
(
いはま
)
の
水
(
みづ
)
は
囁
(
さゝや
)
きて、
川端
(
かはばた
)
の
辻占
(
つじうら
)
に
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
窓
(
まど
)
を
開
(
あ
)
けると、
氷
(
こほり
)
を
目
(
め
)
に
注
(
そゝ
)
ぐばかり、
颯
(
さつ
)
と
雨
(
あめ
)
が
冷
(
つめた
)
い。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
びり/\と
氷
(
こほり
)
を
削
(
けづ
)
るやうに
唇
(
くちびる
)
へきしんで
響
(
ひゞ
)
いた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天窓
(
あたま
)
から
氷
(
こほり
)
を
浴
(
あ
)
びたやうに
筋
(
すぢ
)
がしまつた。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“氷”の解説
氷(冰、こおり)とは、固体の状態にある水のこと。
なお、天文学では宇宙空間に存在する一酸化炭素や二酸化炭素、メタンなど水以外の低分子物質の固体をも氷(誤解を避けるためには「○○の氷」)と呼ぶこともある。また惑星科学では、天王星や海王星の内部に存在する高温高密度の水や、アンモニアの液体のことを氷と呼ぶことがある。さらに日常語でも、固体の二酸化炭素をドライアイスと呼ぶ。
この記事では、水の固体を扱う。
(出典:Wikipedia)
氷
常用漢字
小3
部首:⽔
5画
“氷”を含む語句
薄氷
氷柱
氷水
氷嚢
氷室
垂氷
月下氷人
氷河
碓氷
碓氷峠
氷山
氷塊
氷雪
氷花
氷結
氷斧
厚氷
流氷
結氷
氷屋
...