御覽ごらん)” の例文
新字:御覧
禮心れいごころに、あかりけておともをしませう……まち𢌞まはつて、かどまでおむかひにまゐつてもうござんす……には御覽ごらんなさいませんか。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ハイ、御覽ごらんとほり、むらではおほきな建物たてものです。しかしこのおてら村中むらぢう人達ひとたちめにあるのです。わたしはこゝに御奉公ごほうこうしてるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
御覽ごらんなさい、世界せかいはじめから、今日こんにちいたるまで、益〻ます/\進歩しんぽしてくものは生存競爭せいぞんきやうさう疼痛とうつう感覺かんかく刺戟しげきたいする反應はんおうちからなどでせう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それはまへ四角しかくうしろまるいといふ意味いみであります。このつか模型もけいとくいてありますから、それを御覽ごらんになるとよくわかります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
王樣わうさまその女王樣ぢよわうさまかひなにかけされられ、おそる/\まをされました、『かんがへても御覽ごらんなさい、え、たか一人ひとり子供こどもではないか!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
にぎやかだよ。一寸ちよつとつて御覽ごらん。なに電車でんしやつてけばわけはない」とすゝめた。さうして自分じぶんさむさに腐蝕ふしよくされたやうあかかほをしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かみもおはしまさば我家わがやのきとゞまりて御覽ごらんぜよ、ほとけもあらば此手元このてもとちかよりても御覽ごらんぜよ、こゝろめるかにごれるか。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御覽ごらんのとほり、はじめのが、四音しおんになつてゐるが、ともかく、5・7・5といふみつつのかたちを、基礎きそとしてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「あなた、この方の御兩親のことを一つ二つおきになつて御覽ごらん遊ばせ。お二人を覺えてゐらつしやいますかしら。」
そのそでをおとりになると、かほかくしましたが、はじめにちらと御覽ごらんになつて、いたよりも美人びじんおぼされて
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
御覽ごらん其所そこおけばお光は會釋ゑしやく行燈あんどう引寄ひきよせしきりに見るそばで茶を菓子くわしすゝめながら其の横顏よこがほをつく/″\とながめてこゝろおもふやう自分じぶんの方からふくるを待ちおや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何時いつぞやわたしがとらそんじたときにも、やはりこのこん水干すいかんに、打出うちだしの太刀たちいてりました。唯今ただいまはそのほかにも御覽ごらんとほり、弓矢ゆみやるゐさへたずさへてります。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし、これはたゞ傳説でんせつですから、あてにはなりませんが、これからおはなしするのは、普通ふつうどこにもあり、みなさんがいつでも實際じつさい御覽ごらんになれる樹木じゆもくのおはなしです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
老叟らうそうわらつて客間きやくまにちやんとえてあるではないかといふので、それでは客間きやくま御覽ごらんなさいけつして有りはしないからと案内あんないして内にはひつて見ると、こは如何いか
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
う言つて拜んだの、……神樣に何を頼んだんだい。……何かむづかしいことを持ち込んだのかい。……う言つて拜んだのか、モ一度大きな聲でやつて御覽ごらん。……』
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
その活動力くわつどうりよくうしなつてあひだは、如何いかんともすること出來できません、吾等われらいさぎよく其處そこ身命しんめいなげうこと露惜つゆをしまぬが、其爲そのために、海底戰鬪艇かいていせんとうていつひ彼等かれら掠奪りやくだつされて御覽ごらんなさい
そこでオシホミミの命が天からの階段にお立ちになつて御覽ごらんになり、「葦原の水穗の國はひどくさわいでいる」と仰せられて、またお還りになつて天照らす大神に申されました。
今宵こよひ陋屋らうをくにて、明星みょうじゃうかゞやき、暗天やみぞらをさへもあかるらすを御覽ごらんあれ。
「うん、だからてて御覽ごらんいまにあのあななかへちやんとおしまひするから‥‥」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
これではじつ仕方しかたがない、其故それゆゑわたくし生徒せいとむかつて常々つね/″\まをしてります。何事なにこと自分じぶん研究けんきうして御覽ごらんなさい、研究けんきうして自分じぶん難問なんもん解釋かいしするやうにさい。これはあなが讀書どくしよのみにかぎりません。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
御免おんゆるし候へ、これ御覽ごらん
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そのいはとうさんに、彼處あそこ御覽がらん、こゝを御覽ごらん、とひまして、半分はんぶんつちのついた水晶すゐしやうがそこいらにらばつてるのをしてせました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
貴女あなたをおうたがまをすんぢやない。もと/\ふうれて手紙てがみですから、たとひ御覽ごらんつたにしろ、それふのぢやありません。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
王樣わうさま氣遣きづかはしげに白兎しろうさぎ御覽ごらんになりました、白兎しろうさぎ低聲こゞゑで、『陛下へいか證人しようにん相手方あひてかた證人しようにん詰問きつもんせらるゝ必要ひつえうがあります』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
子供こどもなんざ、くてもいぢやないか。うへ坂井さかゐさんやう澤山たくさんうまれて御覽ごらんはたからてゐてもどくだよ。まる幼穉園えうちゑんやう
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さらに『クロマニヨン』じんは、彫刻ちようこくをしたばかりでなく、おほきないたのです。その今日こんにちまでのこつてをりますが、あちらのかべ御覽ごらんなさい。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
らずひきしかばなどたまるべき微塵みぢんになりてうらみをのこしぬぢやうさま御覽ごらんじつけてどくがりたまこのそこねたるは我身わがみらせよかはりにはあたらしきのを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かういふと、不思議ふしぎおもかたがあるかもれません。あなたがた御覽ごらん書物しよもつには、たいてい短歌たんかおこりを、神代かみよのすさのをのみことのおさくからとしてゐるでせう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
領し物頭役ものがしらやく相勤あひつとめたる大橋文右衞門清長きよながいざ鎌倉かまくらと云ふ時のため武士の省愼たしなみ差替さしかへの大小具足ぐそくりやうぐらゐは所持致し居り候これ御覽ごらん候へと仕舞置しまひおきたる具足櫃ぐそくびつ并びに差替の大小を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よ』といふ警語けいごいまむかしかはりなく、あたかちからとがいまむかしかはりのないやうに、全校ぜんかう題目だいもくとなり、目標もくへうとなり、唱歌しやうかとなりるのを御覽ごらんになりましよう。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
實見じつけんはしませんが、御覽ごらんとうり、海面かいめんから餘程よほどたかいあの屏風岩べうぶいわ尖頭せんとうにも、海草かいさう打上うちあげられたほどですから、秘密造船所ひみつざうせんじよ内部ないぶ無論むろん海潮かいてう浸入しんにうのために、大損害だいそんがいかうむつたことでせう
もうかうなつたうへは、あなたと一しよにはられません。わたしは一思ひとおもひに覺悟かくごです。しかし、——しかしあなたもおになすつてください。あなたはわたしのはぢ御覽ごらんになりました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
とにかく、あなたが始終しじふこんなまぐれな贅澤ぜいたくばかりなさるから、月末つきずゑはらひがりなかつたり、子供こどものまはりをちやんとしてやれないのよ。かんがへても御覽ごらんなさい、夏繪なつゑ來年らいねんもう學校がくかうよ。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
れはわたし權内けんないことなのです。まあ、かんがへて御覽ごらんなさい、わたしかり貴方あなたこゝからだしたとして、甚麼利益どんなりえきりますか。御覽ごらんなさい、まちものか、警察けいさつかがまた貴方あなたとらへてれてまゐりませう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
御心みこゝろなが御覽ごらんぜられさふらはゞ
『でも、おまへ!』と公爵夫人こうしやくふじんつて、『何事なにごとでも徳義とくぎつてるのさ、よくをつけて御覽ごらん夫人ふじんほもあいちやんのそば近寄ちかよりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
のね、可愛かはいらしいのが、ときの、和蘭陀館オランダやかた貴公子きこうしですよ。御覽ごらん、——おちなさいよ。うしてならべたら、なんだか、ものりないから。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふゆ夜長よながに、粉挽こなひうたの一つもうたつてやつて御覽ごらんなさい。うたきな石臼いしうす夢中むちうになつて、いくらいても草臥くたぶれるといふことをりません。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「そりやわたしもついなかつたの。けれども、屹度きつとあの相談さうだんよ。いまにいさんがかへつてたらいて御覽ごらんなさい。屹度きつと左樣さうよ」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これもまた金冠塚きんかんづかおなじような勾玉まがたまのついた金冠きんかんきんかざものましたので、その品物しなものをそのまゝつちなかならべて、殿下でんか御覽ごらんれましたが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
もちまへ疳癪かんしやくしたるえがたく、智識ちしきぼうさまが御覽ごらんじたらば、ほのほにつゝまれて黒烟くろけふりにこゝろ狂亂きやうらんをりふし、こともいふことかね敵藥てきやくぞかし
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これが永福門院えいふくもんいんのおうたです。御覽ごらんのとほり、ものいろあひ、あはせが、非常ひじよううつくしくつくられてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
つとめしや外にいは有歟あるかとはるゝに瀬川せがは其儀は御覽ごらんの通りの老母らうぼ一人有之これあり君太夫きみたいふとても永々なが/″\世話せわ相成あひなり居も心苦しく又金七と申者も火難くわなんあひどくに候故相談さうだんの上遊女奉公仕ほうこうつかまつり其金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はい、あに病氣びやうきは、わたくしが子ープルスにかへつてから、三月みつきほどすぎて、名殘なごりなく全快ぜんくわいして、いま人一倍ひといちばい健全すこやかに、英國エイこくから新造軍艦しんざうぐんかん廻航中くわいかうちうこの」につてこと貴方あなた御覽ごらんとうりです。
さうして貴方あなた縱令たとひぢゆう鐵格子てつがうしうちんでゐやうが、幸福かうふくつてゐるのでありますから。ヂオゲンを御覽ごらんなさい、かれたるなかんでゐました、れども地上ちじやう諸王しよわうより幸福かうふくつたのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
御覽ごらんなさい、眞紅まつかおびめてむすめますよ。』
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「そオら、今度こんど敏樹としきはふつて御覽ごらん‥‥」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
大切たいせつことなんですから。もしか御覽ごらんなすつたら、かまひません、——つてください、たと、貴女あなたたと……かまはないからつてください。」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うかしたかと氣遣きづかひてへば、にはか氣分きぶんすぐれませぬ、わたし向島むかふじまくのはめて、此處こゝからぐにかへりたいとおもひます、貴郎あなたはゆるりと御覽ごらんなりませ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そおれ御覽ごらんなさい……」