トップ
>
近寄
>
ちかよ
ふりがな文庫
“
近寄
(
ちかよ
)” の例文
彼は又旅行案内を
開
(
ひら
)
いて、細かい数字を
丹念
(
たんねん
)
に調べ
出
(
だ
)
したが、少しも決定の
運
(
はこび
)
に
近寄
(
ちかよ
)
らないうちに、又三千代の方に
頭
(
あたま
)
が
滑
(
すべ
)
つて
行
(
い
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あれは
鉄砲
(
てっぽう
)
だよ。
近寄
(
ちかよ
)
ると、ズドンといって、みんな
殺
(
ころ
)
されてしまうのだよ。」と、
親
(
おや
)
すずめは
子
(
こ
)
すずめにいいきかせました。
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
塾
(
じゆく
)
の
山田
(
やまだ
)
は、
湯
(
ゆ
)
に
行
(
い
)
つて、
教場
(
けうぢやう
)
にも
二階
(
にかい
)
にも
誰
(
たれ
)
も
居
(
を
)
らず、
物音
(
ものおと
)
もしなかつた。
枕頭
(
まくらもと
)
へ……ばたばたといふ
跫音
(
あしおと
)
、ものの
近寄
(
ちかよ
)
る
氣勢
(
けはひ
)
がする。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると、まばゆいように
照
(
て
)
り
輝
(
かゞや
)
ぐ
女
(
をんな
)
がゐます。これこそ
赫映姫
(
かぐやひめ
)
に
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
してお
近寄
(
ちかよ
)
りになると、その
女
(
をんな
)
は
奧
(
おく
)
へ
逃
(
に
)
げて
行
(
ゆ
)
きます。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
『でも、お
前
(
まへ
)
!』と
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は
云
(
い
)
つて、『
何事
(
なにごと
)
でも
徳義
(
とくぎ
)
で
持
(
も
)
つてるのさ、よく
氣
(
き
)
をつけて
御覽
(
ごらん
)
』
夫人
(
ふじん
)
は
尚
(
な
)
ほも
愛
(
あい
)
ちやんの
傍
(
そば
)
へ
近寄
(
ちかよ
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
と
搜
(
さが
)
す中、
漸
(
やつ
)
とのことで大きな
無花果
(
いちじく
)
の
樹蔭
(
こかげ
)
に
臥
(
ね
)
こんで
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
つけ
出
(
だ
)
し、
親父
(
おやぢ
)
は
恭々
(
うや/\
)
しく
近寄
(
ちかよ
)
つて
丁寧
(
ていねい
)
にお
辭儀
(
じぎ
)
をして
言
(
い
)
ふのには
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして、ばたばた
近寄
(
ちかよ
)
つて
來
(
き
)
た
夏繪
(
なつゑ
)
と
敏樹
(
としき
)
を
靜
(
しづか
)
にさせながら、
二人
(
ふたり
)
を
兩方
(
りやうはう
)
から
抱
(
いだ
)
きよせたまま
蜂
(
はち
)
の
動作
(
どうさ
)
を
眺
(
なが
)
めつゞけてゐた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
五、
屋外
(
おくがい
)
に
於
(
おい
)
ては
屋根瓦
(
やねがはら
)
、
壁
(
かべ
)
の
墜落
(
ついらい
)
、
或
(
あるひ
)
は
石垣
(
いしがき
)
、
煉瓦塀
(
れんがべい
)
、
煙突
(
えんとつ
)
等
(
とう
)
の
倒潰
(
とうかい
)
し
來
(
きた
)
る
虞
(
おそれ
)
ある
區域
(
くいき
)
から
遠
(
とほ
)
ざかること。
特
(
とく
)
に
石燈籠
(
いしどうろう
)
に
近寄
(
ちかよ
)
らざること。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
ラランの
悪知慧
(
わるぢえ
)
は
有名
(
いうめい
)
なもので、ほかの
鳥
(
とり
)
がうまく
飛
(
と
)
んでるのを
見
(
み
)
ると、
近寄
(
ちかよ
)
つては
自分
(
じぶん
)
の
尖
(
とが
)
つた
嘴先
(
くちさき
)
でチクリと
刺
(
さ
)
して
墜落
(
ついらく
)
させてしまふのだ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
陰湿
(
いんしつ
)
な
穴蔵部屋
(
あなぐらべや
)
、手さぐりで
近寄
(
ちかよ
)
ると、
鉄格子
(
てつごうし
)
の
錆
(
さび
)
がザラザラ落ちた。すると、ウーム……とうめきだしたかすかな人声。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ふと、
鏡
(
かがみ
)
のおもてから
眼
(
め
)
を
放
(
はな
)
したおせんの
唇
(
くちびる
)
は、
小
(
ちい
)
さく
綻
(
ほころ
)
びた。と
同時
(
どうじ
)
に、すり
寄
(
よ
)
るように、
体
(
からだ
)
は
戸棚
(
とだな
)
の
前
(
まえ
)
へ
近寄
(
ちかよ
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
又
(
また
)
此短針
(
このたんしん
)
九
時
(
じ
)
と十
時
(
じ
)
との
間
(
あひだ
)
を
半過
(
なかばす
)
ぎて十
時
(
じ
)
の
方
(
はう
)
に
近寄
(
ちかよ
)
り、
長針
(
ちやうしん
)
も
進
(
すゝん
)
で八
時
(
じ
)
の
所
(
ところ
)
に
來
(
きた
)
ればこれを十
時
(
じ
)
前
(
まへ
)
二十
分時
(
ぶんじ
)
と云ふ。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
けれども
兜
(
かぶと
)
の
前立
(
まえだて
)
のきらきらする
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
におじけて、ただ口から火を
吹
(
ふ
)
くばかりで、そばへ
近寄
(
ちかよ
)
ることができません。
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
『
何故
(
なぜ
)
だと。』と、イワン、デミトリチは
嚇
(
おど
)
すやうな
氣味
(
きみ
)
で、
院長
(
ゐんちやう
)
の
方
(
はう
)
に
近寄
(
ちかよ
)
り、
顫
(
ふる
)
ふ
手
(
て
)
に
病院服
(
びやうゐんふく
)
の
前
(
まへ
)
を
合
(
あは
)
せながら。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
浮加々々
(
うか/\
)
其所へ至り
設
(
も
)
し
災難
(
さいなん
)
に
會
(
あふ
)
ときは父母への不孝此上なし我は君子に非れども
危
(
あやふ
)
き事には
近寄
(
ちかよ
)
る可からず
部屋
(
へや
)
に
耳
(
のみ
)
居て花のなき庭を眺て
消光
(
くらし
)
なば
書物
(
しよもつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
恥
(
はづか
)
しさ、
悲
(
かな
)
しさ、
腹立
(
はらだ
)
たしさ、——その
時
(
とき
)
のわたしの
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
は、
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
へば
好
(
よ
)
いかわかりません。わたしはよろよろ
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
りながら、
夫
(
をつと
)
の
側
(
そば
)
へ
近寄
(
ちかよ
)
りました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その巡査はおそらく犬がきらいであったか、あるいはそんな所にわれわれの
近寄
(
ちかよ
)
ることをふつごうと考えたのか、ひどくふきげんでわたしたちを追いはらおうとした。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
達二はしばらく自分の眼を
疑
(
うたが
)
って立ちどまっていましたが、やはりどうしても家らしかったので、こわごわもっと
近寄
(
ちかよ
)
って見ますと、それは
冷
(
つめ
)
たい大きな黒い岩でした。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
大軍刀
(
おほだち
)
ブン/\と
振
(
ふ
)
り
廻
(
まわ
)
し
海賊船
(
かいぞくせん
)
若
(
も
)
し
近寄
(
ちかよ
)
らば
吾
(
われ
)
から
其
(
その
)
甲板
(
かんぱん
)
に
飛移
(
とびうつ
)
らんばかりの
勢
(
いきほ
)
ひ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
私達
(
わたくしたち
)
は一
応
(
おう
)
参拝
(
さんぱい
)
を
済
(
す
)
ませてから、
直
(
ただ
)
ちに
目的
(
もくてき
)
の
銀杏
(
いちょう
)
の
樹
(
き
)
に
近寄
(
ちかよ
)
りますと、
早
(
はや
)
くもそれと
気
(
き
)
づいたか、
白茶色
(
しろちゃいろ
)
の
衣裳
(
いしょう
)
をつけた
一人
(
ひとり
)
の
妖精
(
ようせい
)
が
木蔭
(
こかげ
)
から
歩
(
あゆ
)
み
出
(
い
)
で、
私達
(
わたくしたち
)
に
近
(
ちか
)
づきました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
三
人
(
にん
)
の
武士
(
ぶし
)
は
仕
(
し
)
かたなしに、
左右
(
さいう
)
を
顧
(
かへり
)
みつゝ、
少
(
すこ
)
しづつ
死體
(
したい
)
の
側
(
そば
)
に
近寄
(
ちかよ
)
つて
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
雷鳥
(
らいちよう
)
ははひまつの
芽
(
め
)
や
高山植物
(
こうざんしよくぶつ
)
の
若芽
(
わかめ
)
や
實
(
み
)
を
食物
(
しよくもつ
)
としてゐます。
性質
(
せいしつ
)
は
遲鈍
(
ちどん
)
ですから、
人
(
ひと
)
が
近寄
(
ちかよ
)
つても
容易
(
ようい
)
に
逃
(
に
)
げません。
杖
(
つゑ
)
で
叩
(
たゝ
)
けば
落
(
おと
)
せそうな
低
(
ひく
)
い
空
(
そら
)
を、うろ/\
飛
(
と
)
び
廻
(
まは
)
つてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
また
以前
(
いぜん
)
水
(
みづ
)
を
湯
(
ゆ
)
に
沸
(
わか
)
すことは
非常
(
ひじよう
)
に
困難
(
こんなん
)
であつて、
僅
(
わづ
)
かに
石
(
いし
)
のくぼみへ
水
(
みづ
)
を
入
(
い
)
れて、それに
燒
(
や
)
き
石
(
いし
)
を
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
むとか、
貝殼
(
かひがら
)
に
入
(
い
)
れた
水
(
みづ
)
を
火
(
ひ
)
に
近寄
(
ちかよ
)
せて
少
(
すこ
)
しの
湯
(
ゆ
)
を
得
(
え
)
たに
過
(
す
)
ぎなかつたのでありますが
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
各自棍棒石斧抔を手にして獸に
近寄
(
ちかよ
)
り之を
捕獲
(
ほくわく
)
せしならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
此時
(
このとき
)
、ベンヺーリオー
近寄
(
ちかよ
)
りて
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
誰
(
た
)
れかゞ
籠
(
かご
)
に
近寄
(
ちかよ
)
ると
鸚鵡:(フランス)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
からすは、
石
(
いし
)
の
当
(
あ
)
たらないのを
知
(
し
)
っていて、こちらのことは
気
(
き
)
にも
止
(
と
)
めずに、だんだん
巣
(
す
)
の
方
(
ほう
)
へ
近寄
(
ちかよ
)
って、じっと
機会
(
きかい
)
をねらっていました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
軍曹殿
(
ぐんそうどの
)
、
軍曹殿
(
ぐんそうどの
)
、
早
(
はや
)
く
早
(
はや
)
く、
銃
(
じう
)
を
早
(
はや
)
く‥‥」と、
中根
(
なかね
)
は
岸
(
きし
)
に
近寄
(
ちかよ
)
らうとしてあせりながら
叫
(
さけ
)
んだ。
銃
(
じう
)
はまだ
頭上
(
づじやう
)
にまつ
直
(
す
)
ぐ
差
(
さ
)
し
上
(
あ
)
げられてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『
何故
(
なぜ
)
だと。』と、イワン、デミトリチは
嚇
(
おど
)
すような
気味
(
きみ
)
で、
院長
(
いんちょう
)
の
方
(
ほう
)
に
近寄
(
ちかよ
)
り、
顫
(
ふる
)
う
手
(
て
)
に
病院服
(
びょういんふく
)
の
前
(
まえ
)
を
合
(
あわ
)
せながら。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
彼等
(
かれら
)
は
遙
(
はる
)
か
行
(
ゆ
)
かずして、
遠方
(
ゑんぱう
)
に
海龜
(
うみがめ
)
が、
爼形
(
まないたなり
)
の
小
(
ちひ
)
さな
岩
(
いは
)
の
上
(
うへ
)
に、
悲
(
かな
)
しさうにも
亦
(
また
)
淋
(
さび
)
しさうに
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
ました、
彼等
(
かれら
)
が
段々
(
だん/\
)
近寄
(
ちかよ
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
に
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
つて
近寄
(
ちかよ
)
つて、そっと
切
(
き
)
つて
見
(
み
)
ると、その
切
(
き
)
つた
筒
(
つゝ
)
の
中
(
なか
)
に
高
(
たか
)
さ
三寸
(
さんずん
)
ばかりの
美
(
うつく
)
しい
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
がゐました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
其時、往来の
忙
(
いそが
)
しさに、始めて気が
付
(
つ
)
いた様に
顔
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げた。三四郎の
脱
(
ぬ
)
いだ帽子の
影
(
かげ
)
が、女の
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
つた。
二人
(
ふたり
)
は説教の掲示のある所で、互に
近寄
(
ちかよ
)
つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
どかりと
腰
(
こし
)
をおろした
縁台
(
えんだい
)
に、
小腰
(
こごし
)
をかがめて
近寄
(
ちかよ
)
ったのは、
肝腎
(
かんじん
)
のおせんではなくて、
雇女
(
やといめ
)
のおきぬだった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
『
武村
(
たけむら
)
が、とう/\
御安眠
(
ごあんみん
)
を
妨害
(
ぼうがい
)
しましたね。』と、
水兵
(
すいへい
)
に
命
(
めい
)
じて
二個
(
にこ
)
の
倚子
(
ゐす
)
を
近寄
(
ちかよ
)
せた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
然
(
しか
)
しながら
其
(
その
)
ような
高
(
たか
)
い
殿堂
(
でんどう
)
に
近寄
(
ちかよ
)
ることや
堂上
(
どうじよう
)
に
昇
(
のぼ
)
ることは
年齡
(
ねんれい
)
に
無關係
(
むかんけい
)
なことであるから、わが
讀者
(
どくしや
)
も
偶
(
たま/\
)
かような
場所
(
ばしよ
)
に
居合
(
ゐあは
)
せたとき
大地震
(
だいぢしん
)
に
出會
(
であ
)
ふようなことがないとも
限
(
かぎ
)
らぬ。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
と
叫
(
さけ
)
んで、
手早
(
てばや
)
く二の
矢
(
や
)
をつがえて、いっそう
強
(
つよ
)
く
引
(
ひ
)
きしぼって
放
(
はな
)
しましたが、これもはねかえって
来
(
き
)
ました。もうあとに
矢
(
や
)
は一
本
(
ぽん
)
しか
残
(
のこ
)
ってはおりません。むかではずんずん
近寄
(
ちかよ
)
って
来
(
き
)
ました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
してはいけないよ。みんなもこちらへ
近寄
(
ちかよ
)
ろうとしていっしょうけんめいやっているのだ。それには二つしかたがある……一つはこのおれたちのいる下まで、トンネルをほるのだ。もう一つは水を
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
些
(
ち
)
と
離
(
はな
)
れた
畝
(
あぜ
)
を
伝
(
つた
)
つて、
向
(
むか
)
ふから
又
(
また
)
一
(
ひと
)
つ、ひよい/\と
来
(
き
)
て、ばさりと
頭
(
かしら
)
を
寄
(
よ
)
せて
同
(
おな
)
じく
留
(
と
)
まる。と
素直
(
まつすぐ
)
な
畷筋
(
なはてすぢ
)
を、
別
(
べつ
)
に
一個
(
ひとつ
)
よたよた/\/\と、
其
(
それ
)
でも
小刻
(
こきざみ
)
の
一本脚
(
いつぽんあし
)
、
竹
(
たけ
)
を
早
(
はや
)
めて
急
(
いそ
)
いで
近寄
(
ちかよ
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
このとき、
勇
(
ゆう
)
ちゃんは
足
(
あし
)
もとの
土
(
つち
)
を
拾
(
ひろ
)
って、
青
(
あお
)
い
灯
(
ひ
)
を
目
(
め
)
あてに
投
(
な
)
げました。すると、
青
(
あお
)
い
灯
(
ひ
)
が
動
(
うご
)
いて、
白
(
しろ
)
い
着物
(
きもの
)
がこちらへ
近寄
(
ちかよ
)
ってきました。
二百十日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
三千代の
顔
(
かほ
)
は
此前
(
このまへ
)
逢
(
あ
)
つた
時
(
とき
)
よりは寧ろ
蒼白
(
あをしろ
)
かつた。代助に
眼
(
め
)
と
顎
(
あご
)
で
招
(
まね
)
かれて書斎の
入口
(
いりぐち
)
へ
近寄
(
ちかよ
)
つた時、代助は三千代の
息
(
いき
)
を
喘
(
はづ
)
ましてゐることに気が付いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
處
(
こ
)
れは
奇妙
(
きめう
)
だと
思
(
おも
)
つて、
近寄
(
ちかよ
)
つて
凝
(
じつ
)
と
見
(
み
)
てゐますと、やがて
其中
(
そのなか
)
の
一人
(
ひとり
)
が
云
(
い
)
ふことには、『
意
(
き
)
をお
注
(
つ
)
けよ、
何
(
なん
)
だね、
五點
(
フアイブ
)
!こんなに
私
(
わたし
)
に
顏料
(
ゑのぐ
)
を
撥
(
は
)
ねかして!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
とおほめになつて、うちに
少々
(
しよう/\
)
殘
(
のこ
)
つてゐた
物
(
もの
)
を
褒美
(
ほうび
)
に
取
(
と
)
らせました。もちろん
姫
(
ひめ
)
の
難題
(
なんだい
)
には
怖
(
お
)
じ
氣
(
け
)
を
振
(
ふる
)
ひ、「
赫映姫
(
かぐやひめ
)
の
大
(
おほ
)
がたりめ」と
叫
(
さけ
)
んで、またと
近寄
(
ちかよ
)
らうともしませんでした。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
大地震
(
だいぢしん
)
によりて
損傷
(
そんしよう
)
した
家屋
(
かおく
)
の
中
(
なか
)
には
崩壞
(
ほうかい
)
の
縁
(
ふち
)
に
近寄
(
ちかよ
)
り、きはどい
所
(
ところ
)
で
喰止
(
くひと
)
めたものもあらう。さういふものは、
地震
(
ぢしん
)
ならずとも、
或
(
あるひ
)
は
風
(
かぜ
)
、
或
(
あるひ
)
は
雨
(
あめ
)
によつて
崩壞
(
ほうかい
)
することもあるであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
光
(
ひか
)
ったものは、だんだん
岸
(
きし
)
の
方
(
ほう
)
に
近寄
(
ちかよ
)
ってきました。そして、だんだんはっきりとそれがわかるようになりました。それは、
氷山
(
ひょうざん
)
であったのです。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其内
(
そのうち
)
で野々宮さんは尤も多忙に見えた。部屋の入口に顔を
出
(
だ
)
した三四郎を、
一寸
(
ちよつと
)
見て、
無言
(
むげん
)
の儘
近寄
(
ちかよ
)
つて
来
(
き
)
た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたし
)
は、
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
だけで、ほかに
友
(
とも
)
だちがなかったから、あまり
屋台
(
やたい
)
には
近寄
(
ちかよ
)
らずに、
離
(
はな
)
れてぼんやりと
立
(
た
)
っていますと
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然し時によると、それが尤も機嫌のわるい
索引
(
さくいん
)
になる事があつた。さう云ふときは、いかに神経のふつくら出来
上
(
あが
)
つた
兄
(
あに
)
でも、成るべく
近寄
(
ちかよ
)
らない事にしてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
娘
(
むすめ
)
は
黒
(
くろ
)
んぼを、
物珍
(
ものめずら
)
しそうに
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
りますと、
黒
(
くろ
)
んぼは
立
(
た
)
ち
止
(
ど
)
まって、
不思議
(
ふしぎ
)
そうに、
娘
(
むすめ
)
の
顔
(
かお
)
を
見
(
み
)
つめていましたが、やがて
近寄
(
ちかよ
)
ってまいりました。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さう
云
(
い
)
ふ
場合
(
ばあひ
)
が
度重
(
たびかさ
)
なるに
連
(
つ
)
れて、
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
は
少
(
すこ
)
しづゝ
近寄
(
ちかよ
)
る
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
た。
仕舞
(
しまひ
)
には、
姉
(
ねえ
)
さん
一寸
(
ちよつと
)
こゝを
縫
(
ぬ
)
つて
下
(
くだ
)
さいと、
小六
(
ころく
)
の
方
(
はう
)
から
進
(
すゝ
)
んで、
御米
(
およね
)
に
物
(
もの
)
を
頼
(
たの
)
む
樣
(
やう
)
になつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「これが千
両
(
りょう
)
も
値打
(
ねう
)
ちのある
仏
(
ほとけ
)
さまですか。」と、
中
(
なか
)
には、おそるおそる
近寄
(
ちかよ
)
ってながめる
人
(
ひと
)
たちもあったのです。
天下一品
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
寄
常用漢字
小5
部首:⼧
11画
“近”で始まる語句
近
近所
近江
近頃
近々
近習
近衛
近傍
近郷
近眼