時代じだい)” の例文
で、貴方あなた時代じだいやうとすましてもゐられるでせうが、いや、わたくしふことはいやしいかもれません、笑止をかしければおわらください。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
千九百二十四年、すなわち大正十三年に、彼はにました。これで一時代じだいが終わったといわれるほど大きな事件じけんでありました。(訳者)
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
しかるに今日こんにちぱんにこの轉倒てんたふ逆列ぎやくれつもちゐてあやしまぬのは、畢竟ひつきやう歐米文明おうべいぶんめい渡來とらいさい何事なにごと歐米おうべい風習ふうしう模倣もほうすることを理想りさうとした時代じだい
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
世界せかいじゅうのおともだちが、そのになってくれたら、ぼくたちの時代じだいには、いままでとちがった、りっぱな世界せかいになれるのでないか。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
現代いまのよ人達ひとたちから頭脳あたまふるいとおもわれるかぞんじませぬが、ふるいにも、あたらしいにも、それがその時代じだいおんなみちだったのでございます。
これらのしな日本人につぽんじん美術びじゆつ價値かちらない時代じだい海外かいがいつてしまつたものであつて、いまでは日本につぽんもどすことも出來できないのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ちょっとかんがへても、時代じだいあたらしくなるほど、うたがわからなくなるといふような、不自然ふしぜん事實じじつを、あなたがたはまともに、うけれますか。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
こと青年輩せいねんはい身心しん/\發育はついく時代じだいにあるものには、いまよりこのはふ實行じつかうして體力たいりよく培養ばいやうし、將來しやうらい大成たいせいはかことじつ肝要かんえうならずや。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
そうして、諭吉ゆきちがかんがえていることのあらわれるが、にみえないところで、すすんでいました。時代じだいおおきくうごいてきていたのです。
巖谷氏いはやし住所ぢうしよころ麹町かうぢまち元園町もとぞのちやうであつた。が麹町かうぢまちにも、高輪たかなわにも、千住せんぢゆにも、つこと多時たじにして、以上いじやう返電へんでんがこない。今時いまどきとは時代じだいちがふ。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
活東子くわつとうしはなうごめかして『いや、これは、埴輪はにわよりずツとふる時代じだい遺物ゐぶつです。石器時代せききじだい土器どき破片はへんです』と説明せつめいした。
火山地方かざんちほう地下熱ちかねつ利用りようなどもあることだから、使つかようによつては人生じんせい利益りえきあたへる時代じだいもやがて到着とうちやくするであらう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
どうしたはずみか、その日、ふと心に浮かびあがったのは、まだやっと九つのころの、わたしの少年時代じだいのことです。
宗助そうすけ相當さうたう資産しさんのある東京とうきやうものゝ子弟していとして、彼等かれら共通きようつう派出はで嗜好しかう學生がくせい時代じだいには遠慮ゑんりよなくたしたをとこである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ヴァードステーナ僧院の栄誉えいよがくずれないうちに、そのすぐそばに御殿ごてんが建てられて、それがその時代じだいでは、もっともすばらしいものとなるでしょう。
それは、前途ぜんとにおおくの希望きぼうを持った、わか時代じだいには、ずいぶんいやにすました人だといわれたこともあった。実際じっさい気位きぐらい高くふるまっていたこともあった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
蒲團ふとんやの時代じだいからのみのをとこおもはなんだがあれこそは死花しにばな、ゑらさうにえたといふ、なににしろきく大損おほぞんであらう、には結搆けつこう旦那だんながついたはづ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あいそのものであり、そのどもがあるから、どんな暗黒あんこく時代じだいでも、未來みらいにひかりをるのです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
わたしだつても學校がくかう時代じだいはあつてよ』とつてあいちやんは、『そんなに自慢じまんしなくッてもいわ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
十六ページでしたか、定価ていかが三せん、小説の挿絵さしゑを二めん入れました、これよりさき四六ばん時代じだいいま一人ひとり画家ぐわかくはゝりました、横浜よこはま商館番頭しやうくわんばんとうゆめのやうつゝとふ名、実名じつめいわすれましたが
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
みづから一の目的もくてきさだめ、万障ばんしやうはいし、終生しうせいてつその目的点もくてきてんたつせんとつとむるが如きは不信仰ふしんこう時代じだい行為こうゐなりき、しゆめいしたがひ、今日こんにち今日こんにちげふす、今日こんにち生涯しやうがいなり
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
つゝしんでおもんぱかるにかみ御恵みめぐみあまねかりし太古たいこ創造さう/″\時代じだいには人間にんげん無為むゐにして家業かげふといふ七むづかしきものもなければかせぐといふ世話せわもなく面白おもしろおかしくくつ日向ひなたぼこりしてゐられたものゝ如し。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
ものがあまりなかつたり、またまったくないふる時代じだいになりますと、どうしても遺物いぶつばかりで研究けんきゆうをするほか方法ほう/\はありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
で、貴方あなたはよい時代じだいようとすましてもいられるでしょうが、いや、わたくしうことはいやしいかもれません、笑止おかしければおわらください。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いままでは、そういうあたりまえのことすらできなかったが、いよいよそれができる、自由じゆう時代じだいになったのを、っているね。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
動物どうぶつはいつの時代じだいにも口をききましたし、いまでもまだ口をきくのです。しかし、とりけものは自分のお友だちにしか口をききません。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
けれども、時代じだいさきまをしたようですから、そのおさくも、自然しぜんおもしろさがかたよつてゐて、完全かんぜんなものとはまをげることが出來できません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
そのぎがやま修行場しゅぎょうば、その時代じだい竜宮界りゅうぐうかいそのいろいろのめずらしいところれてかれ、また良人おっとをはじめおおくの人達ひとたちにもわせていただきました。
彌次郎やじらう時代じだいにはゆめにも室氣枕くうきまくらことなどはおもふまい、と其處等そこいらみまはすと、また一人々々ひとり/\が、風船ふうせんあたまくゝつて、ふはり/\といてかたちもある。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いはゆる文化的都市ぶんくわてきとし發達はつたつすればするほど、災害さいがい慘憺さんたんとなる。したがつて震災しんさいたいしても防備ばうびかんがへがこる。が、これも比較的ひかくてきあたらしい時代じだいぞくする。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
代目だいめ時代じだい鷄屋とりや番人ばんにん老人らうじんて、いろ/\世話せわをしてちやなどれてれてたが、其老人そのろうじんもなくんだので、んとなく寂寞せきばくかんじたのであつた。
小六ころく一寸ちよつとした好奇心かうきしんたため、二人ふたり會話くわいわ存外ぞんぐわい素直すなほながれてつた。御米およねうら家主やぬしの十八九時代じだい物價ぶつか大變たいへんやすかつたはなしを、此間このあひだ宗助そうすけからいたとほかへした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
明治二十四年めいじにじゆうよねん十月二十八日じゆうがつにじゆうはちにち濃尾大地震のうびだいぢしんは、地震學ぢしんがくにとつて第二だいに時代じだいつくつたものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
あれくらゐわたしいてもうらんでも取合とりあつてくださらなかつたは旦那樣だんなさまのおえらいので、あの時代じだいのやうな蓮葉はすはわたし萬一まんいち役所やくしよことでもかしてくださらうなら、どのやうのつまらぬこと仕出來しでかすか
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
このあらしの時代じだいきていかなければならないと、かくごをしました。
これらをてもこの時代じだい人間にんげん一概いちがい野蠻人やばんじんだとはいへない、たゞ金屬きんぞく使用しようすることをらなかつたといふにすぎないのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「じつは、先祖せんぞ時代じだいから、もう一つほかにおな仏像ぶつぞうつたわっています。そのほうなら、完全かんぜんでございます。」と、おとこはいいました。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところが、さういふふうにかんがへるのなら、もっと時代じだいふるい、神武天皇頃じんむてんのうころ片歌問答かたうたもんどうほうが、連歌れんがはじまりだ、といつてよいわけではありませんか。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
あの、時代じだいのついた大建おほだてものの隨處ずゐしよすくつたのが、のためにつたか、あるひけて界隈かいわいげたのであらう。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それにしてもあなたさまなんっしゃる御方おかたで、そしていつごろ時代じだい現世げんせにおうまあそばされましたか……。
だい一は、國民こくみん眞劍しんけん生命せいめい財産ざいさん尊重そんてうするにいたることである。生命せいめい毫毛こうもうよりもかろんじ、財産ざいさん塵芥ぢんかいよりもけがらはしとする時代じだいにおいては、地震ぢしんなどは問題もんだいでない。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
水谷氏みづたにしも、余等よらも、彌生式やよひしきついては、意見いけん發表はつぺうせず、またべついうしてらなかつた時代じだいである。
この青年せいねんは、いたつてしやう神經質しんけいしつで、うとおもふと何所どこまですゝんでところが、書生しよせい時代じだい宗助そうすけによくてゐるかはりに、不圖ふとかはると、昨日きのふことまるわすれたやうかへつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たれかのまごかは、ついにその時代じだいいましょう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あたらしい時代じだいにむかう日本人にほんじん
その、おかあさんの、その時代じだいのおともだちの写真しゃしんや、叔母おばさんのや、またとしちゃんのあかぼうのときの写真しゃしんなどが、いろいろとてきました。
古いてさげかご (新字新仮名) / 小川未明(著)
自動車じどうしや相乘あひのりして、堂々だう/\と、淺草あさくさ上野うへの銀座ぎんざばす、當今たうこん貴婦人きふじん紳士しんしいへども、これをたら一驚いつきやうきつするであらう。たれ口癖くちぐせことだが、じつ時代じだい推移すゐいである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たゞしその時代じだいには、精々せい/″\打製石斧だせいせきふか、石鏃屑せきぞくくづくらゐで、格別かくべつおどろくべき珍品ちんぴんらぬのであつた。
時代じだいがあるんですか。えらいものを買ひ込んだもんだね。かへりに一本いつぽんもらつてかう」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ローマネスク、ゴシツク時代じだいになると、餘程よほど進歩しんぽして一のまとまつたものが出來できた。たとへば巴里ぱりのノートルダムの寺塔じたふ有名いうめい怪物くわいぶつ繼合物つぎあはせものではなくて立派りつぱまとまつた創作さうさくになつてる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)