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大勢
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おほぜい
ふりがな文庫
“
大勢
(
おほぜい
)” の例文
そこで
天皇
(
てんのう
)
は
大勢
(
おほぜい
)
の
家來
(
けらい
)
たちをおつれになりその
長
(
なが
)
い/\
丸木橋
(
まるきばし
)
の
上
(
うへ
)
をお
渡
(
わた
)
りになつたといふことが、
日本書紀
(
につぽんしよき
)
といふ
本
(
ほん
)
に
出
(
で
)
てゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
しかしドン・ジユアンは冷然と、
舟中
(
しうちう
)
に
剣
(
つるぎ
)
をついた儘、
匀
(
にほひ
)
の
好
(
い
)
い葉巻へ火をつけた。さうして眉一つ動かさずに、
大勢
(
おほぜい
)
の霊を眺めやつた。
LOS CAPRICHOS
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
暫
(
しばら
)
く
立
(
た
)
ち
止
(
と
)
まつて
見
(
み
)
てゐるうちに、
石
(
いし
)
の
壁
(
かべ
)
に
沿
(
そ
)
うて
造
(
つく
)
り
附
(
つ
)
けてある
卓
(
つくゑ
)
の
上
(
うへ
)
で
大勢
(
おほぜい
)
の
僧
(
そう
)
が
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
鍋釜
(
なべかま
)
から
移
(
うつ
)
してゐるのが
見
(
み
)
えて
來
(
き
)
た。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼等
(
かれら
)
は
寧
(
むし
)
ろ
自分
(
じぶん
)
の
家
(
うち
)
で
造
(
つく
)
つたものゝ
方
(
はう
)
が
佳味
(
うま
)
いにも
拘
(
かゝわ
)
らず
大勢
(
おほぜい
)
と
共
(
とも
)
に
騷
(
さわ
)
ぐのが
愉快
(
ゆくわい
)
なので、
水許
(
みづばか
)
りのやうな
甘酒
(
あまざけ
)
を
幾杯
(
いくはい
)
も
傾
(
かたむ
)
けるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
やき
大勢
(
おほぜい
)
居
(
ゐ
)
ながら餘り目はしの
利
(
きか
)
ぬ
奴等
(
やつら
)
だ兄と云ば某しが弟に
違
(
ちが
)
ひなし何故早く
然樣
(
さう
)
云ないなどと
無理
(
むり
)
ばかり云中に長兵衞長八の兩人は足を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
例へば堂々たる帝國の議會ですら、僅か二三千萬の金の問題で、大きな子供が
大勢
(
おほぜい
)
でワイ/\大騷を
行
(
や
)
るぢやないか。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
あんなに
大勢
(
おほぜい
)
女のゐる中で、どうして自分は一人も自分を
慰
(
なぐさ
)
めてくれる相手に
邂逅
(
めぐりあ
)
はないのであらう。
誰
(
た
)
れでもいゝ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
休憩時間
(
きふけいじかん
)
には
控所
(
ひかえじよ
)
の
大勢
(
おほぜい
)
の中を
奔走
(
ほんそう
)
して
売付
(
うりつ
)
けるのです、
其頃
(
そのころ
)
学習院
(
がくしうゐん
)
が
類焼
(
るいしやう
)
して
当分
(
たうぶん
)
高等中学
(
こうとうちうがく
)
に
合併
(
がつぺい
)
して
居
(
ゐ
)
ましたから、
此
(
こゝ
)
へも持つて行つて
推売
(
おしう
)
るのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
大勢
(
おほぜい
)
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
つて
己
(
おれ
)
を三つも四つも
打
(
ぶ
)
ち
倒
(
のめ
)
しアがつて、
揚句
(
あげく
)
のはてに
突飛
(
つきと
)
ばされたが、悪いところに石があつたので、
膝
(
ひざ
)
を
摺剥
(
すりむ
)
いて血が
大層
(
たいそう
)
出るからのう……。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あゝもう
可
(
よ
)
うございます。
漏電
(
ろうでん
)
ですが
消
(
き
)
えました。——
軍隊
(
ぐんたい
)
の
方
(
かた
)
も、
大勢
(
おほぜい
)
見
(
み
)
えてゐますから
安心
(
あんしん
)
です。」
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其夜
(
そのよ
)
大雨
(
たいう
)
が
降
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
したので、これ
迄
(
まで
)
野營
(
やえい
)
を
續
(
つゞ
)
けてゐた
附近
(
ふきん
)
の
被害民
(
ひがいみん
)
は、
皆
(
みな
)
此
(
こ
)
の
潰
(
つぶ
)
れ
殘
(
のこ
)
りの
家
(
いへ
)
に
集
(
あつ
)
まつて
來
(
き
)
て
餘
(
あま
)
り
大勢
(
おほぜい
)
でありし
爲
(
ため
)
、
混雜
(
こんざつ
)
はしたけれども、
皆
(
みな
)
口々
(
くち/″\
)
に
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
暇
(
ひま
)
さへあれば下宿へ
出掛
(
でかけ
)
て行つて、
一人一人
(
ひとりひとり
)
に相談する。相談は
一人一人
(
ひとりひとり
)
に
限
(
かぎ
)
る。
大勢
(
おほぜい
)
寄
(
よ
)
ると、
各自
(
めいめい
)
が自分の存在を主張しやうとして、
稍
(
やゝ
)
ともすれば異を
樹
(
た
)
てる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
紳士だの貴婦人だのが、
大勢
(
おほぜい
)
母さまに會ひに來て、あたしはいつもその人たちの前でダンスをしたり、その人たちのお膝の上に坐つて唄を歌つて上げたりしましたの。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
堪忍
(
かんにん
)
をし、
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
つても
先方
(
さき
)
は
大勢
(
おほぜい
)
、
此方
(
こつち
)
は
皆
(
みな
)
よわい
者
(
もの
)
ばかり、
大人
(
おとな
)
でさへ
手
(
て
)
が
出
(
だ
)
しかねたに
叶
(
かな
)
はぬは
知
(
し
)
れて
居
(
ゐ
)
る、
夫
(
そ
)
れでも
怪我
(
けが
)
のないは
仕合
(
しあはせ
)
、
此上
(
このうへ
)
は
途中
(
とちう
)
の
待
(
まち
)
ぶせが
危
(
あぶ
)
ない
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
戲
(
たはむ
)
れに
枯草
(
かれくさ
)
へ
火
(
ひ
)
を
移
(
うつ
)
した
子供等
(
こどもら
)
は、
遙
(
はる
)
かに
見
(
み
)
える
大勢
(
おほぜい
)
の
武士
(
ぶし
)
の
姿
(
すがた
)
に
恐
(
おそ
)
れて、
周章
(
あわ
)
てながら
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
さうと、
青松葉
(
あをまつば
)
の
枝
(
えだ
)
で
叩
(
たゝ
)
くやら、
燃
(
も
)
えてゐる
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
へ
轉
(
ころ
)
がるやらして、
頻
(
しき
)
りに
騷
(
さわ
)
いでゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
この
他
(
ほか
)
に
家
(
いへ
)
に
召
(
め
)
し
仕
(
つか
)
はれてゐるもの
大勢
(
おほぜい
)
手
(
て
)
ぐすね
引
(
ひ
)
いて
待
(
ま
)
つてゐます。
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
は
女
(
をんな
)
どもが
番
(
ばん
)
をし、お
婆
(
ばあ
)
さんは、
姫
(
ひめ
)
を
抱
(
かゝ
)
へて
土藏
(
どぞう
)
の
中
(
なか
)
にはひり、
翁
(
おきな
)
は
土藏
(
どぞう
)
の
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
めて
戸口
(
とぐち
)
に
控
(
ひか
)
へてゐます。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
であるから
學校
(
がくかう
)
の
歸途
(
かへりみち
)
には
大勢
(
おほぜい
)
が
其
(
その
)
崩
(
くづ
)
れ
落
(
おち
)
た
壁
(
かべ
)
に
這
(
は
)
いのぼつてワイ/\と
騒
(
さわ
)
ぐ、
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つやら、
囃
(
はや
)
すやら、
甚
(
はなは
)
だしきは
蜜柑
(
みかん
)
の
皮
(
かは
)
を
投
(
な
)
げつけなどして
揄揶
(
からか
)
うのである。けれども
何
(
なん
)
の
效果
(
きゝめ
)
もない。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
こゝには
動植鑛物
(
どうしよくこうぶつ
)
を
始
(
はじ
)
め、
理科
(
りか
)
に
關
(
かん
)
する
標本
(
ひようほん
)
が
完備
(
かんび
)
してゐます。そして
子供
(
こども
)
や
素人
(
しろうと
)
のためにいろ/\
興味
(
きようみ
)
を
惹
(
ひ
)
くように
竝
(
なら
)
べてありますので、
年
(
とし
)
の
若
(
わか
)
い
學校
(
がつこう
)
の
生徒
(
せいと
)
なども
大勢
(
おほぜい
)
見物
(
けんぶつ
)
に
出
(
で
)
かけます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
愛
(
あい
)
ちやんが
朝鮮猫
(
てうせんねこ
)
の
所
(
ところ
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つた
時
(
とき
)
に、
其周圍
(
そのしうゐ
)
にゐた
大勢
(
おほぜい
)
の
群集
(
ぐんじゆ
)
を
見
(
み
)
て
一方
(
ひとかた
)
ならず
驚
(
おどろ
)
きました、
其處
(
そこ
)
には
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
と、
王樣
(
わうさま
)
と、それから
女王樣
(
ぢよわうさま
)
との
間
(
あひだ
)
に、
一
(
いつ
)
の
爭論
(
さうろん
)
が
始
(
はじ
)
まつてゐました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
京から呉服屋の
出入
(
でいり
)
の表具師や畳屋の職人が
大勢
(
おほぜい
)
来て居る
中
(
なか
)
で頓死した。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
大勢
(
おほぜい
)
あつまつて、のんきに。
緑の種子
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大勢
(
おほぜい
)
味方
(
みかた
)
が
集
(
あつま
)
つて
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
それは、日本に伝へられる種々の物語に徴しても、また、
大勢
(
おほぜい
)
の旅行家の
見聞
(
けんぶん
)
した事実に徴しても、疑ふ余地はないといはなければならぬ。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
東隣
(
ひがしどなり
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
庭
(
には
)
には
此
(
こ
)
の
日
(
ひ
)
も
村落
(
むら
)
の
者
(
もの
)
が
大勢
(
おほぜい
)
集
(
あつ
)
まつて
大
(
おほ
)
きな
燒趾
(
やけあと
)
の
始末
(
しまつ
)
に
忙殺
(
ばうさつ
)
された。それで
其
(
その
)
人々
(
ひと/″\
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
庭
(
には
)
に
手
(
て
)
を
藉
(
か
)
さうとはしなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
申
募
(
つの
)
るに於ては是非に及ばず此
大勢
(
おほぜい
)
にて半年又は一年
懸
(
かゝ
)
りても澤の井の
出所
(
しゆつしよ
)
を
調
(
しらべ
)
ねばならぬぞ
左樣
(
さやう
)
に心得よと
威猛高
(
ゐたけだか
)
になりて
威
(
おど
)
すにぞ村中の者
肝
(
きも
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
僕
(
ぼく
)
ね、あのウだつてもね、
先生
(
せんせい
)
、人だつて、
大勢
(
おほぜい
)
で、
皆
(
みんな
)
が
体操場
(
たいさうば
)
で、てんでに
何
(
なに
)
かいつてるのを
遠
(
とほ
)
くン
処
(
とこ
)
で
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
ると、
何
(
なに
)
をいつてるのか
些少
(
ちつと
)
も
分
(
わか
)
らないで
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
アイそれは痛いワ……
負傷
(
けが
)
をしたんだから……エー
最
(
も
)
う
新入
(
しんまい
)
の
乞食
(
こじき
)
だからの、
何処
(
どこ
)
が
何
(
ど
)
うだかさつぱり
訳
(
わけ
)
が
解
(
わか
)
らないが、
彼
(
あ
)
の
山下
(
やました
)
の
突当
(
つきあた
)
りの
角
(
かど
)
の所に
大勢
(
おほぜい
)
乞食
(
こじき
)
が
居
(
ゐ
)
て
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
松並木のどこまでも続いてゐる街道を、自分は
力限
(
ちからかぎり
)
駈
(
か
)
けて行く。
跡
(
あと
)
から
大勢
(
おほぜい
)
の人が追ひ掛けて来る。自分の身は非常に軽くて、
殆
(
ほとんど
)
鳥の飛ぶやうに駈けることが出来る。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「どうです具合は。頭痛でもしますか。あんまり人が
大勢
(
おほぜい
)
ゐた
所為
(
せゐ
)
でせう。あの人形を見てゐる連中のうちには随分下等なのがゐた様だから——何か失礼でもしましたか」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
大部分
(
だいぶぶん
)
の
人
(
ひと
)
が
生活
(
せいかつ
)
してゐる
都會
(
とかい
)
は、
狹
(
せま
)
い
土地
(
とち
)
に
大勢
(
おほぜい
)
の
人
(
ひと
)
が
住
(
す
)
み、
石炭
(
せきたん
)
の
煤煙
(
ばいえん
)
や、その
他
(
ほか
)
の
塵埃
(
じんあい
)
でもって
空氣
(
くうき
)
がおそろしく
濁
(
にご
)
つてをり、また
各種
(
かくしゆ
)
の
交通機關
(
こうつうきかん
)
が
發達
(
はつたつ
)
して
晝夜
(
ちゆうや
)
の
分
(
わか
)
ちなく
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
其
(
そ
)
ればかりでなく黒ずんだ
天井
(
てんじやう
)
と
壁襖
(
かべふすま
)
に
囲
(
かこ
)
まれた二階の
室
(
へや
)
がいやに
陰気臭
(
いんきくさ
)
くて、
燈火
(
とうくわ
)
の多い、人の
大勢
(
おほぜい
)
集
(
あつま
)
つてゐる
芝居
(
しばゐ
)
の
賑
(
にぎは
)
ひが、
我慢
(
がまん
)
の
出来
(
でき
)
ぬほど恋しく思はれてならなかつたのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
二十日はお
祭
(
まつ
)
りなれば
心
(
こゝろ
)
一ぱい
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
をしてと
友達
(
ともだち
)
のせがむに、
趣向
(
しゆこう
)
は
何
(
なに
)
なりと
各自
(
めい/\
)
に
工夫
(
くふう
)
して
大勢
(
おほぜい
)
の
好
(
い
)
い
事
(
こと
)
が
好
(
い
)
いでは
無
(
な
)
いか、
幾金
(
いくら
)
でもいゝ
私
(
わたし
)
が
出
(
だ
)
すからとて
例
(
れい
)
の
通
(
とほ
)
り
勘定
(
かんでう
)
なしの
引受
(
ひきう
)
けに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それでも可なり
大勢
(
おほぜい
)
に
衝突
(
ぶつゝか
)
つた
南洋館
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
近所
(
きんじよ
)
の
者
(
もの
)
は
大勢
(
おほぜい
)
が
只
(
たゞ
)
泥
(
どろ
)
のやうになつて
動
(
うご
)
いて
居
(
ゐ
)
るのでどれがどうとも
識別
(
みわけ
)
がつかないで
困
(
こま
)
つたといつて、
勘次
(
かんじ
)
に
逢
(
あ
)
うたことを
反覆
(
くりかへ
)
して
只
(
たゞ
)
悦
(
よろこ
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
しかし
大勢
(
おほぜい
)
の人人の中にいつにない親しさの
湧
(
わ
)
いてゐるのは
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
美しい景色だつた。僕は永久にあの記憶だけは大事にして置きたいと思つてゐる。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
……
踊
(
おどり
)
の
催
(
もよほ
)
しと
言
(
い
)
へば、
園遊會
(
ゑんいうくわい
)
かなんぞで、
灰色
(
はひいろ
)
の
手
(
て
)
、
黄色
(
きいろ
)
い
手
(
て
)
、
樺色
(
かばいろ
)
の
手
(
て
)
の、
鼬
(
いたち
)
、
狐
(
きつね
)
、
狸
(
たぬき
)
、
中
(
なか
)
には
熊
(
くま
)
のやうなのも
交
(
まじ
)
つた
大勢
(
おほぜい
)
の
手
(
て
)
に、
引𢌞
(
ひきまは
)
され、
掴立
(
つかみた
)
てられ
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大勢
(
おほぜい
)
の坊主が
珠数繋
(
じゆずつなぎ
)
にせられる所を
幻
(
まぼろし
)
に見ることがあつたが、それは皆間もなく事実になつた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
も廣げ
手代
(
てだい
)
丁稚
(
でつち
)
も
大勢
(
おほぜい
)
抱
(
かゝ
)
へ今は一
廉
(
かど
)
の身代となり向ふの加賀屋
衰
(
おとろ
)
へるに
引變
(
ひきかへ
)
彌々
(
いよ/\
)
繁昌なしけるが加賀屋四郎右衞門は茂兵衞方へ引
取
(
とら
)
れし
後
(
ご
)
其身
(
そのみ
)
病勝
(
やまひがち
)
の
上
(
うへ
)
老衰
(
らうすゐ
)
して漸々近所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大勢
(
おほぜい
)
の
後
(
うしろ
)
から、
覗
(
のぞ
)
き込んだ丈で、三四郎は
退
(
しり
)
ぞいた。腰掛に倚つてみんなを待ち合はしてゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は二度見る同じ
芝居
(
しばゐ
)
の舞台をば初めてのやうに興味深く
眺
(
なが
)
めた。
其
(
そ
)
れと同時に、今度は
賑
(
にぎや
)
かな左右の
桟敷
(
さじき
)
に対する観察をも決して
閑却
(
かんきやく
)
しなかつた。世の中にはあんなに
大勢
(
おほぜい
)
女がゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ねば
承知
(
しようち
)
せぬぞと
威張
(
いばり
)
たてるを
聞流
(
きゝなが
)
しに二
階
(
かい
)
の
座敷
(
ざしき
)
へ
結城
(
ゆふき
)
を
連
(
つ
)
れあげて、
今夜
(
こんや
)
も
頭痛
(
づゝう
)
がするので
御酒
(
ごしゆ
)
の
相手
(
あいて
)
は
出來
(
でき
)
ませぬ、
大勢
(
おほぜい
)
の
中
(
なか
)
に
居
(
ゐ
)
れば
御酒
(
ごしゆ
)
の
香
(
か
)
に
醉
(
ゑ
)
ふて
夢中
(
むちう
)
になるも
知
(
し
)
れませぬから
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すると
大勢
(
おほぜい
)
の客の中に忽ち「毎度御やかましうございますが」と
甲高
(
かんだか
)
い声を出しはじめたのは絵葉書や雑誌を売る商人である。これも
亦
(
また
)
昔に変つてゐない。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
女
(
をんな
)
の
腕
(
うで
)
に
大勢
(
おほぜい
)
の
小兒
(
こども
)
をつれてゐるんだから——いづれ
人
(
ひと
)
さ、
誰
(
だれ
)
かが
手
(
て
)
を
取
(
と
)
り、
肩
(
かた
)
をひいてくれたんだらうが、
私
(
わたし
)
は
神佛
(
しんぶつ
)
のおかげだと
思
(
おも
)
つて
難有
(
ありがた
)
がつてゐるんだよ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
全
(
まつた
)
く
値
(
ね
)
ぢやねえね。
泣
(
な
)
きたくなるね」と
云
(
い
)
つたので、
大勢
(
おほぜい
)
がまた
一度
(
いちど
)
に
笑
(
わら
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから一しよに塾にゐる河合
八十次郎
(
やそじらう
)
と相談いたしまして、昨晩
四
(
よ
)
つ
時
(
どき
)
に抜けて帰りました。先生の所にはお客が
大勢
(
おほぜい
)
ありまして、混雑いたしてゐましたので、出られたのでございます。それから。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「それから」が発表された当時、世間にはやつてゐた自然派の小説には、我々の周囲にも
大勢
(
おほぜい
)
ゐさうな、その意味では人生に忠実な
性格描写
(
せいかくべうしや
)
が多かつた筈である。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
固
(
もと
)
より
以前
(
いぜん
)
から、
友造
(
ともざう
)
の
家
(
いへ
)
は、
土地
(
とち
)
でも、
場末
(
ばすゑ
)
の、
町
(
まち
)
はづれの、
舊
(
もと
)
の
足輕町
(
あしがるまち
)
の
破
(
やぶ
)
れ
長屋
(
ながや
)
に、
家族
(
かぞく
)
が
大勢
(
おほぜい
)
で、かびた、
濕
(
しめ
)
つた、じと/\した
貧
(
まづ
)
しい
暮
(
くら
)
しで
居
(
ゐ
)
たのであるから
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
能
(
よ
)
く
御出
(
おいで
)
です。
何
(
ど
)
うも
相變
(
あひかは
)
らず
寒
(
さむ
)
いぢやありませんか」と
云
(
い
)
ふ
常
(
つね
)
の
通
(
とほ
)
り
元氣
(
げんき
)
の
好
(
い
)
い
主人
(
しゆじん
)
を
見
(
み
)
ると、
子供
(
こども
)
を
大勢
(
おほぜい
)
自分
(
じぶん
)
の
前
(
まへ
)
へ
並
(
なら
)
べて、
其中
(
そのうち
)
の
一人
(
ひとり
)
と
掛聲
(
かけごゑ
)
をかけながら、じやん
拳
(
けん
)
を
遣
(
や
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
汽船へ乗るには
棧橋
(
さんばし
)
からはしけに乗らなければなりません。私達のゐた棧橋にはやはり修学旅行に来たらしい、どこか
外
(
ほか
)
の小学校の生徒も
大勢
(
おほぜい
)
わいわい言つてゐました。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大勢
(
おほぜい
)
が
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
り、
民子
(
たみこ
)
は
取縋
(
とりすが
)
るやうにして、
介抱
(
かいほう
)
するにも、
藥
(
くすり
)
にも、ありあはせの
熊膽
(
くまのゐ
)
位
(
くらゐ
)
、
其
(
それ
)
でも
心
(
こゝろ
)
は
通
(
つう
)
じたか、
少
(
すこ
)
しは
落着
(
おちつ
)
いたから
一刻
(
いつこく
)
も
疾
(
はや
)
くと、
再
(
ふたゝ
)
び
腕車
(
くるま
)
を
立
(
た
)
てようとすれば
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
勢
常用漢字
小5
部首:⼒
13画
“大勢”で始まる語句
大勢力
大勢籠
大勢集
大勢頭
大勢新聞