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送
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おく
ふりがな文庫
“
送
(
おく
)” の例文
たとえ、それを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
して、なつかしいと
思
(
おも
)
っても、ただ
生活
(
せいかつ
)
のまにまに、その
日
(
ひ
)
その
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
らなければならなかったのであります。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
處
(
ところ
)
が
此
(
この
)
アルゼリヤ
國
(
こく
)
の
中
(
うち
)
でブリダアといふ
市府
(
まち
)
の
人
(
ひと
)
は
分
(
わけ
)
ても
怠惰
(
なまけ
)
ることが
好
(
す
)
き、
道樂
(
だうらく
)
をして
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
ることが好きといふ次第である。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それは、年久しく、甲州に
質子
(
ちし
)
として養われていた末子の五男
御坊丸
(
ごぼうまる
)
が、甲州の使者に伴われて、安土へ
送
(
おく
)
り
還
(
かえ
)
されて来たことである。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それで、
時々
(
とき/″\
)
お手
紙
(
がみ
)
やお
歌
(
うた
)
をお
送
(
おく
)
りになると、それにはいち/\お
返事
(
へんじ
)
をさし
上
(
あ
)
げますので、やう/\お
心
(
こゝろ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めておいでになりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
甚兵衛
(
じんべえ
)
は、もう
誰
(
だれ
)
が
頼
(
たの
)
んでも人形を使いませんでした。そして山からときどき
遊
(
あそ
)
びにくる
猿
(
さる
)
を
相手
(
あいて
)
に、
楽
(
たの
)
しく一
生
(
しょう
)
を
送
(
おく
)
りましたそうです。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
大門際
(
おほもんぎわ
)
に
喧嘩
(
けんくわ
)
かひと
出
(
で
)
るもありけり、
見
(
み
)
よや
女子
(
をんな
)
の
勢力
(
いきほひ
)
と
言
(
い
)
はぬばかり、
春秋
(
はるあき
)
しらぬ五
丁町
(
てうまち
)
の
賑
(
にぎわ
)
ひ、
送
(
おく
)
りの
提燈
(
かんばん
)
いま
流行
(
はや
)
らねど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
細々
(
こま/″\
)
しい
臺所
(
だいどころ
)
道具
(
だうぐ
)
の
樣
(
やう
)
なものは
買
(
か
)
ふ
迄
(
まで
)
もあるまい、
古
(
ふる
)
いので
可
(
よ
)
ければと
云
(
い
)
ふので、
小人數
(
こにんず
)
に
必要
(
ひつえう
)
な
丈
(
だけ
)
一通
(
ひととほ
)
り
取
(
と
)
り
揃
(
そろ
)
えて
送
(
おく
)
つて
來
(
き
)
た。
其上
(
そのうへ
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
こんな
具合
(
ぐあい
)
で、
敦子
(
あつこ
)
さまは
人妻
(
ひとづま
)
となり、やがて
一人
(
ひとり
)
の
男
(
おとこ
)
の
児
(
こ
)
が
生
(
うま
)
れて、
少
(
すくな
)
くとも
表面
(
うわべ
)
には
大
(
たい
)
そう
幸福
(
こうふく
)
らしい
生活
(
せいかつ
)
を
送
(
おく
)
っていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
昨夜
(
さくや
)
も、
一昨夜
(
いつさくや
)
も、
夕食
(
ゆふしよく
)
果
(
は
)
てゝ
後
(
のち
)
は
部室
(
へや
)
の
窓
(
まど
)
を
開放
(
あけはな
)
して、
海
(
うみ
)
から
送
(
おく
)
る
凉
(
すゞ
)
しき
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれながら、さま/″\の
雜談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
るのが
例
(
れい
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
送
(
おく
)
るものと送られるもの、——大勢の軍兵に
囲繞
(
いにょう
)
された左陣とお銀の一団は、こうして高原を東へ東へと半刻余り進んで行った。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と
障子
(
しやうじ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
蹲
(
しやが
)
んで
居
(
ゐ
)
た
山男
(
やまをとこ
)
に
顔
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
させる、と
此
(
これ
)
が、
今
(
いま
)
しがたつひ
其処
(
そこ
)
まで
私
(
わたし
)
を
送
(
おく
)
つてくれた
若
(
わか
)
いもの、……
此方
(
こつち
)
は
其処
(
そこ
)
どころぢや
無
(
な
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
失なひ
斯迄
(
かくまで
)
千辛萬苦して
調
(
しら
)
ぶるも手懸りを得ず此上は是非に及ばじ
此
(
この
)
旨江戸へ申
送
(
おく
)
り我等は
紀州
(
きしう
)
にて
自殺致
(
じさついたす
)
より外なしと覺悟を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「そうだ、おせんちゃん。
帰
(
けえ
)
る
時
(
とき
)
にゃ、みんなで
送
(
おく
)
ってッてやろうから、きょう
一
(
いち
)
ン
日
(
ち
)
の
見世
(
みせ
)
の
話
(
はなし
)
でも、
聞
(
き
)
かしてくんねえよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
若
(
も
)
し
其時
(
そのとき
)
『
日本帝國
(
にほんていこく
)
』から
何程
(
なにほど
)
の
利益
(
りえき
)
と
保護
(
ほご
)
とを
受
(
う
)
けてゐるのかと
問
(
と
)
はれたら、
返事
(
へんじ
)
には
當惑
(
たうわく
)
するほどのミジメな
貧乏生活
(
びんばふせいくわつ
)
を
送
(
おく
)
つてゐた
癖
(
くせ
)
に。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
そんな無意
義
(
ぎ
)
な生涯なら
動物
(
どうぶつ
)
でも
送
(
おく
)
ツてゐる。
如何
(
いか
)
に何んでも、僕は動物となツてまでも
安
(
やす
)
さを
貪
(
むさぼ
)
らうとは思はないからな!
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『
飛
(
とん
)
だ
事
(
こと
)
さ。』と、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
聽入
(
きゝい
)
れぬ。『ワルシヤワこそ
君
(
きみ
)
に
見
(
み
)
せにやならん、
僕
(
ぼく
)
が五
年
(
ねん
)
の
幸福
(
かうふく
)
な
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
つた
所
(
ところ
)
だ。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
二三の若い者は、これを捨ゼリフの
送
(
おく
)
り
詞
(
ことば
)
で、あっちへ向くと、もう両国の盛り場の人混みへ見えなくなってしまいました。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すれば、
當國
(
このくに
)
の
風習通
(
ならはしどほ
)
りに、
顏
(
かほ
)
は
故
(
わざ
)
と
隱
(
かく
)
さいで、
最
(
いっち
)
良
(
よ
)
い
晴衣
(
はれぎ
)
を
着
(
き
)
せ、
柩車
(
ひつぎぐるま
)
に
載
(
の
)
せて、カピューレット
家
(
け
)
代々
(
だい/\
)
の
古
(
ふる
)
い
廟舍
(
たまや
)
へ
送
(
おく
)
られさッしゃらう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そして
摂津国
(
せっつのくに
)
の
難波
(
なにわ
)
から、おとうさんやおかあさんを
呼
(
よ
)
び
寄
(
よ
)
せて、うち
中
(
じゅう
)
がみんな
集
(
あつ
)
まって、
楽
(
たの
)
しく
世
(
よ
)
の中を
送
(
おく
)
りました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り、
愛
(
あい
)
ちやんが
針鼠
(
はりねずみ
)
を
送
(
おく
)
らうと
思
(
おも
)
ふ
所
(
ところ
)
には
總
(
すべ
)
て
畦畝
(
うね
)
があつて、二
列
(
れつ
)
になつた
兵士
(
へいし
)
が
常
(
つね
)
に
起
(
お
)
きて、
毬投場
(
グラウンド
)
の
他
(
た
)
の
部分々々
(
ぶゝん/\
)
を
歩
(
ある
)
いてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
すると青年は自分でとって一つずつ二人に
送
(
おく
)
ってよこしましたので、ジョバンニも立って、ありがとうと
言
(
い
)
いました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
何分
(
なにぶん
)
支那
(
しな
)
は
廣
(
ひろ
)
い
國
(
くに
)
でありますし、またその
東部
(
とうぶ
)
は
大河
(
たいが
)
の
流
(
なが
)
した
泥
(
どろ
)
だとか、
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
き
送
(
おく
)
つてきた
小
(
ちひ
)
さい
砂
(
すな
)
だとかゞつもつて、
非常
(
ひじよう
)
にそれが
深
(
ふか
)
いために
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
忽忙
(
そそくさ
)
と
二重外套
(
にじゆうまわし
)
を
打被
(
うちかつ
)
ぎて
出
(
い
)
づる後より、帽子を持ちて
送
(
おく
)
れる妻は
密
(
ひそか
)
に出先を問へるなり。彼は大いなる鼻を
皺
(
しわ
)
めて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
父
(
とう
)
さんはそれだけのことを
言
(
い
)
いにくそうに
言
(
い
)
って、また
自分
(
じぶん
)
の
部屋
(
へや
)
の
方
(
ほう
)
へ
戻
(
もど
)
って
行
(
い
)
った。こんな
悩
(
なや
)
ましい、
言
(
い
)
うに
言
(
い
)
われぬ一
日
(
にち
)
を
袖子
(
そでこ
)
は
床
(
とこ
)
の
上
(
うえ
)
に
送
(
おく
)
った。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それから
又
(
また
)
四
日目
(
かめ
)
に
佛
(
ほとけ
)
を
送
(
おく
)
つて
村落
(
むら
)
の
者
(
もの
)
は
黄昏
(
たそがれ
)
の
墓地
(
ぼち
)
に
落
(
お
)
ち
合
(
あ
)
うた。
蛇
(
へび
)
は
猶且
(
やつぱり
)
棺臺
(
くわんだい
)
の
陰
(
かげ
)
を
去
(
さ
)
らなかつた。
蛇
(
へび
)
は
自由
(
じいう
)
に
匍匐
(
はらば
)
ふには
餘
(
あま
)
りに
瘡痍
(
きず
)
が
大
(
おほ
)
きかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
賈
(
か
)
は
素
(
もと
)
(一〇)
驕貴
(
けうき
)
にして、
以爲
(
おも
)
へらく、
將
(
しやう
)
、
已
(
すで
)
に
軍
(
ぐん
)
に
之
(
ゆ
)
く、
而
(
しかう
)
して
己
(
おのれ
)
は
監
(
かん
)
たり、
(一一)
甚
(
はなは
)
だ
急
(
きふ
)
にせずと。
親戚左右
(
しんせきさいう
)
、
之
(
これ
)
を
送
(
おく
)
つて
留飮
(
りういん
)
す。
日中
(
につちう
)
にして
賈
(
か
)
至
(
いた
)
らず。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
父と母とのほかに、みよことみよこのうちのおじさんが、わざわざ
駅
(
えき
)
まで
送
(
おく
)
ってきてくれたのであった。
ラクダイ横町
(新字新仮名)
/
岡本良雄
(著)
「じゃ、あんたの家まで、わたしが
送
(
おく
)
っていってあげればいいでしょう。」と、おばさんは言いました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
ラプンツェルは、その
後
(
ご
)
、
男
(
おとこ
)
と
女
(
おんな
)
の
双生児
(
ふたご
)
を
産
(
う
)
んで、この
沙漠
(
さばく
)
の
中
(
なか
)
に、
悲
(
かな
)
しい
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
って
居
(
い
)
たのです。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
砂糖
(
さとう
)
や
澱粉
(
でんぷん
)
といふような
含水炭素
(
がんすいたんそ
)
とよぶ
養分
(
ようぶん
)
を
造
(
つく
)
り、それを
葉
(
は
)
から
枝
(
えだ
)
へ、
枝
(
えだ
)
から
幹
(
みき
)
を
下
(
くだ
)
つて
根
(
ね
)
に
送
(
おく
)
つて、
木全體
(
きぜんたい
)
の
發育
(
はついく
)
のための
養分
(
ようぶん
)
にし、その
殘
(
のこ
)
りは
蓄
(
たくは
)
へておきます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
翌朝
(
よくてう
)
知縣
(
ちけん
)
に
送
(
おく
)
られて
出
(
で
)
た。けふもきのふに
變
(
かは
)
らぬ
天氣
(
てんき
)
である。一
體
(
たい
)
天台
(
てんだい
)
一
萬
(
まん
)
八千
丈
(
ぢやう
)
とは、いつ
誰
(
たれ
)
が
測量
(
そくりやう
)
したにしても、
所詮
(
しよせん
)
高過
(
たかす
)
ぎるやうだが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
虎
(
とら
)
のゐる
山
(
やま
)
である。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
坊
(
ばう
)
さんは
道子
(
みちこ
)
の
孝心
(
かうしん
)
を、
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
には
稀
(
まれ
)
なものとして
絶賞
(
ぜつしやう
)
し、その
帰
(
かへ
)
るのを
門際
(
もんぎは
)
まで
送
(
おく
)
つてやつた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
旦那寺
(
だんなでら
)
なれば北高和尚をむかへて
棺
(
くわん
)
をいだし、
親族
(
しんぞく
)
はさら也人々
蓑笠
(
みのかさ
)
に雪をしのぎて
送
(
おく
)
りゆく。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
何
(
なん
)
でもよろしうございます。
書
(
か
)
いて
送
(
おく
)
つて
下
(
くだ
)
さい。きつとですよ。ようございますか。」
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
いよ/\といふ
日
(
ひ
)
が
來
(
き
)
た。
荷物
(
にもつ
)
といふ
荷物
(
にもつ
)
は、すつかり
送
(
おく
)
られた。まづ
男
(
をとこ
)
が
一足
(
ひとあし
)
先
(
さ
)
きに
出發
(
しゆつぱつ
)
して
先方
(
せんぱう
)
の
都合
(
つがふ
)
を
整
(
とゝの
)
へ、それから
電報
(
でんぱう
)
を
打
(
う
)
つて
彼女
(
かのぢよ
)
と
子供
(
こども
)
を
招
(
よ
)
ぶといふ
手筈
(
てはず
)
であつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
帰
(
かえ
)
るどころか、みんなの
顔
(
かお
)
には、
町
(
まち
)
まで
送
(
おく
)
ってゆこう、という
決意
(
けつい
)
があらわれていた。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
これが きつと 火星の運河のある所に
茂
(
しげ
)
つてゐる
植物
(
しよくぶつ
)
に水を
送
(
おく
)
る管だ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
泥
(
どろ
)
のやうに
酔
(
よ
)
っ
払
(
ぱら
)
はせた
兵士
(
へいし
)
らを
御用船
(
ごようせん
)
へ
積
(
つ
)
み込んで
送
(
おく
)
り
出
(
だ
)
さうと
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
送
(
おく
)
り
狼
(
おおかみ
)
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
送
(
おく
)
っていただいた、
美
(
うつく
)
しい
雑誌
(
ざっし
)
を
友
(
とも
)
だちに
見
(
み
)
せると、みんなが、
奪
(
うば
)
い
合
(
あ
)
って、たちまち、
汚
(
きたな
)
くしてしまいました。
残念
(
ざんねん
)
でなりません。
おかめどんぐり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
同伴者
(
つれ
)
は
親類
(
しんるゐ
)
の
義母
(
おつかさん
)
であつた。
此人
(
このひと
)
は
途中
(
とちゆう
)
萬事
(
ばんじ
)
自分
(
じぶん
)
の
世話
(
せわ
)
を
燒
(
や
)
いて、
病人
(
びやうにん
)
なる
自分
(
じぶん
)
を
湯
(
ゆ
)
ヶ
原
(
はら
)
まで
送
(
おく
)
り
屆
(
とゞ
)
ける
役
(
やく
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
たのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
然るに其
金
(
かね
)
は野々宮さんが、
妹
(
いもと
)
にヷイオリンを
買
(
か
)
つて
遣
(
や
)
らなくてはならないとかで、わざ/\国
元
(
もと
)
の
親父
(
おやぢ
)
さんから
送
(
おく
)
らせたものださうだ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
甲斐
(
かひ
)
のない
一生
(
いつしやう
)
を
送
(
おく
)
るは
眞實
(
しんじつ
)
情
(
なさけ
)
ない
事
(
こと
)
と
考
(
かんが
)
へられ、
我身
(
わがみ
)
の
心
(
こゝろ
)
をため
直
(
なほ
)
さうとはしないで
人
(
ひと
)
ごとばかり
恨
(
うら
)
めしく
思
(
おも
)
はれました。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
付て一同に通夜迄もなし
翌朝
(
よくあさ
)
は
泣々
(
なく/\
)
野邊
(
のべ
)
の
送
(
おく
)
りさへ
最
(
いと
)
懇
(
ねんごろ
)
に取行なひ妻の
紀念
(
かたみ
)
と
孤子
(
みなしご
)
を
漸々
(
やう/\
)
男の手一ツに
育
(
そだ
)
てゝ月日を送りけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
も一つ
可笑
(
をかし
)
な
話
(
はなし
)
がある。
鳥屋
(
とりや
)
のお
客
(
きやく
)
が
歸
(
かへ
)
る
時
(
とき
)
に、
娘
(
むすめ
)
が、「こんだいつ
被入
(
いらつしや
)
るの。」と
言
(
い
)
ふと、
女房
(
かみさん
)
が
又
(
また
)
うツかり、「お
近
(
ちか
)
い
内
(
うち
)
——」と
送
(
おく
)
り
出
(
だ
)
す。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
飛
(
とん
)
だことさ。』と、ミハイル、アウエリヤヌイチは
聴入
(
ききい
)
れぬ。『ワルシャワこそ
君
(
きみ
)
に
見
(
み
)
せにゃならん、
僕
(
ぼく
)
が五
年
(
ねん
)
の
幸福
(
こうふく
)
な
生涯
(
しょうがい
)
を
送
(
おく
)
った
所
(
ところ
)
だ。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私
(
わたくし
)
はそこで
忠実
(
ちゅうじつ
)
な
家来
(
けらい
)
や
腰元
(
こしもと
)
を
相手
(
あいて
)
に
余生
(
よせい
)
を
送
(
おく
)
り、そしてそこでさびしくこの
世
(
よ
)
の
気息
(
いき
)
を
引
(
ひ
)
き
取
(
と
)
ったのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
今
(
いま
)
や
本島
(
ほんとう
)
の
主人公
(
しゆじんこう
)
なる
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
の
健康
(
けんこう
)
は
言
(
い
)
ふ
迄
(
まで
)
もなく、
此頃
(
このごろ
)
では
殆
(
ほとん
)
ど
終日
(
しうじつ
)
終夜
(
しうや
)
を、
秘密造船所
(
ひみつぞうせんじよ
)
の
中
(
なか
)
で
送
(
おく
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
案内
(
あんない
)
の
猪飼八兵衛
(
いがいはちべえ
)
はかけもどって、
送
(
おく
)
りこまれた
徳川家
(
とくがわけ
)
の
家臣
(
かしん
)
三名、
槍
(
やり
)
ぶすまの間をとおってひかえ
所
(
じょ
)
に待たされた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
諒安はそのくろもじの
枝
(
えだ
)
にとりついてのぼりました。くろもじはかすかな
匂
(
におい
)
を霧に
送
(
おく
)
り霧は
俄
(
にわ
)
かに
乳
(
ちち
)
いろの
柔
(
やわ
)
らかなやさしいものを諒安によこしました。
マグノリアの木
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
送
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
“送”を含む語句
送迎
見送
目送
送葬
運送
葬送
仕送
押送
送出
為送
送込
差送
送別
送気管
御送
御見送
葬送行進曲
寄送
順送
放送
...