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わがみ
ふりがな文庫
“
我身
(
わがみ
)” の例文
我身
(
わがみ
)
も
不肖
(
ふしょう
)
ながら家庭料理の改良を
本
(
もと
)
として大原ぬしの事業を助けばやと未来の想像は愉快に
充
(
みた
)
されて結びし夢も
温
(
あたたか
)
に楽しかりき。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
忘
(
わす
)
られぬは
我身
(
わがみ
)
の
罪
(
つみ
)
か
人
(
ひと
)
の
咎
(
とが
)
か
思
(
おも
)
へば
憎
(
にく
)
きは
君様
(
きみさま
)
なりお
声
(
こゑ
)
聞
(
き
)
くもいや
御姿
(
おすがた
)
見
(
み
)
るもいや
見
(
み
)
れば
聞
(
き
)
けば
増
(
ま
)
さる
思
(
おも
)
ひによしなき
胸
(
むね
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
愚図々々
(
ぐづ/\
)
しては
居
(
ゐ
)
られぬから、
我身
(
わがみ
)
を
笑
(
わら
)
ひつけて、
先
(
ま
)
づ
乗
(
の
)
つた。
引
(
ひつ
)
かゝるやう、
刻
(
きざ
)
が
入
(
いれ
)
てあるのぢやから、
気
(
き
)
さい
確
(
たしか
)
なら
足駄
(
あしだ
)
でも
歩行
(
ある
)
かれる。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
我身
(
わがみ
)
の因果を
歎
(
かこ
)
ち、黒髪をたち切って、生涯を尼法師で暮す心を示したお若の胸中を察します伯父は、一層に
不愍
(
ふびん
)
が増して参り、あゝ可愛そうだ
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
聞
(
きゝ
)
しなれば少しは心の
亂
(
みだ
)
れもせん此度吾助が兄君を
害
(
がい
)
せしは
皆
(
みな
)
我身
(
わがみ
)
より起りしことと思はるゝなり其の
譯
(
わけ
)
は
日外
(
いつぞや
)
よりして吾助事我が身に
度々
(
たび/\
)
不義を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
『でも、あの
樣
(
やう
)
に
澤山
(
たくさん
)
乘
(
の
)
つては
端艇
(
たんてい
)
も
沈
(
しづ
)
みませうに。』といふ、
我身
(
わがみ
)
の
危急
(
あやうき
)
をも
忘
(
わす
)
れて、
却
(
かへ
)
つて
仇
(
あだ
)
し
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
氣遣
(
きづか
)
ふ
心
(
こゝろ
)
の
優
(
やさ
)
しさ、
私
(
わたくし
)
は
聲
(
こゑ
)
を
勵
(
はげ
)
まして
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
握飯
(
にぎりめし
)
ほどな
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
に
鉄火箸
(
かなひばし
)
ほどな
黄金脚
(
きんあし
)
すげてさゝしてやりたいものを
神通
(
じんつう
)
なき身の是非もなし、家財
売
(
うっ
)
て
退
(
の
)
けて懐中にはまだ三百両
余
(
よ
)
あれど
是
(
これ
)
は
我身
(
わがみ
)
を
立
(
たつ
)
る
基
(
もと
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
尤
(
もっと
)
もそれを信用する争議団員は一人もありはしなかったが……しかし、モウ
今日
(
こんにち
)
では、利平達は、社長の唯一の手足であり、杖であった。会社の浮沈を
我身
(
わがみ
)
の浮沈と考えていた。
眼
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
〽
朧夜
(
おぼろよ
)
に星の影さへ二ツ三ツ、四ツか五ツか
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
も、もしや
我身
(
わがみ
)
の
追手
(
おつて
)
かと………
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
他人の事と思はれず、
我身
(
わがみ
)
の
誉
(
ほまれ
)
と
打忘
(
うちわす
)
れられて
嬉
(
うれ
)
しく
独
(
ひとり
)
笑
(
ゑみ
)
する心の
中
(
うち
)
には、
此群集
(
このぐんしふ
)
の人々にイヤ御苦労さま
抔
(
など
)
と
一々
(
いち/\
)
挨拶
(
あいさつ
)
もしたかりし、これによりて
推想
(
おしおも
)
ふも
大尉
(
たいゐ
)
が
一族
(
いちぞく
)
近親
(
きんしん
)
の
方々
(
かた/″\
)
はいかに
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
日もすがら
砂原
(
すなはら
)
に来て
黙
(
もだ
)
せりき
海風
(
うみかぜ
)
つよく
我身
(
わがみ
)
に吹くも
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
昨日
(
きのふ
)
まで
如何
(
いか
)
になりゆく
我身
(
わがみ
)
ぞと
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
いかになり行く
我身
(
わがみ
)
なるらん
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
我身
(
わがみ
)
一つの秋にはあらねど
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
我
(
わ
)
れと
我身
(
わがみ
)
を抱くやうに
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
あゝら
有難
(
ありがた
)
の
我身
(
わがみ
)
や
候
(
さふらふ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
甲斐
(
かひ
)
のない
一生
(
いつしやう
)
を
送
(
おく
)
るは
眞實
(
しんじつ
)
情
(
なさけ
)
ない
事
(
こと
)
と
考
(
かんが
)
へられ、
我身
(
わがみ
)
の
心
(
こゝろ
)
をため
直
(
なほ
)
さうとはしないで
人
(
ひと
)
ごとばかり
恨
(
うら
)
めしく
思
(
おも
)
はれました。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
してはいられぬから、
我身
(
わがみ
)
を笑いつけて、まず乗った。
引
(
ひっ
)
かかるよう、
刻
(
きざ
)
が入れてあるのじゃから、気さえ
確
(
たしか
)
なら
足駄
(
あしだ
)
でも
歩行
(
ある
)
かれる。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そゞろに
発
(
おこ
)
りし悪心より人を殺した
天罰覿面
(
てんばつてきめん
)
、
斯
(
かゝ
)
る最後を
遂
(
と
)
げるというも
自業自得
(
じごうじとく
)
、
我身
(
わがみ
)
は
却
(
かえ
)
って
快
(
こゝろよ
)
きも、只
不憫
(
ふびん
)
な事は娘なり、血縁にあらねば重二郎どの
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
村中にても
薄々
(
うす/\
)
知て居る者あれば幸ひと引取り親子共に夫婦となりける又おせんも
我身
(
わがみ
)
の
明
(
あか
)
りもたち傳吉へ金も
戻
(
もど
)
りし上は人々に
暇
(
いと
)
まを告げ
野尻
(
のじり
)
へ立ち歸りぬ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我身
(
わがみ
)
万一の時お
辰
(
たつ
)
引き取って
玉
(
たま
)
わる方へせめてもの
心許
(
こころばか
)
りに細き暮らしの
中
(
うち
)
より一銭二銭積み置きて是をまいらするなりと包み紙に筆の跡、読みさして身の毛立つ程悲しく
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
〽朧夜
(
おぼろよ
)
に星の影さへ二ツ三ツ、四ツか五ツか鐘の
音
(
ね
)
も、もしや
我身
(
わがみ
)
の
追手
(
おって
)
かと……
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今は
我身
(
わがみ
)
に
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
伯父樣
(
おぢさま
)
に
疵
(
きず
)
のつかぬやう、
我身
(
わがみ
)
が
頓死
(
とんし
)
する
法
(
はう
)
は
無
(
な
)
きかと
目
(
め
)
は
御新造
(
ごしんぞ
)
が
起居
(
たちゐ
)
にしたがひて、
心
(
こゝろ
)
はかけ
硯
(
すゞり
)
のもとにさまよひぬ。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
固
(
もと
)
より
些細
(
ささい
)
のことながら
萬事
(
ばんじ
)
は
推
(
お
)
して
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
けむ、
向後
(
かうご
)
我身
(
わがみ
)
の
愼
(
つゝし
)
みのため、
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
き
記念
(
きねん
)
として、
彼
(
か
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
は
床
(
とこ
)
に
据
(
す
)
ゑ、
見
(
み
)
て
慰
(
なぐさ
)
みとなすべきぞ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お取にてと
問
(
とは
)
れて老人
一滴
(
ひとしづく
)
ホロリと
泪
(
なみだ
)
を
翻
(
こぼ
)
しながら初て
逢
(
あつ
)
た此方衆に話すも
最
(
いと
)
ど
面伏
(
おもぶせ
)
ながら
不※
(
ふと
)
した事から此樣に
吾儕
(
わし
)
の家にて
酒食
(
しゆしよく
)
するも何かの縁と思ふ故
我身
(
わがみ
)
の
恥
(
はぢ
)
を包もせで話すを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
不図
(
ふと
)
立聞
(
たちぎき
)
して
魂魄
(
たましい
)
ゆら/\と足
定
(
さだま
)
らず、
其儘
(
そのまま
)
其処
(
そこ
)
を
逃出
(
にげいだ
)
し人なき
柴部屋
(
しばべや
)
に夢の
如
(
ごと
)
く
入
(
いる
)
と等しく、せぐりくる涙、あなた程の方の女房とは
我身
(
わがみ
)
の
為
(
ため
)
を思われてながら吉兵衛様の
無礼過
(
なめすぎ
)
た言葉恨めしく
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
知
(
し
)
らず
曵
(
ひき
)
しかばなど
堪
(
たま
)
るべき
微塵
(
みぢん
)
になりて
恨
(
うら
)
みを
地
(
ち
)
に
殘
(
のこ
)
しぬ
孃
(
ぢやう
)
さま
御覽
(
ごらん
)
じつけて
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
がり
給
(
たま
)
ひ
此
(
この
)
そこねたるは
我身
(
わがみ
)
に
取
(
と
)
らせよ
代
(
かは
)
りには
新
(
あた
)
らしきのを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
はや
其
(
そ
)
の
谷川
(
たにかは
)
の
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
くと
我身
(
わがみ
)
で
持余
(
もてあま
)
す
蛭
(
ひる
)
の
吸殻
(
すひがら
)
を
真逆
(
まツさかさま
)
に
投込
(
なげこ
)
んで、
水
(
みづ
)
に
浸
(
ひた
)
したら
嘸
(
さぞ
)
可
(
いゝ
)
心地
(
こゝち
)
であらうと思ふ
位
(
くらゐ
)
、
何
(
なん
)
の
渡
(
わた
)
りかけて
壊
(
こは
)
れたら
夫
(
それ
)
なりけり。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人を殺せば自分も死なねばならぬというまず世の中に
定規
(
さだめ
)
があるから、
我身
(
わがみ
)
を投出して、つまり自分が死んでかかって、そうしてその憎い奴を殺すのじゃ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
卑賤
(
ひせん
)
にそだちたる
我身
(
わがみ
)
なれば
初
(
はじ
)
めより
此上
(
このうへ
)
を
見
(
み
)
も
知
(
し
)
らで、
世間
(
せけん
)
は
裏屋
(
うらや
)
に
限
(
かぎ
)
れるものと
定
(
さだ
)
め、
我家
(
わがや
)
のほかに
天地
(
てんち
)
のなしと
思
(
おも
)
はゞ、はかなき
思
(
おも
)
ひに
胸
(
むね
)
も
燃
(
も
)
えじを
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
卑賤
(
ひせん
)
にそだちたる
我身
(
わがみ
)
なれば、
始
(
はじめ
)
よりこの
以上
(
うへ
)
を見も知らで、世間は裏屋に限れる物と
定
(
さだ
)
め、
我家
(
わがや
)
のほかに天地のなしと思はゞ、はかなき思ひに胸も燃えじを
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
追
(
お
)
つては、
置場所
(
おきばしよ
)
を
忘
(
わす
)
れたにしても、
餘
(
あま
)
りな
忘
(
わす
)
れ
方
(
かた
)
だからと、
女
(
をんな
)
たちは
我
(
われ
)
と
我身
(
わがみ
)
をさへ
覺束
(
おぼつか
)
ながつて
氣
(
き
)
を
打
(
う
)
つのである。
且
(
か
)
つあやかしにでも、
憑
(
つ
)
かれたやうな
暗
(
くら
)
い
顏
(
かほ
)
をする。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
心
(
こゝろ
)
よわげなれど
誰
(
た
)
れもこんな
物
(
もの
)
なるべし、
今
(
いま
)
から
歸
(
かへ
)
るといふ
故郷
(
ふるさと
)
の
事
(
こと
)
養家
(
やうか
)
のこと、
我身
(
わがみ
)
の
事
(
こと
)
お
作
(
さく
)
の
事
(
こと
)
みなから
忘
(
わす
)
れて
世
(
よ
)
はお
縫
(
ぬひ
)
ひとりのやうに
思
(
おも
)
はるゝも
闇
(
やみ
)
なり
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それからがく/″\して
歩行
(
ある
)
くのが
少
(
すこ
)
し
難渋
(
なんじふ
)
になつたけれども、
此処
(
こゝ
)
で
倒
(
たふ
)
れては
温気
(
うんき
)
で
蒸殺
(
むしころ
)
されるばかりぢやと、
我身
(
わがみ
)
で
我身
(
わがみ
)
を
激
(
はげ
)
まして
首筋
(
くびすぢ
)
を
取
(
と
)
つて
引立
(
ひきた
)
てるやうにして
峠
(
たうげ
)
の
方
(
はう
)
へ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
馬鹿
(
ばか
)
らしい
氣違
(
きちがひ
)
じみた、
我身
(
わがみ
)
ながら
分
(
わか
)
らぬ、もう/\
皈
(
かへ
)
りませうとて
横町
(
よこちよう
)
の
闇
(
やみ
)
をば
出
(
で
)
はなれて
夜店
(
よみせ
)
の
並
(
なら
)
ぶにぎやかなる
小路
(
こうぢ
)
を
氣
(
き
)
まぎらしにとぶら/\
歩
(
あ
)
るけば
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
殆
(
ほと
)
んど
我身
(
わがみ
)
を
持
(
も
)
て
余
(
あま
)
した
頃
(
ころ
)
の、
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
如何
(
いか
)
につらからぬ
事
(
こと
)
か
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶり
)
にて
御目
(
おめ
)
にかゝりし
我身
(
わがみ
)
の
願
(
ねが
)
ひ
是
(
こ
)
れ一
ツ
なり
叶
(
かな
)
へさせ
給
(
たま
)
はゞ
嬉
(
うれ
)
しかるべきを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
分
(
わか
)
ちもせず
面白
(
おもしろ
)
きこと
面白
(
おもしろ
)
げなる
男心
(
をとこごゝろ
)
の
淡泊
(
たんぱく
)
なるにさしむかひては
何事
(
なにごと
)
のいはるべき
後世
(
のちのよ
)
つれなく
我身
(
わがみ
)
うらめしく
春
(
はる
)
はいづこぞ
花
(
はな
)
とも
云
(
い
)
はで
垣根
(
かきね
)
の
若草
(
わかくさ
)
おもひにもえぬ
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
相
(
あい
)
かはらず
父樣
(
とゝさま
)
の
御機嫌
(
ごきげん
)
、
母
(
はゝ
)
の
氣
(
き
)
をはかりて、
我身
(
わがみ
)
をない
物
(
もの
)
にして
上杉家
(
うへすぎけ
)
の
安隱
(
あんおん
)
をはかりぬれど。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我身
(
わがみ
)
の
上
(
うへ
)
にも
知
(
し
)
られまするとて
物
(
もの
)
思
(
おも
)
はしき
風情
(
ふぜい
)
、お
前
(
まへ
)
は
出世
(
しゆつせ
)
を
望
(
のぞ
)
むなと
突然
(
だしぬけ
)
に
朝之助
(
とものすけ
)
に
言
(
い
)
はれて、ゑツと
驚
(
おどろ
)
きし
樣子
(
やうす
)
に
見
(
み
)
えしが、
私等
(
わたしら
)
が
身
(
み
)
にて
望
(
のぞ
)
んだ
處
(
ところ
)
が
味噌
(
みそ
)
こしが
落
(
おち
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
猿樂町
(
さるがくてう
)
を
離
(
はな
)
れたのは
今
(
いま
)
で五
年
(
ねん
)
の
前
(
まへ
)
、
根
(
ね
)
つからお
便
(
たよ
)
りを
聞
(
き
)
く
縁
(
ゑん
)
がなく、
何
(
ど
)
んなにお
懷
(
なつか
)
しう
御座
(
ござ
)
んしたらうと
我身
(
わがみ
)
のほどをも
忘
(
わす
)
れて
問
(
と
)
ひかくれば、
男
(
をとこ
)
は
流
(
なが
)
れる
汗
(
あせ
)
を
手拭
(
てぬぐひ
)
にぬぐふて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勿躰
(
もつたい
)
なき罪は我が心よりなれど、桜町の殿といふ
面
(
おも
)
かげなくば、胸の鏡に映るものもあらじ。罪は
我身
(
わがみ
)
か、殿か、殿だになくは我が心は
静
(
しづか
)
なるべきか。
否
(
いな
)
、かゝる事は思ふまじ。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
太吉
(
たきち
)
が
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
ますからといふに、おゝ
左樣
(
さう
)
だと
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したやうに
帶
(
おび
)
を
解
(
と
)
いて
流
(
なが
)
しへ
下
(
お
)
りれば、そゞろに
昔
(
むか
)
しの
我身
(
わがみ
)
が
思
(
おも
)
はれて九
尺
(
しやく
)
二
間
(
けん
)
の
臺處
(
だいどころ
)
で
行水
(
ぎようずゐ
)
つかふとは
夢
(
ゆめ
)
にも
思
(
おも
)
はぬもの
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
かけ
硯
(
すゞり
)
を
此處
(
こゝ
)
へと
奧
(
おく
)
の
間
(
ま
)
より
呼
(
よ
)
ばれて、
最早
(
もはや
)
此時
(
このとき
)
わが
命
(
いのち
)
は
無
(
な
)
き
物
(
もの
)
、
大旦那
(
おほだんな
)
が
御目通
(
おめどほ
)
りにて
始
(
はじ
)
めよりの
事
(
こと
)
を申、
御新造
(
ごしんぞ
)
が
無情
(
むじやう
)
そのまゝに
言
(
い
)
ふてのけ、
術
(
じゆつ
)
もなし
法
(
はう
)
もなし
正直
(
しやうぢき
)
は
我身
(
わがみ
)
の
守
(
まも
)
り
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫
(
そ
)
れでも
原田
(
はらだ
)
の
妻
(
つま
)
と
言
(
い
)
はれたいか、
太郎
(
たらう
)
の
母
(
はゝ
)
で
候
(
さふらふ
)
と
顏
(
かほ
)
おし
拭
(
ぬぐ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
心
(
こゝろ
)
か、
我身
(
わがみ
)
ながら
我身
(
わがみ
)
の
辛棒
(
しんぼう
)
がわかりませぬ、もう/\もう
私
(
わたし
)
は
良人
(
つま
)
も
子
(
こ
)
も
御座
(
ござ
)
んせぬ
嫁入
(
よめいり
)
せぬ
昔
(
むか
)
しと
思
(
おも
)
へば
夫
(
そ
)
れまで
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
なに
)
もお
前
(
まへ
)
女口
(
をんなぐち
)
一
(
ひと
)
つ
針仕事
(
はりしごと
)
で
通
(
とほ
)
せない
事
(
こと
)
もなからう、あれほど
利
(
き
)
く
手
(
て
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
ながら
何故
(
なぜ
)
つまらない
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
を
始
(
はじ
)
めたのか、あんまり
情
(
なさけ
)
ないではないかと
吉
(
きち
)
は
我身
(
わがみ
)
の
潔白
(
けつぱく
)
に
較
(
くら
)
べて、お
廢
(
よ
)
しよ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
宜
(
よ
)
く
御存
(
ごぞん
)
じ
私
(
わた
)
しが
歸鴈
(
きがん
)
を
好
(
す
)
きと
云
(
い
)
ふは
我身
(
わがみ
)
ながら
何故
(
なぜ
)
か
知
(
し
)
らねど
花
(
はな
)
の
山
(
やま
)
の
曉月夜
(
あかつきづきよ
)
さては
春雨
(
はるさめ
)
の
夜半
(
よは
)
の
床
(
とこ
)
に
鳴
(
なき
)
て
過
(
す
)
ぎる
聲
(
こゑ
)
の
別
(
わか
)
れがしみ/″\と
身
(
み
)
にしみて
悲
(
かな
)
しい
樣
(
やう
)
な
淋
(
さび
)
しいやうな
又
(
また
)
來
(
く
)
る
秋
(
あき
)
の
契
(
ちぎ
)
りを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
なに
)
せよ
彼
(
か
)
せよの
言附
(
いひつけ
)
に
消
(
け
)
されて、
思
(
おも
)
ひこゝに
絶
(
た
)
ゆれば
恨
(
うらみ
)
をあたりに
寄
(
よ
)
せもやしたる、
勿躰
(
もつたい
)
なき
罪
(
つみ
)
は
我
(
わ
)
が
心
(
こゝろ
)
よりなれど
櫻町
(
さくらまち
)
の
殿
(
との
)
といふ
面
(
おも
)
かげなくば
胸
(
むね
)
の
鏡
(
かゞみ
)
に
映
(
うつ
)
るものもあらじ、
罪
(
つみ
)
は
我身
(
わがみ
)
か、
殿
(
との
)
か
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さても/\の
替
(
かは
)
り
樣
(
やう
)
、
我身
(
わがみ
)
が
嫁入
(
よめい
)
りの
噂
(
うわさ
)
聞
(
きこ
)
え
初
(
そめ
)
た
頃
(
ころ
)
から、やけ
遊
(
あそ
)
びの
底
(
そこ
)
ぬけ
騷
(
さわ
)
ぎ、
高坂
(
かうさか
)
の
息子
(
むすこ
)
は
丸
(
まる
)
で
人間
(
にんげん
)
が
變
(
かわ
)
つたやうな、
魔
(
ま
)
でもさしたか、
祟
(
たゝ
)
りでもあるか、よもや
只事
(
たゞごと
)
では
無
(
な
)
いと
其頃
(
そのころ
)
に
聞
(
き
)
きしが
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我
常用漢字
小6
部首:⼽
7画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“我身”で始まる語句
我身勝手