“蒸殺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むしころ75.0%
むしごろ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それからがくがくして歩行あるくのが少し難渋なんじゅうになったけれども、ここでたおれては温気うんき蒸殺むしころされるばかりじゃと、我身で我身をはげまして首筋を取って引立てるようにして峠の方へ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どこを見ても、泥で固めた家々の屋根瓦が、鉛のやうに鈍く日の光を反射して、その下に懸けてあるつばめの巣さへ、この塩梅あんばいでは中にゐる雛や卵を、そのまゝ蒸殺むしころしてしまふかと思はれる。
酒虫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
怪老人——それは如意にょいたけの山のぬしといわれている作兵衛じいと、もう一人は、何ぞ知らん、この炭焼小屋のかまで、かつて大村父子おやこと山侍たちのために、蒸殺むしごろしの刑にかかって
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)