トップ
>
罪
>
つみ
ふりがな文庫
“
罪
(
つみ
)” の例文
神
(
かみ
)
さまは
自分
(
じぶん
)
が
悪
(
わる
)
かったと
感
(
かん
)
じられました。そして、
罪
(
つみ
)
もない、おけらの一
生
(
しょう
)
としては、あまりに、みじめであったと
思
(
おも
)
われました。
おけらになった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其
(
そ
)
の人の作った戯曲の面白さが分らないとすれば、
罪
(
つみ
)
は自分の方にある。残念ながら、自分は藝術の
殿堂
(
でんどう
)
を
窺
(
うかゞ
)
う資格がないのである。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
罪
(
つみ
)
に
陷
(
おと
)
し入んと計り
闇
(
くら
)
き夜に昌次郎と
兩人
(
ふたり
)
にて男女を
殺
(
ころ
)
し悴娘の着類を
着
(
きせ
)
兩人の首を
切
(
きつ
)
て川へ流せし
趣
(
おもむ
)
き最早兩人より
白状
(
はくじやう
)
に及びしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
不知庵主人
(
フチアンシユジン
)
の
譯
(
やく
)
に
成
(
な
)
りし
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
に
對
(
たい
)
する
批評
(
ひゝやう
)
仲々
(
なか/\
)
に
盛
(
さかん
)
なりとは
聞
(
きゝ
)
けるが、
病氣
(
びやうき
)
其他
(
そのた
)
の
事
(
こと
)
ありて
余
(
よ
)
が
今日
(
こんにち
)
までに
見
(
み
)
たるは
僅
(
わづか
)
に
四五種
(
しごしゆ
)
のみ
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「わたくしは、
身
(
み
)
におぼえのない
罪
(
つみ
)
をいいわたされたのでございます。わたくしは、いつなんどきも、忠義をつくしてまいりました。」
忠義者のヨハネス
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
祇園の歌蝶は憲政芸妓として知られ、選挙違反ですこしの間
罪
(
つみ
)
せられ、禅門に参堂し、富菊は本願寺
句仏上人
(
くぶつしょうにん
)
を
得度
(
とくど
)
して美女の名が高い。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
斯
(
か
)
う
解釋
(
かいしやく
)
した
時
(
とき
)
、
御米
(
およね
)
は
恐
(
おそ
)
ろしい
罪
(
つみ
)
を
犯
(
をか
)
した
惡人
(
あくにん
)
と
己
(
おのれ
)
を
見傚
(
みな
)
さない
譯
(
わけ
)
に
行
(
ゆ
)
かなかつた。さうして
思
(
おも
)
はざる
徳義上
(
とくぎじやう
)
の
苛責
(
かしやく
)
を
人知
(
ひとし
)
れず
受
(
う
)
けた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
親
(
おや
)
に
似
(
に
)
ない
兒
(
こ
)
だが、
成長
(
せいてう
)
したらアノ
通
(
とほ
)
りの
獰惡振
(
だうあくぶ
)
りを
相續
(
さうぞく
)
するに
違
(
ちが
)
ひない、
環境
(
かんけう
)
の
罪
(
つみ
)
だいつそ
家
(
うち
)
に
飼
(
か
)
つてやらうかと
思
(
おも
)
つて、また
躊躇
(
ちうちよ
)
した。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
「でもそちのように
不義
(
ふぎ
)
で、みだらで、
罪
(
つみ
)
深
(
ふか
)
く、ばかものを生けどってくらしているものに、どうしてまことの力があるのか」
手紙 二
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其
翌年
(
よくとし
)
になり權官は
或
(
ある
)
罪
(
つみ
)
を以て
職
(
しよく
)
を
剥
(
はが
)
れて
了
(
しま
)
い、
尋
(
つい
)
で
死亡
(
しばう
)
したので、
僕
(
ぼく
)
が
竊
(
ひそ
)
かに石を
偸
(
ぬす
)
み出して
賣
(
う
)
りに
出
(
で
)
たのが恰も八月二日の朝であつた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
孔子曰く、後世、丘を知らんとする者は、春秋を以てせん、
而
(
しこ
)
うして丘を
罪
(
つみ
)
せんとする者も
亦
(
また
)
春秋を以てせん。(『孔子全集』、一九七五)
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
「だってぼくはつかまるとは思わないから。でもにげ出すということが
罪
(
つみ
)
になりやしないかと思うのだ。それが気になるのだ」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
今度
(
こんど
)
お客が
泊
(
とま
)
つたら
茗荷
(
めうが
)
を
喰
(
く
)
はせよう、さうしたら
無闇
(
むやみ
)
に物を忘れて
行
(
ゆ
)
くだらう、ナニ
此方
(
こつち
)
は
泥坊
(
どろばう
)
を
仕
(
し
)
たのぢやアないから
罪
(
つみ
)
にはならねえや。
(和)茗荷
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
忘
(
わす
)
られぬは
我身
(
わがみ
)
の
罪
(
つみ
)
か
人
(
ひと
)
の
咎
(
とが
)
か
思
(
おも
)
へば
憎
(
にく
)
きは
君様
(
きみさま
)
なりお
声
(
こゑ
)
聞
(
き
)
くもいや
御姿
(
おすがた
)
見
(
み
)
るもいや
見
(
み
)
れば
聞
(
き
)
けば
増
(
ま
)
さる
思
(
おも
)
ひによしなき
胸
(
むね
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
なぜ面と向って私に仰いませんのでしょう……? 可哀そうに何の
罪
(
つみ
)
咎
(
とが
)
もない
悲哀
(
トリステサ
)
にお当りになるなんて! まあなんて卑怯な方なんでしょう
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
眞
(
まこと
)
に、
罪
(
つみ
)
な、
濟
(
す
)
まない
事
(
こと
)
ぢやあるけれども、
同一
(
おなじ
)
病人
(
びやうにん
)
が
枕
(
まくら
)
を
並
(
なら
)
べて
伏
(
ふせ
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、どちらかに
勝
(
かち
)
まけがあるとの
話
(
はなし
)
。
壁
(
かべ
)
一重
(
ひとへ
)
でも、おんなじ
枕
(
まくら
)
。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
転
(
うた
)
て
思
(
おぼ
)
すらむ。然れども昼牟子を風の吹き開きたりつるより見奉るに、更に
物
(
もの
)
不
レ
思
おぼえず
罪
(
つみ
)
免
(
ゆる
)
し給へ
云々
(
うんぬん
)
」とある。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ロミオ
此
(
この
)
賤
(
いや
)
しい
手
(
て
)
で
尊
(
たふと
)
い
御堂
(
みだう
)
を
汚
(
けが
)
したを
罪
(
つみ
)
とあらば、
面
(
かほ
)
を
赧
(
あか
)
うした
二人
(
ふたり
)
の
巡禮
(
じゅんれい
)
、
此
(
この
)
唇
(
くちびる
)
めの
接觸
(
キッス
)
を
以
(
もっ
)
て、
粗
(
あら
)
い
手
(
て
)
の
穢
(
よご
)
した
痕
(
あと
)
を
滑
(
なめら
)
かに
淨
(
きよ
)
めませう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
抑
(
そもそも
)
五一
永治
(
えいぢ
)
の昔、
犯
(
をか
)
せる
罪
(
つみ
)
もなきに、
五二
父
帝
(
みかど
)
の
命
(
みこと
)
を
恐
(
かしこ
)
みて、三歳の
五三
体仁
(
としひと
)
に
代
(
よ
)
を
禅
(
ゆづ
)
りし心、人慾深きといふべからず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
はたしてさけあまたえしゆゑ
鵜飼
(
うかひ
)
の
謡曲
(
うたひ
)
にうたふごとく
罪
(
つみ
)
も
報
(
むくひ
)
も
后
(
のち
)
の
世
(
よ
)
も
忘
(
わす
)
れはてゝ、おもしろくやゝ時をぞうつしける。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
私
(
わたくし
)
というものはよくよく
執着
(
しゅうじゃく
)
の
強
(
つよ
)
い、
罪
(
つみ
)
の
深
(
ふか
)
い、
女性
(
じょせい
)
だったのでございましょう。——この
生活
(
せいかつ
)
が
何年位
(
なんねんくらい
)
続
(
つづ
)
いたかとのお
訊
(
たず
)
ねでございますか……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それがゆえに、
罪
(
つみ
)
のようだが、ふたりを別々な口へいれて、
錠
(
じょう
)
までおろしているのだよ、これもひとつの情けのかぎだ。悪く思ってくれてはこまる
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
衞國
(
ゑいこく
)
の
法
(
はふ
)
、
竊
(
ひそか
)
に
君
(
きみ
)
の
車
(
くるま
)
に
駕
(
が
)
する
者
(
もの
)
は
罪
(
つみ
)
、
(一〇七)
刖
(
げつ
)
に
至
(
いた
)
る、
既
(
すで
)
にして
彌子
(
びし
)
の
母
(
はは
)
病
(
や
)
む。
人
(
ひと
)
聞
(
き
)
き、
往
(
ゆ
)
いて
夜
(
よる
)
之
(
これ
)
を
告
(
つ
)
ぐ。
彌子
(
びし
)
矯
(
いつは
)
つて
君
(
きみ
)
の
車
(
くるま
)
に
駕
(
が
)
して
出
(
い
)
づ。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
照彦
(
てるひこ
)
様はまもなく台所で見つかって、お母様のお
部屋
(
へや
)
へ引かれてゆく
途中
(
とちゅう
)
、
小間使
(
こまづか
)
いの手の
甲
(
こう
)
に歯あとの残るほどかみついて、また一つ
罪
(
つみ
)
がふえた。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「そんだがよ、
先刻
(
さつき
)
見
(
み
)
てえに
泣
(
な
)
いてんのに
惡口
(
わるくち
)
なんぞいふな
罪
(
つみ
)
だよなあ」と
若
(
わか
)
い
女房等
(
にようばうら
)
はそれでもしんみりといつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
わたしはもう
自分
(
じぶん
)
ながら
自分
(
じぶん
)
の
深
(
ふか
)
い
罪
(
つみ
)
と
迷
(
まよ
)
いのために、このとおり石になってもなお
苦
(
くる
)
しんでいるのでございます。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
折々は学者のうちに高慢ちきな者があると、学者そのものを
嫌
(
きら
)
い、進んでは学問そのものをすら
罪
(
つみ
)
する傾向がある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「聖母マリアさま、われら
罪
(
つみ
)
人のために祈りたまえ……こりやあれとそつくりじや……恐ろしいほどそつくりじや——悪魔のような愛人のために泣く女」
とけない問題
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
「ははは。
若旦那
(
わかだんな
)
」と、
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
が
口
(
くち
)
をはさんだ。「そいつァちと
責
(
せ
)
めが
強過
(
つよす
)
ぎやしょう。
小僧
(
こぞう
)
さんに
罪
(
つみ
)
はねえんで。みんなあなたの
我
(
わが
)
ままからじゃござんせんか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
然
(
しか
)
し
無論
(
むろん
)
、
彼
(
かれ
)
は
自身
(
じしん
)
に
何
(
なん
)
の
罪
(
つみ
)
もなきこと、
又
(
また
)
將來
(
しやうらい
)
に
於
(
おい
)
ても
殺人
(
さつじん
)
、
窃盜
(
せつたう
)
、
放火
(
はうくわ
)
などの
犯罪
(
はんざい
)
は
斷
(
だん
)
じて
爲
(
せ
)
ぬとは
知
(
し
)
つてゐるが、
又
(
また
)
獨
(
ひとり
)
つく/″\と
恁
(
か
)
うも
思
(
おも
)
ふたのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『それが
何
(
なに
)
より
罪
(
つみ
)
のある
證據
(
しようこ
)
だ、
云
(
い
)
ふ
迄
(
まで
)
もなく』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
申
(
まを
)
されました、『
關
(
かま
)
はない、
刎
(
は
)
ねろ——』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
亞尼
(
アンニー
)
は、
今
(
いま
)
は、
眞如
(
しんによ
)
の
月影
(
つきかげ
)
清
(
きよ
)
き、ウルピノ
山中
(
さんちう
)
の
草
(
くさ
)
の
庵
(
いほり
)
に、
罪
(
つみ
)
もけがれもなく、
此世
(
このよ
)
を
送
(
おく
)
つて
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
でせうが、あの
惡
(
にく
)
むべき
息子
(
むすこ
)
の
海賊
(
かいぞく
)
は、
矢張
(
やはり
)
印度洋
(
インドやう
)
の
浪
(
なみ
)
を
枕
(
まくら
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
女はむかしのままの
一筋
(
ひとすじ
)
の真心をもってわたしを愛してくれるのに、このような
分裂
(
ぶんれつ
)
した気持ちを胸に
蔵
(
ぞう
)
し、表面だけとりつくろっているのは
罪
(
つみ
)
であると思いました。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
自分はなんらおかした
罪
(
つみ
)
はないと考えても、それがために
苦痛
(
くつう
)
の
事実
(
じじつ
)
が
軽
(
かる
)
くなるとは思えないのだ。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そのエスさまは、どうかというと、みんなのまんなかで、
両手
(
りょうて
)
をさしのべながら、子どもたちを
祝福
(
しゅくふく
)
したり、
罪
(
つみ
)
に
泣
(
な
)
くおかあさんたちを祝福したりしていらっしゃる。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
しかしあの
赤
(
あか
)
い
水々
(
みづ/″\
)
した
實
(
み
)
は、
長
(
なが
)
い/\
野山
(
のやま
)
の
雪
(
ゆき
)
が
消
(
き
)
えるまでの
間
(
あひだ
)
を、
神
(
かみ
)
が
小鳥達
(
ことりたち
)
の
糧食
(
りやうしよく
)
にと
備
(
そな
)
へられたものではないかと
思
(
おも
)
ふと、
痛々
(
いた/\
)
しく
鉈
(
なた
)
を
入
(
い
)
れた
人
(
ひと
)
の
罪
(
つみ
)
が
恐
(
おそ
)
ろしい。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ふたりは、サンドリヨンの足もとにつっぷして、これまでひどい目にあわせた
罪
(
つみ
)
をわびました。サンドリヨンは、ふたりの手をとっておこして、やさしくだきしめました。
灰だらけ姫:またの名 「ガラスの上ぐつ」
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
いままで、ごろごろとのんきにころがつて
罪
(
つみ
)
のない
世間話
(
せけんばなし
)
をしてゐた
瓜
(
うり
)
が、一
齊
(
せい
)
にぴたりとその
話
(
はなし
)
をやめて、
息
(
いき
)
を
殺
(
ころ
)
しました。みんな、そして
眠
(
ねむ
)
つた
眞擬
(
ふり
)
をしてゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
誠に心配な話である、之を私が言葉を設けて評すれば、弱藩
罪
(
つみ
)
なし武器
災
(
わざわい
)
をなすと云わねばならぬ、ダカラ
寧
(
いっ
)
そこの鉄砲を皆
売
(
うっ
)
て
仕舞
(
しま
)
いたい、見れば大砲は
何
(
いず
)
れもクルップだ
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼
(
かれ
)
は、自分よりも長い
生命
(
いのち
)
があるに
違
(
ちが
)
いないと感じた
孫
(
まご
)
の
作品
(
さくひん
)
の中に、自分のまずい
一節
(
ひとふし
)
をはさみ込むという、きわめて
罪
(
つみ
)
のない
楽
(
たの
)
しみを、おさえることができなかったのである。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
汝
(
なんぢ
)
翁
(
おきな
)
よ、そちは
少
(
すこ
)
しばかりの
善
(
い
)
いことをしたので、それを
助
(
たす
)
けるために
片時
(
かたとき
)
の
間
(
あひだ
)
、
姫
(
ひめ
)
を
下
(
くだ
)
して、たくさんの
黄金
(
おうごん
)
を
儲
(
まう
)
けさせるようにしてやつたが、
今
(
いま
)
は
姫
(
ひめ
)
の
罪
(
つみ
)
も
消
(
き
)
えたので
迎
(
むか
)
へに
來
(
き
)
た。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
混乱
(
こんらん
)
した世相はここにもあらわれて、
罪
(
つみ
)
もなく若い
生命
(
いのち
)
をうばわれた彼らの
墓前
(
ぼぜん
)
に、花をまつるさえ忘れていることがわかった。花立ての
椿
(
つばき
)
はがらがらに
枯
(
か
)
れて午後の
陽
(
ひ
)
をうけている。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「ばか。おまえがあたまでっかちだって、おっかさんの
罪
(
つみ
)
ではないんだよ。」
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
「申し開きをせず腹を切ったことだから、言わずと当人
罪
(
つみ
)
に落ちたものじゃ」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
〔評〕徳川
慶喜
(
よしのぶ
)
公は
勤王
(
きんわう
)
の臣たり。
幕吏
(
ばくり
)
の要する所となりて
朝敵
(
てうてき
)
となる。猶南洲勤王の臣として終りを
克
(
よ
)
くせざるごとし。公は
罪
(
つみ
)
を
宥
(
ゆる
)
し位に
敍
(
じよ
)
せらる、南洲は永く
反賊
(
はんぞく
)
の名を
蒙
(
かうむ
)
る、悲しいかな。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
「
世
(
よ
)
の
人々
(
ひとびと
)
の
御主
(
おんあるじ
)
よ、われをも
罪
(
つみ
)
無
(
な
)
くなし
給
(
たま
)
へ、この
癩病
(
らいびやう
)
に
病
(
や
)
む
者
(
もの
)
を。」
噫
(
あゝ
)
、
淋
(
さむ
)
しい、あゝ、
恐
(
こは
)
い。
歯
(
は
)
だけに、
生来
(
しやうらい
)
の
白
(
しろ
)
い
色
(
いろ
)
が
残
(
のこ
)
つてゐる。
獣
(
けもの
)
も
恐
(
こは
)
がつて
近
(
ちか
)
づかず、わが
魂
(
たましひ
)
も
逃
(
に
)
げたがつてゐる。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
醫道
(
いだう
)
の
表
(
おもて
)
から
申
(
まを
)
しますれば、
死
(
し
)
んだものを
生
(
い
)
きてゐるとして、
白々
(
しら/″\
)
しい
見立
(
みた
)
て
書
(
が
)
きで、
上
(
かみ
)
を
僞
(
いつは
)
るのは、
重
(
おも
)
い
罪
(
つみ
)
に
當
(
あた
)
りませうが、これもまア、五
萬
(
まん
)
三
千石
(
ぜんごく
)
の一
家中
(
かちう
)
を
助
(
たす
)
けると
思
(
おも
)
うていたしました。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
今
(
いま
)
は
漁人
(
ぎよじん
)
となつて
餘命
(
よめい
)
を
送
(
おく
)
るといへども、
何日
(
いつか
)
は
身
(
み
)
の
罪
(
つみ
)
を
償
(
あがな
)
うて
再
(
ふたゝ
)
び
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それはね、これの
校了
(
かうれう
)
の
校正刷
(
かうせいずり
)
を
讀
(
よ
)
んでゐて
誤植
(
ごしよく
)
を
一
(
ひと
)
つ
發見
(
はつけん
)
して
直
(
なほ
)
して
置
(
お
)
いた
事
(
こと
)
だ。
尤
(
もつと
)
もその
手柄
(
てがら
)
と、こんなことを
卷頭
(
くわんとう
)
に
書
(
か
)
いて
君
(
きみ
)
の
美
(
うつく
)
しい
本
(
ほん
)
をきたなくする
罪
(
つみ
)
とでは、
差引
(
さしひき
)
にならないかも
知
(
し
)
れない。
「三つの宝」序に代へて
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
此度
(
このたび
)
の事件に
就
(
つい
)
ては、見す見す間違った推断によって
罪
(
つみ
)
せられんとする我学界の長者を救うものは、偶然にもその現場に
居合
(
いあわ
)
して、一寸した証拠物件を手に入れた、この私の外にないと信ずるが故に
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
罪
常用漢字
小5
部首:⽹
13画
“罪”を含む語句
謝罪
罪人
罪科
罪障
贖罪
流罪
寃罪
冤罪
罪業
罪滅
罪悪
犯罪
罪過
罪障消滅
罪穢
犯罪学
大罪
罪咎
罪亡
罪深
...