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宙
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ちう
ふりがな文庫
“
宙
(
ちう
)” の例文
呀
(
やあ
)
?
衣
(
きぬ
)
も
扱帶
(
しごき
)
も
上
(
うへ
)
へ
摺
(
ず
)
つて、するりと
白
(
しろ
)
い
顏
(
かほ
)
が
襟
(
えり
)
に
埋
(
うま
)
つた、
紫
(
むらさき
)
と
萌黄
(
もえぎ
)
の、
緋
(
ひ
)
を
流
(
なが
)
るゝやうに
宙
(
ちう
)
に
掛
(
か
)
けて、
紳士
(
しんし
)
は
大跨
(
おほまた
)
にづかり/\。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたくし
)
は
宙
(
ちう
)
を
飛
(
と
)
んで
船室
(
せんしつ
)
の
方
(
かた
)
に
向
(
むか
)
つた。
昇降口
(
しようかうぐち
)
のほとり、
出逢
(
であ
)
ひがしらに、
下方
(
した
)
から
昇
(
のぼ
)
つて
來
(
き
)
たのは、
夫人
(
ふじん
)
と
少年
(
せうねん
)
とであつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
遠い有明に
透
(
すか
)
した曲者は、ガラツ八の上に馬乘りになると、脇差の一と突き。が、その手は
宙
(
ちう
)
に
淀
(
よど
)
みました。何か見當の違つたものを感じたのでせう。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
何時
(
いつ
)
でも
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
の一
番
(
ばん
)
高
(
たか
)
い
木
(
き
)
に
登
(
のぼ
)
つて』と
云
(
い
)
つて
鳩
(
はと
)
は、
金切聲
(
かなきりごゑ
)
を
張上
(
はりあ
)
げて、『これなら
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
だと
思
(
おも
)
つてると
屹度
(
きつと
)
、
彼奴
(
あいつ
)
が
宙
(
ちう
)
からぶらりと
下
(
さが
)
つて
來
(
く
)
る!ソラ、
蛇
(
へび
)
だ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
お
齒
(
は
)
ぐろ
溝
(
どぶ
)
の
角
(
かど
)
より
曲
(
まが
)
りて、いつも
行
(
ゆ
)
くなる
細道
(
ほそみち
)
をたどれば、
運
(
うん
)
わるう
大黒
(
だいこく
)
やの
前
(
まへ
)
まで
來
(
き
)
し
時
(
とき
)
、さつと
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
大黒傘
(
だいこくがさ
)
の
上
(
うへ
)
を
抓
(
つか
)
みて、
宙
(
ちう
)
へ
引
(
ひき
)
あげるかと
疑
(
うたが
)
ふばかり
烈
(
はげ
)
しく
吹
(
ふ
)
けば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
けれども、
音
(
おと
)
も
響
(
ひゞき
)
もない
車輪
(
しやりん
)
が美くしく
動
(
うご
)
いて、意識に乏しい自分を、半睡の状態で
宙
(
ちう
)
に
運
(
はこ
)
んで行く有様が愉快であつた。
青山
(
あをやま
)
の
家
(
うち
)
へ着く時分には、
起
(
お
)
きた頃とは
違
(
ちが
)
つて、
気色
(
きしよく
)
が余程晴々して
来
(
き
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぴよいと飛び出た
宙
(
ちう
)
がへり
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この
中
(
なか
)
を、
折
(
を
)
れて
飛
(
と
)
んだ
青
(
あを
)
い
銀杏
(
いてふ
)
の
一枝
(
ひとえだ
)
が、ざぶり/\と
雨
(
あめ
)
を
灌
(
そゝ
)
いで、
波状
(
はじやう
)
に
宙
(
ちう
)
を
舞
(
ま
)
ふ
形
(
かたち
)
は、
流言
(
りうげん
)
の
鬼
(
おに
)
の
憑
(
つき
)
ものがしたやうに
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
輕
(
かろ
)
き
服裝
(
ふくさう
)
せる
船丁等
(
ボーイら
)
は
宙
(
ちう
)
になつて
驅
(
か
)
けめぐり、
逞
(
たく
)
ましき
骨格
(
こつかく
)
せる
夥多
(
あまた
)
の
船員等
(
せんゐんら
)
は
自己
(
おの
)
が
持塲
(
もちば
)
/\に
列
(
れつ
)
を
作
(
つく
)
りて、
後部
(
こうぶ
)
の
舷梯
(
げんてい
)
は
既
(
すで
)
に
引揚
(
ひきあ
)
げられたり。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
三人は
宙
(
ちう
)
を飛びました。いや、二人は宙を飛んで、一人は大地を這つたと言つた方が
穩當
(
をんたう
)
かもわかりません。
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
下
(
お
)
りざまに、おゝ、
一手桶
(
ひとてをけ
)
持
(
も
)
つて
女中
(
ぢよちう
)
が、と
思
(
おも
)
ふ
鼻
(
はな
)
のさきを、
丸々
(
まる/\
)
とした
脚
(
あし
)
が
二本
(
にほん
)
、
吹
(
ふ
)
きおろす
煙
(
けむり
)
の
中
(
なか
)
を
宙
(
ちう
)
へ
上
(
あが
)
つた。すぐに
柳川
(
やながは
)
が
馳違
(
はせちが
)
つた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「梯子段の下には二三十の眼玉がある。死骸は
宙
(
ちう
)
に消えるわけはないから、窓から持出したに違ひあるまい、——縁の下を三べんも這ひ廻つて、プリプリした野郎は誰だつけ」
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人
(
ふたり
)
は
宙
(
ちう
)
飛
(
と
)
ぶ
如
(
ごと
)
く
驅付
(
かけつ
)
けて、
喰
(
く
)
ふた
喰
(
く
)
はぬは
言
(
い
)
ふ
丈
(
だ
)
け
無益
(
むえき
)
、
頓
(
やが
)
て
腹
(
はら
)
も
充分
(
じゆうぶん
)
になると、
次
(
つぎ
)
に
起
(
おこ
)
つて
來
(
き
)
た
問題
(
もんだい
)
は、
一躰
(
いつたい
)
此
(
この
)
島
(
しま
)
は
如何
(
いか
)
なる
島
(
しま
)
だらう、
見渡
(
みわた
)
す
處
(
ところ
)
、
隨分
(
ずいぶん
)
巨大
(
きよだい
)
な
島
(
しま
)
の
樣
(
やう
)
だが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
振離
(
ふりはな
)
すと、
床
(
ゆか
)
まで
落
(
お
)
ちず、
宙
(
ちう
)
ではらりと、
影
(
かげ
)
を
亂
(
みだ
)
して、
黒棚
(
くろだな
)
に、バツと
乘
(
の
)
る、と
驚駭
(
おどろき
)
に
衝
(
つ
)
と
退
(
すさ
)
つて、
夫人
(
ふじん
)
がひたと
遁構
(
にげがま
)
への
扉
(
ひらき
)
に
凭
(
もた
)
れた
時
(
とき
)
であつた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ガラツ八は笹野新三郎の前を滑ると、八丁堀から谷中まで、尻をからげて
宙
(
ちう
)
を飛びます。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
或
(
あるひ
)
は
俥
(
くるま
)
のはやりはじめの
頃
(
ころ
)
かも
知
(
し
)
れない。
微醉
(
ほろよひ
)
を
春
(
はる
)
の
風
(
かぜ
)
にそよ/\
吹
(
ふ
)
かせて、
身體
(
からだ
)
がスツと
柳
(
やなぎ
)
の
枝
(
えだ
)
で
宙
(
ちう
)
に
靡
(
なび
)
く
心持
(
こゝろもち
)
は、
餘程
(
よつぽど
)
嬉
(
うれ
)
しかつたものと
見
(
み
)
える。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
子供の身體は
毬
(
まり
)
のやうに
宙
(
ちう
)
を飛んで、甚内橋上手十間ばかりの川の中へ——。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
左
(
ひだり
)
の
脇腹
(
わきばら
)
のあたりに
坐
(
すわ
)
りました、
其
(
そ
)
の
女性
(
をんな
)
の
膝
(
ひざ
)
は、
寢臺
(
ねだい
)
の
縁
(
ふち
)
と、すれ/\の
所
(
ところ
)
に、
宙
(
ちう
)
にふいと
浮上
(
うきあが
)
つて
居
(
ゐ
)
るのですよ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その翌日は、今度は堀江の屋敷から出入りの職人が
宙
(
ちう
)
を飛んで來ました。
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
邪慳
(
じやけん
)
に、
胸先
(
むなさき
)
を
取
(
と
)
つて
片手
(
かたて
)
で
引立
(
ひつた
)
てざまに、
渠
(
かれ
)
は
棒立
(
ぼうだ
)
ちにぬつくり
立
(
た
)
つ。
可憐
(
あはれ
)
や
艶麗
(
あでやか
)
な
女
(
をんな
)
の
姿
(
すがた
)
は、
背筋
(
せすぢ
)
を
弓形
(
ゆみなり
)
、
裳
(
もすそ
)
を
宙
(
ちう
)
に、
縊
(
くび
)
られた
如
(
ごと
)
くぶらりと
成
(
な
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二人は
宙
(
ちう
)
を飛びました。
灸點
(
きうてん
)
横町へ來て、お角の家の格子を引開けると
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
疾風
(
しつぷう
)
の
如
(
ごと
)
く
駈
(
か
)
けて
來
(
き
)
た
件
(
くだん
)
の
狂人
(
きちがひ
)
が、
脚
(
あし
)
から
宙
(
ちう
)
で
飛乘
(
とびの
)
らうとした
手
(
て
)
が
外
(
そ
)
れると、づんと
鳴
(
な
)
つて、
屋根
(
やね
)
より
高
(
たか
)
く、
火山
(
くわざん
)
の
岩
(
いは
)
の
如
(
ごと
)
く
刎上
(
はねあ
)
げられて、
五體
(
ごたい
)
を
碎
(
くだ
)
いた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二人は
宙
(
ちう
)
を飛んで白川鐵之助と名乘つた浪人者の長屋へ驅付けました。ソツと格子から覗くと、家の中は鈴だらけ、主人の鐵之助は、障子に
漏
(
も
)
るゝ秋の陽の中にいゝ心持さうに晝寢をして居ります。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二
(
ふた
)
ツ
三
(
み
)
ツ
追続
(
おつつゞ
)
いて、すいと
飛
(
と
)
んで、
車
(
くるま
)
の
上
(
うへ
)
を
宙
(
ちう
)
から
上
(
のぼ
)
つたのが、アノ
土器色
(
かはらけいろ
)
の
月
(
つき
)
の
形
(
かたち
)
の
灯
(
ともしび
)
をふわりと
乗越
(
のりこ
)
す。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宙
(
ちう
)
にブラ下がつて居る、伜新太郎とお靜の淺ましい姿です。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手
(
て
)
を
其
(
そ
)
の
傘
(
かさ
)
に
支
(
さゝ
)
へて、ほし
棹
(
ざを
)
にかけたまゝ、ふら/\と
宙
(
ちう
)
に
泳
(
およ
)
いだ。……この
中
(
なか
)
でも
可笑
(
をかし
)
い
事
(
こと
)
がある。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二人は本當に
宙
(
ちう
)
を飛びました。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
暗
(
やみ
)
に
透
(
す
)
かすと、
背
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
大
(
おほき
)
な
坊主
(
ばうず
)
が
居
(
ゐ
)
て、
地
(
ち
)
から
三尺
(
さんじやく
)
ばかり
高
(
たか
)
い
処
(
ところ
)
、
宙
(
ちう
)
で
胡座
(
あぐら
)
掻
(
か
)
いたも
道理
(
だうり
)
、
汀
(
みぎは
)
へ
足代
(
あじろ
)
を
組
(
く
)
んで
板
(
いた
)
を
渡
(
わた
)
した
上
(
うへ
)
に
構込
(
かまへこ
)
んで、
有
(
あ
)
らう
事
(
こと
)
か、
出家
(
しゆつけ
)
の
癖
(
くせ
)
に
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宙
(
ちう
)
を飛んで來たは一枚の錢。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
そ
)
の
町
(
まち
)
の、
奧
(
おく
)
を
透
(
す
)
かす
處
(
ところ
)
に、
誂
(
あつら
)
へたやうな
赤茶釜
(
あかちやがま
)
が、
何處
(
どこ
)
かの
廂
(
ひさし
)
を
覗
(
のぞ
)
いて、
宙
(
ちう
)
にぼツとして
掛
(
かゝ
)
つた。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二人は眞に
宙
(
ちう
)
を飛びました。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
袂
(
たもと
)
へ
辷
(
すべ
)
つて
宙
(
ちう
)
に
留
(
と
)
まつた、
大切
(
たいせつ
)
な
路銀
(
ろぎん
)
を、ト
懷中
(
ふところ
)
へ
御直
(
おんなほ
)
り
候
(
さふら
)
へと
据直
(
すゑなほ
)
して、
前褄
(
まへづま
)
をぐい、と
緊
(
し
)
めた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
朝
(
あさ
)
の
一番
(
いちばん
)
なんぞは、
汽船
(
きせん
)
の
屋根
(
やね
)
まで、
眞黒
(
まつくろ
)
に
人
(
ひと
)
で
埋
(
う
)
まつて、
川筋
(
かはすぢ
)
を
次第
(
しだい
)
に
下
(
くだ
)
ると、
下
(
した
)
の
大富橋
(
おほとみばし
)
、
新高橋
(
しんたかばし
)
には、
欄干外
(
らんかんそと
)
から、
足
(
あし
)
を
宙
(
ちう
)
に、
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
へぶら
下
(
さが
)
つて
待
(
ま
)
つてゐて、それ
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
紫
(
むらさき
)
は
一度
(
いちど
)
宙
(
ちう
)
で
消
(
き
)
えつゝ、
橋
(
はし
)
を
越
(
こ
)
えた
改札口
(
かいさつぐち
)
へ、ならんで
入道
(
にふだう
)
の
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
くやうにして、
微
(
かすか
)
な
電燈
(
でんとう
)
に
映
(
うつ
)
つた
姿
(
すがた
)
は、
耳
(
みゝ
)
かくしも、
其
(
そ
)
のまゝ、さげ
髮
(
がみ
)
の、
黒髮
(
くろかみ
)
長
(
なが
)
く
﨟
(
らふ
)
たけてさへ
見
(
み
)
えた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
沼
(
ぬま
)
の
縁
(
ふち
)
へ
追迫
(
おひせま
)
られる、と
足
(
あし
)
の
甲
(
かふ
)
へ
這上
(
はひあが
)
る
三俵法師
(
さんだらぼふし
)
に、わな/\
身悶
(
みもだえ
)
する
白
(
しろ
)
い
足
(
あし
)
が、あの、
釣竿
(
つりざを
)
を
持
(
も
)
つた三
人
(
にん
)
の
手
(
て
)
のやうに、ちら/\と
宙
(
ちう
)
に
浮
(
う
)
いたが、するりと
音
(
おと
)
して、
帶
(
おび
)
が
辷
(
すべ
)
ると
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
南瓜
(
かぼちや
)
の
蔕
(
へた
)
ほどな
異形
(
いぎやう
)
な
者
(
もの
)
を、
片手
(
かたて
)
でいぢくりながら
幽霊
(
いうれい
)
のつきで、
片手
(
かたて
)
を
宙
(
ちう
)
にぶらり。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鯉
(
こひ
)
は、
其
(
それ
)
は
鯉
(
こひ
)
でせう。が、
玉
(
たま
)
のやうな
眞白
(
まつしろ
)
な、あの
森
(
もり
)
を
背景
(
はいけい
)
にして、
宙
(
ちう
)
に
浮
(
う
)
いたのが、すつと
合
(
あは
)
せた
白脛
(
しろはぎ
)
を
流
(
なが
)
す……
凡
(
およ
)
そ
人形
(
にんぎやう
)
ぐらゐな
白身
(
はくしん
)
の
女子
(
ぢよし
)
の
姿
(
すがた
)
です。
釣
(
つ
)
られたのぢやありません。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
恁
(
か
)
う、
然
(
さ
)
まで
骨々
(
ほね/″\
)
しう
痩
(
や
)
せもしない
兩手
(
りやうて
)
を
行儀
(
ぎやうぎ
)
よく
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うへ
)
に
組
(
く
)
んだんですが、
其
(
その
)
藍
(
あゐ
)
がかつた
衣服
(
きもの
)
を
膝頭
(
ひざがしら
)
へするりと、
掻込
(
かいこ
)
みました、
褄
(
つま
)
が
揃
(
そろ
)
つて、
其
(
そ
)
の
宙
(
ちう
)
に
浮
(
う
)
いた
下
(
した
)
の
床
(
ゆか
)
へ、すつと
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
といふ
掛声
(
かけごゑ
)
とゝもに、
制吒迦
(
せいたか
)
の
如
(
ごと
)
く
顕
(
あら
)
はれて、
写真機
(
しやしんき
)
と
附属品
(
ふぞくひん
)
を、三
鈷
(
こ
)
と
金剛杵
(
こんがうしよ
)
の
如
(
ごと
)
く
片手
(
かたて
)
にしながら、
片手
(
かたて
)
で、
帯
(
おび
)
を
掴
(
つか
)
んで、
短躯小身
(
たんくせうしん
)
の
見物
(
けんぶつ
)
を
宙
(
ちう
)
に
釣
(
つ
)
つて
泳
(
およ
)
がして
引上
(
ひきあ
)
げた
英雄
(
えいゆう
)
である。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
萌黄
(
もえぎ
)
、
淡紅
(
ときいろ
)
しどけない
夜
(
よる
)
の
調度
(
てうど
)
も
部屋々々
(
へや/″\
)
にあからさまで、
下屋
(
したや
)
の
端
(
はし
)
には、
紅
(
あか
)
い
切
(
きれ
)
も
翻々
(
ひら/\
)
する。
寢轉
(
ねころ
)
んだ
男
(
をとこ
)
、
柱
(
はしら
)
に
凭
(
よ
)
つた
圓髷姿
(
まるまげすがた
)
、
膳
(
ぜん
)
を
運
(
はこ
)
ぶ
島田髷
(
しまだまげ
)
が
縁側
(
えんがは
)
を——
恁
(
か
)
う
宙
(
ちう
)
に
釣下
(
つりさが
)
つたやうに
通
(
とほ
)
る。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これは
可恐
(
おそろ
)
しい
絲
(
いと
)
を
手繰
(
たぐ
)
つて、
天
(
そら
)
へ
投掛
(
なげか
)
け、
地
(
ち
)
に
敷
(
し
)
き
展
(
の
)
べ、
宙
(
ちう
)
に
綾取
(
あやど
)
る。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
深
(
ふか
)
く
濃
(
こ
)
い
眞緑
(
まみどり
)
の
翼
(
つばさ
)
が
晃々
(
きら/\
)
と
光
(
ひか
)
つて、
緋色
(
ひいろ
)
の
線
(
せん
)
でちら/\と
縫
(
ぬ
)
つて、
裾
(
すそ
)
が
金色
(
こんじき
)
に
輝
(
かゞや
)
きつゝ、
目
(
め
)
と
目
(
め
)
を
見合
(
みあ
)
ふばかりに
宙
(
ちう
)
に
立
(
た
)
つた。
思
(
おも
)
はず、「あら、あら、あら。」と十八九の
聲
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
てたさうである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
やさしく
照
(
て
)
つて、
折
(
を
)
りしもあれ
風
(
かぜ
)
一
(
ひと
)
しきり、
無慙
(
むざん
)
にもはかなくなつた
幾萬
(
いくまん
)
の
人
(
ひと
)
たちの、
燒
(
や
)
けし
黒髮
(
くろかみ
)
かと、
散
(
ち
)
る
柳
(
やなぎ
)
、
焦
(
こ
)
げし
心臟
(
しんざう
)
かと、
落
(
お
)
つる
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の、
宙
(
ちう
)
にさまよふと
見
(
み
)
ゆるのを、
撫
(
な
)
で
慰
(
なぐ
)
さむるやうに
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
園
(
その
)
は、
魂
(
たましひ
)
も
心
(
こゝろ
)
も
宙
(
ちう
)
を
踏
(
ふ
)
んで
衝
(
つ
)
と
寄
(
よ
)
つた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宙
常用漢字
小6
部首:⼧
8画
“宙”を含む語句
宇宙
宇宙塵
宙外
宙天
宙返
宙吊
無宙
後藤宙外
宙乗
宙釣
宙宇
全宇宙
小宇宙
宙飛
宙有
宙空
宙乘
後藤宙外子
超宇宙
逆宙返
...