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別
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べつ
ふりがな文庫
“
別
(
べつ
)” の例文
然
(
しか
)
れども
別
(
べつ
)
に
社界
(
しやかい
)
の
大弊根
(
たいへいこん
)
の
長
(
なが
)
く
存
(
そん
)
するありて、
壯年有爲
(
そうねんゆうい
)
の
士
(
し
)
をして
徃々
(
おう/\
)
にして
熱火
(
ねつくわ
)
を
踏
(
ふ
)
み
焔柱
(
ゑんちう
)
を
抱
(
いだ
)
くの
苦慘
(
くさん
)
を
快
(
こゝろよし
)
とせしむる
事
(
こと
)
あり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
然
(
しか
)
し
是
(
これ
)
は
活
(
い
)
きた
話
(
はなし
)
とか、
交際
(
かうさい
)
とかと
云
(
い
)
ふものとは
又
(
また
)
別
(
べつ
)
で、
餘
(
あま
)
り
適切
(
てきせつ
)
な
例
(
れい
)
では
有
(
あ
)
りませんが、
例
(
たと
)
へば
書物
(
しよもつ
)
はノタで、
談話
(
だんわ
)
は
唱歌
(
しやうか
)
でせう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
現界
(
げんかい
)
の
景色
(
けしき
)
と
比
(
くら
)
べて
別
(
べつ
)
に
格段
(
かくだん
)
の
相違
(
そうい
)
もありませぬが、ただこちらの
景色
(
けしき
)
の
方
(
ほう
)
がどことなく
浄
(
きよ
)
らかで、そして
奥深
(
おくふか
)
い
感
(
かん
)
じが
致
(
いた
)
しました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其
(
その
)
馬
(
うま
)
がさ、
私
(
わし
)
も
別
(
べつ
)
に
馬
(
うま
)
は
珍
(
めづ
)
らしうもないが、
白痴殿
(
ばかどの
)
の
背後
(
うしろ
)
に
畏
(
かしこま
)
つて
手持不沙汰
(
てもちぶさた
)
ぢやから
今
(
いま
)
引
(
ひ
)
いて
行
(
ゆ
)
かうとする
時
(
とき
)
椽側
(
えんがは
)
へひらりと
出
(
で
)
て
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕
(
ぼく
)
、この
遊
(
あそ
)
びを
覺
(
おぼ
)
えてから
足掛
(
あしか
)
け五
年
(
ねん
)
になるが、
食事
(
しよくじ
)
の
時間
(
じかん
)
だけは
別
(
べつ
)
として
戰
(
たゝか
)
ひつづけたレコオドは
約
(
やく
)
三十
時間
(
じかん
)
といふのが
最長
(
さいちやう
)
だ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
同時に「
自我
(
じが
)
」といふものが少しづゝ
侵略
(
しんりやく
)
されて
行
(
ゆ
)
くやうに思はれた。これは最初の
間
(
あひだ
)
で、
少時
(
しばらく
)
經
(
た
)
つとまた
別
(
べつ
)
に他の煩悶が起つた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
木の
枝
(
えだ
)
をあつめ火を
焚
(
たき
)
てあたりをりしに、其所よりすこしはなれて
別
(
べつ
)
に火
燄々
(
えん/\
)
と
燃
(
もえ
)
あがりければ、
児曹
(
こどもら
)
大におそれ皆々四方に
逃散
(
にげちり
)
けり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
然し是も
断
(
ことわ
)
らした。夫でも
別
(
べつ
)
に不都合はなく敷金は返せてゐる。——まだ其外にもあつたが、まあ
斯
(
こ
)
んな種類の例ばかりであつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おやおや、おまえの親方は二日分の
食料
(
しょくりょう
)
ぐらいははらえるかもしれんが、二か月などはとてもとてもだ。そりやあまるで
別
(
べつ
)
な話だよ」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
連歸
(
つれかへ
)
りしかど我が家は
貧窮
(
ひんきう
)
にして九尺
間口
(
まぐち
)
の
煙草店
(
たばこみせ
)
故
(
ゆゑ
)
別
(
べつ
)
に此方へと
言所
(
いふところ
)
もなく
夫婦諸共
(
ふうふもろとも
)
吉之助を
勞
(
いたは
)
ると雖も
夜
(
よる
)
の物さへ
三布蒲團
(
みのぶとん
)
一を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
與吉
(
よきち
)
は
斜
(
なゝめ
)
に
身
(
み
)
を
置
(
お
)
くのが
少
(
すこ
)
し
窮屈
(
きうくつ
)
であつたのと、
叱言
(
こごと
)
がなければ
唯
(
たゞ
)
惡戲
(
いたづら
)
をして
見
(
み
)
たいのとで
側
(
そば
)
な
竈
(
かまど
)
の
口
(
くち
)
へ
別
(
べつ
)
に
自分
(
じぶん
)
で
落葉
(
おちば
)
の
火
(
ひ
)
を
點
(
つ
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
もとより、これは、
別
(
べつ
)
な
運転手
(
うんてんしゅ
)
で、もっと
年
(
とし
)
をとった
熟練
(
じゅくれん
)
な
男
(
おとこ
)
でありました。その
汽車
(
きしゃ
)
には、
大臣
(
だいじん
)
とたくさんな
高等官
(
こうとうかん
)
が
乗
(
の
)
っていました。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのうちに、あなたもわかってきますよ。いちばん
尊
(
とうと
)
い
御褒美
(
ごほうび
)
っていうのは、
名誉
(
めいよ
)
にだけなって、
別
(
べつ
)
に
得
(
とく
)
にはならないような
御褒美
(
ごほうび
)
です。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
這
(
こ
)
んなのが
有
(
あ
)
りましたと
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
せるのは、
彌生式土器
(
やよひしきどき
)
の
上部
(
じやうぶ
)
(第五圖參照)と
破片
(
はへん
)
澤山
(
たくさん
)
及
(
およ
)
び
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
底
(
ぞこ
)
である。
別
(
べつ
)
に
貝塚土器
(
かひづかどき
)
の
網代底
(
あじろぞこ
)
一
箇
(
こ
)
。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
なされて
下
(
くだ
)
さる
筈
(
はづ
)
もなし
別
(
べつ
)
ものに
遊
(
あそ
)
ばすと
知
(
し
)
りながらお
恨
(
うら
)
みも申されぬ
身
(
み
)
の
不束
(
ふつゝか
)
が
恨
(
うら
)
めしう
存
(
ぞん
)
じますとホロリとこぼす
膝
(
ひざ
)
の
露
(
つゆ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
困
(
こま
)
るなあ。おい
断
(
こと
)
わっちまえよ。奮起す。おーい、火山だなんてまるで
別
(
べつ
)
だよ。ちゃんと
立派
(
りっぱ
)
なビルデングになってるんだぜ。
ペンネンノルデはいまはいないよ 太陽にできた黒い棘をとりに行ったよ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
非常時
(
ひじようじ
)
の
消防施設
(
しようぼうしせつ
)
については
別
(
べつ
)
に
其局
(
そのきよく
)
に
當
(
あた
)
る
人
(
ひと
)
があるであらう。
唯
(
たゞ
)
われ/\は
現状
(
げんじよう
)
に
於
(
おい
)
て
最善
(
さいぜん
)
を
盡
(
つく
)
す
工夫
(
くふう
)
をしなければならぬ。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
この
歌
(
うた
)
は
別
(
べつ
)
に
深
(
ふか
)
く
思
(
おも
)
ひこんでゐるのでもない
樂
(
たの
)
しみを、ぢっと
續
(
つゞ
)
けてゐたといふだけの
物
(
もの
)
ですから、
調子
(
ちようし
)
と
意味
(
いみ
)
とがぴったりとしてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
どうだの、これは
別
(
べつ
)
に、おいらが
堺屋
(
さかいや
)
から
頼
(
たの
)
まれた
訳
(
わけ
)
ではないが、
何
(
な
)
んといっても
中村松江
(
なかむらしょうこう
)
なら、
当時
(
とうじ
)
押
(
お
)
しも
押
(
お
)
されもしない、
立派
(
りっぱ
)
な
太夫
(
たゆう
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
同樣
(
どうよう
)
に
葉
(
は
)
を
落
(
おと
)
し
代
(
か
)
へる
木
(
き
)
に『
落葉針葉樹
(
らくようしんようじゆ
)
』(からまつ、いてふ
等
(
など
)
)と『
落葉闊葉樹
(
らくようかつようじゆ
)
』(さくら、もみぢ
等
(
など
)
)の
別
(
べつ
)
があります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
兩樣の土偶一ヶ所より出づる事有るとは
余
(
よ
)
をして土偶形状の
別
(
べつ
)
は男女の別を示すものならんとの考へを
強
(
つよ
)
からしむるなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
否
(
いな
)
、一
代
(
だい
)
のうちでも、
家
(
いへ
)
に
死者
(
ししや
)
が
出來
(
でき
)
れば、その
家
(
いへ
)
は
汚
(
けが
)
れたものと
考
(
かんが
)
へ、
屍
(
しかばね
)
を
放棄
(
はうき
)
して、
別
(
べつ
)
に
新
(
あたら
)
しい
家
(
いへ
)
を
作
(
つく
)
つたのである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
「そういうわけで、来年のお正月の
拝賀式
(
はいがしき
)
は、この
再建
(
さいけん
)
日本のかくごをかためるためにも、
別
(
べつ
)
しておごそかにとりおこなわなければなりません。」
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
「どこかで花がさいたのですね。」と、
別
(
べつ
)
の葉にとまっていたちょうがいいました。「きっと原っぱのまんなかのあの木に花がさいたのですよ。」
木の祭り
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
終夜
(
しうや
)
雨
(
あめ
)
に
湿
(
うるほ
)
ひし為め、水中を
歩
(
あゆ
)
むも
別
(
べつ
)
に意となさず、二十七名の一隊
粛々
(
しゆく/\
)
として
沼
(
ぬま
)
を
渉
(
わた
)
り、
蕭疎
(
しようそ
)
たる
藺草
(
いくさ
)
の間を
過
(
す
)
ぎ、
悠々
(
いう/\
)
たる
鳧鴨
(
ふわう
)
の群を
驚
(
おどろ
)
かす
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
また
別
(
べつ
)
の
先生方
(
せんせいがた
)
からお
聞
(
き
)
きになる
場合
(
ばあひ
)
がありませう。なほ
古
(
ふる
)
いお
寺
(
てら
)
のあつたところには、
瓦
(
かはら
)
のほかに
大
(
おほ
)
きな
柱
(
はしら
)
の
礎石
(
そせき
)
が
殘
(
のこ
)
つてゐることもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
粗末
(
そまつ
)
な
布
(
きれ
)
の
下衣
(
したぎ
)
しか
着
(
き
)
てゐないで、
足
(
あし
)
には
何
(
なに
)
も
履
(
は
)
かず、
眼
(
め
)
は
落着
(
おちつ
)
いてゐて、
別
(
べつ
)
に
驚
(
おどろ
)
いた
風
(
ふう
)
も
無
(
な
)
く、こちらを
見上
(
みあ
)
げた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
別
(
べつ
)
に
苦
(
く
)
にもならず
總
(
すべ
)
てを
義母
(
おつかさん
)
にお
任
(
まかせ
)
して
茶
(
ちや
)
ばかり
飮
(
の
)
んで
内心
(
ないしん
)
一の
悔
(
くい
)
を
懷
(
いだ
)
きながら
老人夫婦
(
としよりふうふ
)
をそれとなく
觀察
(
くわんさつ
)
して
居
(
ゐ
)
た。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
別
(
べつ
)
に
自分
(
じぶん
)
がそれについて
弱味
(
よわみ
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
ないにしてもさ、
永
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
には
何
(
なん
)
だか
斯
(
か
)
う
不安
(
ふあん
)
を感じて
來
(
き
)
さうな
氣持
(
きもち
)
がするね。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は
別
(
べつ
)
に
悪
(
わる
)
い
顔
(
かお
)
もせず、ただそれを
聞
(
き
)
き
流
(
なが
)
したままで
家
(
いえ
)
へ
戻
(
もど
)
ってみると、
茶
(
ちゃ
)
の
間
(
ま
)
の
障子
(
しょうじ
)
のわきにはお
初
(
はつ
)
が
針仕事
(
はりしごと
)
しながら
金之助
(
きんのすけ
)
さんを
遊
(
あそ
)
ばせていた。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何
(
なん
)
でもないことだよ。それは、
玉
(
たま
)
の
片
(
かた
)
かたの
穴
(
あな
)
のまわりにたくさん
蜂蜜
(
はちみつ
)
をぬっておいて、
絹糸
(
きぬいと
)
に
蟻
(
あり
)
を一
匹
(
ぴき
)
ゆわいつけて、
別
(
べつ
)
の
穴
(
あな
)
から
入
(
い
)
れてやるのです。
姨捨山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
下士はよき役を
勤
(
つとめ
)
て
兼
(
かね
)
て家族の
多勢
(
たぜい
)
なる家に非ざれば、
婢僕
(
ひぼく
)
を使わず。
昼間
(
ひるま
)
は町に
出
(
い
)
でて物を買う者少なけれども、夜は男女の
別
(
べつ
)
なく町に
出
(
いず
)
るを常とす。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
萬有
(
ばんいう
)
の
母
(
はゝ
)
たる
大地
(
だいぢ
)
は
其
(
その
)
墓所
(
はかどころ
)
でもあり、
又
(
また
)
其
(
その
)
埋葬地
(
まいさうち
)
たるものが
其
(
その
)
子宮
(
こぶくろ
)
でもある、さて
其
(
その
)
子宮
(
こぶくろ
)
より千
差
(
さ
)
萬
別
(
べつ
)
の
兒供
(
こども
)
が
生
(
うま
)
れ、
其
(
その
)
胸
(
むね
)
をまさぐりて
乳
(
ち
)
を
吸
(
す
)
ふやうに
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何
(
なに
)
の
故
(
ゆゑ
)
に間は四年の
音信
(
おとづれ
)
を絶ち、又何の故にさしも
懐
(
おもひ
)
に忘れざる旧友と相見て
別
(
べつ
)
を為さざりしか。彼が今の身の上を知らば、この疑問は
自
(
おのづか
)
ら解釈せらるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかし
男
(
をとこ
)
を
殺
(
ころ
)
さずとも、
女
(
をんな
)
を
奪
(
うば
)
ふ
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
れば、
別
(
べつ
)
に
不足
(
ふそく
)
はない
譯
(
わけ
)
です。いや、その
時
(
とき
)
の
心
(
こころ
)
もちでは、
出來
(
でき
)
るだけ
男
(
をとこ
)
を
殺
(
ころ
)
さずに、
女
(
をんな
)
を
奪
(
うば
)
はうと
決心
(
けつしん
)
したのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
の
口
(
くち
)
の
利
(
き
)
き
方
(
かた
)
は、
少
(
すこ
)
し
内気
(
うちき
)
すぎるほど
弱々
(
よわ/\
)
しかつた。そしてそれについて、
別
(
べつ
)
にはつきりした
返事
(
へんじ
)
を
与
(
あた
)
へなかつたが、わざと
遠慮
(
ゑんりよ
)
してゐるやうにも
見
(
み
)
えた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ニールスは、思いきって、ひろびろとした
並木道
(
なみきみち
)
を走っていく
勇気
(
ゆうき
)
はありませんでした。それで、
別
(
べつ
)
の道をいくことにきめました。庭を通って、
裏庭
(
うらにわ
)
に出ました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
自分
(
じぶん
)
をば
道
(
みち
)
に
疎遠
(
そゑん
)
な
人
(
ひと
)
だと
諦念
(
あきら
)
め、
別
(
べつ
)
に
道
(
みち
)
に
親密
(
しんみつ
)
な
人
(
ひと
)
がゐるやうに
思
(
おも
)
つて、それを
尊敬
(
そんけい
)
する
人
(
ひと
)
がある。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
団長はそのきえちゃんを
怒
(
おこ
)
りつけているのだとばかり思っていたのに、そばから
別
(
べつ
)
なきえちゃんが顔を出したので、あっけにとられてきょとんとしてしまいました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
足
(
あし
)
のとまる
処
(
ところ
)
にて
不図
(
ふと
)
心付
(
こゝろづ
)
けば
其処
(
そこ
)
、
依田学海先生
(
よだがくかいせんせい
)
が
別荘
(
べつさう
)
なり、
此
(
こゝ
)
にてまた
別
(
べつ
)
の
妄想
(
まうさう
)
湧
(
わ
)
きおこりぬ。
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
木立
(
こだち
)
生
(
お
)
ひ繁る阜は岸までつづく。
向
(
むかひ
)
の岸の野原には今一面の花ざかり、
中空
(
なかぞら
)
の雲一ぱいに白い光が
掠
(
かす
)
めゆく……ああ、また
別
(
べつ
)
の影が來て、うつるかと見て消えるのか。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
それから……それから
別
(
べつ
)
に何ごとがあろう? ママは
生徒監
(
せいとかん
)
のところへ出かけて行った。
生徒監
(
せいとかん
)
を
相手
(
あいて
)
にひと
騒
(
さわ
)
ぎ持ちあげた上、あとで
訴
(
うった
)
えてやるつもりだったのである。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
近江屋
(
あふみや
)
の
旦那
(
だんな
)
が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て、
梅喜
(
ばいき
)
の
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いたから
浅草
(
あさくさ
)
へ
連
(
つ
)
れて
往
(
い
)
つたが、
奥山
(
おくやま
)
で
見失
(
みはぐ
)
つたけれども、
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いたから
別
(
べつ
)
に
負傷
(
けが
)
はないから安心して
居
(
ゐ
)
なと
云
(
い
)
はれた時には
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
勿論
(
もちろん
)
、
其時
(
そのとき
)
は
別
(
べつ
)
に
心
(
こゝろ
)
にも
留
(
と
)
めなかつたが、
今
(
いま
)
になつて
初
(
はじ
)
めてそれと
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
る
節
(
ふし
)
の
無
(
な
)
いでもない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いや、もうひとり、
別
(
べつ
)
のすみのほうに、八十ぐらいのばあさんが、レウマチでうなっている。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
この世の中を渡るに
嗜好
(
しこう
)
はなるたけ人々により
別
(
べつ
)
なるが
面白
(
おもしろ
)
けれども、善悪の
標準
(
ひょうじゅん
)
は一様でなくてはならぬと。この一様なる善悪の標準をもって好き嫌いを測るべきものでない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
と、びっくりしてふりかえったのは、
別
(
べつ
)
なことでぼうとしていた
金鉱山掘夫
(
かなやまほり
)
や熊蔵たち。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
別
(
べつ
)
に
特別
(
とくべつ
)
痛
(
いた
)
むわけでもなく
外面
(
ぐわいめん
)
からも
右足
(
うそく
)
の
膝關節
(
しつくわんせつ
)
は、なんの
異常
(
いじやう
)
もなかつたのであるけれども、
自由
(
じいう
)
に
曲折
(
きよくせつ
)
が
出來
(
でき
)
ない
爲
(
た
)
めに、
學校
(
がくかう
)
では
作法
(
さはふ
)
と
體操
(
たいさう
)
を
休
(
やす
)
まなければならなかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
『
何處
(
どこ
)
へ
私
(
わたし
)
の
肩
(
かた
)
は
行
(
い
)
つて
了
(
しま
)
つたのかしら?オヤ、
可哀相
(
かあいさう
)
に、
何
(
ど
)
うしたんでせう、
私
(
わたし
)
の
手
(
て
)
も
見
(
み
)
えないわ?』
愛
(
あい
)
ちやんは
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ひながらそれを
振
(
ふ
)
つて
見
(
み
)
ましたが、
別
(
べつ
)
に
變
(
かは
)
つた
事
(
こと
)
もなく
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
火星の街の名前ではないが
別
(
べつ
)
に地
球
(
きう
)
の
学者
(
がくしや
)
がつけた
運河
(
うんが
)
の名前にたしかにあるよ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
“別”の意味
《名詞》
(ベツ)(特に待遇等について)区別すること。
(ベツ)異なる物として区別されること。
(ベツ)あることと無関係であること。別論。別問題。
(ベツ)例外。
《形容動詞》
別に(ベツに)
ほかに。別途。
(主として否定文で)特に。別段。
(出典:Wiktionary)
別
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“別”を含む語句
別荘
差別
弁別
告別
分別
区別
餞別
訣別
死別
袂別
識別
別業
鑑別
別室
生別
無差別
別嬪
別離
別墅
別々
...