)” の例文
「ばか、てんは、一も、二も、十も、百も、もっと、もっとたかいのだよ。」と反対はんたいした子供こどもは、それをしてさけびました。
木に上った子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、ああ、ガンジス河、はばにも近い大きな水の流れは、みんなの目の前で、たちまちたけりくるってさかさまにながれました。
手紙 二 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
砧村きぬたむら途中とちう磨石斧ませきふひろひ、それから小山こやまあがくちで、破片はへんひろつたが、此所こゝまでに五ちかあるいたので、すこしくまゐつてた。
「ええ、ええ、もうこれから百もあって、くだけに十日とおかあまりかかって、かえりにもやはりそれだけかかるのですからね。」
松山鏡 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
以て親と思ふの孝心かうしんいさぎよく母に暇乞いとまごひなし五兩の金を路用にと懷中して其夜は十三淀川よどがはの船に打乘うちのり一日も早くと江戸へぞくだりける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大和川やまとがわ淀川よどがわの二すいをひいてほりの長さを合計ごうけいすると三八町とかいうのだから、もって、いかにそのおおげさな築城ちくじょうかがわかるであろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵營へいえいからすでに十ちか行程かうていと、息詰いきづまるやうにしするよる空氣くうきと、ねむたさと空腹くうふくとにされて、兵士達へいしたちつかれきつてゐた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そして、冬は、九うまい十三の、焼き芋の立ち売りをしたり……夏は、江戸名物と自ら銘うったところてんの呼び売り。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それからの私達わたくしたちあいだにはまえにもまして、一そうおおきなみぞができてしまい、夫婦ふうふとはただばかり、こころこころとは千もかけはなれてるのでした。
支那しな全國ぜんこくだうわかれ、だうしうまたぐんわかれ、それがけんわかれ、けんしたがうがありがうしたがある。しうには刺史ししひ、ぐんには太守たいしゆふ。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
温泉地といっても、別府から六の峠を越した盆地の中で、九州でも「五箇荘ごかのしょうか、由布院か」といってからかわれる位の山の中なのである。
由布院行 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
勿論もちろん飛騨越ひだごゑめいつたには、七に一けんに五けんといふ相場さうば其処そこあはめしにありつけば都合つがふじやうはうといふことになつてります。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まん二千はなれた、マタカン国に行っていましたが、その使っているこびとから、この知らせをすぐうけとりました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
よしや千萬里ばんりはなれるとも眞實まこと親子おやこ兄弟けうだいならば何時いつかへつてうといふたのしみもあれど、ほんの親切しんせつといふ一すぢいとにかヽつてなれば
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
も十おきるのに、大變たいへんらくなんですとさ。ところ貴方あなたこの日本全國につぽんぜんこく鰹船かつをぶねかずつたら、それこそたいしたものでせう。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ちかやうでも海上かいじやうの三容易ようゐでない、無限むげん大海原おほうなばらたゞよつてつたあひだこそ、しまさへ見出みいだせば、たゞちにたすかるやうかんがへてつたが、仲々なか/\左樣さうかぬ。
日露戦争の際、私は東京日々とうきょうにちにち新聞社から通信員として戦地へ派遣された。三十七年の九月、遼陽りょうようより北一はん大紙房だいしぼうといふ村に宿とまつて、滞留約半月はんつき
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
兵法へいはふに、百にして(四六)おもむものは、上將じやうしやうたふし、五十にしておもむものは、(四七)ぐんなかいた
使いの人らは、二の夜道を雨に降られては、と気づかうさまで、しきりにそとをながめて、ささやいている。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
第三、七けつぱいお客に惚れない事、万一惚れねばならぬ時は、成るべくよぼ/\の老人としよりを見立てる事。
さら印度いんどくと、印度いんどほとん化物ばけもの本場ほんばである。印度いんど地形ちけい支那しなおなじくきはめて廣漠かうばくたるもので、そのやぶがあるといふごとき、かならずしも無稽むけいげんではない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
この某町ぼうまちから我村落わがそんらくまで七車道しやだうをゆけば十三大迂廻おほまはりになるので我々われ/\中學校ちゆうがくかう寄宿舍きしゆくしやから村落そんらくかへときけつしてくるまらず、なつふゆ定期休業ていききうげふごとかなら
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
すゑにはう「初雪はつゆきやせめてすゞめの三まで」どころではないすゞめくびつたけになるほど雪がつもりました。
小父をじさんのうちのある木曾福島町きそふくしままち御嶽山おんたけさんちかいところですが、あれから木曽川きそがはについて十ばかりも川下かはしも神坂村みさかむらといふむらがあります。それがとうさんのうまれたむらです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
おかあさんのお里の村までは、おかづたいに入江いりえをぐるりとまわっていけば、二あまりありましたが、舟でまっすぐに入江を横ぎっていけば、十四、五ちょうしかありません。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
折柄風は追手おってになり波は無し、舟は矢のようにはやく湖の上をすべりましたから、間もなくおかは見えなくなって、正午ひる頃には最早十七八、丁度湖の真中程まで参りました。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
大阪おおさかまでは十五(やく六十キロ)あるとききました。おかねがないものですから、すきばらをかかえて、とぼとぼとあるきつづけました。宿屋やどやにとまることもできません。
約束をして置いたら寝坊の九が遠方のカンパン・プルミエのアトリエから朝早く遺つて来た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
第七 一ヶげつ五六かなら村里むらざとはなれたる山林さんりんあるひ海濱はまべで、四五みち歩行ほかうすべきこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
野からその南さんの家の見えますことは一二の先へ行つても同じだらうと思はれる程大きいものでした。私の同級生の幾人かは日曜日毎に南さんの家へ遊びに行きました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
大きなぼだいじゅのあるターコール僧正そうじょうの家から、一ばかりはなれた町のはずれに、きたない宿屋やどやがありました。見すぼらしい年とった男は、そこへ僧正そうじょう案内あんないしてきました。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
五月山さつきやまが一ぽん々々/\かぞへられるやうになると、池田いけだまちながさかしたおろされた。此處ここからはもう多田院ただのゐんへ一開帳かいちやうにぎはひは、この小都會せうとくわいをもざわつかしてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
東叡山とうえいざん寛永寺かんえいじ山裾やますそに、周囲しゅういいけることは、開府以来かいふいらい江戸えどがもつほこりの一つであったが、わけてもかりおとずれをつまでの、はすはな池面いけおも初秋しょしゅう風情ふぜい
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
多くの巴里人のならわし通りこの男も老後を七、八十巴里から離れた田舎いなか恰好かっこうな家を見付けて買取かいとり、コックに一人の女中ぐらい置いて夫婦の後年を閑居かんきょしようという人達だ。
巴里の秋 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
みちというものはかわによくています。それは、かわというものがもともとみちだからです。つまり、川というのは自然しぜん出来できた道で、人は七ひとびのくつをはいてそこを歩きまわるのです。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
工事こうじ箇所かしよへは廿もあつた。勘次かんじけばすぐぜにになるとおもつたのでやうやく一ゑんばかりの財布さいふふところにした。辨當べんたうをうんと背負しよつたので目的地もくてきちへつくまでは渡錢わたしせんほかには一せんらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
たづねてい、と眞先まっさき促進すゝめたもこひなれば、智慧ちゑしたもこひしたもこひわし舵取かぢとりではないけれども、此樣このやうたからようためなら、千荒海あらうみの、其先そのさきはまへでも冐險ばうけんしよう。
地球ちきうまひながら日輪にちりん周圍まはりまは此道程このみちのりイギリスの里法りはふにて六おくあり
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
とお芳さんが一しゃで言った。実際日本語とは思われない。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
青野あをのに行き暮れて
かさぬ宿 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
みちつかれず
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
叔父おじさんのいえは、ここから二十もあちらのはまなんだ。たいだの、さばだのあみにかかってくるって、ぼくのおとうさんが、いった。」
海が呼んだ話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
此邊このへんまではるのだ。迂路うろつきまわるのですでに三以上いじやうあるいたにかゝはらず、一かう疲勞ひらうせぬ。此時このときすで打石斧だせきふ十四五ほん二人ふたりひろつてた。
「二十九余町よちょう——まア、ざっと三十里でございまする。すると桑名くわなのごじんへつきますまでには、約三日ののちとあいなります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みのほかに、ばんどりとてたものあり、みのよりははうおほもちふ。いそ一峯いつぽうが、(こし紀行きかう)に安宅あたかうらを一ひだりつゝ、とところにて
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
駅から五の雪道を、馬橇ばそりで顕微鏡だの写真用器具だの食料品だのを運ぶのは大仕事であったが、計画は見事成功した。
雪雑記 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
わしかなんぞなららないが、さぎのようなはねよわいものでは、せいぜい一か二ぐらいしかちからはないはずだ。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
どう今日きょう船出ふなで寿ことほったのもほんのつか、やや一ばかりもおかはなれたとおぼしきころから、天候てんこうにわかに不穏ふおん模様もようかわってしまいました。
三十彼方かなたなる櫻木大佐さくらぎたいさもとほうぜんがため、なみだふるつて猛犬稻妻まうけんいなづまをば、このおそろしき山中さんちう使者ししやせしむることとなつた。
台州たいしうから天台縣てんだいけんまでは六十はんほどである。日本にほんの六はんほどである。ゆる/\輿かせてたので、けんから役人やくにんむかへにたのにつたとき、もうひるぎてゐた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)