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位
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ぐらゐ
ふりがな文庫
“
位
(
ぐらゐ
)” の例文
「
安
(
やす
)
さんは、まだ
歸
(
かへ
)
らないんでせうかね。
貴方
(
あなた
)
今度
(
こんだ
)
の
日曜
(
にちえう
)
位
(
ぐらゐ
)
に
番町
(
ばんちやう
)
迄
(
まで
)
行
(
い
)
つて
御覽
(
ごらん
)
なさらなくつて」と
注意
(
ちゆうい
)
した
事
(
こと
)
があるが、
宗助
(
そうすけ
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
忌
(
いみ
)
もまだ明けないだらうつて。奥さんにも似合はない旧弊なことを
仰
(
おつ
)
しやるのですね。忌
位
(
ぐらゐ
)
明けなくつたつて、いゝぢやありませんか。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
さういふ
天
(
てん
)
の
世界
(
せかい
)
にとゞくやうな、
空気
(
くうき
)
の
稀薄
(
うす
)
いところでは、あれあれといふ
間
(
ま
)
もなく、千
年
(
ねん
)
位
(
ぐらゐ
)
の
年月
(
としつき
)
が
流
(
なが
)
れてしまふさうだ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
左様
(
さやう
)
でげすな、
四品
(
よしな
)
で七
円
(
ゑん
)
位
(
ぐらゐ
)
では
如何
(
いかゞ
)
でげせう。士「ヤ、
怪
(
け
)
しからぬことを
云
(
い
)
ふ、
釜
(
かま
)
ばかりでもお
前
(
まへ
)
十五
両
(
りやう
)
で
買
(
か
)
うたのだぜ。 ...
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それに
値段
(
ねだん
)
が
不廉
(
たかい
)
ものだからといふのであつた。
勘次
(
かんじ
)
はそれでも
幾
(
いく
)
ら
位
(
ぐらゐ
)
するものかと
思
(
おも
)
つて
聞
(
き
)
いたら
一罎
(
ひとびん
)
が三
圓
(
ゑん
)
だといつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
『さうか、だけど
屹度
(
きつと
)
、
屑
(
くづ
)
が
同
(
おな
)
じ
位
(
ぐらゐ
)
入
(
はい
)
つて
居
(
ゐ
)
たに
違
(
ちが
)
ひない』
帽子屋
(
ばうしや
)
は
不平
(
ふへい
)
たら/″\で、『
麺麭
(
パン
)
庖丁
(
ナイフ
)
で
其中
(
そのなか
)
へ
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
んだナ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
しかしどつかに、一銭
位
(
ぐらゐ
)
おちてゐるかも知れないと思つて、
家中
(
うちぢゆう
)
の敷物をめくつて、板のすきまをほじくつて見ましたが、一銭もみつかりません。
歯と眼の悪いおぢいさん
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
どの公園へ行つても木蔭にチユウリツプが咲いて居る。
立木
(
たちき
)
の花は甚だ
尠
(
すくな
)
い、純白の八重桜に
連翹
(
れんげう
)
と梨
位
(
ぐらゐ
)
のものである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
と
云
(
いふ
)
に幸八は
委細
(
ゐさい
)
承知
(
しようち
)
なしシテ又親方
何處迄
(
どこまで
)
御出と
聞
(
きく
)
に藤八は
然
(
され
)
ばサ先は
確
(
しか
)
と知れぬが
大概
(
おほかた
)
箱根
前後
(
ぜんご
)
位
(
ぐらゐ
)
と思へば
能
(
よし
)
と云を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夏
(
なつ
)
のはじめに、よく
蝦蟆賣
(
がまう
)
りの
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
く。
蝦蟆
(
がま
)
や、
蝦蟆
(
がんま
)
い、と
呼
(
よ
)
ぶ。
又
(
また
)
此
(
こ
)
の
蝦蟆賣
(
がまう
)
りに
限
(
かぎ
)
りて、十二三、四五
位
(
ぐらゐ
)
なのが、きまつて
二人連
(
ふたりづ
)
れにて
歩
(
ある
)
くなり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
とある道の角に、三十
位
(
ぐらゐ
)
の
卑
(
いや
)
しい女が、色の
褪
(
さ
)
めた赤い腰巻を
捲
(
まく
)
つて、男と立つて話をして
居
(
ゐ
)
た。
其処
(
そこ
)
に細い
巷路
(
かうぢ
)
があつた。洗濯物が一面に干してあつた。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
第
(
だい
)
一
子
(
こ
)
を
育
(
そだ
)
つる
事
(
こと
)
もなるまじ、
美尾
(
みを
)
は
私
(
わたし
)
が
一人娘
(
ひとりむすめ
)
、やるからには
私
(
わたし
)
が
終
(
おは
)
りも
見
(
み
)
て
貰
(
もら
)
ひたく、
贅澤
(
ぜいたく
)
を
言
(
い
)
ふのでは
無
(
な
)
けれど、お
寺參
(
てらまい
)
りの
小遣
(
こづか
)
ひ
位
(
ぐらゐ
)
、
出
(
だ
)
しても
貰
(
もら
)
はう
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何卒御返濟いたし度、色々手段を
𢌞
(
めぐら
)
し候得共、頓と御返
辨
(
べん
)
之道も不
二
相付
一
候
而已
(
のみ
)
ならず、利息さへも
纔
(
わづか
)
一年
位
(
ぐらゐ
)
差上候
而已
(
のみ
)
にて、何とも無
二
申
譯
(
わけ
)
一
仕合に御座候。
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
私を先に帰して下すつたら、あなたが帰つていらつしやる時にはまた五日
位
(
ぐらゐ
)
は若いでせうと云つたの、僕の思ひなしにしてしまつて居るのだ馬鹿だと怒つてましたわ。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
アウエリヤヌヰチはドクトルの
廉潔
(
れんけつ
)
で、
正直
(
しやうぢき
)
で
有
(
あ
)
るのは
豫
(
かね
)
ても
知
(
し
)
つてゐたが、
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
れにしても、二萬
圓
(
ゑん
)
位
(
ぐらゐ
)
は
確
(
たしか
)
に
所有
(
もつ
)
てゐることゝのみ
思
(
おも
)
ふてゐたのに、
恁
(
か
)
くと
聞
(
き
)
いては
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
雲飛
(
うんぴ
)
は三年の
壽命
(
じゆみやう
)
位
(
ぐらゐ
)
は
何
(
なん
)
でもないと
答
(
こた
)
へたので老叟、二本の
指
(
ゆび
)
で一の
竅
(
あな
)
に
觸
(
ふれ
)
たと思ふと石は
恰
(
あだか
)
も
泥
(
どろ
)
のやうになり、手に
隨
(
したが
)
つて
閉
(
と
)
ぢ、
遂
(
つひ
)
に
三個
(
みつゝ
)
の
竅
(
あな
)
を
閉
(
ふさ
)
いで
了
(
しま
)
つて、さて言ふには
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
此の
時
(
とき
)
位
(
ぐらゐ
)
藝術家の
意久地
(
いくぢ
)
の無いことはあるまい、
幾
(
いく
)
らギリ/\
齒
(
は
)
を
噛
(
か
)
むだと
謂
(
い
)
ツて、また幾ら努力したと謂ツて、何のことはない、
破
(
やぶ
)
けたゴム
鞠
(
まり
)
を
地
(
ち
)
べたに
叩付
(
たゝきつ
)
けるやうなもので何の
張合
(
はりあひ
)
もない。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
幾歳
(
いくつ
)
だつたらう。今の長ちやん
位
(
ぐらゐ
)
のものぢやないか。」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「君だつたら葡萄
位
(
ぐらゐ
)
呉れてやつてもよかつたんだ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夫婦
(
ふうふ
)
は
毎夜
(
まいよ
)
同
(
おな
)
じ
火鉢
(
ひばち
)
の
兩側
(
りやうがは
)
に
向
(
む
)
き
合
(
あ
)
つて、
食後
(
しよくご
)
一
時間
(
じかん
)
位
(
ぐらゐ
)
話
(
はなし
)
をした。
話
(
はなし
)
の
題目
(
だいもく
)
は
彼等
(
かれら
)
の
生活
(
せいくわつ
)
状態
(
じやうたい
)
に
相應
(
さうおう
)
した
程度
(
ていど
)
のものであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
兎に角、妹が挨拶をした以上、自分の顔
丈
(
だけ
)
位
(
ぐらゐ
)
は、覚えてゐて呉れるかしら。覚えてゐて呉れゝば、どんなに幸福であらうかなどと思つたりした。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
処
(
ところ
)
が
西洋
(
あちら
)
では
遣物
(
つかひもの
)
を持つて
行
(
い
)
つた者に、
使賃
(
つかひちん
)
といつて名を
附
(
つ
)
ける
訳
(
わけ
)
ではないが、
弗
(
どる
)
の二ツ
位
(
ぐらゐ
)
は
呉
(
く
)
れるさうでございます。
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
私
(
わたし
)
——さうね、
今
(
いま
)
——それは
今朝
(
けさ
)
起
(
お
)
きた
時
(
とき
)
から
私
(
わたし
)
が
誰
(
だれ
)
だか
位
(
ぐらゐ
)
は
知
(
し
)
つゝてよ、けれども
是迄
(
これまで
)
に
何遍
(
なんぺん
)
も
變
(
かは
)
つてるからね』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
與吉
(
よきち
)
が三つに
成
(
な
)
つたのでおつぎは
他
(
よそ
)
へ
奉公
(
ほうこう
)
に
出
(
だ
)
すことに
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あひだ
)
には
決定
(
けつてい
)
された。
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
十五の
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
では一
年
(
ねん
)
の
給金
(
きふきん
)
は
精々
(
せい/″\
)
十
圓
(
ゑん
)
位
(
ぐらゐ
)
のものであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
しまひに極めて落着いた黒地の中の
停車場
(
ステエシヨン
)
へわたし等二人は降りた。ばらばらと二三十人
位
(
ぐらゐ
)
が歩いて居るだけである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
故意
(
わざ
)
と重四郎は氣の付ぬ
體
(
ふり
)
にて夫は願つても無い
僥倖
(
さいはひ
)
然
(
さう
)
いふ口なら金の百兩
位
(
ぐらゐ
)
は
何
(
どう
)
ともして
才覺
(
さいかく
)
致します
何
(
なん
)
と御世話を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
兩側
(
りやうがは
)
に
大藪
(
おほやぶ
)
があるから、
俗
(
ぞく
)
に
暗
(
くら
)
がり
坂
(
ざか
)
と
稱
(
とな
)
へる
位
(
ぐらゐ
)
、
竹
(
たけ
)
の
葉
(
は
)
の
空
(
そら
)
を
鎖
(
とざ
)
して
眞暗
(
まつくら
)
な
中
(
なか
)
から、
烏瓜
(
からすうり
)
の
花
(
はな
)
が
一面
(
いちめん
)
に、
白
(
しろ
)
い
星
(
ほし
)
のやうな
瓣
(
はなびら
)
を
吐
(
は
)
いて、
東雲
(
しのゝめ
)
の
色
(
いろ
)
が
颯
(
さつ
)
と
射
(
さ
)
す。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
停車場
(
ステーシヨン
)
から町の入口まで半里
位
(
ぐらゐ
)
ある。堤防になつてゐる二
間
(
けん
)
幅
(
はゞ
)
の
路
(
みち
)
には、
櫨
(
はぜ
)
の大きな並木が涼しい
蔭
(
かげ
)
をつくつて
居
(
ゐ
)
て、車夫の
饅頭笠
(
まんぢうがさ
)
が
其間
(
そのあひだ
)
を縫つて走つて行く。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
一寸
(
ちよつと
)
説明した
位
(
ぐらゐ
)
で分らない事だから、こんな時には黙つて居るより仕方がないと思つて居る。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
何
(
なに
)
も
女郎
(
めらう
)
の一
疋
(
ひき
)
位
(
ぐらゐ
)
相手
(
あひて
)
にして三五
郎
(
らう
)
を
擲
(
なぐ
)
りたい
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
かつたけれど、
萬燈
(
まんどう
)
を
振込
(
ふりこ
)
んで
見
(
み
)
りやあ
唯
(
たゞ
)
も
歸
(
かへ
)
れない、ほんの
附景氣
(
つけけいき
)
に
詰
(
つま
)
らない
事
(
こと
)
をしてのけた、
夫
(
そ
)
りやあ
己
(
お
)
れが
何處
(
どこ
)
までも
惡
(
わ
)
るいさ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御米
(
およね
)
もつまりは
夫
(
をつと
)
が
歸宅後
(
きたくご
)
の
會話
(
くわいわ
)
の
材料
(
ざいれう
)
として、
伊藤公
(
いとうこう
)
を
引合
(
ひきあひ
)
に
出
(
だ
)
す
位
(
ぐらゐ
)
の
所
(
ところ
)
だから、
宗助
(
そうすけ
)
が
進
(
すゝ
)
まない
方向
(
はうかう
)
へは、たつて
話
(
はなし
)
を
引張
(
ひつぱり
)
たくはなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
些
(
や
)
や
誇顏
(
ほこりがは
)
に
云
(
い
)
ひました、
何故
(
なぜ
)
といふに、
自分
(
じぶん
)
位
(
ぐらゐ
)
の
年齡格好
(
としかつかう
)
の
小娘
(
こむすめ
)
で、
全
(
まつた
)
く
其意味
(
そのいみ
)
を
知
(
し
)
つてるのは
甚
(
はなは
)
だ
稀
(
まれ
)
だと
實際
(
じつさい
)
愛
(
あい
)
ちやんは
然
(
さ
)
う
思
(
おも
)
つてゐましたから。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
彼
(
かれ
)
は
少
(
すこ
)
しばかり
餘
(
あま
)
してあつた
蓄
(
たくは
)
へから
蝕
(
むしくひ
)
でも
何
(
なん
)
でも
柱
(
はしら
)
になる
木
(
き
)
やら
粟幹
(
あはがら
)
やらを
求
(
もと
)
めて、
家
(
いへ
)
の
横手
(
よこて
)
へ
小
(
ちひ
)
さな二
間
(
けん
)
四
方
(
はう
)
位
(
ぐらゐ
)
な
掘立小屋
(
ほつたてごや
)
を
建
(
た
)
てる
計畫
(
けいくわく
)
をした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
せめて半年か今年一年
位
(
ぐらゐ
)
稼
(
かせ
)
いで
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
るだらうと、
女房
(
にようばう
)
も待つて
居
(
を
)
りますと、
直
(
すぐ
)
に三日目に
帰
(
かへ
)
つてまゐりました。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
愛くるしい三歳
位
(
ぐらゐ
)
の
小児
(
せうに
)
の裸の石像が無邪気な姿勢をして立ち
乍
(
なが
)
ら手で軽く支へた前の物から、細い噴水が勢ひよく円を描いて流れて落ちるのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
領し
物頭役
(
ものがしらやく
)
を
相勤
(
あひつと
)
めたる大橋文右衞門
清長
(
きよなが
)
率
(
いざ
)
鎌倉
(
かまくら
)
と云ふ時のため武士の
省愼
(
たしなみ
)
差替
(
さしかへ
)
の大小
具足
(
ぐそく
)
一
領
(
りやう
)
位
(
ぐらゐ
)
は所持致し居り候
是
(
これ
)
御覽
(
ごらん
)
候へと
仕舞置
(
しまひおき
)
たる
具足櫃
(
ぐそくびつ
)
并びに差替の大小を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
先
(
ま
)
づこれから
峠
(
たうげ
)
に
掛
(
かゝ
)
らうといふ
日
(
ひ
)
の、
朝早
(
あさはや
)
く、
尤
(
もつと
)
も
先
(
せん
)
の
泊
(
とまり
)
はものゝ三
時
(
じ
)
位
(
ぐらゐ
)
には
発
(
た
)
つて
来
(
き
)
たので、
涼
(
すゞし
)
い
内
(
うち
)
に六
里
(
り
)
ばかり、
其
(
そ
)
の
茶屋
(
ちやゝ
)
までのしたのぢやが、
朝晴
(
あさばれ
)
でぢり/\
暑
(
あつ
)
いわ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鏡子は
昨夜
(
ゆふべ
)
二三十分
位
(
ぐらゐ
)
は眠れたが、それも思ひなしかも分らない程で朝になつたのである。六ケ月の
寝台
(
ベツト
)
の寝ごこちから、畳の上に帰つた初めての
夜
(
よ
)
の苦痛もあつたからであらう。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
だが、そんな場合、彼女
位
(
ぐらゐ
)
、はにかみ屋はなかつた。どんなに、お
腹
(
なか
)
がすいてゐても、健作の前では、何一つ手をつけなかつた。幾品も取つた料理に、全然箸をつけない時があつた。
蠣フライ
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
其樣
(
そん
)
な
處
(
ところ
)
へ
歸
(
かへ
)
るに
當
(
あた
)
るものか
些
(
ちつ
)
とも
怕
(
おつ
)
かない
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いから
私
(
わたし
)
が
家
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
なさい、みんなも
心配
(
しんぱい
)
する
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い
何
(
なん
)
の
此子
(
このこ
)
位
(
ぐらゐ
)
のもの
二人
(
ふたり
)
や
三人
(
さんにん
)
や
臺所
(
だいどころ
)
へ
板
(
いた
)
を
並
(
なら
)
べてお
飯
(
まんま
)
を
喰
(
た
)
べさせるに
文句
(
もんく
)
が
入
(
い
)
るものか
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ヘヽー
何
(
ど
)
うでげせう、三
朱
(
しゆ
)
位
(
ぐらゐ
)
には
負
(
まか
)
りますまいか。坊「
焼場
(
やきば
)
へ
来
(
き
)
て
値切
(
ねぎ
)
るものもないもんだ、
極
(
きま
)
つて
居
(
ゐ
)
るよ。金「ナニ
本当
(
ほんたう
)
に
焼
(
や
)
けないでも
宜
(
よろ
)
しいんで。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
妻
(
さい
)
を貰つたら、君の所へ通知
位
(
ぐらゐ
)
する筈ぢやないか。
夫
(
それ
)
よりか君の」と云ひかけて、ぴたりと已めた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
茸爺
(
きのこぢゞい
)
、
茸媼
(
きのこばゞ
)
とも
名
(
な
)
づくべき
茸狩
(
きのこが
)
りの
古狸
(
ふるだぬき
)
。
町内
(
ちやうない
)
に
一人
(
ひとり
)
位
(
ぐらゐ
)
づゝ
必
(
かなら
)
ずあり。
山入
(
やまいり
)
の
先達
(
せんだつ
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さのみ珍らしいとは思ひませぬけれど
出際
(
でぎは
)
に召物の
揃
(
そろ
)
へかたが悪いとて
如何
(
いか
)
ほど詫びても聞入れがなく、
其品
(
それ
)
をば脱いで
擲
(
たた
)
きつけて、御自身洋服にめしかへて、
吁
(
ああ
)
、私
位
(
ぐらゐ
)
不仕合の人間はあるまい
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すみませんねこんな御心配をなすつては、あなたお
酒
(
さけ
)
は
上
(
あが
)
りますか。○「
些
(
すこ
)
し
位
(
ぐらゐ
)
はいたゞきます。 ...
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
譬
(
たと
)
ひ
這出
(
はひだ
)
した
処
(
ところ
)
でぬら/\と
遣
(
や
)
られては
凡
(
およ
)
そ五
分間
(
ふんかん
)
位
(
ぐらゐ
)
は
尾
(
を
)
を
出
(
だ
)
すまでに
間
(
ま
)
があらうと
思
(
おも
)
ふ
長虫
(
ながむし
)
と
見
(
み
)
えたので
已
(
や
)
むことを
得
(
え
)
ず
私
(
わし
)
は
跨
(
また
)
ぎ
越
(
こ
)
した、
途端
(
とたん
)
に
下腹
(
したはら
)
が
突張
(
つツぱ
)
つてぞツと
身
(
み
)
の
毛
(
け
)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なに
彼奴
(
あいつ
)
が
今夜中
(
こんやぢう
)
に
立
(
た
)
つものか、
今頃
(
いまごろ
)
は
革鞄
(
かばん
)
の前へ
坐
(
すは
)
つて考へ込んでゐる
位
(
ぐらゐ
)
のものだ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
女房
(
にようぼ
)
子
(
こ
)
位
(
ぐらゐ
)
過
(
す
)
ぐされぬ
事
(
こと
)
も
御座
(
ござ
)
りますまいし、一
生
(
せう
)
は
長
(
なが
)
う
御座
(
ござ
)
ります。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
えへゝゝゝ
冗談
(
じようだん
)
云
(
い
)
つちやアいけません、
盲人
(
めくら
)
にからかつちやア困ります。小「
盲目
(
めくら
)
だつて
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いたぢやアないか、
冗談
(
じようだん
)
なしに
月々
(
つき/″\
)
一
度
(
ど
)
位
(
ぐらゐ
)
づゝ遊んでおくれな、え
梅喜
(
ばいき
)
さん。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
考へると、原口が広田先生の所へ
来
(
き
)
て、美禰子の肖像を
描
(
か
)
く意志を
洩
(
も
)
らしてから、まだ一ヶ月
位
(
ぐらゐ
)
にしかならない。展覧会で直接に美禰子に依頼してゐたのは、
夫
(
それ
)
より
後
(
のち
)
の事である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“位”の意味
《名詞》
(くらい)階級。人と人との恒常的な関係で、指揮・命令をする者とそれを受ける者に関するもの、又、人の集団を、その権利又は義務の大小により分類したもの。
(くらい 形式名詞的に用い)程度。
(くらい)位取り記数法において、個々の数字が書かれる位置。通常、左にあるものほど大きな重みを持つ。
(出典:Wiktionary)
位
常用漢字
小4
部首:⼈
7画
“位”を含む語句
位置
中位
三位
位牌
其位
官位
地位
品位
源三位頼政
一位
方位
帝位
何年位
五位鷺
気位
御位
位地
位牌堂
源三位
三位一体
...