意味いみ)” の例文
いろひ、またゆき越路こしぢゆきほどに、られたとまを意味いみではないので——これ後言くりごとであつたのです。……不具かたはだとふのです。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これもなんの目的もくてきのために出來できたものであるかはわかりませんが、やはり宗教的しゆうきようてき意味いみをもつてつくられたものであらうとおもはれます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
わたしには、まだそんな気持きもちはありません。」と、まんは、かしらをふりました。それには、はやいからという意味いみばかりではありません。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ごろっこ」とはかわずの子という意味いみで、あの頭でっかちの「おたまじゃくし」のことです。村の子どもらは、なにかというと
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ろとは、大島小學校おほしませうがくかう神聖しんせいなる警語けいごで、その堂々だう/\たる冲天ちゆうてんいきほひと、そのくまで氣高けだかい精神せいしんと、これが此警語このけいご意味いみです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一體いつたいこりや、了見れうけんだね」と自分じぶんかざけたものながめながら、御米およねいた。御米およねにも毎年まいとしうする意味いみとんわからなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もとより龍太郎も忍剣も、この奇怪きかい事実じじつが、意味いみもないものだとは思わなかったが、そうまでの落としあなとは気がつかなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九州きゅうしゅう総追捕使そうついほしというのは、九州きゅうしゅう総督そうとくという意味いみなのです。するとほか大名だいみょうたちは、これも半分はんぶんはこわいし、半分はんぶんはいまいましがって
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
あらためてこゝふ。意味いみおいての大怪窟だいくわいくつが、學術がくじゆつひかり如何どうらされるであらうか。ふか興味きようみもつ此大發掘このだいはつくつむかへざるをない。
うやうやしくあたまげているわたくしみみには、やがて神様かみさま御声おこえ凛々りんりんひびいてまいりました。それは大体だいたいのような意味いみのお訓示さとしでございました。
その意味いみで、せま路次ろじおくにあつた、木造もくざうの、あのささやかな洋館やうくわん日本麻雀道にほんマアジヤンだうのためには記念保存物きねんほぞんぶつたる價値かちつてゐるかもれない。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
子供こどもあたまには、善良と馬鹿とは、だいたい同じ意味いみの言葉とおもわれるものである。小父おじのゴットフリートは、そのきた証拠しょうこのようだった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
『あいつは他國人たこくじん交際かうさいしてゐる。』『あのをとこ他縣人たけんじん懇意こんいにしてる。』そしてそれがいつも批難ひなん意味いみふくんでゐた。
わがはいはこれについて一げんべんじてきたい。年紀ねんき時間じかんはか基準きじゆん問題もんだいである。これは國號こくがう姓名せいめいなどの固有名こゆうめい問題もんだいとは全然ぜん/″\意味いみちがふ。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
おろかなとうさんは、好いことでもわることでもそれを自分じぶんでしてうへでなければ、その意味いみをよくさとることが出來できませんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『だつてあなたは、わたしがやつぱし、ちゝのいふ意味いみ幸福かうふく結婚けつこんもとめ、さうしてまた、それに滿足まんぞくしてきてられるをんなだとしかおもつてない……』
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
あまさかるは、やはり枕詞まくらことばで、ひなのひといふおこしてゐます。意味いみは、てんとほくかゝつてゐるといふことなんです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
大使館たいしかん所在しよざいを、かれ明白めいはくにはらなかつた。勿論もちろん招待せうたい意味いみについても、明確めいかくなことはわからなかつた。しかし大凡おゝよその見当けんたうはわかつてゐた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
また有力いうりよくなる銀行團ぎんかうだん援助ゑんじよもとめることは、充分じうぶん了解れうかい事實じじつあらは意味いみおいもつと必要ひつえうかんがへてクレデイツトの設定せつてい交渉かうせふ開始かいししたのであるが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
切干きりぼしでもつたもんだかな」おつぎがにはからおほきなこゑでいつたときしなはふとまくらもたげた。それでおつぎのこゑ意味いみわからずにかすかにみゝつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
むかしひとおそれてゐた大地震だいぢしんもどしは、最初さいしよ大地震だいぢしん主要部しゆようぶ意味いみであつて、今日こんにち所謂いはゆる餘震よしんすものでないことはまへべんじたとほりである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかなにれには意味いみがあるやうにおもはれる。「——およげないとの辯疏いひわけで——」其方そのはうにはおよげぬか、え?』つて軍人ネーブはう御覽ごらんになりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
マーキュ はて、愚圖ぐずついてゐるのは、晝間ひるま炬火たいまつけてゐるも同然どうぜんふのぢゃ。これ、意味いみりゃれ。
何者なにものにもと意味いみ世評せひやうとか、先輩せんぱいせつとか、女學校ぢよがくかう校長かうちやう意見いけんとか、さういふ他人たにん批判ひはんふのである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「じゃ木さばくこなしだじゃぃ。」だれかがうしろでさけんでいる。どういう意味いみかな。木にとりつくとかえってうしろのものをたたくというのだろうか。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
是等は玩弄品ぐわんろうひんか裝飾品か貨幣くわへいの如き用を爲せしもの容易ようゐ考定かうていする事能はずと雖も、石鏃せきぞく本來の用及ひ主要しゆゑうの用は、此所にかかげたる名稱めいせう意味いみする通り
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
なかには人間にんげん知識ちしき高尚こうしやう現象げんしやうほかには、ひとつとして意味いみのある、興味きようみのあるものはいのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それで、いまではとく山岳地方さんがくちほう森林しんりんは、いちばんにはこの意味いみ水源すいげんやしなふのに利用りようされ、建築土木用けんちくどぼくよう木材もくざいや、薪炭材料等しんたんざいりようなどをとるのは第二だいにとされるようになりました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
老人ろうじんころされたのは、その五よるだつたから、あさよるとのちがいはあつても、おな金魚屋きんぎょやつて老人ろうじんつたというてんが、なんとなく意味いみありかんじられる。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
今一疋デカと云うポインタァしゅ牡犬おいぬが居る。甲州街道の浮浪犬で、ポチと云ったそうだが、ズウ体がデカイから儂がデカと名づけた。デカダンを意味いみしたのでは無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そのやうやす書物しよもつむかつても意味いみ容易よういとれない、もつと直譯ちよくやくしてときはどうかわかつてるらしいが、あと如何どん意味いみかとたゞしてるとほとんわかつてないやうである。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
どもたちをおもふと、わたしは幸福かうふくかんじます。わたしは希望きばうかんじます。どもたちをとほしてのみ、まこと人間にんげん生活せいくわつは、その意味いみわかるやうに、わたしにはおもはれます。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
このふね主長しゆちやうともいふべき船長せんちやう船橋せんけうより墮落ついらくして、こゝろ不快ふくわいいだき、かほ憤怒ふんぬさうあらはしたなど、ある意味いみからいふと、なにこの弦月丸げんげつまるわざはひおこその前兆ぜんてうではあるまいかと
わたししたきました、なか/\批評ひゝやうどころではない、敬服けいふくしてしまつたのです、そこで考へた、かれが二ねんおくれて予備門よびもんに入つて来たのは、意味いみ無くして遅々ぐづ/\してたのではない
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
氣分きぶんすぐれてよきとき三歳兒みつごのやうに父母ちゝはゝひざねぶるか、白紙はくしつて姉樣あねさまのおつくり餘念よねんなく、ものへばにこ/\と打笑うちゑみてたゞはい/\と意味いみもなき返事へんじをする温順おとなしさも
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まして一年とかひと月とかいう時間の意味いみのありようもなく、かれはきるためにはたらくのでなく、生きているから働くというような生活、きょうというほかに時間の考えはなく
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
一見他に意味いみなきがごとくなれども、ロセツの真意しんいは政府が造船所ぞうせんじょ経営けいえいくわだてしその費用の出処しゅっしょに苦しみつつある内情を洞見どうけんし、かくして日本政府に一種の財源ざいげんあたうるときは
おかみさんには、なんのことかわからなかったが、いかにも意味いみありげな言葉ことばだった。
日本に、むかし白羽しらはの矢っていうのがあったんだってね。白羽の矢が屋根にささったうちが、悪ものにねらわれるんだって。先生は、それとおなじ意味いみだろうと、おっしゃるのだよ。
宇宙怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それに結婚といふむきつけな考への私の氣持が、どんなにいまはしいかを知つてゐます。誰も私を愛してはくれないでせうし、單に、金儲けといふ意味いみでは、私はかへりみられないでせう。
往時わうじかへりみて感慨かんがいもよふすのとき換骨脱體くわんこつだつたいなる意味いみはじめてかいしたるのおもひあり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
その惡事あくじたとへば殺人罪さつじんざいごと惡事あくじ意味いみもなく、原因げんいんきものとふをべきや、これ心理的しんりてき解剖かいぼうして仔細しさいその罪惡ざいあく成立なりたちいたるまでの道程みちのりゑがきたる一書いつしよ淺薄せんはくなりとしてしりぞくることべきや。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
けれどもそれは「あのひとさへも——?」といふ絶望ぜつぼう意味いみしてゐた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
馬車ばしやのあと見もやらず、意味いみもなく歌ひたふるる。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それ三聲みこゑめにると、くやうな、うらむやうな、呻吟うめくやうな、くるしもがくかとおも意味いみあきらかにこもつてて、あたらしくまたみゝつんざく……
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
どるめんといふも、いしつくゑといふ意味いみ言葉ことばであります。このてーぶるのした人間にんげんはうむつたので、これはうたがひもなくはかであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
えうするに世間せけんいま固有名こゆうめいなるものゝ意味いみ了解れうかいしてをらぬのであらう。固有名こゆうめい普通名ふつうめいどう程度ていどてゐるのであらう。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
「うまくは書いてあるかも知れないが、なん意味いみもない。」——彼はいつも、クリストフの家でもよおされる小演奏会しょうえんそうかい出席しゅっせきしたがらなかった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
といっても、分厚ぶあつふたがへだてているのでその意味いみはわからないが、なにせよ、人間の声がうずまいているのは想像そうぞうされる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ははも、そうおもっていたようです。しかし、はは宝物たからものおもったのは、多少たしょうぼくがおもったのと、意味いみがちがうかもしれません。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)