ごゑ)” の例文
新字:
ぶときはそのはねじつうつくしいいろひらめきます。このとりはね綺麗きれいですが、ごゑうつくしく、「ぶっ、ぽう、そう」ときつゞけます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
女同士をんなどうしはわあとたゞわらごゑはつして各自てんで對手あひていたりたゝいたりしてみだれつゝさわいだ。突然とつぜん一人ひとりがおつぎのかみへひよつとけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
今度こんどふたつのさけごゑがして、また硝子ガラスのミリ/\とれるおとがしました。『胡瓜きうり苗床なへどこいくつあるんだらう!』とあいちやんはおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
はてれでも此姿このすがたなにとして見覺みおぼえがあるものかと自問自答じもんじたふをりしも樓婢ろうひのかなきりごゑに、いけはたから車夫くるまやさんはおまへさんですか。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
實際じつさいかれ驛員えきゐんごゑに、停車場ステイシヨンいて心得こゝろえたので。そらやまも、あまりの色彩いろどりに、われはたして何處いづこにありや、とみづかうたがつてたづねたのであつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
支那語しなご達者たつしや友人いうじん早速さつそくわらごゑまじへながらをんななにやらはなしはじめたが、ぼく至極しごく手持ても無沙汰ぶさたである。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
なにがそんなに可笑をかしいの、きよ」と御米およね障子越しやうじごしはなけるこゑきこえた。きよはへえとつてなほわらした。兄弟きやうだいなんにもはず、なか下女げぢよわらごゑみゝかたむけてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところがなか/\れないので、そのかなしいごゑが、天皇てんのう御殿ごてんにまできこえてました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
さういふたび子供同志こどもどうしげるわらごゑくのもたのしみでした。自分じぶん着物きものについたゆきをはらつてまたすべりにくのもたのしみでした。どうかするとこゞつてかゞみのやうにひかつてます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ヂュリ なんわしもますのぢゃ? 其樣そのやうおそろしいうなごゑ地獄ぢごくでなうてはかれぬはずぢゃ。
前髮まへがみさげ可愛かはゆこれ人形じんぎやうのやうにおとなしくして廣庭ひろにはでは六十以上いじやうしかいづれも達者たつしやらしいばあさんが三人立にんたつその一人ひとり赤兒あかんぼ脊負おぶつこしるのが何事なにごとばあさんごゑ
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
もう勘忍かんにんしてくれ、おまへのためにくるしみぬいてゐる、そのごゑ殺人的さつじんてきだ。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
此頃このごろでは大概たいがい左翼レフトほうまはしてるが、先生せんせい其處そこからウンとちからめて熱球ダイレクトげると、そのたまがブーンとうなごゑはなつてんで有樣ありさま、イヤそのたまあたまへでもあたつたら、此世このよ見收みをさめだとおもふと
在木ありきえだ色鳥いろどりながごゑするながさを
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
かけごゑたか
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
『モ一度いちど合唱がつせうを!』とグリフォンがさけびました、海龜うみがめがそれを繰返くりかへさうとしたとき丁度ちやうど、『審問しんもんはじめ!』のさけごゑ遠方えんぱうきこえました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
客來きやくらいにやあらんをりわろかりとかへせしが、さりとも此處こゝまでしものをこのままかへるも無益むやくしゝと、にはよりぐりてゑんあがれば、客間きやくまめきたるところはなごゑ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かれやうやくにして柄杓ひしやくはなつてふたゝ茶釜ちやがまふたをしたときにはかにぼうつとつたほのほこゑいた。かれおもはずうしろとき與吉よきち驚愕きやうがくからはつせられたごゑみゝつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
如何いかいやしうても大事だいじない、一思ひとおもひにはふいか?……「追放つゐはう」……「追放つゐはう」でころさるゝのはおれいやぢゃ! おゝ、御坊ごばうよ、追放つゐはうとは墮獄だごくやからもちふることばうなごゑ附物つきもの
同時どうじ一室ひとまいたおく居室へやからふるごゑで、なんでせうね。さらに、一寸ちよつとなんでせうね。むことをず、えゝ、なんですか、おとがしますが、と、これをキツカケにおもつて障子しやうじけた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ごゑらいのようにつよく、いかにも高山こうざんいたゞきにとりにふさはしい丈夫じようぶそうなとりです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
「みんなねむつちやいかん‥‥」と、時時ときどき我我われわれ分隊長ぶんたいちやう高岡軍曹たかをかぐんそう無理作むりづくりのドラごゑげた。が、中根なかねばかりではない、どの兵士達へいしたちももうそれにみみすだけの氣力きりよくはなかつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ながごゑしてさへづる。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
かしましき田畑たはた人聲ひとごゑと(あいちやんのつてる)へんじました、——遠方ゑんぱうきこゆる家畜かちくうなごゑは、海龜うみがめ重々おも/\しき歔欷すゝりなきであつたのです。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
なにんだな、おとつゝあ」おつぎはあわてゝかほけてすこごゑむしするどくいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
流石さすが氣根きこん竭果つきはてけん茫然ばうぜんとしてたちつくすをりしも最少もすこまゐると御座ございませうとはなごゑしてくろかげうつりぬ、てんあたひとこそつれはづすまじといさたつすゝればはてなんとせん
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
戸外おもてふきすさぶかぜのまぎれに、かすれごゑせきして、いくたびはなし行違ゆきちがつてやつわかつた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まるで酒場さかばひどれのやうな兵士へいし集團しふだんしめつた路上ろじやうおもくつりながら、革具かはぐをぎゆつぎゆつきしらせながら劍鞘けんざやたがひにかちあはせながら、折折をりをり寢言ねごとのやうなうなごゑてながら
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
白粉おしろいをつけぬがめつけものなれど丸髷まるまげおほきさ、ねこなでごゑしてひとぬをもかまはず、大方おほかた臨終おしまいかね情死しんじうなさるやら、れでも此方こちどものつむりあがらぬはもの御威光ごいくわう、さりとはしや
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あたりは蝙蝠傘かうもりがさかついで、やごゑけて、卍巴まんじともえを、薙立なぎた薙立なぎた驅出かけだした。三里さんり山道やまみち谷間たにまたゞ破家やぶれや屋根やねのみ、わし片翼かたつばさ折伏をれふしたさまなのをたばかり、ひとらしいもののかげもなかつたのである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いひさしておりきあふいづなみだがたければくれなひの手巾はんけちかほに押當おしあて其端そのはしひしめつゝものいはぬこと小半時こはんときにはものおともなくさけしたひてりくるのうなりごゑのみたかきこえぬ。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やがてつて、とがらし、しやがれごゑして
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ときはあるもの飯田町いひだまち學校がくかうよりかへりがけ、日暮ひくまへ川岸かしづたひをさびしくれば、うしろより、ごゑいさましくけしくるまのぬしは令孃ひめなりけり、何處いづくかへりか高髷たかまげおとなしやかに
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひとわらごゑ
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
入相いりあひかねこゑいんひゞきてねぐらにいそぐ友烏ともがらす今宵こよひ宿やどりのわびしげなるにうつせみのゆめ見初みはじめ、待合まちあひ奧二階おくにかい爪彈つめびきの三下さんさがすだれるゝわらごゑひくきこえておもはずとま行人ゆくひと足元あしもとくる煩惱ぼんなういぬ尻尾しつぽ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふるへごゑまた
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)