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広
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ひろ
ふりがな文庫
“
広
(
ひろ
)” の例文
旧字:
廣
それは、
広
(
ひろ
)
い、さびしい
野原
(
のはら
)
でありました。
町
(
まち
)
からも、
村
(
むら
)
からも、
遠
(
とお
)
く
離
(
はな
)
れていまして、
人間
(
にんげん
)
のめったにゆかないところであります。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「日本より
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
の方が
広
(
ひろ
)
いでせう」と云つた。「
囚
(
とら
)
はれちや駄目だ。いくら日本の為めを思つたつて
贔負
(
ひいき
)
の引き倒しになる許りだ」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
鼻
(
はな
)
の
円
(
まる
)
い、
額
(
ひたひ
)
の
広
(
ひろ
)
い、
口
(
くち
)
の
大
(
おほき
)
い、……
其
(
そ
)
の
顔
(
かほ
)
を、
然
(
しか
)
も
厭
(
いや
)
な
色
(
いろ
)
の
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えたので、
暗夜
(
やみ
)
に
見
(
み
)
ました。……
坊主
(
ばうず
)
は
狐火
(
きつねび
)
だ、と
言
(
い
)
つたんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
などゝいふから、
益々
(
ます/\
)
国王
(
こくわう
)
は
得意
(
とくい
)
になられまして、
天下
(
てんか
)
広
(
ひろ
)
しと
雖
(
いへ
)
ども、
乃公
(
おれ
)
ほどの
名人
(
めいじん
)
はあるまい、と思つてお
在
(
いで
)
になりました。
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そんなら、ゆっくりめえりやしょう。——おせんちゃんが
垂
(
たれ
)
を
揚
(
あ
)
げておくんなさりゃ、どんなに
肩身
(
かたみ
)
が
広
(
ひろ
)
いか
知
(
し
)
れやァしねえ。のう
竹
(
たけ
)
」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
その
広
(
ひろ
)
さ一尺あまり、
深
(
ふか
)
さ七八寸、長さ一丈あまり、数日にしてこれを作る。つくりをはれば
女魚
(
めな
)
そのなかへ
鮞
(
こ
)
を一
粒
(
つぶ
)
づゝ
産
(
う
)
む。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
で、
広
(
ひろ
)
座敷の入口のほうをふりかえって見ると、
控
(
ひかえ
)
座敷と広座敷のちょうどあいだくらいのところで、佐原屋が俯伏せになって倒れている。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それは
丸太
(
まるた
)
を
切
(
き
)
り
組
(
く
)
んで
出来
(
でき
)
た、やっと
雨露
(
うろ
)
を
凌
(
しの
)
ぐだけの、
極
(
きわ
)
めてざっとした
破屋
(
あばらや
)
で、
広
(
ひろ
)
さは
畳
(
たたみ
)
ならば二十
畳
(
じょう
)
は
敷
(
し
)
ける
位
(
くらい
)
でございましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
であるからわれわれは、近い
左右前後
(
さゆうぜんご
)
はいつでもあいまいであるけれど、遠い前後と
広
(
ひろ
)
い
周囲
(
しゅうい
)
には、やや
脈絡
(
みゃくらく
)
と
統一
(
とういつ
)
がある。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
痴
(
おろか
)
な息子も年頃になったので、調布在から出もどりの女を嫁にもろうてやった。名をお
広
(
ひろ
)
と云って某の宮様にお乳をあげたこともある女であった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そうして
自分
(
じぶん
)
を
哲人
(
ワイゼ
)
と
感
(
かん
)
じている……いや
貴方
(
あなた
)
これはです、
哲学
(
てつがく
)
でもなければ、
思想
(
しそう
)
でもなし、
見解
(
けんかい
)
の
敢
(
あえ
)
て
広
(
ひろ
)
いのでも
無
(
な
)
い、
怠惰
(
たいだ
)
です。
自滅
(
じめつ
)
です。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
育
(
そだ
)
ちのいい
家鴨
(
あひる
)
の
子
(
こ
)
はそのお
父
(
とう
)
さんやお
母
(
かあ
)
さんみたいに、ほら、こう
足
(
あし
)
を
広
(
ひろ
)
くはなしてひろげるもんなのだ。さ、
頸
(
くび
)
を
曲
(
ま
)
げて、グワッって
言
(
い
)
って
御覧
(
ごらん
)
。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それをどこまでもいくと、
広
(
ひろ
)
い
原
(
はら
)
っぱへでました。そこは
霞
(
かすみ
)
ガ
浦
(
うら
)
のふちで、
一面
(
いちめん
)
に
夏草
(
なつくさ
)
がはえしげっています。夏草には
夜露
(
よつゆ
)
がしっとりとおりています。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
部屋
(
へや
)
が六百、はたらいている
人
(
ひと
)
が五百
人
(
にん
)
もおり、おきゃくも千
人
(
にん
)
ぐらいはとまれるほどの
広
(
ひろ
)
さでした。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
因
(
そこ
)
で、
今迄
(
いまゝで
)
は
毎月
(
まいげつ
)
三銭
(
さんせん
)
かの
会費
(
くわいひ
)
であつたのが、
俄
(
にはか
)
に十
銭
(
せん
)
と
引上
(
ひきあ
)
げて、四六
版
(
ばん
)
三十二
頁
(
ページ
)
許
(
ばかり
)
の
雑誌
(
ざつし
)
を
拵
(
こしら
)
へる
計画
(
けいくわく
)
で、
猶
(
なほ
)
広
(
ひろ
)
く社員を
募集
(
ぼしう
)
したところ、
稍
(
やゝ
)
百
名
(
めい
)
許
(
ばかり
)
を
得
(
え
)
たのでした
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
アウグスツスの
広
(
ひろ
)
こうぢに余りて列をなしたる馬車の間をくぐり、いま玄関に横づけにせし
一輛
(
いちりょう
)
より出でたる貴婦人、毛革の肩掛を
随身
(
ずいじん
)
にわたして車箱の
裡
(
うち
)
へかくさせ
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
那須野
(
なすの
)
の
原
(
はら
)
というのは十
里
(
り
)
四
方
(
ほう
)
もある
広
(
ひろ
)
い
広
(
ひろ
)
い
原
(
はら
)
で、むかしはその
間
(
あいだ
)
に一
軒
(
けん
)
の
家
(
いえ
)
も
無
(
な
)
く、
遠
(
とお
)
くの
方
(
ほう
)
に山がうっすり
見
(
み
)
えるばかりで、
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り
草
(
くさ
)
がぼうぼうと
生
(
お
)
い
茂
(
しげ
)
って
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「三
年
(
ね
)
ばかりあちらで
学校
(
がくかう
)
へ
入
(
はい
)
りたまへ。そしてみつちり
勉強
(
べんきやう
)
して
来
(
き
)
た
方
(
はう
)
がいゝね。」
竹村
(
たけむら
)
はさう
言
(
い
)
つて、
作家
(
さくか
)
としてよりも、
寧
(
むし
)
ろもつと
広
(
ひろ
)
い
意味
(
いみ
)
の
修業
(
しゆげふ
)
を
彼
(
かれ
)
に
要望
(
えうばう
)
した。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
外套の隠しに両手を突込むで、停車場前の
広
(
ひろ
)
つ
場
(
ぱ
)
を歩きながら、大きな靴の
踵
(
かゞと
)
で
暴
(
やけ
)
に
地面
(
ぢべた
)
を蹴散らしてみたが、
地面
(
ぢべた
)
を蹴つたところで、急行列車がとまる訳でもなかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
濁醪
(
どぶろく
)
を
引掛
(
ひつか
)
ける者が
大福
(
だいふく
)
を
頬張
(
ほゝば
)
る者を
笑
(
わら
)
ひ
売色
(
ばいしよく
)
に
現
(
うつゝ
)
を
抜
(
ぬ
)
かす者が
女房
(
にようばう
)
にデレる
鼻垂
(
はなたらし
)
を
嘲
(
あざけ
)
る、之れ皆
他
(
ひと
)
の
鼻
(
はな
)
の
穴
(
あな
)
の
広
(
ひろ
)
きを
知
(
しつ
)
て
我
(
わ
)
が
尻
(
しり
)
の
穴
(
あな
)
の
窄
(
せま
)
きを
悟
(
さと
)
らざる
烏滸
(
をこ
)
の
白者
(
しれもの
)
といふべし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
次
(
つぎ
)
は
瓢箪池
(
へうたんいけ
)
を
埋
(
うづ
)
めた
後
(
あと
)
の
空地
(
あきち
)
から
花屋敷
(
はなやしき
)
の
囲
(
かこ
)
ひ
外
(
そと
)
で、こゝには
男娼
(
だんしやう
)
の
姿
(
すがた
)
も
見
(
み
)
られる。
方角
(
はうがく
)
をかへて
雷門
(
かみなりもん
)
の
辺
(
へん
)
では
神谷
(
かみや
)
バーの
曲角
(
まがりかど
)
。
広
(
ひろ
)
い
道路
(
だうろ
)
を
越
(
こ
)
して
南千住行
(
みなみせんぢゆゆき
)
の
電車停留場
(
でんしやていりうぢやう
)
の
辺
(
あたり
)
。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
且
(
か
)
つ
傍
(
かたはら
)
に直下数丈の
瀑布
(
ばくふ
)
ありて
幅
(
はば
)
も
頗
(
すこぶ
)
る
広
(
ひろ
)
し其地の
幽
(
いう
)
にして其景の
奇
(
き
)
なる、真に
好仙境
(
こうせんきよう
)
と謂つべし、
因
(
ちなみ
)
に云ふ此文珠岩は
皆
(
みな
)
花崗岩
(
みがけいわ
)
より
成
(
な
)
りて、雨水の
為
(
た
)
め
斯
(
か
)
くは
水蝕
(
すゐいつ
)
したるなり
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
いつの
時代
(
ときよ
)
なりけん。紀の国
二
三輪が崎に、
大宅
(
おほや
)
の竹助といふ人在りけり。此の人
三
海の
幸
(
さち
)
ありて、
海郎
(
あま
)
どもあまた養ひ、
四
鰭
(
はた
)
の
広
(
ひろ
)
物
狭
(
さ
)
き物を
尽
(
つく
)
してすなどり、家豊かに暮しける。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
試合場
(
しあいじょう
)
の
城戸
(
きど
)
から、八
町
(
ちょう
)
参道
(
さんどう
)
とよぶ
広
(
ひろ
)
い
平坦
(
へいたん
)
な
坂
(
さか
)
をかけおりてゆくうちに、燕作の
小粒
(
こつぶ
)
なからだはみるみるうちに
追
(
お
)
い
越
(
こ
)
されて、とてもこれは、
比較
(
ひかく
)
にはならないと思われるほど
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こゝはいゝね。
高
(
たか
)
いし、庭は
広
(
ひろ
)
いし、
花
(
はな
)
はあるし、
朝
(
あさ
)
起きても日にあたれるし。」
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
眼もはるかな
広
(
ひろ
)
っ
場
(
ぱ
)
に、何百か何千かわからぬ狂人の群れが、ウジャウジャして、あらん限りの狂態を演じている光景が見られるのかと思っていたが、これじゃあチットモ張合がない。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
雪の
奇状
(
きじやう
)
奇事
(
きじ
)
其
大概
(
たいがい
)
は初編に
出
(
いだ
)
せり。
猶
(
なほ
)
軼事
(
てつじ
)
有
(
ある
)
を以此二編に
記
(
しる
)
す。
已
(
すで
)
に初編に
載
(
のせ
)
たるも事の
異
(
こと
)
なるは
不舎
(
すてず
)
して
之
(
これ
)
を
録
(
ろく
)
す。
盖
(
けだし
)
刊本
(
かんほん
)
は
流伝
(
りうでん
)
の
広
(
ひろ
)
きものゆゑ、初編を
読
(
よま
)
ざる
者
(
もの
)
の
為
(
ため
)
にするの
意
(
い
)
あり。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
汽車やその
学者
(
がくしゃ
)
や天の川や、みんないっしょにぽかっと光って、しいんとなくなって、ぽかっとともってまたなくなって、そしてその一つがぽかっとともると、あらゆる
広
(
ひろ
)
い
世界
(
せかい
)
ががらんとひらけ
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして
庭
(
には
)
はなるたけ
広
(
ひろ
)
くとつて芝生にする。花
壇
(
だん
)
をこしらへる……
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
間もなくそこに展けた
広
(
ひろ
)
っ
場
(
ぱ
)
の光景がありました。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
広
(
ひろ
)
きより
狭
(
せば
)
み暮れゆく
其果
(
そのはて
)
の
遠
(
とほ
)
き
切目
(
きれめ
)
に
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
風
(
かぜ
)
がなくていいな。」と
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
だけれど
思
(
おも
)
っていたときです。
蒸気
(
じょうき
)
ポンプの
轍
(
わだち
)
が、あちらの
広
(
ひろ
)
い
通
(
とお
)
りを
横
(
よこ
)
の
方
(
ほう
)
へ
曲
(
ま
)
がったようです。
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此
(
こ
)
の
一階目
(
いつかいめ
)
の
床
(
ゆか
)
は、
今
(
いま
)
過
(
よぎ
)
つた
野
(
の
)
に、
扉
(
とびら
)
を
建
(
た
)
てまはしたと
見
(
み
)
るばかり
広
(
ひろ
)
かつた。
短
(
みじか
)
い
草
(
くさ
)
も
処々
(
ところ/″\
)
、
矢間
(
やざま
)
に
一
(
ひと
)
ツ
黄色
(
きいろ
)
い
月
(
つき
)
で、
朧
(
おぼろ
)
の
夜
(
よ
)
も
同
(
おな
)
じやう。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大なるは七八
間
(
けん
)
、種々の
形
(
かたち
)
をなし大小ひとしからず、川の
広
(
ひろ
)
き所と
狭
(
せま
)
き処とにしたがふ。
旦
(
あした
)
に
裂
(
さけ
)
はじめて
夕
(
ゆふ
)
べにながれをはる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
なに世の
中
(
なか
)
は
広
(
ひろ
)
いから、心配するがものはない。実は僕にも色々あるんだが。僕の方であんまり
煩
(
うるさ
)
いから、御用で長崎へ出張すると云つてね
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
刷毛
(
はけ
)
で
刷
(
は
)
いたような
弓
(
ゆみ
)
なりになった
広
(
ひろ
)
い
浜
(
はま
)
……のたりのたりと
音
(
おと
)
もなく
岸辺
(
きしべ
)
に
寄
(
よ
)
せる
真青
(
まっさお
)
な
海
(
うみ
)
の
水
(
みず
)
……
薄絹
(
うすぎぬ
)
を
拡
(
ひろ
)
げたような
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と、
思
(
おも
)
いました。それで
彼
(
かれ
)
は
目
(
め
)
を
瞑
(
つぶ
)
って、なおも
遠
(
とお
)
く
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
きますと、そのうち
広
(
ひろ
)
い
広
(
ひろ
)
い
沢地
(
たくち
)
の
上
(
うえ
)
に
来
(
き
)
ました。
見
(
み
)
るとたくさんの
野鴨
(
のがも
)
が
住
(
す
)
んでいます。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
素気無
(
そっけな
)
い
顔
(
かお
)
には
青筋
(
あおすじ
)
が
顕
(
あらわ
)
れ、
眼
(
め
)
は
小
(
ちい
)
さく、
鼻
(
はな
)
は
赤
(
あか
)
く、
肩幅
(
かたはば
)
広
(
ひろ
)
く、
脊
(
せい
)
高
(
たか
)
く、
手足
(
てあし
)
が
図抜
(
ずぬ
)
けて
大
(
おお
)
きい、その
手
(
て
)
で
捉
(
つか
)
まえられようものなら
呼吸
(
こきゅう
)
も
止
(
と
)
まりそうな。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
二三
町
(
ちやう
)
参
(
まゐ
)
つて
総門
(
そうもん
)
を
這入
(
はい
)
り
夫
(
それ
)
から
爪先上
(
つまさきあが
)
りに
上
(
あが
)
つて
参
(
まゐ
)
りますると、少し
広
(
ひろ
)
い
処
(
ところ
)
がございまして、
其処
(
そこ
)
に
新築
(
しんちく
)
になりました、十四五
間
(
けん
)
もある
建家
(
たていへ
)
がございました。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
酒でも飲んだ時は、媳に負け通しの婆さんも昔の権式を出して、人が久さんを雇いに往ったりするのが気にくわぬとなると、「お
広
(
ひろ
)
、断わるがいゝ」と
啖呵
(
たんか
)
を切った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
なにも
蟹
(
かに
)
もあったもんじゃねえ。
蟹
(
かに
)
なら
横
(
よこ
)
にはうのが
近道
(
ちかみち
)
だろうに、
人間
(
にんげん
)
はそうはいかねえ。
広
(
ひろ
)
いようでも
世間
(
せけん
)
は
狭
(
せめ
)
えものだ。どうか
真
(
ま
)
ッ
直
(
すぐ
)
向
(
む
)
いて
歩
(
ある
)
いておくんなせえ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
別
(
べつ
)
に
貴重
(
きちやう
)
の金石を
発見
(
はつけん
)
せず、唯黄鉄鉱の
厚層
(
こうさう
)
広
(
ひろ
)
く
連亘
(
れんたん
)
せし所あり、岩石は
花崗岩
(
みかげいし
)
尤も多く輝石安山岩之に
次
(
つ
)
げり、共に水蝕の
著
(
いちじ
)
るしき岩石なるを以て、
到
(
いた
)
る処に
奇景
(
きけい
)
を現出せり
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
と
思
(
おも
)
って、のこのこ
門
(
もん
)
の中に
入
(
はい
)
っていきました。
広
(
ひろ
)
い
砂利道
(
じゃりみち
)
をさんざん
歩
(
ある
)
いて、大きな
玄関
(
げんかん
)
の
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
ちました。なるほどここは
三条
(
さんじょう
)
の
宰相殿
(
さいしょうどの
)
といって、
羽
(
は
)
ぶりのいい
大臣
(
だいじん
)
のお
屋敷
(
やしき
)
でした。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
俗人
(
ぞくじん
)
を
教
(
をし
)
ふる
功徳
(
くどく
)
の
甚深
(
じんしん
)
広大
(
くわうだい
)
にしてしかも其
勢力
(
せいりよく
)
の
強盛
(
きやうせい
)
宏偉
(
くわうゐ
)
なるは
熊肝
(
くまのゐ
)
宝丹
(
はうたん
)
の
販路
(
はんろ
)
広
(
ひろ
)
きをもて
知
(
し
)
らる。
洞簫
(
どうせう
)
の
声
(
こゑ
)
は
嚠喨
(
りうりやう
)
として
蘇子
(
そし
)
の
膓
(
はらわた
)
を
断
(
ちぎ
)
りたれど
終
(
つひ
)
にトテンチンツトンの
上調子
(
うはでうし
)
仇
(
あだ
)
つぽきに
如
(
し
)
かず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
政治学
(
せいぢがく
)
とか
社会学
(
しやくわいがく
)
とか、さう
言
(
い
)
つた
意味
(
いみ
)
での
修養
(
しうやう
)
が、むしろ
彼
(
かれ
)
に
新
(
あたら
)
しい
広
(
ひろ
)
い
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
いてくれるだらうと
思
(
おも
)
つた。
彼
(
かれ
)
の
特異
(
とくい
)
な
恋愛病
(
れんあいびやう
)
が、
作品
(
さくひん
)
の
重
(
おも
)
なる
要素
(
えうそ
)
であることが、
後
(
のち
)
になつて
竹村
(
たけむら
)
にもわかつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
たちまち赤き半円の
盲
(
めし
)
ひし
如
(
ごと
)
も
広
(
ひろ
)
ごれば
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
まだ
小
(
ちい
)
さいから、こんな
中
(
なか
)
でも
広
(
ひろ
)
い
世界
(
せかい
)
と
思
(
おも
)
うのか、
満足
(
まんぞく
)
するように、べつに
魚
(
さかな
)
どうしで、けんかをするようすも
見
(
み
)
えませんでした。
川へふなをにがす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
言
(
い
)
へば
言
(
い
)
ふほど
枝葉
(
えだは
)
が
茂
(
しげ
)
つて、
路
(
みち
)
が
岐
(
わか
)
れて
谷
(
たに
)
が
深
(
ふか
)
く、
野
(
の
)
が
広
(
ひろ
)
く、
山
(
やま
)
が
高
(
たか
)
く
成
(
な
)
つて、
雲
(
くも
)
が
湧
(
わ
)
き
出
(
だ
)
す、
霞
(
かすみ
)
がかゝる、
果
(
はて
)
は
焦込
(
じれこ
)
んで、
空
(
くう
)
を
打
(
う
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
処々より雪かこひの丸太あるひは
雪垂
(
ゆきたれ
)
とて
茅
(
かや
)
にて幅八九尺
広
(
ひろ
)
さ二間ばかりにつくりたる
簾
(
すだれ
)
を
借
(
かり
)
あつめてすべての
日覆
(
ひおひ
)
となす。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「世の
中
(
なか
)
へは
昔
(
むかし
)
から
出
(
で
)
てゐるさ。ことに君と
分
(
わか
)
れてから、大変世の中が
広
(
ひろ
)
くなつた様な気がする。たゞ君の
出
(
で
)
てゐる
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
とは種類が
違
(
ちが
)
ふ丈だ」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
広
常用漢字
小2
部首:⼴
5画
“広”を含む語句
広場
広告
広間
広袤
広野
広濶
大広間
広小路
幅広
広大
広沢
広海
広狭
広西
広東
広々
広漠
背広
広袖
鍔広
...