れつ)” の例文
よ、愚劣ぐれつな×(2)に対してこぶし子供こどもらを、かほをそむけてのゝしをんなたちを、無言むごんのまゝ反抗はんこう視線しせんれつきつけるをとこたちを!
やがて、しずかに、れかかりました。からすのれは、七、九、五というふうに、それぞれれつつくってんでかえりました。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
爐端ろばたもちいたゞくあとへ、そろへ、あたまをならべて、幾百いくひやくれつをなしたのが、一息ひといきに、やまひとはこんだのであるとふ。洒落しやれれたもので。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして五人はかけました。一れつになって規則正きそくただしく進んで行きます。これくらいきちんとして出かければ、もうぶんはありません。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
そばには長大ちやうだい向日葵ひまわりむし毒々どく/\しいほどぱいひらいて周圍しうゐほこつてる。草夾竹桃くさけふちくたうはながもさ/\としげつたまま向日葵ひまわりそばれつをなして
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
つぎ御小姓組おこしやうぐみなる勤仕きんしこうあらは有章公いうしやうこうの御代に御徒頭おかちがしらとなり其後伊勢山田奉行ぶぎやう仰付られ初て芙蓉ふよう御役人のれつに入りけるなり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それで華族令くわぞくれい發布はつぷされると直に華族にれつせられて、勲章くんしやうも大きなのを幾個いくつか持ツてゐるやうになる、馬車にも乘ツて歩けるやうになる
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
まったく河原かわらの青じろいあかりの上に、黒い鳥がたくさんたくさんいっぱいにれつになってとまってじっと川の微光びこうを受けているのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
軍艦ぐんかん」の甲板かんぱんでは、後部艦橋こうぶかんけうのほとりより軍艦旗ぐんかんきひるがへ船尾せんびいたるまで、おほくの乘組のりくみは、れつたゞして、わが端艇たんてい歸艦きかんむかへてる。
きりふかい六ぐわつよるだつた。丁度ちやうどはら出張演習しゆつちやうえんしふ途上とじやうのことで、ながい四れつ縱隊じうたいつくつた我我われわれのA歩兵ほへい聯隊れんたいはC街道かいだうきたきたへと行進かうしんしてゐた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
これをきいてぼくたちむら子供こどもは、わっと歓呼かんここえをあげた。みなつきたいものばかりなので、吉彦よしひこさんはみんなを鐘楼しゅろうしたに一れつ励行れいこうさせた。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
いろんな種類の鳥がいましたが、ニールスの知っているのはガンだけでした。ガンのむれは、クサビがたに長いれつをつくって、飛んでいました。
見渡みわたかぎり、あいちやんが針鼠はりねずみおくらうとおもところにはすべ畦畝うねがあつて、二れつになつた兵士へいしつねきて、毬投場グラウンド部分々々ぶゝん/\あるいてゐました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そのまわりには、ぼうさんたちがおおぜいいました。それから、両がわには、ろうそくが二れつに立てられていました。
夜明けと同時に、てんおかをくだる呂宋兵衛るそんべえれつを待ちうけ、勝頼公かつよりこうのお乗物のりものを、首尾しゅびよくとるかいなかのさかい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大體だいたい太平洋沿岸地方たいへいようえんがんちほう火山かざんれつもつ連絡れんらくつてゐるので、わがくに火山列かざんれつも、千島ちしま、アレウト群島ぐんとうてアメリカの火山列かざんれつにつながつてゐるのである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
すなわち紹介しょうかいを求めて軍艦奉行ぐんかんぶぎょうやしき伺候しこうし、従僕じゅうぼくとなりて随行ずいこうせんことを懇願こんがんせしに、奉行はただ一面識いちめんしきもと容易たやすくこれをゆるして航海こうかいれつに加わるを得たり。
縁側えんがはて、たかひさしあふぐと、くろかはら小口こぐちだけそろつて、ながく一れつえるそとに、おだやかなそらが、あをひかりをわがそこはうしづめつゝ、自分じぶんうすくなつてところであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
むこはそのまゝわがいへにはせ入り、をどりはなほ家にもおし入りてをどりうたふ事七八へんにしてどろ/\と立さり、ふたゝびはじめのごとくれつをなして他の壻の家にいたる。
そらつてゐるあきつき。その月光つきかげのさしてゐるそら遠方えんぽうからやつてかりが、れつをなしてきとほつてく。こんなばんには、いつしょにしたしむともだちの訪問ほうもんたれる。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
そして、どのれつでも右側みぎがわにいるのがちょっと高い方で、左側ひだりがわひくめの子供こどもになっている。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
此處こゝあるじ多辨はなしずきにやしわぶき勿躰もつたいらしくして長々なが/\物語ものがたいでぬ、祖父そふなりしひと將軍家しやうぐんけおぼあさからざりしこと、いまあしにて諸侯しよかうれつにもくわたまふべかりしを不幸ふかう短命たんめいにして病沒びやうぼつせしとか
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
むこうに見えはじめた汽車きしゃえきのま上に、ぼしが三つ、ものさしではかったように、きちんと一れつにならんで、かがやいていたのを、いのきちは、ふしぎに、はっきりおぼえている。
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
づ二だいの三等車とうしやつぎに二等車とうしやが一だいこのだいが一れつになつてゴロ/\と停車場ていしやぢやうて、暫時しばらくは小田原をだはら場末ばすゑ家立いへなみあひだのぼりにはひとくだりにはくるまはしり、はしとき喇叭らつぱいてすゝんだ。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
其代そのかはりに奧壁おくかべから一しやくずんへたてて、一れついしならべてあり、それから三じやくへだてて、まただいれついしならべてある。其間そのあひだに、人骨じんこつ腐蝕ふしよくしたのが二三たいどろごどくなつてよこたはつてる。鐵鏃てつぞくがある。
鹽原巡査人夫の荷物にもつわかち取り自ら之をふてのぼる、他の者亦之に同じくす、人夫等つひに巳を得ず之にしたがふ、此に於て相互救護きうごさくを取り、一行三十余名れつただして千仭の崖上がいじやう匍匐ほふくして相登る
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
虹の輪にひとしほ映ゆる早苗田の水田の遠の燈火ともしびれつ (一四八頁)
文庫版『雀の卵』覚書 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
れつなしてゆく駱駝らくだ等のおこなひをエヂプトに来て見らくし好しも
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
旅順より別れんとして惜しきかな後ろに青きアカシヤのれつ
お前は活動しているもののれつを、己の前を3225
そのあくるも、かれは、そと往来おうらいって、からすのれを見送みおくりました。やはり、あわれなからすの姿すがたはそのれつには、なかったのでした。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
……なんと、兩足りやうあしから、下腹したばらけて、棕櫚しゆろのみが、うよ/\ぞろ/\……赤蟻あかありれつつくつてる……わたし立窘たちすくみました。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おつぎさんたつけな」れつはなれた踊子をどりこあせむねすこひらいて、たもとしきりにあふぎながらもみそばつていひけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かろ服裝ふくさうせる船丁等ボーイらちうになつてけめぐり、たくましき骨格こつかくせる夥多あまた船員等せんゐんら自己おの持塲もちば/\にれつつくりて、後部こうぶ舷梯げんていすで引揚ひきあげられたり。
そして見ているとみんなはつつましくれつを組んで、あの十字架じゅうじかの前の天の川のなぎさにひざまずいていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
『二れつさ!』と海龜うみがめさけんで、『おほくの海豹あざらしや、海龜うみがめなぞが、それから往來わうらい邪魔じやまになる海月くらげぱらふ——』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そして、あたかも、深岳しんがくおおかみが、れをなしてさとへでるごとく、れつをつくって、てんおか石段いしだんくだりはじめる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、ニールスが灰色はいいろネズミたちの長いれつしたがえて歩いているところを見つけたのは、アッカではなく、それはコウノトリのエルメンリークくんでした。
列縱隊れつじうたいは五れつになり三れつになりして、兵士達へいしたちはまるで夢遊病者むいうびやうしやのやうにそろそろあるいてゐるのだつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そうして、いちばんつよい子が大将たいしょうになり、あとの十二人が兵隊へいたいになって、一れつにならびました。
子どものすきな神さま (新字新仮名) / 新美南吉(著)
しかしそれも、けっしてくつらしくはてをらずに、このほがらかな調子ちようしに、たまのようにつゝまれて、たゞつきひかりに、およかりれつうごかされた氣分きぶんとして、むねれてます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
れつ先頭せんとう日章旗につしやうき揚々やう/\として肥馬ひままたが将軍しやうぐんたち、色蒼いろざざめつかてた兵士へいしむれ
そして、おかみさんの両がわには、わかい侍女じじょがそれぞれ六人ずつ一れつにならんで立っていました。そのひとりひとりは、頭の高さだけじゅんじゅんにがひくくなっていました。
眠る時は人にとほき処にてあつまり眠る、此時は首をあげて四方を見てゐる雁二羽あり、人これを番鳥ばんどりといふ。求食あさるにもしか也。とぶれつをなすは雁行がんかうとて兵書へいしよにもいへり、人のしる処也。
召替られ御歸洛きらく有しはまことに危き御ことなり然らば御同勢中水中に落入し者凡廿人ばかりにして此日彼の所化しよけ願山ぐわんざんも日野家へやとはれ醫師の代を勤め大納言殿の御供にれつせしがうんよく水難すゐなん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
玄關げんくわんはひると、くら土間どま下駄げた大分だいぶならんでゐた。宗助そうすけこゞんで、ひと履物はきものまないやうにそつとうへへのぼつた。へやは八でふほどひろさであつた。その壁際かべぎはれつつくつて、六七にんをとこ一側ひとかはならんでゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
音もなき海のかたへの麗らなるわがの下のさざなみのれつ
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
白き鷺はたけのなかにりて居り玉蜀黍たうきびれつながくつづく見ゆ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
そのれつかしらはその列の尾を知らぬ
そして、晩方ばんがたになると、それらのからすは、一にちはたらきをえて、きれいなれつつくり、ひがしから、西にしへとかえっていくのでした。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)