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突然
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とつぜん
ふりがな文庫
“
突然
(
とつぜん
)” の例文
すると
其時
(
そのとき
)
夕刊
(
ゆふかん
)
の
紙面
(
しめん
)
に
落
(
お
)
ちてゐた
外光
(
ぐわいくわう
)
が、
突然
(
とつぜん
)
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
に
變
(
かは
)
つて、
刷
(
すり
)
の
惡
(
わる
)
い
何欄
(
なにらん
)
かの
活字
(
くわつじ
)
が
意外
(
いぐわい
)
な
位
(
くらゐ
)
鮮
(
あざやか
)
に
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へ
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ずっと後年になって、ある時
突然
(
とつぜん
)
、親の老いたことに気が付き、己の幼かった頃の両親の元気な姿を思出したら、急に
泪
(
なみだ
)
が出て来た。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
女同士
(
をんなどうし
)
はわあと
只
(
たゞ
)
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
發
(
はつ
)
して
各自
(
てんで
)
に
對手
(
あひて
)
を
突
(
つ
)
いたり
叩
(
たゝ
)
いたりして
亂
(
みだ
)
れつゝ
騷
(
さわ
)
いだ。
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
がおつぎの
髮
(
かみ
)
へひよつと
手
(
て
)
を
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
身
(
み
)
の
周囲
(
まわり
)
を
見
(
み
)
ても
知
(
し
)
らぬ
人
(
ひと
)
ばかりであったが、
突然
(
とつぜん
)
口
(
くち
)
ひげの
生
(
は
)
えた
角顔
(
かくがお
)
の
男
(
おとこ
)
の
人
(
ひと
)
が、
彼
(
かれ
)
の
前
(
まえ
)
へやってきて、ていねいに
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げました。
村へ帰った傷兵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そういう彼女の打ち
萎
(
しお
)
れたような様子は私にはたまらないほどいじらしく見えた。
突然
(
とつぜん
)
、
後悔
(
こうかい
)
のようなもので私の胸は一ぱいになった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
吾等
(
われら
)
も
喫驚
(
びつくり
)
して
其方
(
そなた
)
を
振向
(
ふりむ
)
くと、
此時
(
このとき
)
、
吾等
(
われら
)
の
立
(
た
)
てる
處
(
ところ
)
より、
大約
(
およそ
)
二百ヤード
許
(
ばかり
)
離
(
はな
)
れた
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
から、
突然
(
とつぜん
)
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
た
二個
(
ふたり
)
の
人
(
ひと
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
だから
突然
(
とつぜん
)
この
小舅
(
こじうと
)
と
自分
(
じぶん
)
の
間
(
あひだ
)
に
御櫃
(
おはち
)
を
置
(
お
)
いて、
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
せながら、
口
(
くち
)
を
動
(
うご
)
かすのが、
御米
(
およね
)
に
取
(
と
)
つては
一種
(
いつしゆ
)
異
(
い
)
な
經驗
(
けいけん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
名簿
(
めいぼ
)
を取りに立とうとすると、東海さんが、
突然
(
とつぜん
)
、大声で、「
大坂
(
ダイハン
)
に聞けよ。大坂は、女の選手のことなら、とても
詳
(
くわ
)
しいんだ」
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「その札は僕に売ってくれたまえ」と、
突然
(
とつぜん
)
わたしの耳のすぐ上で、ベロヴゾーロフのがらがらした声がした。——「百ルーブル出すぜ」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
兒玉
(
こだま
)
は
先程來
(
さきほどらい
)
、
多
(
おほ
)
く
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
かず、
微笑
(
びせう
)
して
人々
(
ひと/″\
)
の
氣焔
(
きえん
)
を
聽
(
きい
)
て
居
(
ゐ
)
たが、
今
(
いま
)
突然
(
とつぜん
)
出身
(
しゆつしん
)
の
學校
(
がくかう
)
を
問
(
と
)
はれたので、
一寸
(
ちよつと
)
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
き
得
(
え
)
なかつたのである。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
と
鳴
(
な
)
きながら、
雛鳥
(
ひな
)
が
匐
(
は
)
い
出
(
だ
)
してきました。それはばかに
大
(
おお
)
きくて、ぶきりょうでした。
母鳥
(
ははどり
)
はじっとその
子
(
こ
)
を
見
(
み
)
つめていましたが、
突然
(
とつぜん
)
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
すると、こちらからは
別
(
べつ
)
に
何
(
なん
)
ともお
願
(
ねが
)
いした
訳
(
わけ
)
でも
何
(
なん
)
でもないのに、ある
日
(
ひ
)
突然
(
とつぜん
)
神様
(
かみさま
)
から
良人
(
おっと
)
に
逢
(
あ
)
わせてやると
仰
(
おお
)
せられたのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
悪
(
わる
)
いラランも
少
(
すこ
)
しばかり
寂
(
さび
)
しくなつてきた。
今度
(
こんど
)
こそ
腹
(
はら
)
も
減
(
へ
)
つてきた。すると
突然
(
とつぜん
)
、ヱヴェレストの
頂上
(
てうじやう
)
から
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こえ
)
で
怒鳴
(
どな
)
るものがあつた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
いつも両側の
汚
(
よご
)
れた
瓦屋根
(
かはらやね
)
に
四方
(
あたり
)
の
眺望
(
てうばう
)
を
遮
(
さへぎ
)
られた地面の低い
場末
(
ばすゑ
)
の
横町
(
よこちやう
)
から、
今
(
いま
)
突然
(
とつぜん
)
、橋の上に出て見た四月の
隅田川
(
すみだがは
)
は
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
突然
(
とつぜん
)
、発車の
鈴
(
すず
)
がひびくと痩せた紳士は
慌
(
あわ
)
てて太った紳士にもう一度お辞儀をしておいて、例の麦稈帽子を
冠
(
かぶ
)
ると急いで向き直って歩き出した。
蝗の大旅行
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
ついに決断して青森行きの船出づるに投じ、
突然
(
とつぜん
)
此地を後になしぬ。
別
(
わかれ
)
を
訣
(
つ
)
げなば
妨
(
さまた
)
げ多からむを
慮
(
おもんぱか
)
り、ただわずかに一書を友人に
遺
(
のこ
)
せるのみ。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この
山
(
やま
)
が
活火山
(
かつかざん
)
であることは
明治二十六年
(
めいじにじゆうろくねん
)
に
至
(
いた
)
るまで
知
(
し
)
られなかつたが、この
年
(
とし
)
突然
(
とつぜん
)
噴火
(
ふんか
)
を
始
(
はじ
)
めたゝめ
死火山
(
しかざん
)
でなかつたことが
證據立
(
しようこだ
)
てられた。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
(
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
で
直
(
すぐ
)
に
眠
(
ねむ
)
くなつたり、
懵然
(
ぼんやり
)
するものだから一
心
(
しん
)
に)
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
で
考
(
かんが
)
へてゐますと、
突然
(
とつぜん
)
可愛
(
かあい
)
い
眼
(
め
)
をした
白兎
(
しろうさぎ
)
が、その
傍
(
そば
)
に
驅
(
か
)
け
寄
(
よ
)
つて
來
(
き
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
眠
(
ねむ
)
つては
危險
(
きけん
)
だぞ。
左手
(
ひだりて
)
の
川
(
かは
)
に
氣
(
き
)
を
附
(
つ
)
けろ‥‥」と、
暫
(
しばら
)
くすると
突然
(
とつぜん
)
前
(
まへ
)
の
方
(
はう
)
で
小隊長
(
せうたいちやう
)
の
大島少尉
(
おほしませうゐ
)
の
呶鳴
(
どな
)
る
聲
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
それはさておき、一同がおとし穴に気をとられているとき、キョロキョロとあたりを
見廻
(
みまわ
)
していた牛丸平太郎が、
突然
(
とつぜん
)
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そしてネネムをじろじろ見ていましたが、
突然
(
とつぜん
)
そばに走って来て、ネネムの右の手首をしっかりつかんで云いました。
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
余
(
よ
)
は
死
(
し
)
せるにあらぬかといふ、
夢幻
(
むげん
)
の
境
(
きやう
)
にさまよひ、
茫然
(
ばうぜん
)
として
動
(
うご
)
かずに
居
(
ゐ
)
る
後
(
うしろ
)
から、
突然
(
とつぜん
)
、一
箇
(
こ
)
の
黒影
(
くろかげ
)
が
出現
(
しゆつげん
)
した。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
と
突然
(
とつぜん
)
、
暗
(
くら
)
いなかで、ゴットフリートが
歌
(
うた
)
いだした。
胸
(
むね
)
の中で
響
(
ひび
)
くようなおぼろな
弱
(
よわ
)
い
声
(
こえ
)
だった。少しはなれてたら、
聞
(
き
)
きとれなかったかも知れない。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
私
(
わたし
)
は
翌朝
(
よくちょう
)
早く
胸
(
むね
)
をおどらして北の谷へとでかけた。わなをしかけておいた場所へくると、
突然
(
とつぜん
)
大きな
灰色
(
はいいろ
)
の
姿
(
すがた
)
が、むくりと立って
逃
(
に
)
げ出そうともがいた。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
気むずかしやの春琴が佐助に対して
突然
(
とつぜん
)
かかる温情を示したのはなぜであったろうか実は春琴の発意ではなく周囲の者がそう仕向けたのであるともいう。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
先刻
(
せんこく
)
から、
賛否
(
さんぴ
)
いずれともいわなかった、年のころ二十五、六
歳
(
さい
)
の
小柄
(
こがら
)
な紳士は、そのとき
突然
(
とつぜん
)
立ちあがって
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
見て
居
(
ゐ
)
るとも知らず
源八
(
げんぱち
)
は
餅
(
もち
)
を
取上
(
とりあ
)
げ二ツに
割
(
わつ
)
て
中
(
なか
)
の
餡
(
あん
)
を
繰出
(
くりだ
)
し、
餡
(
あん
)
は
餡
(
あん
)
餅
(
もち
)
は
餅
(
もち
)
と
両方
(
りやうはう
)
へ
積上
(
つみあ
)
げまして、
突然
(
とつぜん
)
懐中
(
ふところ
)
へ
手
(
て
)
を
突込
(
つツこ
)
み
暫
(
しばら
)
くムグ/\やつて
居
(
ゐ
)
たが
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
笑顏
(
ゑがほ
)
をまづ
見
(
み
)
する
庭男
(
にはをとこ
)
に、
其
(
その
)
まヽ
縋
(
すが
)
りて
箒木
(
はヽき
)
の
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かせず、
吾助
(
ごすけ
)
お
前
(
まへ
)
は
畫
(
ゑ
)
がかけるかと
突然
(
とつぜん
)
に
問
(
と
)
ふ
可笑
(
をか
)
しさ。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
困
(
こま
)
つたものだとは
思
(
おも
)
ひながらも、
一
(
ひと
)
つは
習慣
(
しふくわん
)
の
惰力
(
だりよく
)
でとう/\五
個月間
(
かげつかん
)
やりつゞけた。さうすると、どうだらう。
或日
(
あるひ
)
先方
(
せんぱう
)
の
奴
(
やつ
)
が
突然
(
とつぜん
)
僕
(
ぼく
)
の
内
(
うち
)
にやつて
來
(
き
)
て……
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
折
(
おり
)
から
夕餉
(
ゆうげ
)
の
膳
(
ぜん
)
に
対
(
むか
)
おうとしていたお
蓮
(
れん
)
は、
突然
(
とつぜん
)
手
(
て
)
にした
箸
(
はし
)
を
取落
(
とりおと
)
すと、そのまま
狂気
(
きょうき
)
したように、ふらふらッと
立上
(
たちあが
)
って、
跣足
(
はだし
)
のまま
庭先
(
にわさき
)
へと
駆
(
か
)
け
降
(
お
)
りて
行
(
い
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
小初の涙が薫の手の
甲
(
こう
)
を伝って指の間から熱砂のなかに沁み入った。薫はそれを涼しいもののように眼を細めて
恍惚
(
こうこつ
)
と眺め入っていたが、
突然
(
とつぜん
)
野太い男のバスの声になって
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と
突然
(
とつぜん
)
横合いの松かげから口笛が起こった。と思う間もなく石のつぶてが四方から飛んできた。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
しかし
突然
(
とつぜん
)
次郎君は走るのをやめてしまいました。まけたってかまやしない、どうともなれという
不敵
(
ふてき
)
な気持ちになってしまいました。そしてのそのそと歩きはじめました。
決闘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
今までの
悲哀
(
ひあい
)
や苦痛は
固
(
もと
)
より其によツて少しも
減
(
げん
)
ぜられたといふ
譯
(
わけ
)
ではないが、
蔽重
(
おつかさ
)
なツた
雲
(
くも
)
の
間
(
あひだ
)
から
突然
(
とつぜん
)
日の
光
(
ひかり
)
が
映
(
さ
)
したやうに、
前途
(
ぜんと
)
に
一抹
(
いちまつ
)
の
光明
(
くわうめう
)
が
認
(
みと
)
められたやうに感じて
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
此日
(
このひ
)
の
会
(
くわい
)
の
雅
(
みやび
)
なりしを
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
して、詩を作らう、詩を作らう、
和韻
(
わゐん
)
に人を
驚
(
おどろ
)
かしたいものと
悶
(
もだ
)
へしが、
一心
(
いつしん
)
凝
(
こ
)
つては
不思議
(
ふしぎ
)
の
感応
(
かんおう
)
もあるものにて、
近日
(
きんじつ
)
突然
(
とつぜん
)
として
左
(
さ
)
の
一詩
(
し
)
を
得
(
え
)
たり
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
突然
(
とつぜん
)
取
(
と
)
つて
大地
(
だいぢ
)
へ
叩
(
たゝ
)
きつけると、これほどの
奴等
(
やつら
)
が
何万
(
なんまん
)
となく
巣
(
す
)
をくつて
我
(
わが
)
ものにして
居
(
ゐ
)
やうといふ
処
(
ところ
)
、
予
(
かね
)
て
其
(
そ
)
の
用意
(
ようい
)
はして
居
(
ゐ
)
ると
思
(
おも
)
はれるばかり、
日
(
ひ
)
のあたらぬ
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
の
土
(
つち
)
は
柔
(
やはらか
)
い
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
この
)
時
(
とき
)
僧
(
そう
)
は
鐵鉢
(
てつぱつ
)
の
水
(
みづ
)
を
口
(
くち
)
に
銜
(
ふく
)
んで、
突然
(
とつぜん
)
ふつと
閭
(
りよ
)
の
頭
(
あたま
)
に
吹
(
ふ
)
き
懸
(
か
)
けた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
召
(
めさ
)
れ
突然
(
とつぜん
)
と尋ねらるゝは
貴所
(
きしよ
)
には當時の役人中にて
發明
(
はつめい
)
は誰れとの評判と存ぜらるゝやと
尋
(
たづね
)
らるゝに伊勢守は
不思議
(
ふしぎ
)
の尋なりと
當惑
(
たうわく
)
ながら暫く思案して答へられけるは御意に候當節御役人の中には
豆州侯
(
づしうこう
)
其許
(
そのもと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
の
姉
(
あね
)
だといふ
人
(
ひと
)
が、
或
(
あ
)
る
日
(
ひ
)
突然
(
とつぜん
)
竹村
(
たけむら
)
を
訪
(
たづ
)
ねて
来
(
き
)
た。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
すると
突然
(
とつぜん
)
、橋の上の群衆や、岸に近い群衆が
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
これで、とにかく、ひとまず
事件
(
じけん
)
が
終
(
お
)
わってしまったので、六
年生
(
ねんせい
)
の
二人
(
ふたり
)
も、あちらへ
去
(
さ
)
ろうとしました。すると、
突然
(
とつぜん
)
、
青木
(
あおき
)
が
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私たちがそういう林の中の空地の一つへ
辿
(
たど
)
り着いた時、
突然
(
とつぜん
)
、一つの小石が
何処
(
どこ
)
からともなく飛んで来て私たちの
足許
(
あしもと
)
に落ちた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「立て替えて下さる、立て替えて……」と、公爵夫人はぼそぼそ言ったが、
突然
(
とつぜん
)
、声を限りにわめき立てた。——「ドゥニャーシカや!」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
やはり、手探りしながら、歩く暗さで、
暫
(
しばら
)
くゆくと、
突然
(
とつぜん
)
、足下の
床
(
ゆか
)
が左右に
揺
(
ゆ
)
れだし、しっかり
踏
(
ふ
)
みしめて歩かぬと、転げそうでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
不幸
(
ふかう
)
にも、
此
(
この
)
心配
(
しんぱい
)
が
暮
(
くれ
)
の
二十日過
(
はつかすぎ
)
になつて、
突然
(
とつぜん
)
事實
(
じじつ
)
になりかけたので、
宗助
(
そうすけ
)
は
豫期
(
よき
)
の
恐怖
(
きようふ
)
に
火
(
ひ
)
が
點
(
つ
)
いた
樣
(
やう
)
に、いたく
狼狽
(
らうばい
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうかすると
闇
(
くら
)
い
木陰
(
こかげ
)
に
潜伏
(
せんぷく
)
して
居
(
ゐ
)
て
嫁
(
よめ
)
の
車
(
くるま
)
が
近
(
ちか
)
づいた
時
(
とき
)
突然
(
とつぜん
)
、
其
(
そ
)
の
車
(
くるま
)
を
顛覆
(
てんぷく
)
させてやれといふやうな
威嚇的
(
ゐかくてき
)
の
暴言
(
ばうげん
)
をすら
吐
(
は
)
くことがある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そんなお
喋
(
しゃべ
)
りをしていますと、
突然
(
とつぜん
)
空中
(
くうちゅう
)
でポンポンと
音
(
おと
)
がして、二
羽
(
わ
)
の
雁
(
がん
)
は
傷
(
きず
)
ついて
水草
(
みずくさ
)
の
間
(
あいだ
)
に
落
(
お
)
ちて
死
(
し
)
に、あたりの
水
(
みず
)
は
血
(
ち
)
で
赤
(
あか
)
く
染
(
そま
)
りました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
世間を
憚
(
はゞか
)
るやうにまだ日の暮れぬ
先
(
さき
)
から
雨戸
(
あまど
)
を
閉
(
し
)
めた
戸外
(
おもて
)
には、夜と共に
突然
(
とつぜん
)
強い風が吹き出したと見えて、
家中
(
いへぢゆう
)
の
雨戸
(
あまど
)
ががた/\鳴り出した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
突然
(
とつぜん
)
向
(
む
)
こうのまっ黒な
倉庫
(
そうこ
)
が、空にもはばかるような声でどなりました。二人はまるでしんとなってしまいました。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
しかし
夫
(
をつと
)
を
殺
(
ころ
)
したわたしは、
盜人
(
ぬすびと
)
の
手
(
て
)
ごめに
遇
(
あ
)
つたわたしは、一
體
(
たい
)
どうすれば
好
(
よ
)
いのでせう? 一
體
(
たい
)
わたしは、——わたしは、——(
突然
(
とつぜん
)
烈
(
はげ
)
しき
歔欷
(
すすりなき
)
)
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“突然”の解説
「突然」(とつぜん)は、FIELD OF VIEWの2枚目のシングル。
(出典:Wikipedia)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“突然”で始まる語句
突然変異