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大切
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たいせつ
ふりがな文庫
“
大切
(
たいせつ
)” の例文
殊
(
こと
)
に
大切
(
たいせつ
)
な
御病人
(
ごびょうにん
)
の
命
(
いのち
)
を
助
(
たす
)
けようとしておいでの
時
(
とき
)
、ほかの
人間
(
にんげん
)
の
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
るというのは、
仏
(
ほとけ
)
さまのおぼしめしにもかなわないでしょう。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
私
(
わたくし
)
は
右
(
みぎ
)
の
懐剣
(
かいけん
)
を
現在
(
げんざい
)
とても
大切
(
たいせつ
)
に
所持
(
しょじ
)
して
居
(
お
)
ります。そして
修行
(
しゅぎょう
)
の
時
(
とき
)
にはいつも
之
(
これ
)
を
御鏡
(
みかがみ
)
の
前
(
まえ
)
へ
備
(
そな
)
えることにして
居
(
お
)
るのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
は
勘次
(
かんじ
)
もお
品
(
しな
)
も
腹
(
はら
)
の
子
(
こ
)
を
大切
(
たいせつ
)
にした。
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
が十三といふともう
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つので、
與吉
(
よきち
)
を
育
(
そだ
)
てながら
夫婦
(
ふうふ
)
は十
分
(
ぶん
)
に
働
(
はたら
)
くことが
出來
(
でき
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
細工
(
さいく
)
は
流々
(
りゅうりゅう
)
、
仕上
(
しあげ
)
を
御覧
(
ごらん
)
」というが、
物件
(
ぶっけん
)
ならば、できた仕事で用にたつが、人間はそうはいかぬ。
細工
(
さいく
)
する間の心持ちが
大切
(
たいせつ
)
である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
添
(
そへ
)
種々
(
いろ/\
)
禮物
(
れいもの
)
を
贈
(
おく
)
りけるゆゑ五八は
俄
(
にはか
)
分限
(
ぶげん
)
となり何れも
其家々
(
そのいへ/\
)
繁昌
(
はんじやう
)
なせし事實に
心實
(
しんじつ
)
程
(
ほど
)
大切
(
たいせつ
)
なるものはなしと皆々感じけるとなん
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
第一
(
だいいち
)
に、
青々
(
あを/\
)
した、
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
といふものは、
植物
(
しよくぶつ
)
にとつては
一番
(
いちばん
)
大切
(
たいせつ
)
で、ちょうどわれ/\の
心臟
(
しんぞう
)
や
胃
(
い
)
や
膓
(
ちよう
)
のような、
生活上
(
せいかつじよう
)
の
必要
(
ひつよう
)
な
器官
(
きかん
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「
大切
(
たいせつ
)
な
事
(
こと
)
なんですから。もしか
御覽
(
ごらん
)
なすつたら、
構
(
かま
)
ひません、——
言
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい、
見
(
み
)
たと、
貴女
(
あなた
)
、
見
(
み
)
たと……
構
(
かま
)
はないから
言
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい。」
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
成
(
な
)
ればその
栄誉
(
えいよ
)
を
専
(
もっぱ
)
らにし敗すればその
苦難
(
くなん
)
に当るとの主義を
明
(
あきらか
)
にするは、士流社会の
風教上
(
ふうきょうじょう
)
に
大切
(
たいせつ
)
なることなるべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
下敷
(
したじき
)
になつた
人
(
ひと
)
を
助
(
たす
)
け
出
(
だ
)
すことは
震災
(
しんさい
)
の
防止上
(
ぼうしじよう
)
最
(
もつと
)
も
大切
(
たいせつ
)
なことである。なんとなれば
震災
(
しんさい
)
を
被
(
かうむ
)
る
對象物中
(
たいしようぶつちゆう
)
、
人命
(
じんめい
)
ほど
貴重
(
きちよう
)
なものはないからである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
カピューレットどの、
予
(
わし
)
は
今
(
いま
)
カピューレットといふ
其
(
その
)
名前
(
なまへ
)
を
我名
(
わがな
)
も
同樣
(
どうやう
)
に
大切
(
たいせつ
)
に
思
(
おも
)
うてゐる、まゝ、
堪忍
(
かんにん
)
さっしゃれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
もうけし
心
(
こゝろ
)
お
前
(
まへ
)
さま
大切
(
たいせつ
)
なほどお
案
(
あん
)
じ申さずには
居
(
を
)
りませぬを
忌
(
いま
)
はしや
何
(
なに
)
ごとぞ
一生
(
いつしやう
)
一人
(
ひとり
)
で
世
(
よ
)
を
送
(
おく
)
るの
死
(
し
)
んで
思
(
おも
)
ひを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
金
(
かね
)
とか、
学問
(
がくもん
)
とかいうことより、なによりみんなが
正
(
ただ
)
しい
考
(
かんが
)
えをもつ
人間
(
にんげん
)
となることが
大切
(
たいせつ
)
なんですね。」
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また、この
新石器時代
(
しんせつきじだい
)
になつてから、
人類
(
じんるい
)
の
發明
(
はつめい
)
した
大切
(
たいせつ
)
な
品物
(
しなもの
)
は
土器
(
どき
)
であります。
土器
(
どき
)
といひますと
粘土
(
ねんど
)
で
形
(
かたち
)
を
造
(
つく
)
つて、それを
火
(
ひ
)
で
燒
(
や
)
いたものであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
なるほど
跳
(
と
)
ぶはずです、その
生
(
い
)
きものというのは
蛙
(
かえる
)
で、
道
(
みち
)
ばたの
草原
(
くさはら
)
まで行こうと思っているのです。その草原は
蛙
(
かえる
)
さんのお国です。蛙さんには
大切
(
たいせつ
)
なお国です。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
彼
(
かれ
)
は
極
(
きは
)
めて
頑
(
かたくな
)
で、
何
(
なに
)
よりも
秩序
(
ちつじよ
)
と
云
(
い
)
ふことを
大切
(
たいせつ
)
に
思
(
おも
)
つてゐて、
自分
(
じぶん
)
の
職務
(
しよくむ
)
を
遣
(
や
)
り
終
(
おほ
)
せるには、
何
(
なん
)
でも
其鐵拳
(
そのてつけん
)
を
以
(
もつ
)
て、
相手
(
あいて
)
の
顏
(
かほ
)
だらうが、
頭
(
あたま
)
だらうが、
胸
(
むね
)
だらうが
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ぽっと
鬘
(
かつら
)
をかぶった故人菊五郎の与次郎が、本物の猿を廻わしあぐんで、長い
杖
(
つえ
)
で、それ立つのだ、それ
辞義
(
じぎ
)
だと、
己
(
わ
)
が物好きから舞台面の
大切
(
たいせつ
)
な情味を散々に
打壊
(
ぶちこわ
)
して居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
林「うむ、少しは疵も付いたろう、
自業自得
(
じごうじとく
)
だ、誰を
怨
(
うら
)
むところがあるか、神妙にお縄を頂戴しろえ、これ友之助、
大切
(
たいせつ
)
な御用だぞ、
上
(
かみ
)
へお
手数
(
てすう
)
の掛らねえように
有体
(
ありてい
)
に申上げろよ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
婆
(
ばあ
)
さんもこの
子
(
こ
)
の
大
(
たい
)
そう
美
(
うつく
)
しいのを
喜
(
よろこ
)
んで、
籠
(
かご
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れて
大切
(
たいせつ
)
に
育
(
そだ
)
てました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
心
(
しん
)
の心は、要らないどころか、
大事
(
だいじ
)
で大事でならないものを、
煩
(
うるさ
)
いなどゝあんまり
世間並
(
せけんな
)
みなことを仰言るな、あなたの
惠
(
めぐ
)
まれた母の愛を、
猶
(
なほ
)
この
上
(
うへ
)
とも
眞面目
(
まじめ
)
にお
大切
(
たいせつ
)
になさいまし。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
春重
(
はるしげ
)
は
傍
(
かたわ
)
らに
置
(
お
)
いた
紅
(
べに
)
の
糠袋
(
ぬかぶくろ
)
を、
如何
(
いか
)
にも
大切
(
たいせつ
)
そうに
取上
(
とりあ
)
げると、おもむろに
口紐
(
くちひも
)
を
解
(
と
)
いて、十ばかりの
爪
(
つめ
)
を
掌
(
てのひら
)
にあけたが、そのまま
湯
(
ゆ
)
のたぎる
薬罐
(
やかん
)
の
中
(
なか
)
へ、一つ一つ
丁寧
(
ていねい
)
につまみ
込
(
こ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それがございましたので、
初
(
はじ
)
め
只
(
たゞ
)
骨惜
(
ほねをし
)
みをしない、
親切
(
しんせつ
)
な
同宿
(
どうしゆく
)
だと
存
(
ぞん
)
じてゐました
豐干
(
ぶかん
)
さんを、わたくし
共
(
ども
)
が
大切
(
たいせつ
)
にいたすやうになりました。すると
或
(
あ
)
る
日
(
ひ
)
ふいと
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つてしまはれました。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
何
(
なに
)
私
(
わたくし
)
から
云
(
い
)
ふと、
實
(
じつ
)
はあの
文庫
(
ぶんこ
)
の
方
(
はう
)
が
寧
(
むし
)
ろ
大切
(
たいせつ
)
な
品
(
しな
)
でしてね。
祖母
(
ばゞ
)
が
昔
(
むか
)
し
御殿
(
ごてん
)
へ
勤
(
つと
)
めてゐた
時分
(
じぶん
)
、
戴
(
いたゞ
)
いたんだとか
云
(
い
)
つて、まあ
記念
(
かたみ
)
の
樣
(
やう
)
なものですから」と
云
(
い
)
ふ
樣
(
やう
)
な
事
(
こと
)
も
説明
(
せつめい
)
して
聞
(
き
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
驚
(
おどろ
)
いたことには、
虎
(
とら
)
の
子
(
こ
)
のやうに
大切
(
たいせつ
)
にしてゐるウェルスの
手紙
(
てがみ
)
など
入
(
い
)
れた
折鞄
(
をりかばん
)
のなかから、
黒髪
(
くろかみ
)
の
一
(
ひ
)
と
束
(
たば
)
と
短刀
(
たんたう
)
とが、
紙
(
かみ
)
にくるんで、
紐
(
ひも
)
で
結
(
いは
)
へられたまゝ、
竹村
(
たけむら
)
の
前
(
まへ
)
に
引出
(
ひきだ
)
されたことであつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかし、
彼女
(
かのじょ
)
は兄をやさしく愛していたし、兄も口には出さないが彼女を
大切
(
たいせつ
)
にしていた。彼等は
二人
(
ふたり
)
きりでほかに
身寄
(
みより
)
の
者
(
もの
)
もなかった。
二人
(
ふたり
)
とも生活のためにひどく
苦労
(
くろう
)
して、やつれはてていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
父
(
とう
)
さんが
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
から
水
(
みづ
)
といふものを
大切
(
たいせつ
)
に
思
(
おも
)
ひ、ずつと
大
(
おほ
)
きくなつても
水
(
みづ
)
の
流
(
なが
)
れて
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
るのが
好
(
す
)
きで、
水
(
みづ
)
の
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
くのも
好
(
す
)
きなのは、
斯
(
か
)
うして
水
(
みづ
)
に
不自由
(
ふじいう
)
な
田舍
(
ゐなか
)
に
生
(
うま
)
れたからだと
思
(
おも
)
ひます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
かなり
大切
(
たいせつ
)
にして
金魚
(
きんぎょ
)
を
飼
(
か
)
うつもりだつてことはわかりました。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
何
(
なに
)
にしろ
婦女
(
おんな
)
の
亀鑑
(
かがみ
)
として
世
(
よ
)
に
知
(
し
)
られた
御方
(
おかた
)
の
霊場
(
れいじょう
)
なので、
三浦家
(
みうらけ
)
でも
代々
(
だいだい
)
あそこを
大切
(
たいせつ
)
に
取扱
(
とりあつか
)
って
居
(
い
)
たらしいのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ついでですが、みなさんは
木
(
き
)
ばかりでなく、そこいらの
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
にある
樹木
(
じゆもく
)
も
大切
(
たいせつ
)
にして
枝
(
えだ
)
を
折
(
を
)
つたりしないようにして
下
(
くだ
)
さらなければいけません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「
家内安全
(
かないあんぜん
)
、まめ、そくさい、
商賣繁昌
(
しやうばいはんじやう
)
、……だんご
大切
(
たいせつ
)
なら
五大力
(
ごだいりき
)
だ。」と、あらう
事
(
こと
)
か、
團子屋
(
だんごや
)
の
老爺
(
とつ
)
さまが、
今時
(
いまどき
)
取
(
と
)
つて
嵌
(
は
)
めた
洒落
(
しやれ
)
を
言
(
い
)
ふ。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
汝等が
執持
(
とりもち
)
致せしも同前なり
然
(
しか
)
るに九助は其等の儀を
怒
(
いから
)
ずして速かに離別に及び父が
遺言
(
ゆゐごん
)
を
重
(
おも
)
んじ
不埓
(
ふらち
)
の伯父女房等に
大切
(
たいせつ
)
の金子を
配分
(
はいぶん
)
致
(
いたし
)
遣たるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
かかる
大切
(
たいせつ
)
の場合に
臨
(
のぞ
)
んでは
兵禍
(
へいか
)
は恐るるに
足
(
た
)
らず、天下後世国を立てて外に交わらんとする者は、
努〻
(
ゆめゆめ
)
吾
(
わが
)
維新
(
いしん
)
の
挙動
(
きょどう
)
を学んで
権道
(
けんどう
)
に
就
(
つ
)
くべからず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
終期部
(
しゆうきぶ
)
は
地震動
(
ぢしんどう
)
の
餘波
(
よは
)
であつて
餘
(
あま
)
り
大切
(
たいせつ
)
なものではないが、
初期微動
(
しよきびどう
)
と
主要部
(
しゆようぶ
)
とは
極
(
きは
)
めて
大切
(
たいせつ
)
なものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
是
(
こ
)
れは
極
(
ごく
)
大切
(
たいせつ
)
の
歌
(
うた
)
にて
人
(
ひと
)
に
見
(
み
)
すべきでは
無
(
な
)
けれど、
若樣
(
わかさま
)
をお
勝
(
か
)
たせ
申
(
まうし
)
たく、
他
(
ほか
)
の
人
(
ひと
)
に
内證
(
ないしよ
)
にて
姉樣
(
ねえさま
)
ばかりに
御覽
(
ごらん
)
に
入
(
い
)
れ
給
(
たま
)
へ、
早
(
はや
)
く、
内證
(
ないしよ
)
で、
姉樣
(
ねえさま
)
にお
上
(
あ
)
げなされ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
中
(
なか
)
には
長
(
なが
)
さが
一寸
(
いつすん
)
ぐらゐもない、
小
(
ちひ
)
さい
美
(
うつく
)
しい
石
(
いし
)
で
造
(
つく
)
つた
斧
(
をの
)
がありますが、それは
實際
(
じつさい
)
の
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つものとは
思
(
おも
)
はれません。
多分
(
たぶん
)
大切
(
たいせつ
)
な
寶物
(
ほうもつ
)
の
類
(
るい
)
であつたのでせう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その
代
(
か
)
わりこんどは
和尚
(
おしょう
)
さんに
頼
(
たの
)
んで、ただの
茶
(
ちゃ
)
がまのようにいろりにかけて、火あぶりになんぞしないようにして、
大切
(
たいせつ
)
にお
寺
(
てら
)
の
宝物
(
ほうもつ
)
にして、
錦
(
にしき
)
の
布団
(
ふとん
)
にのせて
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
彼
(
かれ
)
は
極
(
きわ
)
めて
頑
(
かたくな
)
で、
何
(
なに
)
よりも
秩序
(
ちつじょ
)
と
云
(
い
)
うことを
大切
(
たいせつ
)
に
思
(
おも
)
っていて、
自分
(
じぶん
)
の
職務
(
しょくむ
)
を
遣
(
や
)
り
終
(
おお
)
せるには、
何
(
なん
)
でもその
鉄拳
(
てっけん
)
を
以
(
もっ
)
て、
相手
(
あいて
)
の
顔
(
かお
)
だろうが、
頭
(
あたま
)
だろうが、
胸
(
むね
)
だろうが
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
予
(
わし
)
が
廟
(
たまや
)
へ
降
(
お
)
りるは、
姫
(
ひめ
)
の
面
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ようがためでもあるが、それよりも
姫
(
ひめ
)
が
身
(
み
)
に
着
(
つ
)
けた
貴
(
たふと
)
い
指輪
(
ゆびわ
)
を
或
(
ある
)
大切
(
たいせつ
)
な
用
(
よう
)
に
使
(
つか
)
はうため
取外
(
とりはづ
)
して
來
(
く
)
るのが
主
(
おも
)
な
目的
(
もくてき
)
ぢゃによって、
早
(
はや
)
う
往
(
い
)
ね。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ほんとに
大切
(
たいせつ
)
な
思
(
おも
)
いつきなら、けっして、
忘
(
わす
)
れることはないはずだといったのでした。
世の中のために
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此の世の中の手形同様に
取遣
(
とりや
)
りをするだけの物と
考
(
かんげ
)
えます、金だって銀だって人間程
大切
(
たいせつ
)
な物でなえから、お
上
(
かみ
)
でも人間を殺せば又其の人を殺す、それでも
尚
(
な
)
お助けてえと思う心があるので
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
決
(
けつ
)
して
失望
(
しつばう
)
なさる
事
(
こと
)
は
御座
(
ござ
)
いません。たゞ
熱心
(
ねつしん
)
が
大切
(
たいせつ
)
です。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それからの
私
(
わたくし
)
は
絶
(
た
)
えず
竜宮界
(
りゅうぐうかい
)
の
事
(
こと
)
、
乙姫様
(
おとひめさま
)
の
事
(
こと
)
ばかり
考
(
かんが
)
え
込
(
こ
)
むようになり、
私
(
わたくし
)
の
幽界生活
(
ゆうかいせいかつ
)
に
一
(
ひとつ
)
の
大切
(
たいせつ
)
なる
転換期
(
てんかんき
)
となりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
延
(
のば
)
して貰ひし
恩義
(
おんぎ
)
は城重の
蔭
(
かげ
)
で
有
(
あら
)
うな然れば
師匠
(
ししやう
)
なり義理有る養父なり實父よりは猶更
大切
(
たいせつ
)
に致さねば相成まじ然るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
互
(
たがひ
)
に
身體
(
しんたい
)
が
丈夫
(
じようぶ
)
でなければ
何事
(
なにごと
)
も
出來
(
でき
)
ませんから、
新
(
あたら
)
しい
空氣
(
くうき
)
の
呼吸
(
こきゆう
)
と、
十分
(
じゆうぶん
)
な
日光浴
(
につこうよく
)
と、
運動
(
うんどう
)
とによつて
食物
(
しよくもつ
)
をうまく
食
(
た
)
べることが
一番
(
いちばん
)
大切
(
たいせつ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
うせものがした
處
(
ところ
)
で、そんなに
騷
(
さわ
)
ぐには
當
(
あた
)
るまいと
思
(
おも
)
つた。が、さて
聞
(
き
)
くと、いや
何
(
ど
)
うして……
色紙
(
しきし
)
や
一軸
(
いちぢく
)
どころではない。——
大切
(
たいせつ
)
な
晩飯
(
ばんめし
)
の
菜
(
さい
)
がない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
珍
(
めづ
)
らしく
家内中
(
うちゞう
)
との
觸
(
ふ
)
れに
成
(
なり
)
けり、
此
(
この
)
お
供
(
とも
)
を
嬉
(
うれ
)
しがるは
平常
(
つね
)
のこと、
父母
(
ちゝはゝ
)
なき
後
(
のち
)
は
唯
(
たゞ
)
一人の
大切
(
たいせつ
)
な
人
(
ひと
)
が、
病
(
やま
)
ひの
床
(
とこ
)
に
見舞
(
みま
)
ふ
事
(
こと
)
もせで、
物見遊山
(
ものみゆさん
)
に
歩
(
ある
)
くべき
身
(
み
)
ならず
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其故
(
それゆゑ
)
地震
(
ぢしん
)
の
豫知問題
(
よちもんだい
)
の
研究
(
けんきゆう
)
に
於
(
おい
)
て
右
(
みぎ
)
のような
副原因
(
ふくげんいん
)
を
研究
(
けんきゆう
)
することも
大切
(
たいせつ
)
であるが、
然
(
しか
)
しながら
事實上
(
じじつじよう
)
の
問題
(
もんだい
)
として
引金
(
ひきがね
)
の
空外
(
からはづ
)
しともいふべき
場合
(
ばあひ
)
が
頗
(
すこぶ
)
る
多
(
おほ
)
いことである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
古墳
(
こふん
)
をやたらに
掘
(
ほ
)
つたりすることは
惡
(
わる
)
いことでありますが、
何
(
なに
)
かの
拍子
(
ひようし
)
に
壞
(
こは
)
れたりして、
中
(
なか
)
から
物
(
もの
)
が
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
には
大切
(
たいせつ
)
にこれを
保存
(
ほぞん
)
し、
丁寧
(
ていねい
)
にこれを
調
(
しら
)
べなくてはなりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それから
和尚
(
おしょう
)
さんの
大切
(
たいせつ
)
にしている
茶
(
ちゃ
)
わんを、わざと
真
(
ま
)
っ二つに
割
(
わ
)
って、
自分
(
じぶん
)
は
布団
(
ふとん
)
をかぶって、うんうんうなりながら、いまにも
死
(
し
)
にかけているようなふりをしていました。
和尚さんと小僧
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「あのとき、おれが
拾
(
ひろ
)
ってやれば、一ぴきにしろ
犬
(
いぬ
)
の
命
(
いのち
)
は
助
(
たす
)
かったのだ。一
本
(
ぽん
)
の
洋傘
(
こうもり
)
より、
生
(
い
)
き
物
(
もの
)
の
命
(
いのち
)
のほうが、どれほど
大切
(
たいせつ
)
かしれないのだ。」と、
正直
(
しょうじき
)
な
男
(
おとこ
)
だけに
悟
(
さと
)
ったのでした。
犬と古洋傘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
カピ妻 では、
機嫌
(
きげん
)
よう、
床
(
とこ
)
に
就
(
つ
)
いてお
休
(
やす
)
み、それが
何
(
なに
)
よりも
大切
(
たいせつ
)
ぢゃほどに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“大切”で始まる語句
大切浄瑠璃
大切候
大切先
大切斑
大切片
大切相