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候
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さふらふ
ふりがな文庫
“
候
(
さふらふ
)” の例文
御免蒙
(
ごめんかうむ
)
らう。昨日まで親友で
候
(
さふらふ
)
の何のと云つて居ながら、詰らない愚にも付かぬ
瑣小事
(
させうじ
)
で直ぐ絶交騒ぎだ。成程、僕は我儘だつたよ。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
「さればにて
候
(
さふらふ
)
、
別段
(
べつだん
)
是
(
これ
)
と
申
(
まを
)
して
君
(
きみ
)
に
勸
(
すゝ
)
め
奉
(
たてまつ
)
るほどのものも
候
(
さふら
)
はねど
不圖
(
ふと
)
思附
(
おもひつ
)
きたるは
飼鳥
(
かひどり
)
に
候
(
さふらふ
)
、
彼
(
あれ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして
御覽候
(
ごらんさふら
)
へ」といふ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
十二時に近き頃より波の
起伏
(
おきふ
)
しの
忙
(
せは
)
しくおどろしくなり申し
候
(
さふら
)
ひしか、食事に参るとて安達夫人私の手をとりて
甲板
(
かふばん
)
をお
下
(
おろ
)
し下され
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「エレベータとエスカレータの研究の
為
(
ため
)
急に東京に参り
候
(
さふらふ
)
、御不便ながら研究すむうちあの請負の建物はそのまゝお使ひ願ひ候」
革トランク
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
小生は勿論「けふの自習課題」の作者に芸術的
嫉妬
(
しつと
)
を感じ
候
(
さふらふ
)
。然れども
恍惚
(
くわうこつ
)
たる少女の顔には言ふ
可
(
べ
)
からざる幸福を感じ候。
伊東から
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「
何時
(
いつ
)
とも
書
(
か
)
いてないがね。
何
(
なに
)
しろ
遠
(
とほ
)
からぬうちには
歸京
(
ききやう
)
仕
(
つかまつ
)
るべく
候
(
さふらふ
)
間
(
あひだ
)
と
書
(
か
)
いてあるから、もうぢき
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
るんだらう」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
麥
(
むぎ
)
一箱、いゑのいも(
里芋
(
さといも
)
)一
籠
(
かご
)
、うり一籠、
旁
(
はた
)
の
物
(
もの
)
、六月三日に給ひ候ひしを、今迄御返事申候はざりし事
恐入
(
おそれいり
)
候
(
さふらふ
)
。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
御主意
(
ごしゆい
)
御尤
(
ごもつとも
)
に
候
(
さふらふ
)
。
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
唱歌
(
しやうか
)
は
思
(
おも
)
ひ
止
(
と
)
まり
候
(
さふらふ
)
。
淺
(
あさ
)
ましい
哉
(
かな
)
。
教室
(
けうしつ
)
に
慣
(
な
)
れ
候
(
さふらふ
)
に
從
(
した
)
がつて
心
(
こゝろ
)
よりも
形
(
かたち
)
を
教
(
をし
)
へたく
相成
(
あひな
)
る
傾
(
かたむ
)
き
有之
(
これあり
)
、
以後
(
いご
)
も
御注意
(
ごちゆうい
)
願上候
(
ねがひあげさふらふ
)
。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其庵の側に一つの
小
(
さゝ
)
やかなる新塚あり、主が名は言はで、此の里人は只〻
戀塚
(
こひづか
)
々々と呼びなせり。此の戀塚の
謂
(
いはれ
)
に就きて、
最
(
い
)
とも哀れなる物語の
候
(
さふらふ
)
なり
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
いろ/\の抱負もさる事ながら、
一人前
(
ひとりまへ
)
に自分の口を
糊
(
のり
)
することが先決問題かと
被存候
(
ぞんぜられさふらふ
)
。この頃つく/″\その様な事を考へるやうに
相成
(
あひな
)
り
候
(
さふらふ
)
。(後略)
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
昨日は、
参内
(
さんだい
)
候て、ことに申し沙汰、
一
(
ひと
)
しほ忘れがたく思ひ給ひ候。終日、みこころを慰まれ候事、つくし難く候。上洛候折りふしは、
再々
(
さいさい
)
、待ち
思
(
おぼ
)
し
召
(
めし
)
候
(
さふらふ
)
。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此の御方を母とし、
御前様
(
おんまへさま
)
を夫と致候て暮し候事も相
叶
(
かな
)
ひ候はば、私は土間に
寐
(
い
)
ね、
蓆
(
むしろ
)
を
絡
(
まと
)
ひ
候
(
さふらふ
)
ても、
其楽
(
そのたのしみ
)
は
然
(
さ
)
ぞやと、常に及ばぬ事を
恋
(
こひし
)
く思居りまゐらせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
姉
(
ねえ
)
さん、
兄
(
にい
)
さんがさう云ひましてね、お逢ひ致さず
候
(
さふらふ
)
と書いて玄関へ張つたのですよ。もう安心ですわ。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
一
翌日
(
よくじつ
)
牛込改代町
(
うしごめかいたいちやう
)
へ
倒
(
たふ
)
れ
候
(
さふらふ
)
節
(
せつ
)
は、
銭
(
ぜに
)
一
貫文
(
くわんもん
)
、
海苔鮨
(
のりずし
)
三
本
(
ぼん
)
、
夫
(
それ
)
より
午過
(
ひるすぎ
)
下谷上野町
(
したやうへのまち
)
へ
倒
(
たふ
)
れ
候
(
さふらふ
)
節
(
せつ
)
は
唯
(
たゞ
)
お
灸
(
きう
)
。
行倒の商売
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「この度の吟味は、人間の皮をかぶり
候
(
さふらふ
)
者にては出来申さず……」と書いてゐる位ひどかつた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
締めたまゝ脱け出すのは、八五郎親分にはむづかしからう——つてね。すると、鈴川の主人の良い男の主水とか言ふのが、ウハツハツハツハと『にて
候
(
さふらふ
)
』の調子で笑ひましたよ
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでも原田の妻と言はれたいか、太郎の母で
候
(
さふらふ
)
と顔おし
拭
(
ぬぐ
)
つてゐる心か、我身ながら我身の辛棒がわかりませぬ、もうもうもう私は
良人
(
つま
)
も子も御座んせぬ嫁入せぬ昔しと思へばそれまで
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この浮世から手を洗ふべく
候
(
さふらふ
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
駿馬
(
しゆんめ
)
の
威徳
(
ゐとく
)
は
金銀
(
こんごん
)
を
忌
(
い
)
み
候
(
さふらふ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
頼み
匿
(
かくま
)
ひ
置
(
おき
)
候と相見え候然すれば藤五郎樣御兄弟は須田町一丁目なる陸尺の七右衞門の方に
匿
(
かくま
)
ひ置くに
紛
(
まぎ
)
れ御座なく
候
(
さふらふ
)
としたり顏にて言ひければ主税之助大いに喜び成ほど其方が
穿鑿
(
せんさく
)
能
(
よく
)
も行屆きたり扨々
憎
(
にく
)
き
奴輩
(
やつばら
)
かな此儘
捨置
(
すておく
)
時は事の破れなれば
假令
(
たとへ
)
病氣なりとも
直樣
(
すぐさま
)
惣右衞門めを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いや、
何
(
なに
)
か
申
(
まを
)
す
内
(
うち
)
に、ハヤこれは
笹
(
さゝ
)
の
雪
(
ゆき
)
に
着
(
つ
)
いて
候
(
さふらふ
)
が、
三時
(
さんじ
)
すぎにて
店
(
みせ
)
はしまひ、
交番
(
かうばん
)
の
角
(
かど
)
について
曲
(
まが
)
る。この
流
(
ながれ
)
に
人
(
ひと
)
集
(
つど
)
ひ
葱
(
ねぎ
)
を
洗
(
あら
)
へり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼処
(
かしこ
)
にて恋人の
文
(
ふみ
)
得
(
う
)
る人もあるべしなど、あやにくなることの思はれ
候
(
さふら
)
て、ふと涙
零
(
こぼ
)
し
候
(
さふらふ
)
など、いかにもいかにも不覚なる
私
(
わたくし
)
に
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
秀林院
(
しうりんゐん
)
様(細川越中守
忠興
(
ただおき
)
の夫人、秀林院殿
華屋宗玉大姉
(
くわをくしゆうぎよくだいし
)
はその
法諡
(
ほふし
)
なり)のお果てなされ
候
(
さふらふ
)
次第のこと。
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今日まで
懕々
(
ぶらぶら
)
致候
(
いたしさふらふ
)
て、唯々
懐
(
なつかし
)
き
御方
(
おんかた
)
の事のみ
思続
(
おもひつづ
)
け
候
(
さふらふ
)
ては、みづからの
儚
(
はかな
)
き儚き身の上を
慨
(
なげ
)
き、胸は
愈
(
いよい
)
よ痛み、目は
見苦
(
みぐるし
)
く
腫起
(
はれあが
)
り候て、今日は
昨日
(
きのふ
)
より
痩衰
(
やせおとろ
)
へ
申候
(
まをしさふらふ
)
。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
就中
(
なかんづく
)
、夫婦共に
法華
(
ほつけ
)
の
持者
(
ぢしや
)
也
(
なり
)
。法華經
流布
(
るふ
)
あるべきたねをつぐ所の、玉の子出生、目出度覺候ぞ。
色心二法
(
しきしんにほふ
)
をつぐ
人
(
ひと
)
也
(
なり
)
。
爭
(
いかで
)
かをそなはり
候
(
さふらふ
)
べき。とくとくこそ
生
(
うま
)
れ
候
(
さふら
)
はむずれ。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
夫
(
そ
)
れでも
原田
(
はらだ
)
の
妻
(
つま
)
と
言
(
い
)
はれたいか、
太郎
(
たらう
)
の
母
(
はゝ
)
で
候
(
さふらふ
)
と
顏
(
かほ
)
おし
拭
(
ぬぐ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
心
(
こゝろ
)
か、
我身
(
わがみ
)
ながら
我身
(
わがみ
)
の
辛棒
(
しんぼう
)
がわかりませぬ、もう/\もう
私
(
わたし
)
は
良人
(
つま
)
も
子
(
こ
)
も
御座
(
ござ
)
んせぬ
嫁入
(
よめいり
)
せぬ
昔
(
むか
)
しと
思
(
おも
)
へば
夫
(
そ
)
れまで
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
新聞記者の二三人が来て帰つた
後
(
あと
)
で清とお照は相談をひそひそとして居たが、それから清はお照の持つて来た硯で、紙にお逢ひ致さず
候
(
さふらふ
)
と書いた。それをお照が御飯粒で玄関の外へ張つた。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
東京
(
とうきやう
)
にも
歌人
(
うたよみ
)
の
大家先生
(
たいかせんせい
)
は
澤山
(
たくさん
)
あれど
我等
(
われら
)
のやうに
先生
(
せんせい
)
の
薫陶
(
くんたう
)
を
受
(
う
)
け
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
の
門
(
もん
)
に
學
(
まな
)
び
候
(
さふらふ
)
ものならで、
能
(
よ
)
く
我等
(
われら
)
の
精神感情
(
せいしんかんじやう
)
を
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
唱歌
(
しやうか
)
に
歌
(
うた
)
ひ
出
(
いだ
)
し
得
(
う
)
るもの
有
(
あ
)
るべきや、
甚
(
はなは
)
だ
覺束
(
おぼつか
)
なく
存候
(
ぞんじさふらふ
)
。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
あゝら
有難
(
ありがた
)
の
我身
(
わがみ
)
や
候
(
さふらふ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
やがて
退
(
しさ
)
りて、
手
(
て
)
を
支
(
つか
)
へ、は、は、
申上
(
まをしあ
)
げ
奉
(
たてまつ
)
る。
應
(
おう
)
、
何
(
なん
)
とぢや、とお
待兼
(
まちか
)
ね。
名道人
(
めいだうじん
)
謹
(
つゝし
)
んで、
微妙
(
いみじ
)
うもおはしまし
候
(
さふらふ
)
ものかな。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
足音など
或
(
あるひ
)
は聞き給ひけん。
夜
(
よ
)
もすがら眠らず、前の
甲板
(
かふばん
)
の朝掃除の音をそれと聞きし
後
(
のち
)
、私は火の山見るべく
甲板
(
かふばん
)
に
上
(
のぼ
)
り
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
或は少し感じた通りに書き
候
(
さふらふ
)
と云ふ気味があるかも知れず。されど珍品は珍品なり。こんな文章を書く人は
外
(
ほか
)
に
一人
(
ひとり
)
もあるまい。読んで
好
(
い
)
い事をしたりと思ふ。(八月二十日)
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若童
生
(
うま
)
れさせ
給由承候
(
たまひしよしうけたまはりさふらふ
)
。目出たく覺へ
候
(
さふらふ
)
。
誠
(
まこと
)
に今日は
八日
(
やうか
)
にて
候
(
さふらふ
)
も、
彼
(
かれ
)
と
云
(
いひ
)
此
(
これ
)
と
云
(
いひ
)
、
所願
(
しよぐわん
)
しほ(潮)の指す如く、春の野に華の開けるが如し。然れば、いそぎいそぎ
名
(
な
)
をつけ
奉
(
たてまつ
)
る。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
さりながら、何程思続け候とても、水を
覓
(
もと
)
めて
逾
(
いよい
)
よ
焔
(
ほのほ
)
に
燃
(
や
)
かれ候に
等
(
ひとし
)
き
苦艱
(
くげん
)
の募り候のみにて、いつ
此責
(
このせめ
)
を
免
(
のが
)
るるともなく
存
(
ながら
)
へ
候
(
さふらふ
)
は、
孱弱
(
かよわ
)
き女の身には
余
(
あまり
)
に余に
難忍
(
しのびがた
)
き事に御座候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
御依頼
(
ごいらい
)
の
唱歌
(
しやうか
)
の
件
(
けん
)
は
我等
(
われら
)
三人
(
さんにん
)
とも
同意
(
どうい
)
致
(
いた
)
し
兼
(
か
)
ね
候
(
さふらふ
)
。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
かしまじき
御使者
(
おんししや
)
候
(
さふらふ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
オヽおもしろし
覺悟
(
かくご
)
とは
何
(
なん
)
の
覺悟
(
かくご
)
許嫁
(
いひなづけ
)
の
約束
(
やくそく
)
解
(
と
)
いて
欲
(
ほ
)
しゝとのお
望
(
のぞ
)
みかそれは
此方
(
このはう
)
よりも
願
(
ねが
)
ふ
事
(
こと
)
なり
何
(
なん
)
の
迂
(
まは
)
りくどい
申上
(
まをしあ
)
ぐることの
候
(
さふらふ
)
の
一通
(
ひととほ
)
りも
二通
(
ふたとほ
)
りも
入
(
い
)
ることならず
後
(
のち
)
とはいはず
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
にて
切
(
き
)
れて
遣
(
や
)
るべし
切
(
き
)
れて
遣
(
や
)
らん
他人
(
たにん
)
になるは
造作
(
ぞうさ
)
もなしと
嘲笑
(
あざわら
)
ふ
胸
(
むね
)
の
内
(
うち
)
に
沸
(
わ
)
くは
何物
(
なにもの
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「おほせまでも
候
(
さふら
)
はず、
江戸表
(
えどおもて
)
にて
將軍
(
しやうぐん
)
御手飼
(
おてがひ
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
たりとも
此上
(
このうへ
)
に
何
(
なん
)
とか
仕
(
つかまつ
)
らむ、
日本一
(
につぽんいち
)
にて
候
(
さふらふ
)
。」と
餘念
(
よねん
)
も
無
(
な
)
き
體
(
てい
)
なり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
安
(
なん
)
ぞ
武器
(
ぶき
)
などの
入
(
い
)
り
候
(
さふらふ
)
べき
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
坐頭
(
ざとう
)
聞
(
き
)
いて、
此
(
こ
)
の
橋
(
はし
)
は
昔
(
むかし
)
聖徳太子
(
しやうとくたいし
)
の
日本
(
につぽん
)
六十
余州
(
よしう
)
へ百八十の
橋
(
はし
)
を
御掛
(
おか
)
けなされし
其
(
そ
)
の
内
(
うち
)
にて
候
(
さふらふ
)
よし
伝
(
つた
)
へうけたまはり
候
(
さふらふ
)
、
誠
(
まこと
)
にて
候
(
さふらふ
)
や、と
言
(
い
)
ふ。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幼君
(
えうくん
)
其時
(
そのとき
)
「これにてよきか」と
彼
(
か
)
の
者
(
もの
)
に
尋
(
たづ
)
ねたまへり。「
天晴
(
あつぱれ
)
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
く
候
(
さふらふ
)
」と
只管
(
ひたすら
)
に
賞
(
ほ
)
め
稱
(
たゝ
)
へつ。
幼君
(
えうくん
)
かさねて、「いかに
汝
(
なんじ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
協
(
かな
)
へるか、」
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いや、
勇
(
いさ
)
んだの
候
(
さふらふ
)
の、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
姉
(
あね
)
はべたりだが、
江戸
(
えど
)
ものはコロリと
來
(
く
)
るわ、で、
葛西
(
かさい
)
に、
栗橋北千住
(
くりはしきたせんぢゆ
)
の
鰌
(
どぢやう
)
に
鯰
(
なまづ
)
を、
白魚
(
しらを
)
の
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
つて、
腮
(
あご
)
を
撫
(
な
)
でた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いや、
勇
(
いさ
)
んだの
候
(
さふらふ
)
の、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
※
(
あねえ
)
は、べたりだが、
江戸
(
えど
)
ものはころりと
來
(
く
)
るわ、で、
葛西
(
かさい
)
に、
栗橋
(
くりはし
)
、
北千住
(
きたせんぢゆ
)
の
鰌鯰
(
どぢやうなまづ
)
を、
白魚
(
しらうを
)
の
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
つて、
頤
(
あご
)
を
撫
(
な
)
でた。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
さ
)
りながら、
我
(
わ
)
が
君主
(
との
)
、
無禮
(
なめ
)
なる
儀
(
ぎ
)
には
候
(
さふら
)
へども、
此
(
こ
)
の
姫
(
ひめ
)
、
殿
(
との
)
の
夫人
(
ふじん
)
とならせたまふ
前
(
まへ
)
に、
餘所
(
よそ
)
の
夫
(
をつと
)
の
候
(
さふらふ
)
ぞや。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一度
(
いちど
)
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
よう
見
(
み
)
ようで、まだ
出
(
で
)
かけた
事
(
こと
)
のない
堀切
(
ほりきり
)
へ……
急
(
いそ
)
ぎ
候
(
さふらふ
)
ほどに、やがて
着
(
つ
)
くと、
引
(
ひ
)
きぞ
煩
(
わづ
)
らはぬいづれあやめが、
憚
(
はゞか
)
りながら
葉
(
は
)
ばかりで
伸
(
の
)
びて
居
(
ゐ
)
た。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時
(
とき
)
や
冬
(
ふゆ
)
、
小春日
(
こはるび
)
の
返
(
かへ
)
り
咲
(
ざき
)
にも
怪
(
あや
)
し
何處
(
いづこ
)
にか
取
(
と
)
り
得
(
え
)
たる。
昌黎
(
しやうれい
)
屹
(
きつ
)
と
其
(
そ
)
の
面
(
おもて
)
を
睨
(
にら
)
まへてあり。
韓湘
(
かんしやう
)
拜謝
(
はいしや
)
して
曰
(
いは
)
く、
小姪
(
せうてつ
)
此
(
こ
)
の
藝當
(
げいたう
)
ござ
候
(
さふらふ
)
。
因
(
よ
)
りて
書
(
しよ
)
を
讀
(
よ
)
まず
又
(
また
)
學
(
まな
)
ばざるにて
候
(
さふらふ
)
。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お村殿には御用人何某と人目を忍ばれ
候
(
さふらふ
)
」と
欺
(
あざむ
)
きければ、短慮無謀の
平素
(
ひごろ
)
を、酒に
弥暴
(
いやあら
)
く、怒気烈火の
如
(
ごと
)
く心頭に発して、
岸破
(
がば
)
と
蹶起
(
はねお
)
き、
枕刀
(
まくらがたな
)
押取
(
おつと
)
りて、一文字に
馳出
(
はせい
)
で
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
畏
(
かしこ
)
まつて
候
(
さふらふ
)
と、
右左
(
みぎひだり
)
から
頸首
(
えりくび
)
を
取
(
と
)
つてのめらせる、とお
妾
(
めかけ
)
面
(
おもて
)
を
蔽
(
おほ
)
うた
時
(
とき
)
、
黒髯
(
くろひげ
)
は
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めて
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其處
(
そこ
)
で
薄汚
(
うすよご
)
れた
襪
(
したぐつ
)
に
成
(
な
)
つて、
肩
(
かた
)
から
廂
(
ひさし
)
へ、
大屋根
(
おほやね
)
へ
這上
(
はひあが
)
つて、
二百十日
(
にひやくとをか
)
と
云
(
い
)
ふ
形
(
かたち
)
で、やつとこな、と
帽子
(
ばうし
)
を
掴
(
つか
)
むと、
下
(
した
)
の
奴
(
やつ
)
は
甜瓜
(
まくは
)
かじりに
靴
(
くつ
)
を
掴
(
つか
)
んで、
一目散
(
いちもくさん
)
。
人込
(
ひとごみ
)
の
中
(
なか
)
へまぎれて
候
(
さふらふ
)
。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
こ
)
のほか
色々
(
いろ/\
)
の
歌
(
うた
)
も
侍
(
はべ
)
るよし
承
(
うけたまは
)
り
候
(
さふらふ
)
と
言
(
い
)
ふ。——
此
(
こ
)
の
物語
(
ものがたり
)
、
優美
(
いうび
)
の
中
(
うち
)
に
幻怪
(
げんくわい
)
あり。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“候”の意味
《動詞》
高貴な人のそばに仕える。
(出典:Wiktionary)
“候”の解説
侯
候(コウ、そうろう、グ)
(出典:Wikipedia)
候
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“候”を含む語句
申候
居候
有之候
斥候
徴候
存候
伺候
時候
御座候
仕候
候間
無之候
相成候
致候
候人
被下候
被存候
兆候
被下度候
候処
...