らう)” の例文
らうこゝろをつけて物事ものごとるに、さながらこひこゝろをうばゝれて空虚うつろなりひとごとく、お美尾みを美尾みをべばなにえとこたゆることばちからなさ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
らうと云つたそのお幸の父も、お幸とお幸より三つ歳下とししたの長男の久吉ひさきちがまだ幼少な時に肺病にかかつて二年余りもわづらつて歿くなりました。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
三高教授の安藤しようらう氏は人も知る音楽学校の安藤幸子かうこ女史の亭主で、幸子女史と比べると、ずつと女性的の優しい顔立を持つてゐる。
まゐりましたところ堺町さかひちやうでうきたまちといふ、大層たいそうづかしい町名ちやうめいでございまして、里見さとみちうらうといふ此頃このごろ新築しんちくをした立派りつぱうち
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
近所きんじよ子供こどもなかで、あそんでけないのは、問屋とんやの三らうさんに、おとなりのおゆうさんでした。この人達ひとたちとうさんとおなどしでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
其後そのごぐわつ二十八にちに、内山うちやま九三らう發掘はつくつして、大把手おほとつてした。其記事そのきじ東京人類學會雜誌とうきやうじんるゐがくゝわいざつしの八十六がう記載きさいせられてある。
だん池谷いけのやしんらう骰子サイツ頭上づじやうにかざして禮拜らいはいする。ぼくなど麻雀マージヤンはしばしば細君さいくん口喧嘩くちけんくわ種子たねになるが、これが臨戰前りんせんまへだときつと八わるい。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
夫 (小説を声高に読みはじめる)「芳町よしちやうで幅の利く顔役、弥太やたらうげん七が出先から子分に持たせてよこした手紙を見た女房おげんの顔の色がさつと変り……」
世帯休業 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
自分ばかりが博識ものしりがるものなり、菊塢きくう奥州おうしうよりボツト出て、堺町さかひてう芝居茶屋しばゐぢやや和泉屋いづみやかんらうかた飯焚めしたきとなり、気転きてんくより店の若衆わかいしゆとなり、客先きやくさき番附ばんづけくばりにも
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
で、平岡権ひらをかごんらう君との関係上少しは知つてゐる花月園の、ホテルの方へしばらく滞在する事にした。
私の社交ダンス (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
苗字めうじ個人こじんいへで、おほくは土地とちつたものである。たとへば那須の一、熊谷の直實なほざね、秩父の重忠しげたゞ、鎌倉のごんらう、三浦の大介おほすけ、佐野の源左衛門げんざゑもんといふのるゐである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
十二年には八男かうらうが生れた。家譜に「文政己丑十一月七日生、幼名浅岡益寿贈ところ」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そこで農事に委しい人を頼まうといふことになつて相馬さうま藩から二みやきんらう尊徳そんとく翁の、其頃五十餘の大兵だいへうな人)をび、伊豆の代官江川えがは氏の手附てづき河野鐵平かうのてつへいといふ人をもめした。
兵馬倥偬の人 (旧字旧仮名) / 塚原渋柿園塚原蓼洲(著)
冬のさむい晩のこと、三らうはおばあさんと二人で、奥座敷のこたつにあたつてゐました。庭の竹やぶが、とき/″\風に吹きたわむ音がして、そのあとは、しんとしづかになります。
大寒小寒 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
「風太郎とはお前だつたのか、さんらう、言ひ分があるなら聞いてやらう」
らう征伐せいばつのよしを聞及きゝおよび、ねがはくは
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おりたつ後姿うしろすがた見送みおくものはお八重やへのみならず優子いうこ部屋へや障子しようじ細目ほそめけてはれぬ心〻こゝろ/\を三らう一人ひとりすゞしげに行々ゆく/\ぎんずるからうたきゝたし
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それから豊前太夫ぶぜんだいふました。富本とみもとじやうるりにせうらうましたので、長唄ながうた出囃でばやしります。岩「成程なるほどこれはえらい、ぢやア見にきませう。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
とうさんがおうちおもてあそんでりますと、何時いつでもさかうへはうからりてて一しよるのは、この三らうさんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そのむかし京役者の坂田とうらうは江戸の水は不味まづくて飲めないといつて東下あづまくだりをする時には、京の水を四斗樽に幾つも詰め込んで持つて往つたといふが
相手方あひてかた勿論もちろん仲間内なかまうちおほく、始終しじうかほあはせるのが六だん佐佐木茂索ささきもさく、三だん和木わぎせいらう、三だん池谷いけのやしんらうなどで、ときに六だん菊池寛きくちくわん、五だん廣津和郎ひろつかづを、七だん川崎備寛かはさきびくわん、六だん濱尾はまをらう、四だん古川緑波ふるかはりよくは
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「聽いたよ、福井町のじやうだんらうといふ評判のよくない浪人者が、脇差で胸を突かれて死んでゐたんだつてね。——恐しく腕の出來る浪人者だといふぢやないか、茶汲女や守りつには殺せねえよ」
らう雉子きじさるいぬ三郎党さんらうだうした
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
きに病氣びやうきとばかりおもひぬれば、よしらうかぎりもなくいたましくて、醫者いしやにかゝれの、くすりめのと悋氣りんきわすれて此事このことこゝろつくしぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そんな名剣も貧乏神だけはうにも出来ないものと見えて、犬養氏は最近和田つならう氏の取持とりもちで、所蔵の刀剣全部を根こそぎ久原くはら家へ売渡す事にめた。
「いゝえ、炭問屋すみどんやうにつぶれて、お厩橋うまやばした時わたくし縁付えんづいたのです」「おまへ御亭主ごていしゆは」「ひでらうつて五代目でございます」「早く死んだのかえ」
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ある夕方ゆふがたこととうさんはなにかのことで三らうさんとあらそひまして、このあそ友達ともだちかせてしまひました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「とんだ五九らうだ‥‥」と、だれかがつぶやいた。はげしい笑聲せうせいがわつとおこつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
さんらうはそれに構はず、悲痛に顏をふり仰いで續けました。
あやしや三らう便たよりふつときこえずりぬつには一日ひとひわびしきを不審いぶかしかりし返事へんじのち今日けふ來給きたま明日あすこそはとそらだのめなる
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
千葉県知事折原らう氏が、以前福岡県知事を勤めてゐた頃、ある宴会で目もとの可愛かあいらしい芸者が側目わきめもふらず、じつと自分の顔に見とれてゐるのに気がついた。
それからこのちやうらうのお茶碗ちやわん——これ先達せんだつてもちよいと拝見はいけんをいたしましたが此四品このよしなでおいくらでげす。
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それはたしか去年きよねん春頃はるごろ池谷いけのやしんらううちでのことで、前日ぜんじつ晝頃ひるごろはじめて翌日よくじつ夕方過ゆふがたすぎまで八圈戰けんせんを五くわいぐらゐかへしたやうにおもふが、をはりにはあたま朦朧もうろうとしてからだはぐたぐたになつてしまつた。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
鎭西ちんぜいらう爲朝ためともぢやあるめえし」
おもふに男心をとこごゝろたのみがたさよ周旋とりもちするとしてこととゝのふはうれしけれど優子いうこどのゝこゝろえたり三らうよろこびしとつたたまへとはあまりといへどむかしを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
らうから初めて徳三郎になつた折の事、ある日北船場きたせんば物持ものもち平野屋の一族が、西桟敷の幾つかを買ひ切つて、見物に来てゐたが、そのなかに別家べつけの一人娘お常といふのがゐて
いんきんだむしの附着くつゝいてる箱は川原崎かはらさきごんらういたてえ……えゝすべつてころんだので忘れちまつた、醋吸すすひの三せい格子かうし障子しやうじに……すだれアハヽヽヽ、おいうした、しつかりしねえ。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
あれはがけのあつめとしるく土手どてかげそゞろさむげに、をりふしともする三五らうこゑのみ何時いつかはらず滑稽おどけてはきこえぬ。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これ武蔵屋むさしやごんらう引掛ひツかけたのだが何日なんかともしたゝめてないから、幾日いくかだらう、不思議な事もあるものだ、これ落字らくじをしたのか知ら、忘れたのではないか、と不審ふしんを打つ者があると
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それはほかでもない、大阪市助役の関一氏と三井物産大阪支店の武村ていらう氏。
らうかたかはこゝろなければ、一日も百ねんおなおくれども其頃そのころより美尾みを樣子やうすかくあやしく、ぼんやりとそらながめてものにつかぬ不審いぶかしさ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御存生ごぞんじやうなら川田かはだらうくんだね、はらふくれてゐるところから体格かつぷくと云ひ、ニコヤカなお容貌かほつきと云ひ、えり二重ふタヘつてゐる様子やうすはそつくりだね、なにしろもうかみになつちまつてやうがない
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
あやしき書風しよふう正躰しやうたいしれぬ文字もじかきちらして、これが雪子ゆきこ手跡しゆせきかとなさけなきやうなるなかに、あざやかにまれたるむらといふらうといふ、あゝ植村うゑむら録郎ろくらう植村うゑむら録郎ろくらう
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まづ此方こちらへと、鑑定めきゝをしてもらつもりで、自慢じまん掛物かけもの松花堂しやうくわだう醋吸すすひせいを見せるだらう、掛物かけものだ、箱書はこがき小堀こぼりごんらうで、仕立したてたしかつたよ、天地てんち唐物緞子からものどんすなか白茶地しらちやぢ古金襴こきんらんで。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まだかまだかとへいまわりを七まわり、欠伸あくびかずきて、はらふとすれど名物めいぶつ首筋くびすぢひたいぎわしたゝかさゝれ、三五らうよわりきるとき美登利みどり立出たちいでゝいざとふに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
るかツて、えらいのがます、故人こじん高島屋たかしまや彦三郎しんすゐます、はんらうや、仲蔵なかざうなどもて、それに今度こんど訥升とつしやうそうらう這入はいつて大層たいそう芝居しばゐります。岩「成程なるほど此方こつちはうい。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
よわものいぢめは此方こつちはぢになるから三五らう美登利みどり相手あひてにしても仕方しかたい、正太しようた末社まつしやがついたら其時そのときのこと、けつして此方こつちから手出てだしをしてはならないととゞめて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
... 八代目だいめだんらう市村羽左衛門いちむらうざゑもん怪談くわいだん沢村宗さはむらそうらう御殿女中ごでんぢよちう怪談くわいだん岩井半いはゐはんらう怪談くわいだん其他そのた聞いた事見た事を種々いろ/\集めてゐるんですが」とふと、是真翁ぜしんをうが「円朝ゑんてうさん、めう怪談くわいだん種子たねがある。 ...
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
目下もくかでは大倉おほくららうくんさ。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)