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藥
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くすり
ふりがな文庫
“
藥
(
くすり
)” の例文
新字:
薬
御夢想
(
ごむさう
)
の
藥
(
くすり
)
ぢやに……
何
(
なん
)
の
病疾
(
やまひ
)
も
速
(
すみや
)
かに
治
(
なほ
)
るで、
買
(
か
)
ひないな……
丁
(
ちやう
)
ど、
來合
(
きあ
)
はせたは、あなた
樣
(
さま
)
お
導
(
みちび
)
きぢや……
仇
(
あだ
)
には
思
(
おも
)
はれますな。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
單純
(
たんじゆん
)
なレウマチス
性
(
せい
)
の
頭痛
(
づつう
)
ではあつたが、
閭
(
りよ
)
は
平生
(
へいぜい
)
から
少
(
すこ
)
し
神經質
(
しんけいしつ
)
であつたので、
掛
(
か
)
かり
附
(
つけ
)
の
醫者
(
いしや
)
の
藥
(
くすり
)
を
飮
(
の
)
んでもなか/\なほらない。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
あわたゞしき足音の廊下に高く成りて、お蘭さま御書見でござりまするか、濟みませぬがお
藥
(
くすり
)
を
少
(
すこ
)
しと障子の外より言ふは
老婆
(
ばゞ
)
の聲なり
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
苦
(
にが
)
い/\
藥
(
くすり
)
でしたが、お
腹
(
なか
)
の
痛
(
いた
)
い
時
(
とき
)
なぞにそれを
飮
(
の
)
むとすぐなほりました。お
藥
(
くすり
)
はあんな
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
の
土
(
つち
)
の
中
(
なか
)
にも
藏
(
しま
)
つてあるのですね。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
俺
(
お
)
ら
云
(
ゆ
)
はんねえでも
藥
(
くすり
)
は
氣
(
きい
)
ついてたのよ」
勘次
(
かんじ
)
はおつぎのいふのを
迎
(
むか
)
へて
聞
(
き
)
いた。
彼
(
かれ
)
の三
尺帶
(
じやくおび
)
には
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
もぎつと
括
(
くゝ
)
つた
塊
(
かたまり
)
があつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
乞と
暫
(
しばし
)
縁
(
えん
)
の
下
(
もと
)
に
休
(
やすら
)
ひぬ
餠屋
(
もちや
)
の店には
亭主
(
ていしゆ
)
と思しき男の居たりしかば寶澤其男に
向
(
むかひ
)
申けるは私しは
腹痛
(
ふくつう
)
致し甚だ
難澁
(
なんじふ
)
致せば
藥
(
くすり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
醫者
(
いしや
)
へ
行
(
い
)
つてね。
昨夜
(
ゆうべ
)
の
藥
(
くすり
)
を
戴
(
いたゞ
)
いてから
寐出
(
ねだ
)
して、
今
(
いま
)
になつても
眼
(
め
)
が
覺
(
さ
)
めませんが
差支
(
さしつかへ
)
ないでせうかつて
聞
(
き
)
いて
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れ」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
帝
(
みかど
)
は、
天
(
てん
)
に
一番
(
いちばん
)
近
(
ちか
)
い
山
(
やま
)
は
駿河
(
するが
)
の
國
(
くに
)
にあると
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
して、
使
(
つか
)
ひの
役人
(
やくにん
)
をその
山
(
やま
)
に
登
(
のぼ
)
らせて、
不死
(
ふし
)
の
藥
(
くすり
)
を
焚
(
た
)
かしめられました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
『
鈍痴漢
(
とんちんかん
)
の、
薄鈍
(
うすのろ
)
な
奴等
(
やつら
)
、
藥
(
くすり
)
も
絲瓜
(
へちま
)
も
有
(
あ
)
るものか、
馬鹿
(
ばか
)
な、
輕擧
(
かるはずみ
)
な!』ハヾトフと
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
とは、
此
(
こ
)
の
權幕
(
けんまく
)
に
辟易
(
へきえき
)
して
戸口
(
とぐち
)
の
方
(
はう
)
に
狼狽
(
まご/\
)
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
余は久しく流離の苦を嘗め來たつた。どうだ。諸子にもたまにはさういふ經驗が
藥
(
くすり
)
だらうと。此の一言で直ちに國外に奔つた大夫も二三に止まらない。
盈虚
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
母
(
かゝ
)
さま、
其
(
その
)
毒
(
どく
)
を
持
(
も
)
って
行
(
ゆ
)
く
使
(
つかひ
)
の
男
(
をとこ
)
とやらが
定
(
きま
)
ったら、
藥
(
くすり
)
は
妾
(
わたし
)
が
調合
(
てうがふ
)
せう、ロミオがそれを
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れたら、
直
(
すぐ
)
にも
安眠
(
あんみん
)
しをるやうに。おゝ、
彼奴
(
あいつ
)
の
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
くと
身
(
み
)
が
顫
(
ふるへ
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
早速
(
さつそく
)
藥
(
くすり
)
を
調合
(
てうがふ
)
し、
土地
(
とち
)
の
醫者
(
いしや
)
に
方劑
(
はうざい
)
を
授
(
さづ
)
けたが、
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
玄竹
(
げんちく
)
は、
塔頭
(
たつちう
)
の
梅
(
うめ
)
の
坊
(
ばう
)
といふのへ
案内
(
あんない
)
されて、
精進料理
(
しやうじんれうり
)
の
饗應
(
きやうおう
)
を
受
(
う
)
け、
下男
(
げだん
)
とともに一
泊
(
ぱく
)
して、
翌朝
(
よくてう
)
歸
(
かへ
)
ることになつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
秦王
(
しんわう
)
以
(
もつ
)
て
然
(
しか
)
りと
爲
(
な
)
し、
(一一八)
吏
(
り
)
に
下
(
くだ
)
して
非
(
ひ
)
を
治
(
をさ
)
めしむ。
李斯
(
りし
)
、
人
(
ひと
)
をして
非
(
ひ
)
に
(一一九)
藥
(
くすり
)
を
遺
(
おく
)
らしめ、
自殺
(
じさつ
)
せしむ。
韓非
(
かんぴ
)
、
自
(
みづか
)
ら
(一二〇)
陳
(
ちん
)
ぜんと
欲
(
ほつ
)
すれども
見
(
まみ
)
ゆるを
得
(
え
)
ざりき。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
一
養生
(
やうじやう
)
二には
運動
(
うんどう
)
三
藥
(
くすり
)
揃
(
そろ
)
うてやまひ
直
(
なを
)
るものなり
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
殊勝
(
しゆしよう
)
らしく
聞
(
きこ
)
えて
如何
(
いかゞ
)
ですけれども、
道中
(
だうちう
)
、
宮
(
みや
)
、
社
(
やしろ
)
、
祠
(
ほこら
)
のある
處
(
ところ
)
へは、
屹
(
きつ
)
と
持合
(
もちあは
)
せた
藥
(
くすり
)
の
中
(
なか
)
の、
何種
(
なにしゆ
)
のか、
一包
(
ひとつゝみ
)
づゝを
備
(
そな
)
へました。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
向
(
む
)
きに
病氣
(
びやうき
)
とばかり
思
(
おも
)
ひぬれば、
與
(
よし
)
四
郎
(
らう
)
限
(
かぎ
)
りもなく
傷
(
いた
)
ましくて、
醫者
(
いしや
)
にかゝれの、
藥
(
くすり
)
を
呑
(
の
)
めのと
悋氣
(
りんき
)
は
忘
(
わす
)
れて
此事
(
このこと
)
に
心
(
こゝろ
)
を
盡
(
つく
)
しぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
請
(
うけ
)
んや其中は母の
看病
(
かんびやう
)
藥
(
くすり
)
何呉
(
なにくれ
)
と
定
(
さだ
)
めて
不自由
(
ふじいう
)
成
(
なら
)
んと此事のみ心に
懸
(
かゝ
)
り
牢舍
(
らうしや
)
したる我心を少しは
汲譯
(
くみわけ
)
早
(
はや
)
く
現在
(
ありのまゝ
)
に申上て
此苦
(
このくるし
)
みを
助
(
たす
)
けられよと申を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
※等
(
あねら
)
も
酷
(
ひど
)
かんべ
野
(
の
)
らは」と
彼
(
かれ
)
はおつたの
染
(
そ
)
めつゝあつた
髮
(
かみ
)
が、
交
(
まじ
)
つた
白髮
(
しらが
)
をほんのりと
見
(
み
)
せるまでに
藥
(
くすり
)
の
褪
(
さ
)
めて
穢
(
きた
)
なく
成
(
なつ
)
つたのを
見
(
み
)
つゝいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それからはこの
山
(
やま
)
を
不死
(
ふし
)
の
山
(
やま
)
と
呼
(
よ
)
ぶようになつて、その
藥
(
くすり
)
の
煙
(
けむ
)
りは
今
(
いま
)
でも
雲
(
くも
)
の
中
(
なか
)
へ
立
(
た
)
ち
昇
(
のぼ
)
るといふことであります。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「
少
(
すこ
)
し
藥
(
くすり
)
が
利
(
き
)
き
過
(
す
)
ぎましたね」と
云
(
い
)
つて
宗助
(
そうすけ
)
の
方
(
はう
)
へ
向
(
む
)
き
直
(
なほ
)
つたが、
宗助
(
そうすけ
)
の
眼
(
め
)
の
色
(
いろ
)
を
見
(
み
)
るや
否
(
いな
)
や、すぐ
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
若
(
もし
)
又
(
また
)
醫學
(
いがく
)
の
目的
(
もくてき
)
が
藥
(
くすり
)
を
以
(
もつ
)
て、
苦痛
(
くつう
)
を
薄
(
うす
)
らげるものと
爲
(
な
)
すなれば、
自然
(
しぜん
)
茲
(
こゝ
)
に一つの
疑問
(
ぎもん
)
が
生
(
しやう
)
じて
來
(
く
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
素問
(
そもん
)
や
靈樞
(
れいすう
)
でも
讀
(
よ
)
むやうな
醫者
(
いしや
)
を
搜
(
さが
)
して
極
(
き
)
めてゐたのではなく、
近所
(
きんじよ
)
に
住
(
す
)
んでゐて
呼
(
よ
)
ぶのに
面倒
(
めんだう
)
のない
醫者
(
いしや
)
に
懸
(
か
)
かつてゐたのだから、ろくな
藥
(
くすり
)
は
飮
(
の
)
ませて
貰
(
もら
)
ふことが
出來
(
でき
)
なかつたのである。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
御嶽山
(
おんたけさん
)
の
方
(
はう
)
から
歸
(
かへ
)
る
人達
(
ひとたち
)
は、お
百草
(
ひやくさう
)
といふ
藥
(
くすり
)
をよく
土産
(
みやげ
)
に
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
ました。お
百草
(
ひやくさう
)
は、あの
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
の
上
(
うへ
)
で
採
(
と
)
れるいろ/\な
草
(
くさ
)
の
根
(
ね
)
から
製
(
せい
)
した
練藥
(
ねりぐすり
)
で、それを
竹
(
たけ
)
の
皮
(
かは
)
の
上
(
うへ
)
に
延
(
の
)
べてあるのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
……
萬
(
まん
)
一、
此
(
この
)
藥
(
くすり
)
が
毒藥
(
どくやく
)
であったら? ロミオどのと
縁組
(
えんぐみ
)
させておきながら、
此
(
こ
)
の
婚禮
(
こんれい
)
をさすときは、
宗門
(
しゅうもん
)
の
恥
(
はぢ
)
となるによって、それで
予
(
わし
)
を
殺
(
ころ
)
さうといふ
深
(
ふか
)
い
陰謀
(
たくみ
)
の
毒藥
(
どくやく
)
ではあるまいものでもない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
前
(
まへ
)
のは
砲兵工廠
(
はうへいこうしやう
)
の
焚
(
や
)
けた
時
(
とき
)
で、
續
(
つゞ
)
いて、
日本橋
(
にほんばし
)
本町
(
ほんちやう
)
に
軒
(
のき
)
を
連
(
つら
)
ねた
藥問屋
(
くすりどひや
)
の
藥
(
くすり
)
ぐらが
破裂
(
はれつ
)
したと
知
(
し
)
つたのは、
五六日
(
ごろくにち
)
も
過
(
す
)
ぎての
事
(
こと
)
。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
與吉
(
よきち
)
にさへ
白
(
しろ
)
い
藥
(
くすり
)
を
惜
(
を
)
しんで
醫者
(
いしや
)
から
貰
(
もら
)
つた
儘
(
まゝ
)
藏
(
しま
)
つて
置
(
お
)
いたのであつた。
卯平
(
うへい
)
は
凝然
(
ぢつ
)
として
勘次
(
かんじ
)
の
爲
(
す
)
る
儘
(
まゝ
)
に
任
(
まか
)
せた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
集めて
相談
(
さうだん
)
しける中長兵衞
心付
(
こゝろづ
)
き彼の
藥
(
くすり
)
を猫に
喰
(
くは
)
せて
試
(
ため
)
しけるに何の事もなければ是には何か
樣子
(
やうす
)
有
(
ある
)
べし我又
致方
(
いたしかた
)
有
(
あれ
)
ば
隨分
(
ずゐぶん
)
油斷
(
ゆだん
)
有
(
ある
)
べからずとて又七を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いつでも
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
は
耳
(
みゝ
)
にたこが
出來
(
でき
)
て
氣
(
き
)
の
藥
(
くすり
)
にはならぬ、
酒
(
さけ
)
でも
買
(
かつ
)
て
來
(
き
)
てくれ
氣
(
き
)
まぎれに
呑
(
の
)
んで
見
(
み
)
やうと
言
(
い
)
ふ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一方
(
いつぽう
)
勅使
(
ちよくし
)
は
宮中
(
きゆうちゆう
)
に
參上
(
さんじよう
)
して、その
夜
(
よ
)
の
一部始終
(
いちぶしじゆう
)
を
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げて、かの
手紙
(
てがみ
)
と
藥
(
くすり
)
をさし
上
(
あ
)
げました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
而
(
さう
)
して
頭
(
あたま
)
を
冷
(
ひや
)
す
藥
(
くすり
)
と、
桂梅水
(
けいばいすゐ
)
とを
服用
(
ふくよう
)
するやうにと
云
(
い
)
つて、
不好
(
いや
)
さうに
頭
(
かしら
)
を
振
(
ふ
)
つて、
立歸
(
たちかへ
)
り
際
(
ぎは
)
に、もう二
度
(
ど
)
とは
來
(
こ
)
ぬ、
人
(
ひと
)
の
氣
(
き
)
の
狂
(
くる
)
ふ
邪魔
(
じやま
)
を
爲
(
す
)
るにも
當
(
あた
)
らないからとさう
云
(
い
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
とはいへ、
若
(
も
)
し
此
(
この
)
藥
(
くすり
)
に、
何
(
なん
)
の
效力
(
きゝめ
)
も
無
(
な
)
かったなら? すれば、
明日
(
あす
)
の
朝
(
あさ
)
となって、
結婚
(
けっこん
)
を
爲
(
し
)
ようでな? いや/\。……それは
此劍
(
これ
)
が(と懷劍を取り上げ)させぬ。……やい、
其處
(
そこ
)
にさうしてゐい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それから
藥
(
くすり
)
で
其
(
その
)
穴
(
あな
)
を
埋
(
う
)
めて、
明日
(
みやうにち
)
又
(
また
)
入
(
い
)
らつしやいと
注意
(
ちゆうい
)
を
與
(
あた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分
(
じぶん
)
に
返
(
かへ
)
りました
時
(
とき
)
、
兩臂
(
りやうひぢ
)
と、
乳
(
ちゝ
)
の
下
(
した
)
と、
手首
(
てくび
)
の
脈
(
みやく
)
と
方々
(
はう/″\
)
に
血
(
ち
)
が
浸
(
にじ
)
んで、
其處
(
そこ
)
へ
眞白
(
まつしろ
)
な
藥
(
くすり
)
の
粉
(
こな
)
が
振掛
(
ふりか
)
けてあるのが
分
(
わか
)
りました。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
身體
(
からだ
)
が
惡
(
わ
)
るくば
藥
(
くすり
)
も
呑
(
の
)
むがよし、
御醫者
(
おゐしや
)
にかゝるも
仕方
(
しかた
)
がなけれど、お
前
(
まへ
)
の
病
(
やま
)
ひは
夫
(
そ
)
れではなしに
氣
(
き
)
さへ
持直
(
もちなほ
)
せば
何處
(
どこ
)
に
惡
(
わる
)
い
處
(
ところ
)
があろう、
少
(
すこ
)
しは
正氣
(
しようき
)
に
成
(
な
)
つて
勉強
(
べんきよう
)
をして
下
(
くだ
)
されといふ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
が、
藥
(
くすり
)
をつけられますと、
疵
(
きず
)
あとは、すぐに
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
に
痂
(
か
)
せて
落
(
お
)
ちて、
蟲
(
むし
)
に
刺
(
さ
)
されたほどのあとも
殘
(
のこ
)
りません。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
御兩親
(
ごりやうしん
)
がどれほどお
歎
(
なげ
)
きなさるかを
考
(
かんが
)
へて、
氣
(
き
)
を
取直
(
とりなほ
)
して
呉
(
く
)
れ、え、
宜
(
よ
)
いか、お
前
(
まへ
)
が
心
(
こゝろ
)
で
直
(
なほ
)
さうと
思
(
おも
)
へば
今日
(
けふ
)
の
今
(
いま
)
も
直
(
なほ
)
れるではないか、
醫者
(
いしや
)
にも
及
(
およ
)
ばぬ、
藥
(
くすり
)
にも
及
(
およ
)
ばぬ、
心
(
こゝろ
)
一
(
ひと
)
つ
居處
(
ゐどころ
)
をたしかにしてな
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
藥
(
くすり
)
を
煎
(
せん
)
じて、
盆
(
ぼん
)
は
兀
(
は
)
げたが、
手
(
て
)
は
白
(
しろ
)
い。お
艷
(
つや
)
が、
納戸
(
なんど
)
へ
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
く、と
蒲團
(
ふとん
)
に
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
ながら
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
した。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
越中
(
ゑつちう
)
の
藥賣
(
くすりうり
)
が
袋
(
ふくろ
)
に
入
(
い
)
れて
置
(
お
)
いて
行
(
ゆ
)
く、
藥
(
くすり
)
ながら、
其
(
そ
)
の
優
(
やさ
)
しい
手
(
て
)
から
飮
(
の
)
ませるやうに
計
(
はか
)
らつたのである。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(お
導
(
みちび
)
きで
來合
(
きあ
)
はせた
藥
(
くすり
)
を
買
(
か
)
はいでは、
病人
(
びやうにん
)
が
心許
(
こゝろもと
)
ない。お
頂
(
いたゞ
)
きなされぬと、
後悔
(
こうくわい
)
をされうが。)
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
新田
(
しんでん
)
の
太郎兵衞
(
たろべゑ
)
がうまい
言
(
こと
)
を
言
(
い
)
つた。
小助
(
こすけ
)
が
鬱
(
ふさ
)
ぐなら
蚯蚓
(
みゝず
)
を
煎
(
せん
)
じて
飮
(
の
)
ませろと。
何
(
なに
)
が、
藥
(
くすり
)
だと
勸
(
すゝ
)
めるものも、やれ
赤蛙
(
あかがへる
)
が
可
(
い
)
い
事
(
こと
)
の、
蚯蚓
(
みゝず
)
が
利
(
き
)
く
事
(
こと
)
の、
生姜
(
しやうが
)
入
(
い
)
れずの
煎法
(
せんぱふ
)
で。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
えゝ……
遠
(
とほ
)
くへも
行
(
ゆ
)
かないで、——
藥
(
くすり
)
を
買
(
か
)
はなかつた
仇
(
あだ
)
をしに——
待受
(
まちう
)
けてでも
居
(
ゐ
)
たのでせう……
直
(
ぢ
)
き
二丁目
(
にちやうめ
)
の
中程
(
なかほど
)
から、
然
(
さ
)
うやつて
提灯
(
ちやうちん
)
が
見
(
み
)
え
出
(
だ
)
したさうですが、
主人
(
あるじ
)
かつて
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
大勢
(
おほぜい
)
が
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
り、
民子
(
たみこ
)
は
取縋
(
とりすが
)
るやうにして、
介抱
(
かいほう
)
するにも、
藥
(
くすり
)
にも、ありあはせの
熊膽
(
くまのゐ
)
位
(
くらゐ
)
、
其
(
それ
)
でも
心
(
こゝろ
)
は
通
(
つう
)
じたか、
少
(
すこ
)
しは
落着
(
おちつ
)
いたから
一刻
(
いつこく
)
も
疾
(
はや
)
くと、
再
(
ふたゝ
)
び
腕車
(
くるま
)
を
立
(
た
)
てようとすれば
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見
(
み
)
まい、
見
(
み
)
まいの
氣
(
き
)
が
逆上
(
うはず
)
つて、ものの
見
(
み
)
えるは
目
(
め
)
のあるため、と
何
(
なん
)
とか
申
(
まを
)
す
藥
(
くすり
)
を、
枕
(
まくら
)
をかいもの、
仰向
(
あをむ
)
けに、
髮
(
かみ
)
を
縛
(
しば
)
つた
目
(
め
)
の
中
(
なか
)
へ
點滴
(
したゝ
)
らして、
其
(
そ
)
の
兩眼
(
りやうがん
)
を、
盲
(
めくら
)
にした、と
云
(
い
)
ふのであります。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
藥
部首:⾋
18画
“藥”を含む語句
膏藥
藥鑵
火藥
煎藥
生藥
賣藥
藥取
藥液
藥種
藥種屋
藥賣
藥代
藥研
藥罐
芍藥
生藥屋
藥屋
毒藥
藥水
藥局
...