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其後
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そのご
ふりがな文庫
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其後
(
そのご
)” の例文
又
(
また
)
鎔岩
(
ようがん
)
が
次第
(
しだい
)
に
冷却
(
れいきやく
)
して
來
(
く
)
るとどんな
成分
(
せいぶん
)
のものも
流動
(
りゆうどう
)
し
難
(
がた
)
くなり、
其後
(
そのご
)
は
固形
(
こけい
)
の
岩塊
(
がんかい
)
が
先頭
(
せんとう
)
の
岩塊
(
がんかい
)
を
踏
(
ふ
)
み
越
(
こ
)
えて
前進
(
ぜんしん
)
するのみである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
この間などは「
其後
(
そのご
)
別に
恋着
(
れんちゃく
)
せる婦人も
無之
(
これなく
)
、いず
方
(
かた
)
より
艶書
(
えんしょ
)
も参らず、
先
(
ま
)
ず
先
(
ま
)
ず無事に消光
罷
(
まか
)
り在り
候
(
そろ
)
間、
乍憚
(
はばかりながら
)
御休心
可被下候
(
くださるべくそろ
)
」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其後
(
そのご
)
彼等は警官に
逐
(
お
)
われて山深く逃げ
籠
(
こも
)
ったが、食物は
兎
(
と
)
もあれ、女性の
缺乏
(
けつぼう
)
ということが彼等の
間
(
あいだ
)
に一種の不足を感じたらしい。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其後
(
そのご
)
雲飛
(
うんぴ
)
は
壮健
(
さうけん
)
にして八十九歳に
達
(
たつ
)
した。我が
死期
(
しき
)
來
(
きた
)
れりと自分で
葬儀
(
さうぎ
)
の
仕度
(
したく
)
などを
整
(
とゝの
)
へ
又
(
ま
)
た
子
(
こ
)
に
遺言
(
ゆゐごん
)
して石を
棺
(
くわん
)
に
收
(
おさ
)
むることを
命
(
めい
)
じた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其後
(
そのご
)
の
一週間
(
いつしゆうかん
)
も
空
(
むな
)
しく
※去
(
すぎさ
)
つたならば、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
も
終
(
つひ
)
には
覺悟
(
かくご
)
を
定
(
さだ
)
めて、
稀世
(
きせい
)
の
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
と
共
(
とも
)
に、
海
(
うみ
)
の
藻屑
(
もくづ
)
と
消
(
き
)
えてしまう
事
(
こと
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
始め一
同
(
どう
)
下られけり
其後
(
そのご
)
大岡殿は何れ昌次郎
夫婦
(
ふうふ
)
の者外へは參るまじ江戸
表
(
おもて
)
ならんと定廻りの與力同心へ急々
索
(
たづ
)
ね申べしと
内命
(
ないめい
)
有りしとぞ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其後
(
そのご
)
三
月
(
ぐわつ
)
二十八
日
(
にち
)
に、
内山
(
うちやま
)
九三
郎
(
らう
)
氏
(
し
)
が
發掘
(
はつくつ
)
して、
大把手
(
おほとつて
)
を
出
(
だ
)
した。
其記事
(
そのきじ
)
は
東京人類學會雜誌
(
とうきやうじんるゐがくゝわいざつし
)
の八十六
號
(
がう
)
に
記載
(
きさい
)
せられてある。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其後
(
そのご
)
支那
(
しな
)
から、
道教
(
だうけう
)
の
妖怪思想
(
えうくわいしさう
)
が
入
(
い
)
り、
佛教
(
ぶつけう
)
と
共
(
とも
)
に
印度思想
(
いんどしさう
)
も
入
(
はい
)
つて
來
(
き
)
て、
日本
(
にほん
)
の
化物
(
ばけもの
)
は
此爲
(
このため
)
に
餘程
(
よほど
)
豊富
(
ほうふ
)
になつたのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
其後
(
そのご
)
、
男
(
をとこ
)
から
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つてやつても、
女
(
をんな
)
からは
依然
(
いぜん
)
として
毎月
(
まいげつ
)
一
日
(
じつ
)
に『
御返事
(
ごへんじ
)
を
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
ります』の
葉書
(
はがき
)
が
來
(
き
)
た。とう/\それが一
年間
(
ねんかん
)
續
(
つゞ
)
いた。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
其後
(
そのご
)
幾年
(
いくねん
)
か
経
(
た
)
って再び之を越えんとした時にも
矢張
(
やッぱり
)
怕
(
おそ
)
ろしかったが、其時は酒の力を
藉
(
か
)
りて、
半狂気
(
はんきちがい
)
になって、漸く此
怕
(
おそ
)
ろしい線を踏越した。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
が、
此
(
こ
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
後生大事
(
ごしやうだいじ
)
と
収
(
しま
)
つておく
処
(
ところ
)
から
見
(
み
)
ると、
其後
(
そのご
)
何
(
なに
)
かの
事情
(
じゞやう
)
で、
互
(
たがひ
)
に
隔
(
へだ
)
たつてはゐても、
心
(
こゝろ
)
は
今
(
いま
)
に
隔
(
へだ
)
てぬ
中
(
なか
)
だと
云
(
い
)
ふことは
明
(
あきら
)
かである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それを誰かが
野次
(
やじ
)
ったものらしくドッと笑声がわきあがったが、どうしたものか、
其後
(
そのご
)
一座は、たいへん静かであった。
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
素人
(
しろうと
)
にしては
善
(
よ
)
く
画
(
か
)
きました、
其後
(
そのご
)
独逸
(
どいつ
)
へ行つて、今では
若松
(
わかまつ
)
の
製鉄所
(
せいてつじよ
)
とやらに
居
(
ゐ
)
ると聞いたが、
消息
(
せうそく
)
を
詳
(
つまびらか
)
にしません
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其後
(
そのご
)
快活な文子のそぶりにさしたる変りも見えず、腕白少年の方でも、いつかけろりと忘れてしまった様子であった。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
其後
(
そのご
)
は
物
(
もの
)
ごとに
念
(
ねん
)
を
入
(
い
)
れて、
遂
(
つ
)
ひに
麁想
(
そそう
)
をせぬやうに
成
(
な
)
りぬ、
世間
(
せけん
)
に
下女
(
げぢよ
)
つかふ
人
(
ひと
)
も
多
(
おほ
)
けれど、
山村
(
やまむら
)
ほど
下女
(
げぢよ
)
の
替
(
かは
)
る
家
(
いゑ
)
は
有
(
あ
)
るまじ、
月
(
つき
)
に
二人
(
ふたり
)
は
平常
(
つね
)
の
事
(
こと
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其後
(
そのご
)
父親が死んだ
折
(
をり
)
には
差当
(
さしあた
)
り頼りのない母親は
橋場
(
はしば
)
の
御新造
(
ごしんぞ
)
の世話で今の
煎餅屋
(
せんべいや
)
を出したやうな関係もあり
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
この人に自分は、最初二枚を指した。二枚は局
半
(
なかば
)
にして相手が、駒を投じた。
其後
(
そのご
)
飛香落から
平手
(
ひらて
)
までに指し進んだ。この会所に、三好さんと云ふ老人がゐた。
将棋
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
尚
(
なほ
)
去
(
さ
)
らざる
時
(
とき
)
は
全身
(
ぜんしん
)
に
冷水
(
れいすゐ
)
を
灌
(
そゝ
)
ぎて
其
(
その
)
痛
(
いたみ
)
全
(
まつた
)
く
去
(
さ
)
りし
故
(
ゆゑ
)
に、
其後
(
そのご
)
頭痛
(
づつう
)
の
起
(
おこ
)
る
毎
(
ごと
)
に
全身
(
ぜんしん
)
冷水灌漑
(
れいすゐくわんがい
)
を
行
(
おこな
)
ひしが、
遂
(
つひ
)
に
習慣
(
しふくわん
)
となり、
寒中
(
かんちゆう
)
にも
冷水灌漑
(
れいすゐくわんがい
)
に
耐
(
た
)
ゆるを
得
(
え
)
たり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
彼
(
かれ
)
は
半年
(
はんとし
)
も
無職
(
むしよく
)
で
徘徊
(
うろ/\
)
して
唯
(
たゞ
)
パンと、
水
(
みづ
)
とで
生命
(
いのち
)
を
繋
(
つな
)
いでゐたのであるが、
其後
(
そのご
)
裁判所
(
さいばんしよ
)
の
警吏
(
けいり
)
となり、
病
(
やまひ
)
を
以
(
もつ
)
て
後
(
のち
)
に
此
(
こ
)
の
職
(
しよく
)
を
辭
(
じ
)
するまでは、
此
(
こゝ
)
に
務
(
つとめ
)
を
取
(
と
)
つてゐたのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
……それから……ネネの
其後
(
そのご
)
の消息も尋ねたい……そう思うと、私はすぐに帰京を決心した。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
たゞ、
惜
(
を
)
しい
哉
(
かな
)
。
中
(
なか
)
の
丸
(
まる
)
の
大樹
(
たいじゆ
)
の
枝垂櫻
(
しだれざくら
)
がもう
見
(
み
)
えぬ。
新館
(
しんくわん
)
の
新潮社
(
しんてうしや
)
の
下
(
した
)
に、
吉田屋
(
よしだや
)
と
云
(
い
)
ふ
料理店
(
れうりてん
)
がある。
丁度
(
ちやうど
)
あの
前
(
まへ
)
あたり——
其後
(
そのご
)
、
晝間
(
ひるま
)
通
(
とほ
)
つた
時
(
とき
)
、
切株
(
きりかぶ
)
ばかり、
根
(
ね
)
が
殘
(
のこ
)
つたやうに
見
(
み
)
た。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
山の頂上に出で
其後
(
そのご
)
国境
(
こくけう
)
とする所を
踏
(
ふ
)
みて
帰
(
かへ
)
らんとするを云ふなり、二派各其
困難
(
こんなん
)
の度を比較して
利害得失
(
りがいとくしつ
)
を
述
(
の
)
べ、甲論乙駁
容易
(
ようゐ
)
に
决
(
けつ
)
せず、数時間を
経
(
へ
)
て
遂
(
つひ
)
に水源論
多数
(
たすう
)
を
占
(
し
)
め之れに一决す
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
『
其後
(
そのご
)
は
御無沙汰
(
ごぶさた
)
、
御機嫌
(
ごきげん
)
よう?』
口切
(
くちき
)
りに
猫
(
ねこ
)
が
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
随
(
したが
)
って
其
(
その
)
時だけの
遊興
(
あそび
)
ならば
兎
(
と
)
こうの論は無いが、
若
(
も
)
し市郎が
其後
(
そのご
)
も柳屋へ通っている
様
(
よう
)
ならば、少しく警戒を加えねばならぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
聞
(
き
)
けばこの
村
(
むら
)
はかつて
壯丁
(
そうてい
)
の
多數
(
たすう
)
が
出漁中
(
しゆつりようちゆう
)
に
火
(
ひ
)
を
失
(
しつ
)
して
全村
(
ぜんそん
)
灰燼
(
かいじん
)
に
歸
(
き
)
したことがあるさうで、これに
鑑
(
かんが
)
みて
其後
(
そのご
)
女子
(
じよし
)
の
消防隊
(
しようぼうたい
)
をも
編成
(
へんせい
)
し
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
安井
(
やすゐ
)
は
其後
(
そのご
)
一
枚
(
まい
)
の
端書
(
はがき
)
さへ
寄
(
よ
)
こさなかつたのである。
宗助
(
そうすけ
)
は
安井
(
やすゐ
)
の
郷里
(
きやうり
)
の
福井
(
ふくゐ
)
へ
向
(
む
)
けて
手紙
(
てがみ
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
た。けれども
返事
(
へんじ
)
は
遂
(
つひ
)
に
來
(
こ
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
聞
(
きか
)
れよし/\
猶
(
なほ
)
追
(
おつ
)
て呼出すこと
有
(
ある
)
べしと申
渡
(
わた
)
され了源寺の
所化
(
しよけ
)
は下られけり
其後
(
そのご
)
評定所へ嘉川一件の者ども
殘
(
のこ
)
らず
呼出
(
よびいだ
)
さる其の人々
左
(
さ
)
の
通
(
とほ
)
り
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其日
(
そのひ
)
はそれで
別
(
わか
)
れ、
其後
(
そのご
)
は
互
(
たがひ
)
に
誘
(
さそ
)
ひ
合
(
あ
)
つて
釣
(
つり
)
に
出掛
(
でかけ
)
て
居
(
ゐ
)
たが、ボズさんの
家
(
うち
)
は一
室
(
ま
)
しかない
古
(
ふる
)
い
茅屋
(
わらや
)
で
其處
(
そこ
)
へ
獨
(
ひとり
)
でわびしげに
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
たのである。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして
其後
(
そのご
)
、
現在
(
げんざい
)
に
至
(
いた
)
るまで、
此
(
こ
)
の
本統
(
ほんたう
)
のコスモポリニズムは
私
(
わたし
)
の
心中
(
しんちう
)
に
層
(
そう
)
一
層
(
そう
)
の
徹底
(
てつてい
)
を
爲
(
な
)
し
來
(
きた
)
つてゐるのである。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
日米国交
断絶
(
だんぜつ
)
の直ぐ後、南シナ海から、台湾海峡の方へ出動し、米国アジア艦隊と一戦
交
(
まじ
)
えたまでは判っていたが、
其後
(
そのご
)
はどこに何をしているのやら
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
其後
(
そのご
)
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
へばとて
答
(
こた
)
へる
物
(
もの
)
は
松
(
まつ
)
の
風
(
かぜ
)
で、
何
(
ど
)
うも
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
からうでは
御座
(
ござ
)
んせぬか、さて
夫
(
それ
)
からが
本文
(
ほんもん
)
で
御座
(
ござ
)
んすとて
笑
(
わら
)
ふに、
福
(
ふく
)
が
能
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
なこしらへ
言
(
ごと
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
先刻
(
さっき
)
取次に出た女は
其後
(
そのご
)
漸く下女と感付いたが、此時障子の蔭からヒョコリお亀のような
笑顔
(
えがお
)
を出して
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
其後
(
そのご
)
の
便船
(
びんせん
)
で
通知
(
つうち
)
が
參
(
まい
)
りましたので、
其
(
その
)
方
(
ほう
)
は
漸
(
やうや
)
く
胸
(
むね
)
撫
(
な
)
でおろし、
日本
(
につぽん
)
へ
皈
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
も
其儘
(
そのまゝ
)
思
(
おも
)
ひ
止
(
とゞま
)
つたのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
田崎は例の如く肩を
怒
(
いか
)
らして力味返った。此の人は
其後
(
そのご
)
陸軍士官となり日清戦争の時、
血気
(
けっき
)
の戦死を
遂
(
と
)
げた位であったから、
殺戮
(
さつりく
)
には
天性
(
てんせい
)
の興味を持って居たのであろう。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
廣介は、源三郎としての彼女との初対面の光景を、
其後
(
そのご
)
長い間忘れることが出来ませんでした。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼
(
かれ
)
は
其後
(
そのご
)
病院
(
びやうゐん
)
に二
度
(
ど
)
イワン、デミトリチを
尋
(
たづ
)
ねたので
有
(
あ
)
るがイワン、デミトリチは二
度
(
ど
)
ながら
非常
(
ひじやう
)
に
興奮
(
こうふん
)
して、
激昂
(
げきかう
)
してゐた
樣子
(
やうす
)
で、
饒舌
(
しやべ
)
る
事
(
こと
)
はもう
飽
(
あ
)
きたと
云
(
い
)
つて
彼
(
かれ
)
を
拒絶
(
きよぜつ
)
する。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
目前の敵を
一人
(
ひとり
)
殪
(
たお
)
したので、市郎は少しく勇気を回復した。敵もこれに幾分の
恐怖
(
おそれ
)
を
作
(
な
)
したか、
其後
(
そのご
)
は石を降らさなくなった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
派出好
(
はでずき
)
な
弟
(
おとうと
)
が、
其後
(
そのご
)
何
(
ど
)
んな
徑路
(
けいろ
)
を
取
(
と
)
つて、
何
(
ど
)
う
發展
(
はつてん
)
したかを、
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
い
運命
(
うんめい
)
の
意思
(
いし
)
を
窺
(
うかゞ
)
ふ
一端
(
いつたん
)
として、
主人
(
しゆじん
)
に
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
た。
主人
(
しゆじん
)
は
卒然
(
そつぜん
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かうして
最初
(
さいしよ
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
に
蹈
(
ふ
)
み
耐
(
こら
)
へる
家屋
(
かおく
)
が、
其後
(
そのご
)
、
三分
(
さんぶん
)
の
一
(
いち
)
以下
(
いか
)
の
地震力
(
ぢしんりよく
)
によつて
押
(
お
)
し
切
(
き
)
られることはないはずである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
其方儀
(
そのはうぎ
)
權現堂小篠堤に於て幸手宿穀屋平兵衞を
殺害
(
せつがい
)
し
金子
(
きんす
)
百兩奪ひ
取
(
とり
)
其後
(
そのご
)
中仙道鷲の宮にて
鴻
(
こう
)
の
巣
(
す
)
宿
(
じゆく
)
鎌倉屋金兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたし
)
は
憎
(
に
)
くかろうと
此子
(
このこ
)
に
免
(
めん
)
じて
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
され、
謝
(
あやま
)
りますとて
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
いて
泣
(
な
)
けども、イヤ
何
(
ど
)
うしても
置
(
お
)
かれぬとて
其後
(
そのご
)
は
物
(
もの
)
言
(
い
)
はず
壁
(
かべ
)
に
向
(
むか
)
ひてお
初
(
はつ
)
が
言葉
(
ことば
)
は
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
らぬ
體
(
てい
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其後
(
そのご
)
母の希望を
容
(
い
)
れて、
妻
(
さい
)
を迎え、子を生ませると、間もなく母も父の跡を追って
彼世
(
あのよ
)
へ
逝
(
い
)
った。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
あの事件を最後の幕として、科学者虐殺事件は
其後
(
そのご
)
まったく起らなくなった。椋島技師の犯行は、
愈々
(
いよいよ
)
明白となって死刑の判決が下り、その
刑日
(
けいび
)
もいよいよ数日のちに近付いた。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あゝ、
大佐
(
たいさ
)
は
其後
(
そのご
)
何處
(
いづこ
)
に
如何
(
どう
)
して
居
(
を
)
るだらうと
考
(
かんが
)
へるとまた
種々
(
さま/″\
)
の
想像
(
さうざう
)
も
沸
(
わ
)
いて
來
(
く
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
聞くところによると、
其後
(
そのご
)
Tはふっつり遊ばなくなった相だ。そして、この喜劇にも等しいお芝居が、案外好結果を納めて、彼等の仲は、引続き非常に
睦
(
むつ
)
まじく行っているという噂だ。
一人二役
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
偶然畦道で出会つて、偶然林の中で冒険に成功した最初の思出が、永く心の底に残されてゐて、それがために
其後
(
そのご
)
いろ/\迷惑な事情が起つたにも係らず、わたしはなかなか思切れなかつたのです。
畦道
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
其後
(
そのご
)
院長
(
ゐんちやう
)
アンドレイ、エヒミチは
自分
(
じぶん
)
の
周圍
(
まはり
)
の
者
(
もの
)
の
樣子
(
やうす
)
の、ガラリと
變
(
かは
)
つた
事
(
こと
)
を
漸
(
やうや
)
く
認
(
みと
)
めた。
小使
(
こづかひ
)
、
看護婦
(
かんごふ
)
、
患者等
(
くわんじやら
)
は、
彼
(
かれ
)
に
往遇
(
ゆきあ
)
ふ
度
(
たび
)
に、
何
(
なに
)
をか
問
(
と
)
ふものゝ
如
(
ごと
)
き
眼付
(
めつき
)
で
見
(
み
)
る、
行
(
ゆ
)
き
過
(
す
)
ぎてからは
私語
(
さゝや
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
神經
(
しんけい
)
の
起
(
おこ
)
つた
時
(
とき
)
、わざ/\そんな
馬鹿
(
ばか
)
な
所
(
ところ
)
へ
出掛
(
でかけ
)
るからさ。
錢
(
ぜに
)
を
出
(
だ
)
して
下
(
くだ
)
らない
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
はれて
詰
(
つま
)
らないぢやないか。
其後
(
そのご
)
もその
占
(
うらなひ
)
の
宅
(
うち
)
へ
行
(
ゆ
)
くのかい
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
併
(
しか
)
し人間に対して害は加へぬと分つたので、一同も
先
(
ま
)
づ安心。
其後
(
そのご
)
は芝居から帰ると、毎夜
彼
(
か
)
の鼬を
対手
(
あいて
)
にして遊ぶ。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
此身
(
このみ
)
は
雲井
(
くもゐ
)
の
鳥
(
とり
)
の
羽
(
は
)
がひ
自由
(
じゆう
)
なる
書生
(
しよせい
)
の
境界
(
けうがい
)
に
今
(
いま
)
しばしは
遊
(
あそ
)
ばるゝ
心
(
こゝろ
)
なりしを、
先
(
さ
)
きの
日
(
ひ
)
故郷
(
ふるさと
)
よりの
便
(
たよ
)
りに
曰
(
いは
)
く、
大旦那
(
おほだんな
)
さまこと
其後
(
そのご
)
の
容躰
(
ようだい
)
さしたる
事
(
こと
)
は
御座
(
ござ
)
なく候へ
共
(
ども
)
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
“其後”で始まる語句
其後任
其後者