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自身
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じしん
ふりがな文庫
“
自身
(
じしん
)” の例文
通常
(
つうじょう
)
の
人間
(
にんげん
)
は、いいことも、
悪
(
わる
)
いことも
皆
(
みな
)
身外
(
しんがい
)
から
求
(
もと
)
めます。
即
(
すなわ
)
ち
馬車
(
ばしゃ
)
だとか、
書斎
(
しょさい
)
だとかと、しかし
思想家
(
しそうか
)
は
自身
(
じしん
)
に
求
(
もと
)
めるのです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私
(
わたくし
)
が
自身
(
じしん
)
で
持参
(
じさん
)
したのはただ
母
(
はは
)
の
形見
(
かたみ
)
の
守刀
(
まもりがたな
)
だけで、いざ
出発
(
しゅっぱつ
)
と
決
(
きま
)
った
瞬間
(
しゅんかん
)
に、
今
(
いま
)
まで
住
(
す
)
んで
居
(
い
)
た
小屋
(
こや
)
も、
器具類
(
きぐるい
)
もすうっと
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
斯樣
(
かやう
)
に、
墮落
(
だらく
)
の
方面
(
はうめん
)
をとくに
誇張
(
こちやう
)
した
冒險者
(
アドヹンチユアラー
)
を
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
で
拵
(
こしら
)
え
上
(
あげ
)
た
宗助
(
そうすけ
)
は、
其
(
その
)
責任
(
せきにん
)
を
自身
(
じしん
)
一人
(
ひとり
)
で
全
(
まつた
)
く
負
(
お
)
はなければならない
樣
(
やう
)
な
氣
(
き
)
がした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
更
(
さら
)
に
博物館
(
はくぶつかん
)
では
外
(
そと
)
より
來
(
き
)
た
見物人
(
けんぶつにん
)
や
學者達
(
がくしやたち
)
に
研究
(
けんきゆう
)
させるばかりでなく、
博物館
(
はくぶつかん
)
にゐる
人
(
ひと
)
自身
(
じしん
)
がその
陳列品
(
ちんれつひん
)
を
利用
(
りよう
)
して
研究
(
けんきゆう
)
を
重
(
かさ
)
ね
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
アッカ
自身
(
じしん
)
でさえも、つい、うとうとしかけました。と、そのとたんに、なにかまるい黒いものが、波がしらに
浮
(
う
)
かびでました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
▼ もっと見る
旋頭歌
(
せどうか
)
といふものに
發達
(
はつたつ
)
して
行
(
ゆ
)
くと
同時
(
どうじ
)
に、
片歌
(
かたうた
)
自身
(
じしん
)
が、
短歌
(
たんか
)
を
作
(
つく
)
り
上
(
あ
)
げるように、
次第
(
しだい
)
に、
音
(
おん
)
の
數
(
かず
)
を
増
(
ま
)
し、
内容
(
ないよう
)
が
複雜
(
ふくざつ
)
になつてゐました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
それがために、
私
(
わたし
)
たちは、
自身
(
じしん
)
の
体
(
からだ
)
が
火
(
ひ
)
に
焦
(
こ
)
げても、また
死
(
し
)
んでもいといはいたしません。
明
(
あか
)
るいということは、
死
(
し
)
よりも
恐
(
おそ
)
ろしいのです。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
書画
(
しょが
)
骨董
(
こっとう
)
を
買
(
か
)
うことが
熱心
(
ねっしん
)
で、
滝田
(
たきた
)
さん
自身
(
じしん
)
話
(
はな
)
されたことですが、
何
(
なに
)
も
買
(
か
)
う
気
(
き
)
がなくて
日本橋
(
にほんばし
)
の
中通
(
なかどお
)
りをぶらついていた
時
(
とき
)
夏目先生と滝田さん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
つぎに
透明人間
(
とうめいにんげん
)
が話しだしたのは、いよいよかれ
自身
(
じしん
)
の
体
(
からだ
)
が、どのようにして透明にかわっていったか、ということだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
廢
(
はい
)
する以上は藤三郎を
家督
(
かとく
)
になすべきは
順當
(
じゆんたう
)
なるを
世評
(
せひやう
)
の樣子にては
何
(
ど
)
うやら主税之助が甚だ
欲情
(
よくじやう
)
に
關
(
かゝ
)
り
自身
(
じしん
)
實子の佐五郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
けれどもそれは
全
(
まった
)
く、作者に
未知
(
みち
)
な
絶
(
た
)
えざる
驚異
(
きょうい
)
に
値
(
あたい
)
する世界
自身
(
じしん
)
の
発展
(
はってん
)
であって、けっして
畸形
(
きけい
)
に
捏
(
こ
)
ねあげられた
煤色
(
すすいろ
)
のユートピアではない。
『注文の多い料理店』新刊案内
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
此
(
これ
)
がために
昨夜
(
ゆうべ
)
も
家
(
いへ
)
を
開
(
あ
)
けて、
今
(
いま
)
しがた
喃々
(
なん/\
)
として
別
(
わか
)
れて
來
(
き
)
た、
若旦那
(
わかだんな
)
自身
(
じしん
)
の
新情婦
(
しんいろ
)
の
美女
(
びぢよ
)
で、
婦人
(
ふじん
)
と
其處
(
そこ
)
に
兩々
(
りやう/\
)
紅白
(
こうはく
)
を
咲分
(
さきわ
)
けて
居
(
ゐ
)
たのである。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
しか
)
し
勘次
(
かんじ
)
自身
(
じしん
)
には
如何
(
どん
)
な
種類
(
しゆるゐ
)
の
物
(
もの
)
でも
現在
(
げんざい
)
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
與
(
あた
)
へ
得
(
う
)
る
滿足
(
まんぞく
)
の
程度
(
ていど
)
は、
失
(
うしな
)
うたお
品
(
しな
)
を
追憶
(
つゐおく
)
することから
享
(
う
)
ける
哀愁
(
あいしう
)
の十
分
(
ぶん
)
の一にも
及
(
およ
)
ばない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
科学を
呪
(
のろ
)
うこと
迚
(
とて
)
もはなはだしく、科学的殺人の便宜を指摘する
夫子
(
ふうし
)
自身
(
じしん
)
はいつか
屹度
(
きっと
)
この「
便宜
(
コンビニエンス
)
」の材料に使われて
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ガバとはね起きた
石見守
(
いわみのかみ
)
、
大久保長安
(
おおくぼながやす
)
は、
悪夢
(
あくむ
)
におびやかされたように、
枕刀
(
まくらがたな
)
を引ッつかむなり、
桜雲台本殿
(
おううんだいほんでん
)
の
自身
(
じしん
)
の
寝所
(
しんじょ
)
から
廊下
(
ろうか
)
へとびだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ハワイ
土人
(
どじん
)
はこれをパホエホエ
式
(
しき
)
と
呼
(
よ
)
んゐでゐる。こーくす
状
(
じよう
)
の
鎔岩
(
ようがん
)
は
中央火口丘
(
ちゆうおうかこうきゆう
)
から
噴出
(
ふんしゆつ
)
せられて、それ
自身
(
じしん
)
の
形體
(
けいたい
)
を
積
(
つ
)
み
上
(
あ
)
げて
行
(
ゆ
)
くことが
多
(
おほ
)
い。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
カピ妻 あれ、
父御
(
ちゝご
)
がわせた。
自身
(
じしん
)
で
然
(
さ
)
う
言
(
い
)
うて、
父御
(
ちゝご
)
がそれを
其方
(
そなた
)
から
聞
(
き
)
いて、
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
はしゃるかを
見
(
み
)
たがよい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
サルオガセがぶら下ったり、
山葡萄
(
やまぶどう
)
が
絡
(
から
)
んだり、
其
(
それ
)
自身
(
じしん
)
針葉樹林の
小模型
(
しょうもけい
)
とも見らるゝ、
緑
(
りょく
)
、
褐
(
かつ
)
、
紫
(
し
)
、
黄
(
おう
)
、さま/″\の
蘚苔
(
こけ
)
をふわりと
纏
(
まと
)
うて居るのもある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
『
其處
(
そこ
)
に
骨
(
ほね
)
の
人
(
ひと
)
行
(
ゆ
)
く』といふ
文句
(
もんく
)
それ
自身
(
じしん
)
がふら/\と
新宿
(
しんじゆく
)
の
停車場
(
ていしやぢやう
)
に
着
(
つ
)
いたのは六月二十日の
午前
(
ごぜん
)
何時であつたか
忘
(
わす
)
れた。
兔
(
と
)
も
角
(
かく
)
、
一汽車
(
ひときしや
)
乘
(
の
)
り
遲
(
おく
)
れたのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
我等をして之に
信
(
しん
)
を
置
(
お
)
かしむる勿れ、実行上の一致のみが
頼
(
たの
)
むに足るの一致なり、
自身
(
じしん
)
の
主義
(
しゆぎ
)
を
実行
(
じつかう
)
し得ざる人は
人情
(
にんじやう
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
会得
(
くわいとく
)
し得ざるが故に他を
容
(
い
)
るゝ
雅量
(
がりよう
)
を有せず
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
「わしはほんとうのことを言っているのです。
余計
(
よけい
)
なことを言う前に、
自身
(
じしん
)
で調べてみなさるがいい。」と言って、これもお金を
払
(
はら
)
うとすぐに、宿を出て行ってしまいました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
それに
気
(
き
)
がつけば、もっとはやく
勉強
(
べんきょう
)
にとりかかるのだったのに。これはぼやぼやしておれないぞ。だが、わたしがおぼうさんになれば、わたし
自身
(
じしん
)
はすくわれるかもしれない。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「“Know thyself”(
汝
(
なんぢ
)
自身
(
じしん
)
を
知
(
し
)
れ)とは、まことに千
古
(
こ
)
の
金言
(
きんげん
)
だ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
その
人々
(
ひと/″\
)
それ
自身
(
じしん
)
の
罪
(
つみ
)
であるとはいへ、
所謂
(
いはゆる
)
新時代
(
しんじだい
)
の
最初
(
さいしよ
)
の
犧牲
(
ぎせい
)
だと思ひます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
中根
(
なかね
)
自身
(
じしん
)
も
相變
(
あひかは
)
らず
平
(
ひら
)
ぺつたい
顏
(
かほ
)
ににやにや
笑
(
わら
)
ひを
浮
(
うか
)
べながら
勤務
(
きんむ
)
してゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ハタと
睨
(
にら
)
んで
汝
(
そち
)
までが
同
(
おな
)
じやうに
何
(
なん
)
の
囈語
(
たはごと
)
最早
(
もはや
)
何事
(
なにごと
)
聞
(
き
)
く
耳
(
みゝ
)
もなし
汝
(
そち
)
が
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
さずば
我
(
わ
)
れ
自身
(
じしん
)
にと
止
(
と
)
むる
妻
(
つま
)
を
突
(
つき
)
のけつゝ
病勞
(
やみつか
)
れても
老
(
おい
)
の
一徹
(
いつてつ
)
上
(
あが
)
りがまちに
泣頽
(
なきくづ
)
れしお
高
(
たか
)
が
細腕
(
ほそうで
)
むづと
取
(
と
)
りつ
力
(
ちから
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
安藤は
去
(
さ
)
ってから三日めに、
車
(
くるま
)
を用意して
自身
(
じしん
)
むかえにきた。花前は安藤のいうことをこばまなかった。いよいよ家をでるときには主人にも、ややひととおりのあいさつをして、
厚意
(
こうい
)
を
謝
(
しゃ
)
した。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
何
(
なに
)
を考へてゐたかといふと、
甚
(
はなは
)
だ
漠然
(
バウ
)
としたことで、彼
自身
(
じしん
)
にも
具體的
(
ぐたいてき
)
に
説明
(
せつめい
)
することは
出來
(
でき
)
ない。
難然
(
けれども
)
考へてゐることは
眞面目
(
まじめ
)
だ、
少
(
すこ
)
し
大袈裟
(
おほげさ
)
に
謂
(
い
)
ツたら、彼の
運命
(
うんめい
)
の
消長
(
せうちやう
)
に
關
(
くわん
)
することである。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
浴衣
(
ゆかた
)
の
後影
(
うしろかげ
)
が、
裏口
(
うらぐち
)
へ
出
(
で
)
る
所
(
ところ
)
で
消
(
き
)
へてなくなる
迄
(
まで
)
其處
(
そこ
)
に
立
(
た
)
つてゐた。それから
格子
(
かうし
)
を
開
(
あ
)
けた。
玄關
(
げんくわん
)
へは
安井
(
やすゐ
)
自身
(
じしん
)
が
現
(
あらは
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
通常
(
つうじやう
)
の
人間
(
にんげん
)
は、
可
(
い
)
い
事
(
こと
)
も、
惡
(
わる
)
い
事
(
こと
)
も
皆
(
みな
)
身外
(
しんぐわい
)
から
求
(
もと
)
めます。
即
(
すなは
)
ち
馬車
(
ばしや
)
だとか、
書齋
(
しよさい
)
だとかと、
然
(
しか
)
し
思想家
(
しさうか
)
は
自身
(
じしん
)
に
求
(
もと
)
めるのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ふと
気
(
き
)
がついて、
彼
(
かれ
)
は、
自身
(
じしん
)
の
体
(
からだ
)
を
見
(
み
)
まわしますと、いつのまに、
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
ったものか、みすぼらしい
老人
(
ろうじん
)
になっていました。
銀のつえ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人間の
体
(
からだ
)
の
血液
(
けつえき
)
を
透明
(
とうめい
)
にしてしまえば、体じゅうが透明になるわけだからな。そうなれば、ぼく
自身
(
じしん
)
、透明になることはわけないというわけさ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
私
(
わたくし
)
は
嬉
(
うれ
)
しいやら、
恋
(
こい
)
しいやら、
又
(
また
)
不思議
(
ふしぎ
)
やら、
何
(
なに
)
が
何
(
なに
)
やらよくは
判
(
わか
)
らぬ
複雑
(
ふくざつ
)
な
感情
(
かんじょう
)
でその
時
(
とき
)
初
(
はじ
)
めて
自分
(
じぶん
)
の
魂
(
たましい
)
の
親
(
おや
)
の
前
(
まえ
)
に
自身
(
じしん
)
を
投
(
な
)
げ
出
(
だ
)
したのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「さうよ、
俺
(
お
)
らこつちのおとつゝあと
同年齡
(
おねえどし
)
だつけな」
彼
(
かれ
)
は
自身
(
じしん
)
の
創意
(
さうい
)
ではなくて
何處
(
どこ
)
かで
聞
(
き
)
いた
記憶
(
きおく
)
を
其
(
そ
)
の
儘
(
まゝ
)
反覆
(
はんぷく
)
してさうして
戯談
(
じやうだん
)
を
敢
(
あへ
)
てした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
深く感ぜられ
汝
(
なんぢ
)
惡人ながらも
英雄
(
えいゆう
)
なり能こそ
自身
(
じしん
)
に名乘出しと申されて其日は
入牢
(
じゆらう
)
と相成けり
其後
(
そののち
)
仁左衞門小猿の兩人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
カピ妻
方法
(
てだて
)
は
自身
(
じしん
)
で
工夫
(
くふう
)
しやれ、
使者
(
つかひ
)
は
予
(
わし
)
が
搜
(
さが
)
しませう。それはさうと、めでたい
報道
(
しらせ
)
を
持
(
も
)
って
來
(
き
)
たぞや。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
と
巡査
(
じゆんさ
)
は
一
(
いつ
)
ぷく
點火
(
つけ
)
てマツチを
義母
(
おつかさん
)
に
返
(
かへ
)
すと
義母
(
おつかさん
)
は
生眞面目
(
きまじめ
)
な
顏
(
かほ
)
をして、それを
受
(
うけ
)
取つて
自身
(
じしん
)
も
煙草
(
たばこ
)
を
喫
(
す
)
いはじめた。
別
(
べつ
)
に
海洋
(
かいやう
)
の
絶景
(
ぜつけい
)
を
眺
(
なが
)
めやうともせられない。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
中にまじっていた
卜斎
(
ぼくさい
)
は、そういぶかしく思ったが、それをあやしむ彼
自身
(
じしん
)
が、すでに
妙
(
みょう
)
な
錯覚
(
さっかく
)
にとらわれて、
疑心暗鬼
(
ぎしんあんき
)
を
眼底
(
がんてい
)
にかくしていたことを知らなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、その
聲
(
こゑ
)
も
氣
(
き
)
がついて
見
(
み
)
れば、おれ
自身
(
じしん
)
の
泣
(
な
)
いてゐる
聲
(
こゑ
)
だつたではないか? (
三度
(
みたび
)
、
長
(
なが
)
き
沈默
(
ちんもく
)
)
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
霧
(
きり
)
がかかっているので、だれからも姿を見られずに、どこへでも走っていくことができましたが、ニールス
自身
(
じしん
)
も、霧のためにさきをよく見とおすことができません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
田畑は
勿論
(
もちろん
)
宅地
(
たくち
)
もとくに
抵当
(
ていとう
)
に入り、一家中
日傭
(
ひやとい
)
に出たり、おかみ
自身
(
じしん
)
手織
(
ており
)
の
木綿物
(
もめんもの
)
を負って売りあるいたこともあったが、要するに石山新家の没落は眼の前に見えて来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その
高濱
(
たかはま
)
さんの
御領分
(
ごりようぶん
)
の
俳句
(
はいく
)
と
同樣
(
どうよう
)
に、
短歌
(
たんか
)
といふものは、ほんとうに、
日本國民
(
につぽんこくみん
)
自身
(
じしん
)
が
生
(
う
)
み
出
(
だ
)
したもので、とりわけ、きはめて
古
(
ふる
)
い
時代
(
じだい
)
に、
出來上
(
できあが
)
つてゐたものであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
誰
(
だれ
)
かが、
或
(
ある
)
いは諒安
自身
(
じしん
)
が、耳の近くで何べんも
斯
(
こ
)
う
叫
(
さけ
)
んでいました。
マグノリアの木
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
所
(
ところ
)
が、
何
(
なん
)
でも
久米正雄夫人
(
くめまさをふじん
)
自身
(
じしん
)
の
懷姙中
(
くわいにんちう
)
の
運勢
(
うんせい
)
の
素晴
(
すばら
)
しかつたことは
今
(
いま
)
でも
鎌倉猛者連
(
かまくらもされん
)
の
語
(
かた
)
り
草
(
ぐさ
)
になつてゐるくらゐださうだが、
懷
(
ふところ
)
に
入
(
はい
)
つてふとるといふ
八卦
(
はつけ
)
でもあらうか?
少少
(
せうせう
)
うがち
過
(
す
)
ぎてゐて
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
けれども
彼
(
かれ
)
は
自身
(
じしん
)
に
家主
(
やぬし
)
の
宅
(
たく
)
へ
出向
(
でむ
)
いてそれを
聞
(
き
)
き
糺
(
たゞ
)
す
勇氣
(
ゆうき
)
を
有
(
も
)
たなかつた。
間接
(
かんせつ
)
にそれを
御米
(
およね
)
に
問
(
と
)
ふことは
猶
(
なほ
)
出來
(
でき
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、あなたご
自身
(
じしん
)
の
顔
(
かお
)
は、どんなであるか、ちょっと
水
(
みず
)
の
面
(
おもて
)
へ
映
(
うつ
)
してごらんなされば、すべてわかることと
思
(
おも
)
います。
はちとばらの花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こんなものがお
宮
(
みや
)
に
祀
(
まつ
)
られるというのはたしかに
分
(
ぶん
)
に
過
(
す
)
ぎたことで、
私
(
わたくし
)
自身
(
じしん
)
もそれはよく
承知
(
しょうち
)
しているのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
達
(
たつ
)
すれば
殺生禁斷
(
せつしやうきんだん
)
の
場所
(
ばしよ
)
へ
網
(
あみ
)
を
卸
(
おろ
)
せしと見ながら
其儘
(
そのまゝ
)
に
差置難
(
さしおきがた
)
し此度は
自身
(
じしん
)
參
(
まゐる
)
べしとて
與力
(
よりき
)
二人を
召連
(
めしつ
)
れ阿漕が浦に
到
(
いた
)
れば其夜も徳太郎君
例
(
れい
)
の如く
網
(
あみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
貴方
(
あなた
)
は
思想家
(
しそうか
)
で
考深
(
かんがえぶか
)
い
方
(
かた
)
です。
貴方
(
あなた
)
のような
人
(
ひと
)
はどんな
場所
(
ばしょ
)
にいても、
自身
(
じしん
)
において
安心
(
あんしん
)
を
求
(
もと
)
めることが
出来
(
でき
)
ます。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ヂュリ おゝ、ロミオ、ロミオ!
何故
(
なぜ
)
卿
(
おまへ
)
はロミオぢゃ!
父御
(
てゝご
)
をも、
自身
(
じしん
)
の
名
(
な
)
をも
棄
(
す
)
てゝしまや。それが
否
(
いや
)
ならば、せめても
予
(
わし
)
の
戀人
(
こひゞと
)
ぢゃと
誓言
(
せいごん
)
して
下
(
くだ
)
され。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“自身”で始まる語句
自身番
自身番屋