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惜
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を
ふりがな文庫
“
惜
(
を
)” の例文
何? 親分はもう歸んなすつた、——それは
惜
(
を
)
しい事をした、大變な證據が手に入つたんだ。泥坊仲間で
牒
(
しめ
)
し合せた手紙を、千兩箱を
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
有爲轉變
(
うゐてんぺん
)
の世の中に、只〻最後の
潔
(
いさぎよ
)
きこそ肝要なるに、天に
背
(
そむ
)
き人に離れ、いづれ
遁
(
のが
)
れぬ
終
(
をはり
)
をば、
何處
(
いづこ
)
まで
惜
(
を
)
しまるゝ一門の人々ぞ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「さうなんでさ、うまいもんだからわしも
到頭
(
たうとう
)
米
(
こめ
)
一
俵
(
ぺう
)
損
(
そん
)
させられちやつて」
勘次
(
かんじ
)
はそれをいふ
度
(
たび
)
に
惜
(
を
)
し
相
(
さう
)
な
容子
(
ようす
)
が
見
(
み
)
えるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それだのに
同
(
おな
)
じ
雪
(
ゆき
)
を
戴
(
いたゞ
)
いたこゝの
庇
(
ひさし
)
は、
彼女
(
かのぢよ
)
にその
冷
(
ひ
)
え
切
(
き
)
つた
心
(
こゝろ
)
を
温
(
あたゝ
)
められて、
今
(
いま
)
は
惜
(
を
)
しげもなく
愛
(
あい
)
の
雫
(
しづく
)
を
滴
(
したゝ
)
らしてゐるのだ。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
お
糸
(
いと
)
がどうせ
行
(
ゆ
)
かねばならぬものなら、もう
少
(
すこ
)
し悲しく自分の
為
(
た
)
めに
別
(
わかれ
)
を
惜
(
を
)
しむやうな
調子
(
てうし
)
を見せて
貰
(
もら
)
ひたいと思つたからだ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
モンタギュー、
其方
(
そち
)
は、
此
(
この
)
午後
(
ひるご
)
に、
尚
(
な
)
ほ
申
(
まう
)
し
聞
(
き
)
かすこともあれば、
裁判所
(
さいばんしょ
)
フリータウンへ
參向
(
さんかう
)
せい。
更
(
あらた
)
めて
申
(
まう
)
すぞ、
命
(
いのち
)
が
惜
(
を
)
しくば、
皆
(
みな
)
立退
(
たちさ
)
れ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
診察
(
しんさつ
)
せし
窒扶斯患者
(
ちぶすくわんじや
)
に
感染
(
かんぜん
)
して、
惜
(
を
)
しや
三十路
(
みそぢ
)
にたらぬ
若
(
わか
)
ざかりを
北海道
(
ほくかいだう
)
の
土
(
つち
)
に
成
(
な
)
しぬ、
風
(
かぜ
)
の
便
(
たよ
)
りにこれを
聞
(
き
)
きしお
園
(
その
)
の
心
(
こヽろ
)
。
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
中將は南洲の
元
(
げん
)
を
視
(
み
)
て曰ふ、
惜
(
を
)
しいかな、天下の一勇將を失へりと、
流涕
(
りうてい
)
すること之を久しうせり。
噫
(
あゝ
)
公私情盡せり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
婦人
(
をんな
)
は
早
(
は
)
や
衣服
(
きもの
)
を
引
(
ひツ
)
かけて
椽側
(
えんがは
)
へ
入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
て、
突然
(
いきなり
)
帯
(
おび
)
を
取
(
と
)
らうとすると、
白痴
(
ばか
)
は
惜
(
を
)
しさうに
押
(
おさ
)
へて
放
(
はな
)
さず、
手
(
て
)
を
上
(
あ
)
げて。
婦人
(
をんな
)
の
胸
(
むね
)
を
圧
(
おさ
)
へやうとした。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小六
(
ころく
)
は
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
都合
(
つがふ
)
次第
(
しだい
)
下宿
(
げしゆく
)
を
引
(
ひ
)
き
拂
(
はら
)
つて
兄
(
あに
)
の
家
(
いへ
)
へ
移
(
うつ
)
る
事
(
こと
)
に
相談
(
さうだん
)
が
調
(
とゝの
)
つた。
御米
(
およね
)
は六
疊
(
でふ
)
に
置
(
お
)
き
付
(
つ
)
けた
桑
(
くは
)
の
鏡臺
(
きやうだい
)
を
眺
(
なが
)
めて、
一寸
(
ちよつと
)
殘
(
のこ
)
り
惜
(
を
)
しい
顏
(
かほ
)
をしたが
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あなたは
情死
(
しんぢゆう
)
なすつたと
云
(
い
)
ふことで、あゝ飛んだことをした、いゝ
華魁
(
おいらん
)
であつたが
惜
(
を
)
しいことをしてしまつた
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それで
朝日
(
あさひ
)
はびつくらして
東
(
ひがし
)
の
山
(
やま
)
から
出
(
で
)
ましたので、お
月様
(
つきさま
)
はなごり
惜
(
を
)
しいけれどそれきり
夜
(
よる
)
に
別
(
わか
)
れました。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
あるひは
腐
(
くさ
)
つてゐないものは
拾
(
ひろ
)
つて
他
(
ほか
)
の
器物
(
きぶつ
)
に
造
(
つく
)
り
直
(
なほ
)
したりするといふことがある
上
(
うへ
)
に、
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
がはじめから
石器
(
せつき
)
のように
惜
(
を
)
し
氣
(
げ
)
もなく
捨
(
す
)
てることをしなかつたのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
防人
(
さきもり
)
に
立
(
た
)
ちし
朝
(
あさ
)
けの
金門出
(
かなとで
)
に
手放
(
たばな
)
れ
惜
(
を
)
しみ
泣
(
な
)
きし
児
(
こ
)
らはも 〔巻十四・三五六九〕 東歌・防人
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
折角の赤筋入りたるズボンをあたらだいなしにして
呆然
(
ばうぜん
)
としたまひし此方には、
件
(
くだん
)
の
清人
(
しんじん
)
惜
(
を
)
しき事しつと云ひ顔に
遽
(
あわ
)
てゝ床の
上
(
うへ
)
なるものを
匙
(
さじ
)
もてすくひて皿に
復
(
かへ
)
されたるなど
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
月
(
つき
)
の
輝
(
かゞや
)
いてゐる
空
(
そら
)
に
響
(
ひゞ
)
くお
城
(
しろ
)
の
太鼓
(
たいこ
)
。それは、もう
門限
(
もんげん
)
だといふ
知
(
し
)
らせなのです。だがまう
暫
(
しばら
)
く、
打
(
う
)
つのを
待
(
ま
)
つてくれと
感
(
かん
)
じるのは、
現在
(
げんざい
)
の
心持
(
こゝろも
)
ちのなくなるのを
惜
(
を
)
しむ
心
(
こゝろ
)
なのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
あの
狂氣
(
きちがひ
)
のやうに
立騷
(
たちさわ
)
いで
居
(
を
)
る
多人數
(
たにんずう
)
の
間
(
あひだ
)
を
分
(
わ
)
けて、
此
(
この
)
柔弱
(
かよわ
)
き
夫人
(
ふじん
)
と
少年
(
せうねん
)
とを
安全
(
あんぜん
)
に
端艇
(
たんてい
)
に
送込
(
おくりこ
)
む
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
やう? あゝ
人間
(
にんげん
)
はいざと
云
(
い
)
ふ
塲合
(
ばあひ
)
には、
恥辱
(
はぢ
)
も
名譽
(
めいよ
)
もなく、
斯
(
か
)
く
迄
(
まで
)
生命
(
いのち
)
の
惜
(
を
)
しい
者
(
もの
)
かと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
奥山
(
おくやま
)
の
菅
(
すが
)
の
葉
(
は
)
凌
(
し
)
ぬぎふる
雪
(
ゆき
)
の
消
(
け
)
なば
惜
(
を
)
しけむ
雨
(
あめ
)
なふりそね
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
なつかしくして、
何時
(
いつ
)
までも
棄
(
す
)
つるに
惜
(
を
)
しきこの思ひ
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そがためによく、「
若
(
わか
)
き
世
(
よ
)
」めぐし、「
命
(
いのち
)
」
惜
(
を
)
しとも。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
惜
(
を
)
しからじ、願ふは
極秘
(
ごくひ
)
、かの
奇
(
く
)
しき
紅
(
くれなゐ
)
の夢
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
『
酒
(
さけ
)
を
買
(
か
)
へば
可
(
よ
)
かつた。
惜
(
を
)
しいことを
爲
(
し
)
た』
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
とお
名殘
(
なごり
)
を
惜
(
を
)
しむやうに
鳴
(
な
)
きました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
喃
(
のう
)
、瀧口殿、
最早
(
もは
)
や世に浮ぶ瀬もなき此身、今更
惜
(
を
)
しむべき譽もなければ、誰れに恥づべき名もあらず、重景が一
期
(
ご
)
の
懺悔
(
ざんげ
)
聞き給へ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
平次はさう言つて、一と握りの
黒石
(
くろ
)
を、ガチヤリと
盤
(
ばん
)
の上へ叩き付けました。御用聞には
惜
(
を
)
しい人柄、碁さへ打たなきア、全く大した男前です。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
與吉
(
よきち
)
にさへ
白
(
しろ
)
い
藥
(
くすり
)
を
惜
(
を
)
しんで
醫者
(
いしや
)
から
貰
(
もら
)
つた
儘
(
まゝ
)
藏
(
しま
)
つて
置
(
お
)
いたのであつた。
卯平
(
うへい
)
は
凝然
(
ぢつ
)
として
勘次
(
かんじ
)
の
爲
(
す
)
る
儘
(
まゝ
)
に
任
(
まか
)
せた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それはそれは
感心
(
かんしん
)
と
言
(
い
)
はふか
恐
(
おそ
)
ろしいほどで、
特別認可
(
とくべつにんか
)
の
卒業
(
そつげう
)
と
言
(
い
)
ふ
間際
(
まぎは
)
まで
疵
(
きず
)
なしに
行
(
い
)
つてのけたを、
惜
(
を
)
しい
事
(
こと
)
にお
前
(
まへ
)
、
腦病
(
のうびやう
)
に
成
(
な
)
つたでは
無
(
な
)
からうか
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
殊
(
こと
)
に
今朝
(
けさ
)
も
東雲
(
しのゝめ
)
に
袂
(
たもと
)
を
振切
(
ふりき
)
つて
別
(
わか
)
れやうとすると、お
名残
(
なごり
)
惜
(
を
)
しや、かやうな
処
(
ところ
)
に
恁
(
か
)
うやつて
老朽
(
おひく
)
ちる
身
(
み
)
の、
再
(
ふたゝ
)
びお
目
(
め
)
にはかゝられまい、いさゝ
小川
(
をがは
)
の
水
(
みづ
)
となりとも
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
誠に
結構
(
けつこう
)
なお
品
(
しな
)
でございますと、
誉
(
ほ
)
めながら
瑾
(
きず
)
を
附
(
つ
)
けるんだ、
惜
(
を
)
しい事には
揚物
(
あげもの
)
でございますつて。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あかねさす
日
(
ひ
)
は
照
(
て
)
らせれどぬばたまの
夜
(
よ
)
渡
(
わた
)
る
月
(
つき
)
の
隠
(
かく
)
らく
惜
(
を
)
しも 〔巻二・一六九〕 柿本人麿
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
同時
(
どうじ
)
に、さう
云
(
い
)
ふ
譯
(
わけ
)
なら、
自分
(
じぶん
)
が
直
(
ぢか
)
に
宗助
(
そうすけ
)
から
相當
(
さうたう
)
の
値
(
ね
)
で
讓
(
ゆづ
)
つて
貰
(
もら
)
へば
可
(
よ
)
かつたに、
惜
(
を
)
しい
事
(
こと
)
をしたと
云
(
い
)
つた。
最後
(
さいご
)
に
横町
(
よこちやう
)
の
道具屋
(
だうぐや
)
をひどく
罵
(
のゝ
)
しつて、
怪
(
け
)
しからん
奴
(
やつ
)
だと
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
どこも
皆
(
みな
)
なごり
惜
(
を
)
しいが、
今
(
いま
)
とほつてゐる
播州
(
ばんしゆう
)
の
海岸
(
かいがん
)
の
印南野
(
いなびぬ
)
も、とほりすぎきれないほどになつかしく
思
(
おも
)
つてゐると、ちょうど
向
(
むか
)
うの
方
(
ほう
)
に、なんだか、
近
(
ちか
)
よつて
行
(
ゆ
)
きたい
心
(
こゝろ
)
を
起
(
おこ
)
させる
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
往
(
い
)
んで
欲
(
ほ
)
しいとは
思
(
おも
)
へども、
小鳥
(
ことり
)
の
脚
(
あし
)
に、
氣儘少女
(
きまゝむすめ
)
が、
囚人
(
めしうど
)
の
鎖
(
くさり
)
のやうに
絲
(
いと
)
を
附
(
つ
)
けて、ちょと
放
(
はな
)
しては
引戻
(
ひきもど
)
し、
又
(
また
)
飛
(
と
)
ばしては
引戻
(
ひきもど
)
すがやうに、お
前
(
まへ
)
を
往
(
い
)
なしたうもあるが、
惜
(
を
)
しうもある。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そがためによく、「若き世」めぐし、「命」
惜
(
を
)
しとも。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
さあ、
斯
(
か
)
うなると
惜
(
を
)
しい
事
(
こと
)
をした。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
春
惜
(
を
)
しむ風の
一日
(
ひとひ
)
や船の
上
(
うへ
)
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
惜
(
を
)
しき涙をそゝぐらむ
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
棄
(
す
)
てるは
惜
(
を
)
しい。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
此あたりは山近く林
密
(
みつ
)
にして、
立田
(
たつた
)
の姫が織り成せる木々の錦、二月の花よりも
紅
(
くれなゐ
)
にして、匂あらましかばと
惜
(
を
)
しまるゝ美しさ、得も言はれず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
塀
(
へい
)
から石垣へ、その
外
(
そと
)
の
産土神
(
うぶすながみ
)
の小さい森へ、
肥料溜
(
ひれうだめ
)
から空井戸へ、物置から裏の流れへと、暮れて行く陽の光を
惜
(
を
)
しむやうに、大急ぎで見廻りました。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そんだが、
今夜
(
こんや
)
はしみ/″\
泣
(
な
)
いたんぢやねえけ、あんでもお
品
(
しな
)
さんこた
何程
(
なんぼ
)
惜
(
を
)
しいか
知
(
し
)
んねえのがだかんな」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
若
(
も
)
し
叶
(
かな
)
ひたりとも
开
(
そ
)
は
邪道
(
じやだう
)
にて
正當
(
せいたう
)
の
人
(
ひと
)
の
目
(
め
)
よりはいかに
汚
(
けが
)
らはしく
淺
(
あさ
)
ましき
身
(
み
)
とおとされぬべき、
我
(
わ
)
れはさても、
殿
(
との
)
をば
浮世
(
うきよ
)
に
譏
(
そし
)
らせ
參
(
まゐ
)
らせん
事
(
こと
)
くち
惜
(
を
)
し
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
へえ
頂戴
(
ちやうだい
)
を……
何
(
ど
)
うも
流石
(
さすが
)
は
御商売柄
(
ごしやうばいがら
)
だけあつて
御主人
(
ごしゆじん
)
は
愛嬌
(
あいけう
)
があつてにこやかなお
容貌
(
かほつき
)
、
番頭
(
ばんとう
)
さんから
若衆
(
わかいしう
)
小僧
(
こぞう
)
さんまで
皆
(
みな
)
お
子柄
(
こがら
)
が
宜
(
え
)
いなモシ、
実
(
じつ
)
に
惜
(
を
)
しいやうですな
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うつせみの
命
(
いのち
)
を
惜
(
を
)
しみ
波
(
なみ
)
に
濡
(
ぬ
)
れ
伊良虞
(
いらご
)
の
島
(
しま
)
の
玉藻
(
たまも
)
苅
(
か
)
り
食
(
を
)
す 〔巻一・二四〕 麻続王
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
たゞ、
惜
(
を
)
しい
哉
(
かな
)
。
中
(
なか
)
の
丸
(
まる
)
の
大樹
(
たいじゆ
)
の
枝垂櫻
(
しだれざくら
)
がもう
見
(
み
)
えぬ。
新館
(
しんくわん
)
の
新潮社
(
しんてうしや
)
の
下
(
した
)
に、
吉田屋
(
よしだや
)
と
云
(
い
)
ふ
料理店
(
れうりてん
)
がある。
丁度
(
ちやうど
)
あの
前
(
まへ
)
あたり——
其後
(
そのご
)
、
晝間
(
ひるま
)
通
(
とほ
)
つた
時
(
とき
)
、
切株
(
きりかぶ
)
ばかり、
根
(
ね
)
が
殘
(
のこ
)
つたやうに
見
(
み
)
た。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それにも
拘
(
かゝは
)
らず、
太鼓
(
たいこ
)
はどん/\
鳴
(
な
)
つてゐます。それに
對
(
たい
)
して、なるほど
夜
(
よ
)
はだん/\
更
(
ふ
)
けて
行
(
ゆ
)
くが、この
更
(
ふ
)
けて
行
(
ゆ
)
く
夜
(
よ
)
を
惜
(
を
)
しまない
人
(
ひと
)
が、
誰一人
(
たれひとり
)
としてあらうか、とかういふ
心持
(
こゝろも
)
ちです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
惜
(
を
)
しき涙をそゝぐらむ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「字でも書かうといふ程のものは、妙に筆を
惜
(
を
)
しがるものだよ。使ひ古した筆を洗つてごま化したのが間違ひさ」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
袋
(
ふくろ
)
は
田舍
(
いなか
)
へ
嫁入
(
よめい
)
つた
姉
(
あね
)
の
處
(
ところ
)
に
引取
(
ひきと
)
つて
貰
(
もら
)
ひまするし、
女房
(
にようぼ
)
は
子
(
こ
)
をつけて
實家
(
さと
)
へ
戻
(
もど
)
したまゝ
音信不通
(
いんしんふつう
)
、
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
ではあり
惜
(
を
)
しいとも
何
(
なん
)
とも
思
(
おも
)
ひはしませぬけれど
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
講話
(
かうわ
)
など
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らなかつたからである。しかし
惜
(
を
)
しい
事
(
こと
)
をした。いま
思
(
おも
)
へば、
予
(
かね
)
て一
本
(
ぽん
)
を
用意
(
ようい
)
して、
前記
(
ぜんき
)
(
郷土会記録
(
きやうどくわいきろく
)
)
載
(
の
)
する
処
(
ところ
)
の
新渡戸博士
(
にとべはかせ
)
の三
本木
(
ぼんぎ
)
開墾
(
かいこん
)
の
講話
(
かうわ
)
を
朗読
(
らうどく
)
すれば
可
(
よ
)
かつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
惜
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
“惜”を含む語句
可惜
口惜
愛惜
最惜
負惜
名残惜
残惜
骨惜
惜気
不惜身命
哀惜
殘惜
物惜
口惜涙
惜別
惜氣
口惜紛
惜哉
愛好惜
惜毛
...