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庭
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ふりがな文庫
“
庭
(
には
)” の例文
月は一庭の
樹
(
じゆ
)
を
照
(
て
)
らし、樹は一庭の影を落し、影と光と
黒白
(
こくびやく
)
斑々
(
はん/\
)
として
庭
(
には
)
に
満
(
み
)
つ。
椽
(
えん
)
に
大
(
おほい
)
なる
楓
(
かへで
)
の如き影あり、
金剛纂
(
やつで
)
の落せるなり。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
建續
(
たてつゞ
)
く
家
(
いへ
)
は、なぞへに
向
(
むか
)
うへ
遠山
(
とほやま
)
の
尾
(
を
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
其方此方
(
そちこち
)
の、
庭
(
には
)
、
背戸
(
せど
)
、
空地
(
あきち
)
は、
飛々
(
とび/\
)
の
谷
(
たに
)
とも
思
(
おも
)
はれるのに、
涼
(
すゞ
)
しさは
氣勢
(
けはひ
)
もなし。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今
(
いま
)
ぞ
廿日
(
はつか
)
の
月
(
つき
)
面
(
おも
)
かげ
霞
(
かす
)
んで、さし
昇
(
のぼ
)
る
庭
(
には
)
に
木立
(
こだち
)
おぼろおぼろと
暗
(
くら
)
く、
似
(
に
)
たりや
孤徽殿
(
こきでん
)
の
細殿口
(
ほそどのぐち
)
、
敏
(
さとし
)
が
爲
(
ため
)
には
若
(
し
)
くものもなき
時
(
とき
)
ぞかし。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おい
昨夜
(
ゆうべ
)
枕元
(
まくらもと
)
で
大
(
おほ
)
きな
音
(
おと
)
がしたのは
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱり
)
夢
(
ゆめ
)
ぢやなかつたんだ。
泥棒
(
どろぼう
)
だよ。
泥棒
(
どろぼう
)
が
坂井
(
さかゐ
)
さんの
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
から
宅
(
うち
)
の
庭
(
には
)
へ
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
りた
音
(
おと
)
だ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
品
(
しな
)
が
表
(
おもて
)
の
大戸
(
おほど
)
を
開
(
あ
)
けさせた
時
(
とき
)
は
日
(
ひ
)
がきら/\と
東隣
(
ひがしどなり
)
の
森
(
もり
)
越
(
ご
)
しに
庭
(
には
)
へ
射
(
さ
)
し
掛
(
か
)
けてきつかりと
日蔭
(
ひかげ
)
を
限
(
かぎ
)
つて
解
(
と
)
け
殘
(
のこ
)
つた
霜
(
しも
)
が
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
折々
(
をり/\
)
庭
(
には
)
で
遇
(
あ
)
ふ
會計係
(
くわいけいがゝり
)
の
小娘
(
こむすめ
)
の、
彼
(
かれ
)
が
愛
(
あい
)
してゐた
所
(
ところ
)
のマアシヤは、
此
(
こ
)
の
節
(
せつ
)
は
彼
(
かれ
)
が
微笑
(
びせう
)
して
頭
(
あたま
)
でも
撫
(
な
)
でやうとすると、
急
(
いそ
)
いで
遁出
(
にげだ
)
す。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
鳩
(
はと
)
はお
腹
(
なか
)
が
空
(
す
)
いてゐました。
朝
(
あさ
)
でした。
羽蟲
(
はむし
)
を一つみつけるがはやいか、すぐ
屋根
(
やね
)
から
庭
(
には
)
へ
飛
(
と
)
びをりて、それを
捕
(
つか
)
まえました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
この
二
(
ふた
)
つの
種類
(
しゆるい
)
はみなさまのおうちの
庭
(
には
)
でも、
公園
(
こうえん
)
や、
山
(
やま
)
や、どこへ
行
(
い
)
つても
見
(
み
)
られます。
次
(
つ
)
ぎには
樹木
(
じゆもく
)
は
葉
(
は
)
の
形
(
かたち
)
によつても
區別
(
くべつ
)
されます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
とまだ
青
(
あを
)
くて
居
(
ゐ
)
る
柿
(
かき
)
が、お
隣
(
とな
)
りの
柿
(
かき
)
に
言
(
い
)
ひました。この
青
(
あを
)
い
柿
(
かき
)
と、
赤
(
あか
)
い
柿
(
かき
)
とは、お
百姓
(
ひやくしやう
)
の
家
(
うち
)
の
庭
(
には
)
にある二
本
(
ほん
)
の
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
に
生
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
偖
(
さて
)
又
(
また
)
憑司は其夜昌次郎を立せやり
草履
(
ざうり
)
に血の付たるを
持
(
もち
)
て傳吉宅へ
忍
(
しの
)
び
込
(
こみ
)
庭
(
には
)
の
飛石
(
とびいし
)
へ血を付置き夫より高田の役所へ
夜通
(
よどほ
)
しに往て
訴
(
うつた
)
へ
捕方
(
とりかた
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その色青みありて黒く甚だなめらかなり、
農夫
(
のうふ
)
これをもつて
藁
(
わら
)
をうつ
盤
(
ばん
)
となす、其夜妻
庭
(
には
)
に
出
(
いで
)
しに
燦然
(
さんぜん
)
として光る物あり、妻
妖怪
(
ばけもの
)
なりとして
驚
(
おどろき
)
叫
(
さけぶ
)
。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
たゞ
館
(
かん
)
の
中庭
(
なかには
)
にはあのどるめんの
小
(
ちひ
)
さいものを、
原状
(
げんじよう
)
のまゝ
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
て
据
(
す
)
ゑてありますから、
後程
(
のちほど
)
庭
(
には
)
へ
出
(
で
)
て
御覽下
(
ごらんくだ
)
さい。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
寢轉
(
ねころ
)
んで
讀書
(
どくしよ
)
してゐる
枕頭
(
まくらもと
)
にお
行儀
(
げうぎ
)
よくおちんをしてゐる、
叱
(
しか
)
つても
逃
(
に
)
げない、
庭
(
には
)
へつまみ
出
(
だ
)
す、また
這入
(
はい
)
つてくる、
汚物
(
をぶつ
)
をたれ
流
(
なが
)
す、
下女
(
げぢよ
)
が
怒
(
おこ
)
る。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
靜
(
しづ
)
かなよひで、どことはなしに青
葉
(
は
)
の
香
(
か
)
をにほはせたかぐはしい
夜風
(
よかぜ
)
が
庭
(
には
)
先から
流
(
なが
)
れてくる。二人の
間
(
あひだ
)
にはそのまま
暫
(
しば
)
らく
何
(
なん
)
の詞も交されなかつた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
次に
阿須波
(
あすは
)
の神。次に
波比岐
(
はひき
)
の神
五
。次に
香山戸臣
(
かぐやまとみ
)
の神。次に
羽山戸
(
はやまと
)
の神。次に
庭
(
には
)
の
高津日
(
たかつひ
)
の神。次に
大土
(
おほつち
)
の神。またの名は
土
(
つち
)
の
御祖
(
みおや
)
の神(九神)。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
なお、人麿の覉旅歌には、「
飼飯
(
けひ
)
の海の
庭
(
には
)
よくあらし
苅
(
かり
)
ごもの
乱
(
みだ
)
れいづ見ゆ
海人
(
あま
)
の釣船」(巻三・二五六)というのもあり、棄てがたいものである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
道翹
(
だうげう
)
は
身
(
み
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
石疊
(
いしだゝみ
)
の
上
(
うへ
)
の
虎
(
とら
)
の
足跡
(
あしあと
)
を
指
(
ゆび
)
さした。
偶
(
たま/\
)
山風
(
やまかぜ
)
が
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
を
吹
(
ふ
)
いて
通
(
とほ
)
つて、
堆
(
うづたか
)
い
庭
(
には
)
の
落葉
(
おちば
)
を
捲
(
ま
)
き
上
(
あ
)
げた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
昼過
(
ひるすぎ
)
から
少
(
すこ
)
し
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
生温
(
なまあたゝか
)
い
風
(
かぜ
)
が
稍
(
やゝ
)
騒
(
さわ
)
いで、
横
(
よこ
)
になつて
見
(
み
)
てゐると、
何処
(
どこ
)
かの
庭
(
には
)
の
桜
(
さくら
)
が、
早
(
は
)
や
霏々
(
ひら/\
)
と
散
(
ち
)
つて、
手洗鉢
(
てあらひばち
)
の
周
(
まはり
)
の、つは
蕗
(
ぶき
)
の
葉
(
は
)
の
上
(
うへ
)
まで
舞
(
ま
)
つて
来
(
く
)
る。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
次
(
つぎ
)
の
節
(
せつ
)
を
願
(
ねが
)
ひます』とグリフォンが
再
(
ふたゝ
)
び
云
(
い
)
ひました、『それは「
庭
(
には
)
を
通
(
とほ
)
る
時
(
とき
)
」と
云
(
い
)
ふのが
始
(
はじ
)
めだ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
奧庭もさほど深い感銘がなかつたが、隱れたところで偶然か
庭
(
には
)
の奧に筧の落ちる音がしてゐた。
京洛日記
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
庭
(
には
)
に
古池
(
ふるいけ
)
が
在
(
あ
)
つて、
其
(
その
)
畔
(
ほとり
)
に
大
(
おほ
)
きな
秋田蕗
(
あきたふき
)
が
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
たので、
皆
(
みな
)
が
無理
(
むり
)
に
蕗
(
ふき
)
の
本宗匠
(
もとそうせう
)
にして
了
(
しま
)
つたのです、
前名
(
ぜんめう
)
は
柳園
(
りうゑん
)
と
云
(
い
)
つて、
中央新聞
(
ちうわうしんぶん
)
が
創立
(
そうりつ
)
の
頃
(
ころ
)
に
処女作
(
しよぢよさく
)
を出した事が有る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お
噂
(
うはさ
)
には
毎度
(
まいど
)
承
(
うけたま
)
はつて
居
(
を
)
りましたよ、
立派
(
りつぱ
)
なお
住宅
(
すまひ
)
でお
庭
(
には
)
は
斯
(
か
)
う、
何
(
なに
)
は
斯
(
か
)
うと、
能
(
よ
)
くまア、
何
(
な
)
んでございますよ、
名草屋
(
なくさや
)
の
金
(
きん
)
七といふ
道具屋
(
だうぐや
)
が
参
(
まゐ
)
りまして
始終
(
しじう
)
お
噂
(
うはさ
)
でございますよ。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
俊男
(
としを
)
は見るともなく
自
(
おのづ
)
と
庭
(
には
)
に
蔓
(
はびこ
)
ツた
叢
(
くさむら
)
に眼を移して力なささうに
頽然
(
ぐつたり
)
と
倚子
(
いす
)
に
凭
(
もた
)
れた。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
戸外
(
とのも
)
にはカリンの
木
(
き
)
がうはつて、
淡紅
(
うすくれなゐ
)
の
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
が
暗
(
くら
)
い
雨
(
あめ
)
の
庭
(
には
)
にたちまよふてゐた。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
人間のうち君めづる人ある
庭
(
には
)
に——引き行くか?
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
木々
(
きゞ
)
みな
死
(
し
)
ぬと
泣
(
な
)
く
庭
(
には
)
に、ひとり
静
(
しづか
)
に
夏の日
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
御蔭
(
みかげ
)
の
庭
(
には
)
に
羽
(
は
)
ばたきのはたと
響
(
どよ
)
みて
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
お
庭
(
には
)
の
鶏頭
(
けいとう
)
にやすみませう
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
テン太郎や
庭
(
には
)
へ出ておいで
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
早速
(
さつそく
)
庭
(
には
)
の
木
(
き
)
にとまる。
鸚鵡:(フランス)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
庭
(
には
)
の
土面
(
つちも
)
は
附黒子
(
つけぼくろ
)
。
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
庭
(
には
)
逍遙
(
せうえう
)
の
目
(
め
)
に
觸
(
ふ
)
れて
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
暮春
(
ぼしゆん
)
の
庭
(
には
)
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
お
禮心
(
れいごころ
)
に、
燈
(
あかり
)
を
點
(
つ
)
けておともをしませう……
町
(
まち
)
を
𢌞
(
まは
)
つて、
門
(
かど
)
までお
迎
(
むか
)
ひに
參
(
まゐ
)
つても
可
(
よ
)
うござんす……
庭
(
には
)
へ
出
(
で
)
て
御覽
(
ごらん
)
なさいませんか。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
暫
(
しばら
)
くたつてからお
品
(
しな
)
は
庭
(
には
)
でおつぎがざあと
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
んでは
又
(
また
)
間
(
あひだ
)
を
隔
(
へだ
)
てゝざあと
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
んで
居
(
ゐ
)
るのを
聞
(
き
)
いた。おつぎは
大根
(
だいこ
)
を
洗
(
あら
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此間
(
このあひだ
)
生
(
うま
)
れた
末
(
すゑ
)
の
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
が、
乳
(
ちゝ
)
を
呑
(
の
)
む
時刻
(
じこく
)
が
來
(
き
)
たものか、
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
まして
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
したため、
賊
(
ぞく
)
は
書齋
(
しよさい
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
庭
(
には
)
へ
逃
(
に
)
げたらしい。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
落
(
ち
)
り
過
(
す
)
ぎたる
紅葉
(
もみぢ
)
に
庭
(
には
)
は
淋
(
さび
)
しけれど、
垣
(
かき
)
の
山茶花
(
さゞんか
)
折
(
をり
)
しり
顏
(
かほ
)
に
匂
(
にほ
)
ひて、
松
(
まつ
)
の
緑
(
みどり
)
のこまやかに、
醉
(
よ
)
ひすゝまぬ
人
(
ひと
)
なき
日
(
ひ
)
なりける。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
の
庭
(
には
)
にはいろ/\な
木
(
き
)
が
植
(
うゑ
)
てありました。
父
(
とう
)
さんはその
木
(
き
)
を
自分
(
じぶん
)
のお
友達
(
ともだち
)
のやうに
想
(
おも
)
つて
大
(
おほ
)
きくなりました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
眺
(
ながめ
)
てゐるが此身の
藥
(
くすり
)
で有ぞかしと言を忠兵衞
押返
(
おしかへ
)
し
這
(
こ
)
は若旦那のお言葉とも
覺
(
おぼえ
)
ずお
庭
(
には
)
と雖も廣くもあらず
況
(
まし
)
てや書物に
意
(
こゝろ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
すると
其處
(
そこ
)
で
院長
(
ゐんちやう
)
は六
號室
(
がうしつ
)
で
有
(
あ
)
ると
聞
(
き
)
き、
庭
(
には
)
から
直
(
すぐ
)
に
別室
(
べつしつ
)
に
入
(
い
)
り、
玄關
(
げんくわん
)
の
間
(
ま
)
に
立留
(
たちとゞま
)
ると、
丁度
(
ちやうど
)
恁云
(
かうい
)
ふ
話聲
(
はなしごゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えたので。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
妻
(
つま
)
は
囱
(
まど
)
のもとに
喰伏
(
くひふせ
)
られあけにそみ、そのかたはらにはちゞみの糸などふみちらしたるさまなり。七ツの男の子は
庭
(
には
)
にありてかばね
半
(
なか
)
ば
喰
(
くは
)
れたり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
つぎには
紅葉
(
もみぢ
)
する
木
(
き
)
は、どんな
木
(
き
)
かといひますと、
日本
(
につぽん
)
では
普通
(
ふつう
)
もみぢ(
槭樹
(
せきじゆ
)
)が
一
(
いち
)
ばん
多
(
おほ
)
いのです。
中
(
なか
)
でも、やまもみぢは
庭
(
には
)
にもよく
植
(
う
)
ゑられます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
富豪
(
ものもち
)
の
家
(
いへ
)
では
蟲干
(
むしぼし
)
で、
大
(
おほ
)
きな
邸宅
(
やしき
)
はどの
部屋
(
へや
)
も一ぱい、それが
庭
(
には
)
まであふれだして
緑
(
みどり
)
の
木木
(
きゞ
)
の
間
(
あひだ
)
には
色樣々
(
いろさま/″\
)
の
高價
(
かうか
)
なきもの が
匂
(
にほ
)
ひかがやいてゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
言葉
(
ことば
)
はそれなりに
途切
(
とぎ
)
れて、青木さんは
庭
(
には
)
の
暗
(
くら
)
やみの
方
(
はう
)
に
眺
(
なが
)
め入り、
奧
(
おく
)
さんは
針
(
はり
)
の
手
(
て
)
を
再
(
ふたゝ
)
び
動
(
うご
)
かしはじめた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
猫
(
ねこ
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えないので
障子
(
せうじ
)
を
開
(
あ
)
けた、
海
(
うみ
)
からくる
風
(
かぜ
)
が
庭
(
には
)
の
木立
(
こだち
)
で
篩
(
ふる
)
はれて
爽味
(
さうみ
)
をもつてくる。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
吾
(
わ
)
が
背子
(
せこ
)
を
今
(
いま
)
か
今
(
いま
)
かと
出
(
い
)
で
見
(
み
)
れば
沫雪
(
あわゆき
)
ふれり
庭
(
には
)
もほどろに 〔巻十・二三二三〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
しかしちょっとお
庭
(
には
)
へ
出
(
で
)
て、
私
(
わたし
)
はたばこを
一
(
いつ
)
ぷくのみ、
皆
(
みな
)
さんも
一休
(
ひとやす
)
みといたしませう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
もし
出雲
(
いづも
)
の
石𥑎
(
いはくま
)
の
曾
(
そ
)
の宮
二〇
にます、
葦原色許男
(
あしはらしこを
)
の大神
二一
をもち
齋
(
いつ
)
く
祝
(
はふり
)
が大
庭
(
には
)
二二
か
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
口三味線
(
くちさみせん
)
の
浄瑠璃
(
じやうるり
)
が
庭
(
には
)
の
飛石
(
とびいし
)
づたひにちかづいてくるのを、すぐ
私
(
わたし
)
どもはきヽつけました。五十三
次
(
つぎ
)
の
絵双六
(
ゑすごろく
)
をなげだして、
障子
(
しやうじ
)
を
細目
(
ほそめ
)
にあけた
姉
(
あね
)
の
袂
(
たもと
)
のしたからそつと
外面
(
とのも
)
をみました。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
彼は楊子をくはへながら、
直
(
す
)
ぐ家主の
庭
(
には
)
の
界
(
さかひ
)
にある井戸端へ出て行つた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
“庭”の意味
《名詞》
にわ。家など建物の周囲又は内側にある露天の平らな土地。
(出典:Wiktionary)
“庭”の解説
庭(にわ)は、住宅などの施設の敷地内に設けられた、建造物のない広場である。
(出典:Wikipedia)
庭
常用漢字
小3
部首:⼴
10画
“庭”を含む語句
家庭
前庭
庭園
裏庭
中庭
庭樹
後庭
庭面
内庭
庭燎
庭苑
校庭
庭上
御庭
庭掃除
庭前
小庭
庭先
庭掃
饗庭篁村
...