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遂
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つひ
ふりがな文庫
“
遂
(
つひ
)” の例文
つまり
河流
(
かりゆう
)
と
上汐
(
あげしほ
)
とが
河口
(
かこう
)
で
暫時
(
ざんじ
)
戰
(
たゝか
)
つて、
遂
(
つひ
)
に
上汐
(
あげしほ
)
が
勝
(
かち
)
を
占
(
し
)
め、
海水
(
かいすい
)
の
壁
(
かべ
)
を
築
(
きづ
)
きながらそれが
上流
(
じようりゆう
)
に
向
(
むか
)
つて
勢
(
いきほひ
)
よく
進行
(
しんこう
)
するのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
すると両方へどこからともなく他の悪魔が来て、加勢するものですから、その喧嘩が
愈々
(
いよいよ
)
大きくなり、
遂
(
つひ
)
に戦争になつてしまひました。
悪魔の尾
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
起
(
き
)
の
人
(
ひと
)
と
爲
(
な
)
りや
(六二)
猜忍
(
さいにん
)
の
人也
(
ひとなり
)
。
其少
(
そのわか
)
き
時
(
とき
)
、
家
(
いへ
)
、千
金
(
きん
)
を
累
(
かさ
)
ねしが、
(六三)
游仕
(
いうし
)
遂
(
と
)
げず、
遂
(
つひ
)
に
其家
(
そのいへ
)
を
破
(
やぶ
)
る。
(六四)
郷黨
(
きやうたう
)
之
(
これ
)
を
笑
(
わら
)
ふ。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
天
(
そら
)
を仰ぎ、地を
敲
(
たた
)
きて
哭悲
(
なきかな
)
しみ、
九三
ともにもと物狂はしきを、さまざまといひ
和
(
なぐさ
)
めて、かくてはとて
遂
(
つひ
)
に
九四
曠野
(
あらの
)
の
烟
(
けぶり
)
となしはてぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
清
(
きよ
)
は
夫
(
それ
)
からすぐ
起
(
お
)
きた。三十
分
(
ぷん
)
程
(
ほど
)
經
(
た
)
つて
御米
(
およね
)
も
起
(
お
)
きた。
又
(
また
)
三十
分
(
ぷん
)
程
(
ほど
)
經
(
た
)
つて
宗助
(
そうすけ
)
も
遂
(
つひ
)
に
起
(
お
)
きた。
平常
(
いつも
)
は
好
(
い
)
い
時分
(
じぶん
)
に
御米
(
およね
)
が
遣
(
や
)
つて
來
(
き
)
て
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
さういふ
伴侶
(
なかま
)
の
殊
(
こと
)
に
女
(
をんな
)
は
人目
(
ひとめ
)
の
少
(
すくな
)
い
黄昏
(
たそがれ
)
の
小徑
(
こみち
)
につやゝかな
青物
(
あをもの
)
を
見
(
み
)
ると
遂
(
つひ
)
した
料簡
(
れうけん
)
からそれを
拗切
(
ちぎ
)
つて
前垂
(
まへだれ
)
に
隱
(
かく
)
して
來
(
く
)
ることがある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
同
(
おな
)
じ
時
(
とき
)
、
賈雍將軍
(
かようしやうぐん
)
は
蒼梧
(
さうご
)
の
人
(
ひと
)
、
豫章
(
よしやう
)
の
太守
(
たいしゆ
)
として
國
(
くに
)
の
境
(
さかひ
)
を
出
(
い
)
で、
夷賊
(
いぞく
)
の
寇
(
あだ
)
するを
討
(
たう
)
じて
戰
(
たゝかひ
)
に
勝
(
か
)
たず。
遂
(
つひ
)
に
蠻軍
(
ばんぐん
)
のために
殺
(
ころ
)
され
頭
(
かうべ
)
を
奪
(
うば
)
はる。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そして、そうつと
障子
(
しやうじ
)
の蔭から彼をば
覗
(
のぞ
)
いた。彼は笑顔でおいで/\をしたが子供は
遂
(
つひ
)
に奥の方の母親の
膝
(
ひざ
)
もとへ逃げて行つてしまつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
下等船客
(
かとうせんきやく
)
の
一
(
いち
)
支那人
(
シナじん
)
はまだ
伊太利
(
イタリー
)
の
領海
(
りやうかい
)
を
離
(
はなれ
)
ぬ、
頃
(
ころ
)
より
苦
(
くる
)
しき
病
(
やまひ
)
に
犯
(
おか
)
されて
遂
(
つひ
)
にカンデイア
島
(
じま
)
とセリゴ
島
(
じま
)
との
間
(
あひだ
)
で
死亡
(
しぼう
)
した
爲
(
ため
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
渡れば喜十六の
山麓
(
さんろく
)
にて、十町ばかり登りて
須巻
(
すまき
)
の
滝
(
たき
)
の湯有りと教へらるるままに、
遂
(
つひ
)
に
其処
(
そこ
)
まで往きて、
午
(
ひる
)
近き頃宿に帰りぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
仰付らるゝにより
迅速
(
すみやか
)
に
正路
(
しやうろ
)
の人になるべき
筈
(
はず
)
なれども又人間に出る時は
以前
(
いぜん
)
に一
層
(
そう
)
惡事の効を
積
(
つみ
)
遂
(
つひ
)
には其身を
亡
(
うし
)
なひ惡名を萬世に流すを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
に
宿
(
やど
)
る
所
(
ところ
)
の
戀
(
こひ
)
をすら
笑
(
わら
)
ふべく
信
(
しん
)
ずべからざる
者
(
もの
)
ならば、
人生
(
じんせい
)
遂
(
つひ
)
に
何
(
なん
)
の
價
(
あたひ
)
ぞ、
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
ほど
嘘僞
(
きよぎ
)
な
者
(
もの
)
は
無
(
な
)
いではないか。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「生けるもの
遂
(
つひ
)
にも死ぬるものにあれば」(巻三・三四九)、「すゑ
遂
(
つひ
)
に君にあはずは」(巻十三・三二五〇)等の例がある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
老人
余
(
よ
)
に
越遊
(
ゑついう
)
を
奨
(
すゝめ
)
しこと年々なり。
余
(
よ
)
固
(
もとより
)
山水に
耽
(
ふける
)
の
癖
(
へき
)
あり、ゆゑに
遊心
(
いうしん
)
勃
(
ぼつ
)
々たれども事に
紛
(
まぎれ
)
て
果
(
はた
)
さず。丁酉の
晩夏
(
ばんか
)
遂
(
つひ
)
に
豚児
(
せがれ
)
京水を
従
(
したがへ
)
て
啓行
(
けいかう
)
す。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
その頃料らずも外山正一氏の畫論を讀みて、
我
(
わが
)
懷
(
いだ
)
けるところに衝突せるを覺え、
遂
(
つひ
)
に
技癢
(
ぎやう
)
にえ
禁
(
た
)
へずして
反駁
(
はんばく
)
の文を草しつ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それから
其
(
そ
)
れが
祟
(
たゝ
)
りはしないか/\といふ
気病
(
きや
)
みで、
今
(
いま
)
いふ
神経病
(
しんけいびやう
)
とか
何
(
なん
)
とか
云
(
い
)
ふのだらうが、二代目はそれを
気病
(
きや
)
みにして
遂
(
つひ
)
に
気
(
き
)
が
違
(
ちが
)
つた。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
遠くの
騒
(
さわ
)
ぎ
唄
(
うた
)
、
富貴
(
ふうき
)
の
羨望
(
せんばう
)
、生存の快楽、
境遇
(
きやうぐう
)
の絶望、機会と運命、誘惑、殺人。
波瀾
(
はらん
)
の上にも
脚色
(
きやくしよく
)
の
波瀾
(
はらん
)
を
極
(
きは
)
めて、
遂
(
つひ
)
に演劇の
一幕
(
ひとまく
)
が終る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
老人
余
(
よ
)
に
越遊
(
ゑついう
)
を
奨
(
すゝめ
)
しこと年々なり。
余
(
よ
)
固
(
もとより
)
山水に
耽
(
ふける
)
の
癖
(
へき
)
あり、ゆゑに
遊心
(
いうしん
)
勃
(
ぼつ
)
々たれども事に
紛
(
まぎれ
)
て
果
(
はた
)
さず。丁酉の
晩夏
(
ばんか
)
遂
(
つひ
)
に
豚児
(
せがれ
)
京水を
従
(
したがへ
)
て
啓行
(
けいかう
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
貞盛方の佗田真樹は戦死し、将門方の
文屋好立
(
ぶんやのよしたつ
)
は負傷したが助かつた。貞盛は
辛
(
から
)
くも
逃
(
のが
)
れて、
遂
(
つひ
)
に京に
到
(
いた
)
り、将門暴威を振ふの始終を申立てた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
と云へる有様の
歴々
(
あり/\
)
と目前に現はれ、しかも
妾
(
せふ
)
は
禹
(
う
)
の位置に立ちて、
禹
(
う
)
の言葉を口に
誦
(
しよう
)
し、
龍
(
りよう
)
をして
遂
(
つひ
)
に
辟易
(
へきえき
)
せしめぬ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
爵位の如き、娯楽の如き、学芸文事
悉
(
こと/″\
)
く一たびは彼を迷はせしことあれども、
遂
(
つひ
)
に彼を奴僕となせるものあらざりき。
トルストイ伯
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
體
(
からだ
)
はエレベーターのやうに、
地下
(
ちか
)
へ
地下
(
ちか
)
へと
降下
(
かうか
)
してゆくやうな
氣持
(
きもち
)
だつた。そして
遂
(
つひ
)
に
彼女
(
かのぢよ
)
は
意識
(
いしき
)
を
失
(
うしな
)
つて
了
(
しま
)
つた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
それを、ひとびとは
遂
(
つひ
)
に見ることが出来なくなつた。かつて大崎八段と対局した時、いきなり角頭の歩を突くといふ奇想天外の手を指したことがある。
聴雨
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
少
(
すくな
)
くとも
日本建築
(
にほんけんちく
)
は
古來
(
こらい
)
地震
(
ぢしん
)
を
考慮
(
かうりよ
)
の
中
(
なか
)
へ
加
(
くは
)
へ、
材料
(
ざいれう
)
構造
(
こうさう
)
に
工風
(
くふう
)
を
凝
(
こ
)
らし、
遂
(
つひ
)
に
特殊
(
とくしゆ
)
の
耐震的樣式手法
(
たいしんてきやうしきしゆはふ
)
を
大成
(
たいせい
)
したと
推測
(
すゐそく
)
する
人
(
ひと
)
は
少
(
すくな
)
くないやうである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
遂
(
つひ
)
には
中央
(
ちゆうおう
)
ヨーロッパから
北
(
きた
)
ヨーロッパにだん/″\
廣
(
ひろ
)
がつて
行
(
い
)
つたといふことだけは
確
(
たし
)
かにわかるのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
僅
(
わづか
)
な
收入
(
しうにふ
)
は
母
(
はゝ
)
の
給養
(
きふやう
)
にも
供
(
きよう
)
せねばならず、
彼
(
かれ
)
は
遂
(
つひ
)
に
此
(
こ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
には
堪
(
た
)
へ
切
(
き
)
れず、
斷然
(
だんぜん
)
大學
(
だいがく
)
を
去
(
さ
)
つて、
古郷
(
こきやう
)
に
歸
(
かへ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
(前略)……もとより創業費とて不充分なりし
事故
(
ことゆゑ
)
、
如何
(
いかん
)
とも進退出来ざるやうになり、昨年
極末
(
ごくまつ
)
遂
(
つひ
)
に七百弗足らずの負債を背負ひ農業の方手を引き候。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
奧羽地方
(
おううちほう
)
では
更
(
さら
)
に
下
(
くだ
)
つて
四千七百尺
(
しせんしちひやくしやく
)
から
三千五百尺
(
さんぜんごひやくしやく
)
の
高
(
たか
)
さまでになり、
北海道
(
ほつかいどう
)
の
南部
(
なんぶ
)
では
一千五百尺
(
いつせんごひやくしやく
)
に
下
(
くだ
)
り、その
中央
(
ちゆうおう
)
では
遂
(
つひ
)
に
海水面
(
かいすいめん
)
と
一致
(
いつち
)
してゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
抑
(
そ
)
も一朝一夕の
故
(
ゆゑ
)
に非らずサ、
遂
(
つひ
)
に
石心木腸
(
せきしんもくちやう
)
なる井上与重の如きをして、物や思ふと問はしむる迄に至つたのだ、僕の如きは
疾
(
とく
)
の昔から彼女をして義人を得
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
諸
(
もろもろ
)
の
悪業
(
あくごふ
)
、挙げて数ふるなし。悪業を以ての故に、更に又諸の悪業を作る。継起して
遂
(
つひ
)
に
竟
(
をは
)
ることなし。昼は則ち日光を
懼
(
おそ
)
れ又人
及
(
および
)
諸の強鳥を恐る。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
或る日の
午
(
ご
)
後
縁側
(
えんがは
)
に
坐
(
すわ
)
らせた學校友
達
(
たち
)
の一人を
寫
(
うつ
)
してみた
乾
(
かん
)
板に
遂
(
つひ
)
にうつすりとそれらしい
影像
(
えいぞう
)
が
現
(
あらは
)
れた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
尚
(
なほ
)
去
(
さ
)
らざる
時
(
とき
)
は
全身
(
ぜんしん
)
に
冷水
(
れいすゐ
)
を
灌
(
そゝ
)
ぎて
其
(
その
)
痛
(
いたみ
)
全
(
まつた
)
く
去
(
さ
)
りし
故
(
ゆゑ
)
に、
其後
(
そのご
)
頭痛
(
づつう
)
の
起
(
おこ
)
る
毎
(
ごと
)
に
全身
(
ぜんしん
)
冷水灌漑
(
れいすゐくわんがい
)
を
行
(
おこな
)
ひしが、
遂
(
つひ
)
に
習慣
(
しふくわん
)
となり、
寒中
(
かんちゆう
)
にも
冷水灌漑
(
れいすゐくわんがい
)
に
耐
(
た
)
ゆるを
得
(
え
)
たり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
種々に空想を
逞
(
たくまし
)
うしたが、未だ其人をさへ見た事の無い身の、完全にそれを断定することが何うして出来よう。
遂
(
つひ
)
に思切つて、そして帰宅すべく家路に就いた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
『
宛
(
まる
)
で
咽喉
(
のど
)
に
骨
(
ほね
)
でも
痞
(
つか
)
へてゐるやうだ』と
云
(
い
)
つてグリフォンは、
其背中
(
そのせなか
)
を
搖
(
ゆす
)
つたり
衝
(
つ
)
いたりし
初
(
はじ
)
めました。
遂
(
つひ
)
に
海龜
(
うみがめ
)
の
聲
(
こゑ
)
は
直
(
なほ
)
りましたが、
涙
(
なみだ
)
は
頬
(
ほゝ
)
を
傳
(
つた
)
はつて——
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
白猿
(
はくゑん
)
の
余光
(
よくわう
)
で
抱一
(
はういつ
)
不白
(
ふはく
)
などの
許
(
もと
)
へも
立入
(
たちい
)
るやうになり、
香茶
(
かうちや
)
活花
(
いけばな
)
まで器用で
間
(
ま
)
に
合
(
あは
)
せ、
遂
(
つひ
)
に
此人
(
このひと
)
たちの
引立
(
ひきたて
)
にて
茶道具屋
(
ちやだうぐや
)
とまでなり、
口前
(
くちまへ
)
一
(
ひと
)
つで
諸家
(
しよけ
)
に
可愛
(
かあい
)
がられ
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
書紀にも「
旅
(
いくさ
)
を
鞠
(
やしな
)
ひ衆を
会
(
つど
)
へて、
遂
(
つひ
)
に
与
(
とも
)
に謀を定めたまふ」と壬申の乱における内助の功を
讃
(
たた
)
え、また大海人皇子登位して天武天皇となられて後、崩御さるるまで
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
渠が其地位に対する不安を抱き始めたのは
遂
(
つひ
)
此頃の事で、
以前
(
もと
)
郵便局に監視人とかを務めたといふ、主筆と同国生れの長野が、編輯助手として入つた日からであつた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
直ちに
熊
(
くま
)
を
抱
(
いた
)
きて相角し
遂
(
つひ
)
に之を
殺
(
ころ
)
すなり、熊人を
見
(
み
)
て
逃
(
のが
)
れんとする
時
(
とき
)
も亦然すと云ふ、此回の
探検中
(
たんけんちう
)
は
熊
(
くま
)
に
逢
(
あ
)
ひし事なし、之れ夏間は人家
近
(
ちか
)
き
山
(
やま
)
に出でて
食
(
しよく
)
を
取
(
と
)
り
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
「恰で
包圍攻撃
(
ほういこうげき
)
を喰つてゐるんだ!」と
嗟嘆
(
さたん
)
して、此うしてゐては、
遂
(
つひ
)
に
自滅
(
じめつ
)
を
免
(
まぬ
)
かれぬと思ふ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
昨日
(
きのふ
)
けふとは思はざりしを」とのこの句はちょっと
不意打
(
ふいう
)
ちをせられて、あわてたようにも聞こゆるけれども、もし彼にして「
遂
(
つひ
)
に行く道」を
兼
(
かね
)
て聞いておらなかったならば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
この恨み、
果
(
はた
)
さるべき日は
遂
(
つひ
)
に
來
(
きた
)
りぬ。こぞの秋、われ思はずも病にかゝりて東海のほとりにさすらひ、こゝに身を清見潟の山水に寄せて、
晴夜
(
せいや
)
の鐘に多年のおもひをのべむとす。
清見寺の鐘声
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
しかし光の
靄
(
もや
)
に似た流は、少しもその速力を
緩
(
ゆる
)
めない。反つて目まぐるしい飛躍の中に、あらゆるものを溺らせながら、
澎湃
(
はうはい
)
として彼を襲つて来る。彼は
遂
(
つひ
)
に全くその
虜
(
とりこ
)
になつた。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
酔えば
唯
(
ただ
)
大きな声をして饒舌るばかり、
遂
(
つひ
)
ぞ人の気になるような
忌
(
いや
)
がるような根性の悪いことを
云
(
いっ
)
て喧嘩をしたこともなければ、
上戸
(
じょうご
)
本性
真面目
(
まじめ
)
になって議論したこともないから
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私は又しても彼れの
烈
(
はげ
)
しい羞恥心を読む事が出来たので、非常な悔いを感じつつ、
遂
(
つひ
)
に椅子から立ち上つた——説明するまでもない、私は「悪い場所へ来合せて了つた」と云ふ意識で
アリア人の孤独
(新字旧仮名)
/
松永延造
(著)
どうしても惣兵衛ちやんがいふことをきかないと、
遂
(
つひ
)
にお母さんは許してくれた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
その
間
(
あひだ
)
に
相變
(
あひかは
)
らず
竹
(
たけ
)
を
取
(
と
)
つては、
黄金
(
おうごん
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れましたので、
遂
(
つひ
)
には
大
(
たい
)
した
身代
(
しんだい
)
になつて、
家屋敷
(
いへやしき
)
も
大
(
おほ
)
きく
構
(
かま
)
へ、
召
(
め
)
し
使
(
つか
)
ひなどもたくさん
置
(
お
)
いて、
世間
(
せけん
)
からも
敬
(
うやま
)
はれるようになりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
遂
(
つひ
)
に私は無我夢中に逆上して、家へ出入りするお常婆を介して、正式に
許嫁
(
いひなづけ
)
の間にして貰へるやう私の父母に当つて見てくれと頼んだ。一方私は
俄
(
にはか
)
に気を配つて父や母を大切にし出した。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「何だと! 出て行け! なぜ出て行かぬ」わしも
遂
(
つひ
)
に大きな声を出した。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
私
(
わたし
)
は
此後
(
このゝち
)
或
(
あるひ
)
は
光子
(
みつこ
)
を
離縁
(
りえん
)
するかも
測
(
はか
)
られぬ。
次第
(
しだい
)
に
因
(
よ
)
つては、
光子
(
みつこ
)
の
父母
(
ちゝはゝ
)
に、
此事
(
このこと
)
を
告白
(
こくはく
)
せぬとも
限
(
かぎ
)
らぬ。が、
告白
(
こくはく
)
したところで、
離縁
(
りえん
)
をした
処
(
ところ
)
で、
光子
(
みつこ
)
に
対
(
たい
)
する
嫉妬
(
しつと
)
の
焔
(
ほのほ
)
は、
遂
(
つひ
)
に
消
(
け
)
すことが
出来
(
でき
)
ぬ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
こんな關係で、
遂
(
つひ
)
に恐ろしい事件にまで發展してしまつたのです。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“遂”の解説
遂(すい)は、夏代に建国された諸侯国。舜の末裔の虞遂が受封された。夏・殷・西周・春秋時代に存続した。春秋時代に魯に服属した。周の釐王元年(紀元前681年)斉の桓公により滅亡した。遂の滅亡で魯の荘公に圧力をかけた。遂についての歴史的記載は主に孔子の『春秋』による。
(出典:Wikipedia)
遂
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“遂”を含む語句
遂々
仕遂
遂行
添遂
韓遂
討遂
為遂
褚遂良
完遂
毛遂
爲遂
成遂
不遂
未遂入水
遣遂
遂高
遂良
遂次
遂得
遂事
...