まう)” の例文
〔評〕三條公の筑前に在る、或る人其の旅況りよきやう無聊むれうさつして美女を進む、公之をしりぞく。某氏えんひらいて女がくまうく、公ふつ然として去れり。
博物學はくぶつがく方面ほうめん博物館はくぶつかん立派りつぱなのが各地かくちまうけてありますが、ことにワシントン、シカゴ、ニューヨークなどにあるものはよく完備かんびしてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
冬時とうじこのかは灌水くわんすゐおこなふには、あらかじ身體しんたいるゝに孔穴こうけつこほりやぶりてまうき、朝夕あさゆふこの孔穴こうけつぼつして灌水くわんすゐおこなふ。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
殺せし時手傳てつだひて共々とも/″\殺したで有うなと故意わざと疑ひのことばまうけられしかば彌十はおもてたゞ否々いや/\私し儀は其節喧嘩けんくわの聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
主君忠長自殺の後は、何んとかして、家光にうらみを報じようと、高田御殿の中に祭壇さいだんまうけて、中世に流行はやつた惡魔サタンを祭神とする呪法じゆはふを行つたのでした。
おぼえてるものぞ松澤まつざは若大將わかたいしやうたゝへられてせき上座かみくらまうけられしれすらみすぼらしき此服裝このなりよしやおもておぼえがればとて他人たにん空肖そらに
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さびしい修道者しゆどうしや仲間なかますくな山家やまがくらしのうちにも、なにまうけるこゝろがあつて、たのしみになつてゐるものです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
山麓さんろくには、紅白こうはくだんだらのまくり、天幕テントり、高等官休憩所かうとうくわんきうけいじよ新聞記者席しんぶんきしやせき參觀人席さんくわんにんせきなど區別くべつしてある。べつ喫茶所きつさじよまうけてある。宛然まるで園遊會場えんいうくわいぢやうだ。
鐵檻てつおりくるま出入口でいりぐちは、不思議ふしぎにも車室しやしつ頂上てうじやうまうけられて、鐵梯てつていつたつて屋根やねから出入でいりするやうになつてる。
天台宗てんだいしゆう寺院じいんは、高地こうちおほまうけてあるが、火山かざんもまた彼等かれらせんれなかつた。したがつてめづらしい火山現象かざんげんしようの、これ僧侶そうりよによつて觀察かんさつせられたれいすくなくない。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
五月朔日ごぐわつついたちことなり其夜そのよ飯坂いひざか宿とまる。温泉をんせんあればいり宿やどをかるに、土座どざむしろいて、あやしき貧家ひんかなり。ともしびもなければ、ゐろりの火影ほかげ寢所しんじよまうけて云々うん/\
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
這麼こんなふう中坂なかさかしやまうけてからは、石橋いしばしわたしとが一切いつさい処理しよりして、山田やまだ毎号まいごう一篇いつぺんの小説を書くばかりで、前のやうに社にたいしてみつなる関係くわんけいを持たなかつた、とふのが
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かれこの心細こゝろぼそ解答かいたふで、僥倖げうかうにも難關なんくわん通過つうかしてたいなどとは、ゆめにもおもまうけなかつた。老師らうし胡麻化ごまか無論むろんなかつた。其時そのとき宗助そうすけはもうすこ眞面目まじめであつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
十一時頃じごろからねつたので自分じぶんはプラツトホームの眞中まんなかまうけある四はう硝子張がらすばり待合室まちあひしつはひつてちひさくなつてると呑氣のんきなる義母おつかさんはそんなこととはすこしも御存知ごぞんじなく待合室まちあひしつ
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それもかなはぬなら、チッバルトがてゐやる薄昏うすぐらべうなか婚禮こんれいとこまうけてくだされ。
孫子そんしいはく、『まへすなはむねひだりひだりみぎみぎうしろすなはよ』と。婦人ふじんいはく、『だく』と。約束やくそくすでき、すなは(五)鈇鉞ふゑつまうけ、すなはこれ(六)れいしんす。
それで時々とき/″\自然しぜん森林しんりんあそんで、すがすがしい空氣くうきひ、精神せいしん保養ほようする必要ひつようがあります。都會とかいには大小だいしよう公園こうえんまうけられてゐますが、そんなものは完全かんぜん安靜場所あんせいばしよといへません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ついうちが出にくいとふだけの事である。長吉ちやうきち直様すぐさま別れたのち生涯しやうがいをこま/″\と書いて送つたが、しかし待ちまうけたやうな、折返をりかへしたおいとの返事はつひに聞く事が出来できなかつたのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
また金絲雀かなりやふるごゑで、『おかへりよ、みンな!もう時分じぶんぢやないか!』と其子供等そのこどもらびました。種々いろ/\口實こうじつまうけて、みンのこらず立去たちさつたあとには、たツあいちやん一人ひとりになつてしまひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
他の不規則ふきそくに高低は或はき或はりて全体ぜんたいを大なる牡丹餅ぼたもちの如き形とし兩面れうめん中央部ちうわうぶには尖端せんたんの鋭き石片せきへん又は鹿しか角抔つのなどて、他の小石を槌として之をち徐々にくぼみをまうけしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
アンドレイ、エヒミチは知識ちしき廉直れんちよくとをすこぶこのあいしてゐたのであるが、さてかれ自分じぶん周圍まはりには然云さうい生活せいくわつまうけること到底たうてい出來できぬのであつた。れは氣力きりよくと、權力けんりよくける自信じしんとがりぬので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
〔評〕南洲壯時さうじ角觝かくていを好み、つねに壯士と角す。人之をくるしむ。其守庭吏しゆていりと爲るや、てい中に土豚どとんまうけて、掃除さうぢよこととせず。
いしとこ三方さんぽうまうけて死體したいくようになつてあつたり、天井てんじよう家屋かおく屋根やねをまねてあるのもあつたり、内部ないぶ刀劍とうけんかたちつたものなどがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
聞きたるに叔母お早に相違なく且つ先年家出せし後此娘お梅と云るをまうけ當時は此宿に足をめ人に雇はれうき年月を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此處こヽとなりざかひの藪際やぶぎはにて、用心ようじんためにと茅葺かやぶきまうけにまはする庭男にはをとこさてさて此曲物このくせものとは。
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それより洞中どうちゆう造船所ぞうせんじよないのこくまなく見物けんぶつしたが、ふとると、洞窟どうくつ一隅いちぐうに、いわ自然しぜんえぐられて、だいなる穴倉あなぐらとなしたるところ其處そこに、嚴重げんぢうなるてつとびらまうけられて
關東大地震後かんとうだいぢしんご、この方面ほうめんける研究けんきゆうおほいにすゝみ、あるひ鐵管てつかん繼手つぎて改良かいりようあるひ地盤不良ぢばんふりよう場所ばしよけて敷設ふせつすること、むをなければ豫備よび複線ふくせんまうけることなど
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
さかしたは、左右さいう植木屋うゑきや屋外をくぐわい足場あしばまうけ、半纏着はんてんぎ若衆わかもの蛛手くもでからんで、造菊つくりぎく支度最中したくさいちうなりけり。く/\フと古道具屋ふるだうぐやまへつ。彌次やじいはく、茶棚ちやだなはあんなのがいな。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此方こちら暢気のんきなものだから那様こんなこととはちつとも知らない、山田やまだまた気振けぶりにも見せなかつた、けれどもさきにも言ふごとく、中坂なかさかに社をまうけてからは、山田やまだまつた社務しやむあづからん姿であつたから
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
平次はこの動亂の中にも、組織的な問ひをまうけて、清右衞門の答を引出しました。
しんち五じやうけり、の・しやうたる、士卒しそつ最下さいかなるもの衣食いしよくおなじうし、ぐわするにせきまうけず、くに(七〇)騎乘きじようせず、みづかかてつつになひ、士卒しそつ勞苦らうくわかつ。そつ(七一)しよものり。
未開社會に於ては井戸ゐどる術、水道をまうくる術も無き譯故わけゆへ、コロボツクルの如きも、水の入用にうようかんじたる時には必ず川邊に至りしならん。遺跡ゐせきより發見はつけんする所の土器の中には椀形わんがたのもの少からず。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
〔譯〕せいは同じうして而てしつことなる。質異るはをしへの由つてまうけらるゝ所なり。性同じきは教の由つて立つ所なり。
まうけたり引れて此處このところ着座ちやくざすれば左右には常樂院天忠てんちう山内赤川藤井等の面々威儀ゐぎたゞして座をしめたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
實際じつさいなんのためにこの野原のはらに、かようなものがまうけられたかたしかなことはることが出來できません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
さてそれよりは、紀元節きげんせつ祝賀しゆくがと、このおほいなる成功せいこういわひとでくがごとさわぎ、よるになると、かねまうけられたる海岸かいがん陣屋ぢんや大祝賀會だいしゆくがくわいはじまつた。其塲そのば盛况せいけうふでにも言葉ことばにもつくされない。
縁側へ席をまうけさして、平次は煙草入を拔きます。