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若
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わか
ふりがな文庫
“
若
(
わか
)” の例文
それでいちばんに万福丸どの、二ばんには当歳の
若
(
わか
)
が御焼香をすまされますと、「お茶々、そなたの番ですよ」と仰せられましたが
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
こう
注意
(
ちゅうい
)
してやると、
後方
(
こうほう
)
から、
前線
(
ぜんせん
)
へ
送
(
おく
)
られたばかりの、
若
(
わか
)
い
兵士
(
へいし
)
の
一人
(
ひとり
)
が、
目前
(
もくぜん
)
で、
背嚢
(
はいのう
)
をおろして、その
内
(
うち
)
を
改
(
あらた
)
めていました。
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「いや、
気
(
き
)
に
病
(
や
)
むほどのことでもなかろうが、
何
(
なん
)
せ
若
(
わか
)
い
女
(
おんな
)
の
急病
(
きゅうびょう
)
での。ちっとばかり、
朝
(
あさ
)
から
世間
(
せけん
)
が
暗
(
くら
)
くなったような
気
(
き
)
がするのさ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そのなみだの
霧
(
きり
)
の中から、わたしは、前列のこしかけにすわっていた
若
(
わか
)
いおくさんがいっしょうけんめい手をたたいているのを見た。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
然
(
しか
)
しながら
若
(
わか
)
い
衆
(
しゆ
)
と
稱
(
しよう
)
する
青年
(
せいねん
)
の一
部
(
ぶ
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
家
(
いへ
)
に
不斷
(
ふだん
)
の
注目
(
ちうもく
)
を
怠
(
おこた
)
らない。
其
(
そ
)
れはおつぎの
姿
(
すがた
)
を
忘
(
わす
)
れ
去
(
さ
)
ることが
出來
(
でき
)
ないからである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
まだうら
若
(
わか
)
い
身
(
み
)
でありながら
再縁
(
さいえん
)
しようなどという
心
(
こころ
)
は
微塵
(
みじん
)
もなく、どこまでも
三浦
(
みうら
)
の
殿様
(
とのさま
)
に
操
(
みさお
)
を
立
(
た
)
て
通
(
とう
)
すとは
見上
(
みあ
)
げたものである。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そして
若
(
わか
)
い
牝狐
(
めぎつね
)
が一
匹
(
ぴき
)
、中から
風
(
かぜ
)
のように
飛
(
と
)
んで
来
(
き
)
ました。「おや。」という
間
(
ま
)
もなく、
狐
(
きつね
)
は
保名
(
やすな
)
の
幕
(
まく
)
の中に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んで
来
(
き
)
ました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
あゝ、
若
(
わか
)
い
衆
(
しう
)
何
(
なに
)
かい、
連
(
つれ
)
のものが、
何處
(
どこ
)
か
二次會
(
にじくわい
)
へ
引張出
(
ひつぱりだ
)
さうとして、
私
(
わたし
)
を
中
(
なか
)
へ
引挾
(
ひつぱさ
)
んだ、……
其
(
そ
)
れを
外
(
はづ
)
したのだと
思
(
おも
)
つたのかい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
○
小高坂
(
高知城西
)
辺
(
ヘン
)
のむすめまで、
きんのふ
(
勤王
)
とか国家の為とか、あ
わて
(
ママ
)
さがし夫が為ニ女の道おうしない、
若
(
わか
)
き男とくらがり咄ししたがり
手紙:082 慶応三年六月二十四日 乙女、おやべあて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
「あの爺さんしようがないんですよ。それに
小汚
(
こぎたな
)
くてしようがありませんや。」肴屋の
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
は後で台所口へ来て、そのことを話した。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
(
脚
(
あし
)
早くて。とっても。)(
若
(
わか
)
いがら
律儀
(
りちぎ
)
だもな。)
嘉吉
(
かきち
)
はまたゆっくりくつろいでうすぐろいてんを
砕
(
くだ
)
いて
醤油
(
しょうゆ
)
につけて食った。
十六日
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「もう夜だからこんばんはというもんだよ。」という声がして、白い
服
(
ふく
)
をきた
若
(
わか
)
い女が顔をだし、「なあに、くすりをとりにきたの。」
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
乳母 はい、
御機嫌
(
ごきげん
)
よう。……もし/\、あの
人
(
ひと
)
は、ま、
何
(
なん
)
といふ
無作法
(
ぶさはふ
)
な
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
でござるぞ? あくたいもくたいばかり
言
(
い
)
うて。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「だつて
小六
(
ころく
)
さんなんか、まだ
若
(
わか
)
いぢやありませんか。
何
(
なに
)
をしたつて
是
(
これ
)
からだわ。そりや
兄
(
にい
)
さんの
事
(
こと
)
よ。さう
悲觀
(
ひくわん
)
しても
可
(
い
)
いのわ」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
是よりいたして雨の降る
夜
(
よ
)
も風の夜も、首尾を合図にお
若
(
わか
)
の計らい、通える数も積りつゝ、今は
互
(
たがい
)
に棄てかねて、其の
情
(
なか
)
漆
(
うるし
)
膠
(
にかわ
)
の如くなり。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
忘
(
わす
)
るゝ
人
(
ひと
)
ありとか
聞
(
き
)
きしがこれは
又
(
また
)
いかに
歸
(
かへ
)
るべき
家
(
いへ
)
を
忘
(
わす
)
れたるか
歳
(
とし
)
もまだ
若
(
わか
)
かるを
笑止
(
せうし
)
といはゞ
笑止
(
せうし
)
思
(
おも
)
へば
扨
(
さて
)
も
訝
(
いぶか
)
しき
事
(
こと
)
なり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
はお
稻荷
(
いなり
)
さまの
使
(
つか
)
ひですよ。この
社
(
やしろ
)
の
番人
(
ばんにん
)
ですよ。
私
(
わたし
)
もこれで
若
(
わか
)
い
時分
(
じぶん
)
には
隨分
(
ずゐぶん
)
いたずらな
狐
(
きつね
)
でして、
諸方
(
はう/″\
)
の
畠
(
はたけ
)
を
荒
(
あら
)
しました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
余此蝶を見ざりしゆゑ、
近隣
(
きんりん
)
の
老婦
(
らうふ
)
若
(
わか
)
きころ渋海川の
辺
(
ほと
)
りより
嫁
(
か
)
せし人ありしゆゑ
尋
(
たづ
)
ね
問
(
と
)
ひしに、その
老婦
(
らうふ
)
の
語
(
かた
)
りしまゝをこゝに
記
(
しる
)
せり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お馬のジヤンコジヤンコもおもしろいでせう。それにまた、「そりやまだ
若
(
わか
)
い。
若船
(
わかぶね
)
に
乗
(
の
)
つて、
唐
(
から
)
まで
渡
(
わた
)
れ。」(紀伊)といふのもあります。
お月さまいくつ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
若
(
わか
)
い神はおかげで、気らくにぐっすりおよって、朝になると、あたりまえの顔をして、
大神
(
おおかみ
)
の前に出ていらっしゃいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「芝になりたや箱根の芝に、諸国諸大名の敷き芝に、ノンノコセイセイ」「コチャエ、コチャエは今はやる、
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
が、
提灯
(
ちょうちん
)
雪駄
(
せった
)
でうとてゆく」
私の母
(新字新仮名)
/
堺利彦
(著)
「
入
(
い
)
らつしやいまし。」と
若
(
わか
)
い
女中
(
ぢよちゆう
)
が
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
の
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
に
膝
(
ひざ
)
をつき、
出
(
だ
)
してあるスリツパを
揃
(
そろ
)
へ、「どうぞ、お二
階
(
かい
)
へ。
突当
(
つきあた
)
りが
明
(
あ
)
いてゐます。」
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
若
(
わか
)
き
血潮
(
ちしほ
)
の
漲
(
みな
)
ぎりに、私は
微醺
(
びくん
)
でも
帶
(
お
)
びた時のやうにノンビリした
心地
(
こゝち
)
になツた。友はそんなことは氣が
付
(
つ
)
かぬといふ
風
(
ふう
)
。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
この
外
(
ほか
)
、
樂
(
たの
)
しみの
歌
(
うた
)
はありますが、
年
(
とし
)
の
若
(
わか
)
いあなた
方
(
がた
)
にはわかりにくいものは
省
(
はぶ
)
きました。これらの
歌
(
うた
)
ならば、あなた
方
(
がた
)
にも
大體
(
だいたい
)
わかりませう。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
この長歌には、『吾妹子が形見に置ける
若
(
わか
)
き
児
(
こ
)
の乞ひ泣く毎に』云々とあつて、幼児を残して死んだやうに出来てゐる。
人麿の妻
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その
頃
(
ころ
)
の
若
(
わか
)
いもんたちは、
三日三晩
(
みっかみばん
)
、たたらという
大
(
おお
)
きなふいごを
足
(
あし
)
で
踏
(
ふ
)
んで、
銅
(
かね
)
をとかす
火
(
ひ
)
をおこしたもんだそうだ。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
其
(
そ
)
はお
若
(
わか
)
い
衆
(
しう
)
不了簡
(
ふれうけん
)
死ぬは
何時
(
いつ
)
でも易い事
先々
(
まづ/\
)
此方
(
こなた
)
へ
來
(
こ
)
られよと云ふ
面
(
かほ
)
見
(
み
)
れば吉原の
幇間
(
たいこ
)
五八なれば吉之助は
尚々
(
なほ/\
)
面目なく又もや身を
投
(
なげ
)
んとせしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
領主 月桂冠は、死んだ
若
(
わか
)
が戴くべきものだ! 汝の歌った一曲は、若が歌うべき「死に行く人魚」の歌ではないか。(鋭く)盗める曲に何を与う!
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
正に
骨味
(
ほねみ
)
を
削
(
けづ
)
るが如くあれほど
必
(
ひつ
)
死に
眞劍
(
しんけん
)
に
爭
(
あらそ
)
ひ
戰
(
たゝか
)
はなければならないとは! さう言えば、
昔
(
むかし
)
爭
(
あらそ
)
ひ
將棋
(
せうき
)
に
敗
(
やぶ
)
れて
血
(
ち
)
を
吐
(
は
)
いて死んだ
若
(
わか
)
い
棋士
(
きし
)
があつた。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
、
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
ののどかな村むらを、
粟毛
(
くりげ
)
に
額白
(
ぬかじろ
)
の馬をのりまわした糟谷は、
当時
(
とうじ
)
若
(
わか
)
い男女の
注視
(
ちゅうし
)
の
焦点
(
しょうてん
)
であった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「そうでした。すみません。わけをハッキリと
話
(
はな
)
さなくちやいけなかつたんです。
実
(
じつ
)
は、この
事件
(
じけん
)
の
発見者
(
はっけんしゃ
)
は、
島本守
(
しまもとまもる
)
という
若
(
わか
)
いお
医者
(
いしゃ
)
さんでしたね」
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
この
山
(
やま
)
が
琵琶湖
(
びはこ
)
と
共
(
とも
)
に
一夜
(
いちや
)
にして
出來
(
でき
)
たなどといふのは、
科學
(
かがく
)
を
知
(
し
)
らなかつた
人
(
ひと
)
のこじつけであらうが、
富士
(
ふじ
)
が
若
(
わか
)
い
火山
(
かざん
)
であることには
間違
(
まちが
)
ひはない。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
姫や
若
(
わか
)
の顔、
女房
(
にょうぼう
)
の
罵
(
ののし
)
る声、
京極
(
きょうごく
)
の
屋形
(
やかた
)
の庭の景色、
天竺
(
てんじく
)
の
早利即利兄弟
(
そうりそくりきょうだい
)
、
震旦
(
しんたん
)
の
一行阿闍梨
(
いちぎょうあじゃり
)
、本朝の
実方
(
さねかた
)
の
朝臣
(
あそん
)
、——とても一々数えてはいられぬ。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
中入
(
なかい
)
りが済むと、もう一度いつもの芸当をごらんに入れるか、
忌
(
いや
)
だ、いやだ。からだが悪いとでもいって、お
若
(
わか
)
のように二、三日休んでやろうかしら」
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
町
(
まち
)
では
實
(
じつ
)
にもう
退屈
(
たいくつ
)
です。
誰
(
だれ
)
を
相手
(
あひて
)
に
話
(
はなし
)
するものもなし。
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
く
者
(
もの
)
もなし。
新
(
あたら
)
しい
人間
(
にんげん
)
はなし。
然
(
しか
)
し
此頃
(
このころ
)
ハヾトフと
云
(
い
)
ふ
若
(
わか
)
い
醫者
(
いしや
)
が
町
(
まち
)
には
來
(
き
)
たですが。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「宇部の炭坑に行った帰りです。……ああ、大庭へ行きなさったといやあ、
若
(
わか
)
オヤジのおめでたでしょう?」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
それから
王子
(
おうじ
)
が
妻
(
つま
)
になってくれないかと
言
(
い
)
い
出
(
だ
)
すと、
少女
(
むすめ
)
は
王子
(
おうじ
)
の
若
(
わか
)
くって、
美
(
うつく
)
しいのを
見
(
み
)
て、
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
で
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
また
日向
(
ひむか
)
の
泉
(
いづみ
)
の
長
(
なが
)
比賣に娶ひて、生みませる御子、大
羽江
(
はえ
)
の
王
(
みこ
)
、次に
小羽江
(
をはえ
)
の王、次に
檣日
(
はたび
)
の
若
(
わか
)
郎女三柱。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
あゝ聖なる父よ、墓の
邊
(
ほとり
)
にて
若
(
わか
)
き足に勝ちしほどかたく信じゐたりしものを今見る靈よ 一二四—一二六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
いちど深く
沈
(
しず
)
んでから、ボカッと、あわだった水面に
浮
(
う
)
きあがってきたのを見ると、
若
(
わか
)
い
武士
(
ぶし
)
の
生首
(
なまくび
)
だ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
は二
度
(
ど
)
はない』と
稱
(
しよう
)
してあらゆる
肉慾
(
にくよく
)
を
恣
(
ほしい
)
まゝにせんとする
青年男女
(
せいねんだんぢよ
)
の
自由
(
じいう
)
に
干渉
(
かんせふ
)
し
得
(
う
)
るぞ。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
玄竹
(
げんちく
)
の
藥箱
(
くすりばこ
)
は
可
(
か
)
なり
重
(
おも
)
いものであつた。これは
玉造
(
たまつくり
)
の
稻荷
(
いなり
)
の
祭禮
(
さいれい
)
に
御輿
(
みこし
)
擔
(
かつ
)
いだ
町
(
まち
)
の
若
(
わか
)
い
衆
(
しう
)
がひどい
怪我
(
けが
)
をした
時
(
とき
)
玄竹
(
げんちく
)
が
療治
(
れうぢ
)
をしてやつたお
禮
(
れい
)
に
貰
(
もら
)
つたものであつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
だから、
若
(
わか
)
い船員たちは、或る者は、紙のように白い顔となり、また或る者は
朱盆
(
しゅぼん
)
のように、真赤な顔になっていた。一等運転士が、それをしきりに、止めている。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
物堅
(
ものがた
)
い和上も
若
(
わか
)
いので
未
(
ま
)
だ
法力
(
はふりき
)
の
薄
(
うす
)
かつた
故
(
せゐ
)
か、
入寺
(
にふじ
)
の時の覚悟を忘れて其の娘を
貰
(
もら
)
ふ事に
定
(
き
)
めた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
もう卅
歳
(
さい
)
若
(
わか
)
かつたなら?——
日本
(
につほん
)
の
文壇
(
ぶんだん
)
は、
何
(
ど
)
う
動搖
(
どうえう
)
し、
私
(
わたし
)
は——
私
(
わたし
)
は、
數
(
かぞ
)
へると、
九歳
(
こゝのつ
)
だつ!
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
するとこの
若
(
わか
)
い
鳥
(
とり
)
は
翼
(
つばさ
)
で
横腹
(
よこばら
)
を
摶
(
う
)
ってみましたが、それは
全
(
まった
)
くしっかりしていて、
彼
(
かれ
)
は
空
(
そら
)
高
(
たか
)
く
昇
(
のぼ
)
りはじめました。そしてこの
翼
(
つばさ
)
はどんどん
彼
(
かれ
)
を
前
(
まえ
)
へ
前
(
まえ
)
へと
進
(
すす
)
めてくれます。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
まだ
若
(
わか
)
い十八の
年
(
とし
)
に、
彼女
(
かれ
)
は、
淋
(
さび
)
しい
昔戀
(
むかしこひ
)
しいやうな
心持
(
こゝろもち
)
になつて、もしも
自分
(
じぶん
)
が
松葉杖
(
まつばづゑ
)
をつかない
壯健
(
そうけん
)
な
女
(
をんな
)
であつたならば、
自分
(
じぶん
)
の
運命
(
うんめい
)
はどうなつたであらうかと
考
(
かんが
)
へた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
Sとは、
極度
(
きよくど
)
に
切
(
き
)
り
詰
(
つ
)
めた
生活
(
せいくわつ
)
をして、
献身的
(
けんしんてき
)
に
運動
(
うんどう
)
をしてゐた、
若
(
わか
)
い
一人
(
ひとり
)
の
鬪士
(
とうし
)
だつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
此
(
この
)
弦月丸
(
げんげつまる
)
にも
屡
(
しば/\
)
其
(
その
)
催
(
もようし
)
があつて
私等
(
わたくしら
)
も
折々
(
をり/\
)
臨席
(
りんせき
)
したが、
或
(
ある
)
夜
(
よ
)
の
事
(
こと
)
、
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
眩
(
まば
)
ゆき
舞踏室
(
ぶたうしつ
)
では
今夜
(
こんや
)
は
珍
(
めづ
)
らしく
音樂會
(
おんがくくわい
)
の
催
(
もよう
)
さるゝ
由
(
よし
)
で、
幾百人
(
いくひやくにん
)
の
歐米人
(
をうべいじん
)
は
老
(
おい
)
も
若
(
わか
)
きも
其處
(
そこ
)
に
集
(
あつま
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
すると一
番
(
ばん
)
最後
(
さいご
)
にペンペといふ
何
(
なに
)
も
知
(
し
)
らない
若
(
わか
)
い
鴉
(
からす
)
が
出
(
で
)
てきて『そいつはおもしろいな、ヱヴェレストのてつぺんまでは
大飛行
(
だいひかう
)
だ。
僕
(
ぼく
)
は
大賛成
(
だいさんせい
)
だ。ラランよ。
僕
(
ぼく
)
でも
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
か。』
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
“若”の意味
《名詞》
(わか)若君の略。代名詞的にも用いられる。
(出典:Wiktionary)
若
常用漢字
小6
部首:⾋
8画
“若”を含む語句
若衆
若干
傍若無人
若人
若者
若僧
若子
自若
杜若
若年
若木
若武士
天若日子
蘭若
老若
老若男女
若輩
若々
幸若
若侍
...