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注
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そゝ
ふりがな文庫
“
注
(
そゝ
)” の例文
夫婦
(
ふうふ
)
はこれに
刎起
(
はねお
)
きたが、
左右
(
さいう
)
から
民子
(
たみこ
)
を
圍
(
かこ
)
つて、
三人
(
さんにん
)
六
(
むつ
)
の
目
(
め
)
を
注
(
そゝ
)
ぐと、
小暗
(
をぐら
)
き
方
(
かた
)
に
蹲
(
うづくま
)
つたのは、
何
(
なに
)
ものかこれ
唯
(
たゞ
)
一
羽
(
は
)
の
雁
(
かり
)
なのである。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
勘次
(
かんじ
)
はおつたの
姿
(
すがた
)
をちらりと
垣根
(
かきね
)
の
入口
(
いりぐち
)
に
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
不快
(
ふくわい
)
な
目
(
め
)
を
蹙
(
しが
)
めて
知
(
し
)
らぬ
容子
(
ようす
)
を
粧
(
よそほ
)
ひながら
只管
(
ひたすら
)
蕎麥
(
そば
)
の
幹
(
から
)
に
力
(
ちから
)
を
注
(
そゝ
)
いだのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そのとき
西
(
にし
)
のぎらぎらのちぢれた
雲
(
くも
)
のあひだから、
夕陽
(
ゆふひ
)
は
赤
(
あか
)
くなゝめに
苔
(
こけ
)
の
野原
(
のはら
)
に
注
(
そゝ
)
ぎ、すすきはみんな
白
(
しろ
)
い
火
(
ひ
)
のやうにゆれて
光
(
ひか
)
りました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
赤鉢卷隊
(
あかはちまきたい
)
は
全力
(
ぜんりよく
)
を
山頂
(
さんてう
)
に
向
(
むか
)
つて
注
(
そゝ
)
ぎ、
山全體
(
やまぜんたい
)
を
取
(
とり
)
くづすといふ
勢
(
いきほ
)
ひで
遣
(
や
)
つて
居
(
ゐ
)
る
間
(
うち
)
に、
鍬
(
くは
)
の
先
(
さき
)
にガチリと
音
(
おと
)
して
何
(
なに
)
か
當
(
あた
)
つた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
私
(
わたくし
)
は
此時
(
このとき
)
まで
殆
(
ほと
)
んど
喪心
(
そうしん
)
の
有樣
(
ありさま
)
で、
甲板
(
かんぱん
)
の
一端
(
いつたん
)
に
屹立
(
つゝた
)
つた
儘
(
まゝ
)
、
此
(
この
)
慘憺
(
さんたん
)
たる
光景
(
ありさま
)
に
眼
(
まなこ
)
を
注
(
そゝ
)
いで
居
(
を
)
つたが、ハツと
心付
(
こゝろつ
)
いたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
堂堂
(
どうどう
)
と
遠慮
(
えんりよ
)
なく
爭
(
あらそ
)
ひ
勝
(
か
)
つべく、
弱
(
よわ
)
き者
敗
(
やぶ
)
るる者がドシドシ
蹴落
(
けおと
)
されて行く事に
感傷的
(
かんせうてき
)
な
憐憫
(
れんびん
)
など
注
(
そゝ
)
ぐべきでもあるまい。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
己が
壜子
(
とくり
)
の酒を與へて汝の
渇
(
かわき
)
をとゞむることをせざる者は、その自由ならざること、海に
注
(
そゝ
)
がざる水に等し 八八—九〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
自分は珈琲の中に強いアルコオル性のコニヤツクを
注
(
そゝ
)
いで、
立上
(
たちのぼ
)
る湯氣と共に其の薫りを深く吸ひ込んだ。一時の悲愁は忽ち消えて心がうつとりとなる。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
実
(
じつ
)
は
君
(
きみ
)
に
話
(
はな
)
したい事があるんだが」と代助は
遂
(
つい
)
に云ひ
出
(
だ
)
した。すると、平岡は急に様子を変へて、落ち
付
(
つ
)
かない
眼
(
め
)
を代助の
上
(
うへ
)
に
注
(
そゝ
)
いだが、
卒然
(
そつぜん
)
として
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
現今
(
げんこん
)
では
精神病者
(
せいしんびやうしや
)
の
治療
(
ちれう
)
に
冷水
(
れいすゐ
)
を
注
(
そゝ
)
がぬ、
蒸暑
(
むしあつ
)
きシヤツを
被
(
き
)
せぬ、
而
(
さう
)
して
人間的
(
にんげんてき
)
に
彼等
(
かれら
)
を
取扱
(
とりあつか
)
ふ、
即
(
すなは
)
ち
新聞
(
しんぶん
)
に
記載
(
きさい
)
する
通
(
とほ
)
り、
彼等
(
かれら
)
の
爲
(
ため
)
に、
演劇
(
えんげき
)
、
舞蹈
(
ぶたふ
)
を
催
(
もよほ
)
す。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
もつれ毛が
顎
(
あご
)
の下に渡してある白い紐の下からはみ出し、半ばは頬の上と云ふよりは寧ろ顎の上にかゝつてゐた。彼女の眼は直ぐに無遠慮に
眞直
(
まつすぐ
)
に私に
注
(
そゝ
)
がれた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
目は地上に
注
(
そゝ
)
がるゝことしばらくなりき、アヌンチヤタは忽ち
右手
(
めて
)
を擧げて、
緩
(
ゆるやか
)
にその
額
(
ぬか
)
を撫でたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
注
(
そゝ
)
いで
行
(
ゆ
)
き
過
(
す
)
ぎられし
後
(
あと
)
に
又
(
また
)
人音
(
ひとおと
)
この
度
(
たび
)
こそはと
見
(
み
)
れげ
情
(
なさけ
)
なし
三軒許
(
さんげんばかり
)
手前
(
てまへ
)
なる
家
(
いへ
)
に
入
(
い
)
りぬ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「だから貴様達は馬鹿だと云ふんだ」突如落雷の如き
怒罵
(
どば
)
の声は一隅より起れり、
衆目
(
しゆうもく
)
驚いて之に
注
(
そゝ
)
げば、
未
(
いま
)
だ
廿歳前
(
はたちぜん
)
らしき
金鈕
(
きんボタン
)
の書生、
黙誦
(
もくじゆ
)
しつゝありし洋書を握り固めて
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
烏
(
からす
)
と
爭
(
あらそ
)
ふとも
遁
(
のが
)
るゝことは
叶
(
かな
)
はず
速
(
すみ
)
やかに白状せよと
諭
(
さと
)
されければ大膽無類の長庵も
最早
(
もはや
)
叶
(
かな
)
はじとや思ひけん見る中に
髮髯
(
かみひげ
)
逆立
(
さかだち
)
兩眼
(
りやうがん
)
に
血
(
ち
)
を
注
(
そゝ
)
ぎ
惡鬼羅刹
(
あくきらせつ
)
の如き
面
(
おもて
)
を
振上
(
ふりあ
)
げ一同の者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一人
(
ひとり
)
は
毒瓦斯
(
どくがす
)
を
拔
(
ぬ
)
くべく
起
(
た
)
つて
窓
(
まど
)
を
少
(
すこ
)
し
開
(
あ
)
けた。
餘
(
よ
)
の
人々
(
ひと/″\
)
は
新來
(
しんらい
)
の
客
(
きやく
)
に
目
(
め
)
を
注
(
そゝ
)
いだ。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
膝行
(
ゐざ
)
り寄つたお京は、赤ん坊のやうな素直な心持で、音次郎の首つ玉に、
犇々
(
ひし/\
)
とすがりつくのです。どつと留めどのない涙が、死に化粧の白粉を流して、男の襟へ首筋へと
注
(
そゝ
)
ぎます。
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
薙刀
(
なぎなた
)
を
抱
(
かゝ
)
へた白衣姿の小池と、母親が
丹精
(
たんせい
)
を
凝
(
こら
)
した
化粧
(
けしやう
)
の中に凉しい眼鼻を浮べて、紅い唇を
蕾
(
つぼ
)
めたお光とが、連れ立つて歸つて行くのを、町の人は取り卷くやうにして眼を
注
(
そゝ
)
いだ。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
養生
(
やうじやう
)
を
榮燿
(
えいやう
)
の
樣
(
やう
)
に
思
(
おも
)
ふは
世上
(
せじやう
)
一般
(
いつぱん
)
の
習慣
(
ならはし
)
なり。
今
(
いま
)
余
(
よ
)
が
言
(
い
)
へる
養生法
(
やうじやうはふ
)
は、いかなる
貧人
(
ひんじん
)
、いかなる
賤業
(
せんげふ
)
の
人
(
ひと
)
にても、
日夜
(
にちや
)
心
(
こゝろ
)
を
注
(
そゝ
)
げば
出來
(
でき
)
る
事
(
こと
)
なり。
因
(
よつ
)
て
其
(
その
)
大意
(
たいい
)
を
三首
(
さんしゆ
)
の
蜂腰
(
ほうえう
)
に
綴
(
つゞ
)
ること
爾
(
しか
)
り。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
パリス (廟の前へ進みて)なつかしい
花
(
はな
)
の
我妹子
(
わぎもこ
)
、
花
(
はな
)
を
此
(
この
)
新床
(
にひどこ
)
の
上
(
うへ
)
に
撒
(
ま
)
いて……あゝ、
天蓋
(
てんがい
)
は
石
(
いし
)
や
土塊
(
つちくれ
)
……
其
(
その
)
撒
(
ま
)
いた
草花
(
くさはな
)
に
夜毎
(
よごと
)
に
香
(
かほ
)
る
水
(
みづ
)
を
注
(
そゝ
)
がう。
若
(
も
)
しそれが
盡
(
つ
)
きたなら、
歎
(
なげ
)
きに
搾
(
しぼ
)
る
予
(
わし
)
が
涙
(
なみだ
)
を。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
水
(
みづ
)
は
燃燒
(
ねんしよう
)
の
元
(
もと
)
に
注
(
そゝ
)
ぐこと、
焔
(
ほのほ
)
や
煙
(
けむり
)
に
注
(
つ
)
いでも
何等
(
なんら
)
の
效果
(
こうか
)
がない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
今や吾が手にして居る電報に氣の
注
(
そゝ
)
がぬといふ事は無い。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
青天
(
あをぞら
)
の光、咲き亂れたる花に
注
(
そゝ
)
ぐ
虱とるひと
(旧字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
然
(
しか
)
し
彼等
(
かれら
)
は一
方
(
ぱう
)
に
有
(
いう
)
して
居
(
ゐ
)
る
矛盾
(
むじゆん
)
した
羞耻
(
しうち
)
の
念
(
ねん
)
に
制
(
せい
)
せられて
燃
(
も
)
えるやうな
心情
(
しんじやう
)
から
竊
(
ひそか
)
に
果敢
(
はか
)
ない
目
(
め
)
の
光
(
ひかり
)
を
主
(
しゆ
)
として
夜
(
よ
)
に
向
(
むか
)
つて
注
(
そゝ
)
ぐのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ト
木彫
(
きぼり
)
のあの、
和蘭陀靴
(
オランダぐつ
)
は、スポンと
裏
(
うら
)
を
見
(
み
)
せて
引顛返
(
ひつくりかへ
)
る。……
煽
(
あふり
)
をくつて、
論語
(
ろんご
)
は、ばら/\と
暖爐
(
だんろ
)
に
映
(
うつ
)
つて、
赫
(
くわつ
)
と
朱
(
しゆ
)
を
注
(
そゝ
)
ぎながら、
頁
(
ペエジ
)
を
開
(
ひら
)
く。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
だらうとは
想
(
おも
)
ひました、
實
(
じつ
)
に
酷
(
ひど
)
い
目
(
め
)
にお
逢
(
あひ
)
になりましたな。』と、
今
(
いま
)
しも
射殺
(
ゐたを
)
したる
猛狒
(
ゴリラ
)
の
死骸
(
しがい
)
に
眼
(
まなこ
)
を
注
(
そゝ
)
いで
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
けれども、代助の精神は、結婚謝絶と、其謝絶に
次
(
つ
)
いで起るべき、三千代と自分の関係にばかり
注
(
そゝ
)
がれてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あゝ我をして視る力の盡くるまで、
永遠
(
とこしへ
)
の光の中に敢て目を
注
(
そゝ
)
がしめし
恩惠
(
めぐみ
)
はいかに
裕
(
ゆたか
)
なるかな 八二—八四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
恐
(
おそ
)
らく
此後
(
こののち
)
も
無
(
な
)
からうと
思
(
おも
)
ふ。
今
(
いま
)
の
處
(
ところ
)
では
養子
(
やうし
)
を
仕
(
し
)
やうとも
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
らぬ。されば
若
(
も
)
し
生活
(
せいかつ
)
に
餘
(
あま
)
りある
時
(
とき
)
には、それを
悉
(
こと/″\
)
く
注
(
そゝ
)
いで
遺跡
(
ゐせき
)
の
發掘
(
はつくつ
)
を
成
(
な
)
し
得
(
う
)
るのである。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
僕
(
ぼく
)
は一
念
(
ねん
)
こゝに
及
(
およ
)
べば
世
(
よ
)
の
倫理學者
(
りんりがくしや
)
、
健全先生
(
けんぜんせんせい
)
、
批評家
(
ひゝやうか
)
、なんといふ
動物
(
どうぶつ
)
を
地球外
(
ちきうぐわい
)
に
放逐
(
はうちく
)
したくなる、
西印度
(
にしいんど
)
の
猛烈
(
まうれつ
)
なる
火山
(
くわざん
)
よ、
何故
(
なにゆゑ
)
に
爾
(
なんぢ
)
の
熱火
(
ねつくわ
)
を
此種
(
このしゆ
)
の
動物
(
どうぶつ
)
の
頭上
(
づじやう
)
には
注
(
そゝ
)
がざりしぞ!
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
小
(
ちひ
)
さな
土橋
(
どばし
)
が
一
(
ひと
)
つ、
小川
(
をがは
)
が
山川
(
やまがは
)
へ
注
(
そゝ
)
ぐところに
架
(
かゝ
)
つてゐた。
山川
(
やまがは
)
には
橋
(
はし
)
がなくて、
香魚
(
あゆ
)
の
棲
(
す
)
みさうな
水
(
みづ
)
が、
京
(
きやう
)
の
鴨川
(
かもがは
)
のやうに、あれと
同
(
おな
)
じくらゐの
幅
(
はゞ
)
で、
淺
(
あさ
)
くちよろ/\と
流
(
なが
)
れてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
掬
(
むす
)
びて口に
注
(
そゝ
)
ぎなどして
厚
(
あつ
)
く
介抱
(
かいはう
)
なしけるに半四郎は未だ口は
利
(
きか
)
ざれども眼を開き追々に
息
(
いき
)
も入たる樣子を見て
先々
(
まづ/\
)
強き
怪我
(
けが
)
もなかりしや
而
(
して
)
其許
(
そのもと
)
は何國の者ぞ又如何成る用事有て夜中只一人此原中を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「火に油
注
(
そゝ
)
ぐ者の
火傷
(
くわしやう
)
は、我等の微力に救ふことは出来ませぬ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「どれ、あの
遠
(
とほ
)
くのがゝ、
分
(
わか
)
るもんか
何處
(
どこ
)
だか」
勘次
(
かんじ
)
は
燃
(
も
)
えた
處
(
ところ
)
だけがつくりと
減
(
へ
)
つた
蚊燻
(
かいぶ
)
しの
青草
(
あをくさ
)
に
目
(
め
)
を
注
(
そゝ
)
ぎながら
氣乘
(
きのり
)
のしない
樣
(
やう
)
にいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
もう
少
(
すこ
)
しで双方がぴたりと
出合
(
であ
)
つて
一
(
ひと
)
つに
収
(
おさ
)
まると云ふ所で、
時
(
とき
)
の
流
(
なが
)
れが急に
向
(
むき
)
を換へて永久の
中
(
なか
)
に
注
(
そゝ
)
いで仕舞ふ。原口さんの
画筆
(
ブラツシ
)
は
夫
(
それ
)
より先には進めない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
はやわが目は再びわが淑女の顏に
注
(
そゝ
)
がれ、目とともに
意
(
こゝろ
)
もこれに注がれて他の一切の思ひを離れき 一—三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
與吉
(
よきち
)
は
父親
(
ちゝおや
)
に
命
(
めい
)
ぜられて、
心
(
こゝろ
)
に
留
(
と
)
めて
出
(
で
)
たから、
岸
(
きし
)
に
上
(
あが
)
ると、
思
(
おも
)
ふともなしに
豆腐屋
(
とうふや
)
に
目
(
め
)
を
注
(
そゝ
)
いだ。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
此處
(
こゝ
)
は
所
(
ところ
)
も
印度洋
(
インドやう
)
、
其
(
その
)
不屆
(
ふとゞき
)
な
小忰
(
こせがれ
)
めは
何處
(
どこ
)
に
居
(
を
)
る。』と
艦上
(
かんじやう
)
の
速射砲
(
そくしやほう
)
に
眼
(
め
)
を
注
(
そゝ
)
いで
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
注
(
そゝ
)
ぎ掛け忠兵衞なれば
恍惚
(
みとれ
)
もせず其儘
奧
(
おく
)
へ入たれば
能
(
よく
)
は見ねども
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
るさへ比ひ
稀
(
まれ
)
なる美婦人と思へば
家
(
うち
)
の若旦那が
見染
(
みそめ
)
て思ひ
惱
(
なやむ
)
も
道理
(
だうり
)
要こそあれと
主個
(
あるじ
)
に向ひチト
率爾
(
そつじ
)
なるお願ひにて申し出すも出しにくきが
吾儕
(
わたくし
)
は本町三丁目
小西屋長左衞門
(
こにしやちやうざゑもん
)
方の
管伴
(
ばんたう
)
にて忠兵衞と申す者なるが今日出番かた/″\にて
御覽
(
ごらん
)
の通り
丁稚
(
こぞう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あはれ
良匠
(
りやうしやう
)
がなあれかしと、あまたある
臣下等
(
しんかども
)
に
絶
(
た
)
えず
御眼
(
おんめ
)
を
注
(
そゝ
)
がれける。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
その
)
時分
(
じぶん
)
の
宗助
(
そうすけ
)
の
眼
(
め
)
は、
常
(
つね
)
に
新
(
あた
)
らしい
世界
(
せかい
)
にばかり
注
(
そゝ
)
がれてゐた。だから
自然
(
しぜん
)
が
一通
(
ひととほり
)
四季
(
しき
)
の
色
(
いろ
)
を
見
(
み
)
せて
仕舞
(
しま
)
つたあとでは、
再
(
ふたゝ
)
び
去年
(
きよねん
)
の
記憶
(
きおく
)
を
呼
(
よ
)
び
戻
(
もど
)
すために、
花
(
はな
)
や
紅葉
(
もみぢ
)
を
迎
(
むか
)
へる
必要
(
ひつえう
)
がなくなつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども其驚ろきは、論理なき急劇の変化の
上
(
うへ
)
に
注
(
そゝ
)
がれた丈であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
窓
(
まど
)
を
開
(
あ
)
けると、
氷
(
こほり
)
を
目
(
め
)
に
注
(
そゝ
)
ぐばかり、
颯
(
さつ
)
と
雨
(
あめ
)
が
冷
(
つめた
)
い。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“注”の意味
《名詞》
(チュウ、註の書き換え)注釈の略。
(出典:Wiktionary)
“注(
注釈
)”の解説
注釈(註釈、ちゅうしゃく、en: annotation)または注解(註解、ちゅうかい)とは、文章や専門用語について補足・説明・解説するための文書や語句。
本項では、古典や経典における注釈書(ちゅうしゃくしょ、en: commentary)についても扱う。
(出典:Wikipedia)
注
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
“注”を含む語句
注意
不注意
水注
注意書
注視
注射
注連縄
注文
集注
御注意
注連
注進
注意深
注連繩
注連飾
問注所
傾注
奔注
御注進
御注
...