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義理
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ぎり
ふりがな文庫
“
義理
(
ぎり
)” の例文
解
(
わか
)
つた、
松葉屋
(
まつばや
)
のお
稲
(
いね
)
の
妹
(
いもうと
)
の
金次
(
きんじ
)
が
待合
(
まちあひ
)
を出したと聞きましたが。乙「
未
(
ま
)
だ
僕
(
ぼく
)
は
家見舞
(
いへみまひ
)
に
行
(
いか
)
ず、
年玉
(
としだま
)
の
義理
(
ぎり
)
をかけてさ。甲「
好
(
よ
)
し/\。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わたくし
)
は
別
(
べつ
)
に
婦道
(
ふどう
)
が
何
(
ど
)
うの、
義理
(
ぎり
)
が
斯
(
こ
)
うのと
言
(
い
)
って、
六ヶ
(
むずか
)
しい
理窟
(
りくつ
)
から
割
(
わ
)
り
出
(
だ
)
して、
三浦
(
みうら
)
に
踏
(
ふ
)
みとどまった
訳
(
わけ
)
でも
何
(
なん
)
でもございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
げにも
浮世
(
うきよ
)
か
音曲
(
おんぎよく
)
の
師匠
(
ししやう
)
の
許
(
もと
)
に
然
(
しか
)
るべき
曾
(
くわい
)
の
催
(
もよほ
)
し
斷
(
ことわ
)
りいはれぬ
筋
(
すぢ
)
ならねどつらきものは
義理
(
ぎり
)
の
柵
(
しがらみ
)
是非
(
ぜひ
)
と
待
(
ま
)
たれて
此日
(
このひ
)
の
午後
(
ひるすぎ
)
より
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
單
(
たん
)
に
頭
(
あたま
)
から
割
(
わ
)
り
出
(
だ
)
した、
恰
(
あたか
)
も
畫
(
ゑ
)
にかいた
餠
(
もち
)
の
樣
(
やう
)
な
代物
(
しろもの
)
を
持
(
も
)
つて、
義理
(
ぎり
)
にも
室中
(
しつちゆう
)
に
入
(
い
)
らなければならない
自分
(
じぶん
)
の
空虚
(
くうきよ
)
な
事
(
こと
)
を
耻
(
は
)
ぢたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうですか。しかしそれはあまりにもおろかな
義理
(
ぎり
)
だてというものです。ぼくはどうしても恩人たる博士をすくいださずにはいられない」
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
何
(
なん
)
だつて、
又
(
また
)
……
大病人
(
たいびやうにん
)
を
釣臺
(
つりだい
)
でかゝへて
居
(
ゐ
)
て、
往來
(
わうらい
)
、
喧嘩
(
けんくわ
)
も
出來
(
でき
)
ない
義理
(
ぎり
)
ですから、
睨着
(
にらみつ
)
けて
其
(
そ
)
のまんま
歩行
(
ある
)
いたさうです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
南
(
みなみ
)
の
女房
(
にようばう
)
は
蒲團
(
ふとん
)
を二
枚
(
まい
)
肩
(
かた
)
に
掛
(
か
)
けて
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
た。
一
(
ひと
)
つには
義理
(
ぎり
)
が
濟
(
す
)
まぬといふので
卯平
(
うへい
)
の
容子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
に
來
(
き
)
たのである。
其
(
そ
)
れは二
度目
(
どめ
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
義理
(
ぎり
)
がたいこというなあ、久子さん。あんたがそないに気をつかわんでも、ちょうどよかったんだから。後藤先生は、すすんで岬を希望したんだから」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
村
(
むら
)
でも、よくよく
困
(
こま
)
ったものには、
自分
(
じぶん
)
たちのものを、
分
(
わ
)
けてやるぐらいの
義理
(
ぎり
)
や、
人情
(
にんじょう
)
が
残
(
のこ
)
っているからな。
かたい大きな手
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見廻し
拔放
(
ぬきはな
)
し
元末
(
もとすゑ
)
倩々
(
つく/″\
)
打
詠
(
なが
)
め是ぞ此身の
消
(
き
)
えて
行
(
ゆ
)
く
露
(
つゆ
)
の
白刄
(
しらは
)
と成けるが
義理
(
ぎり
)
有
(
ある
)
養父
(
やうふ
)
や
忠々敷
(
まめ/\しき
)
那
(
あ
)
の久八を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
(下に図するこれなり)
彫
(
きざみ
)
たる人の
頭
(
かしら
)
を左りに
顧
(
むか
)
せ、その
下
(
しも
)
に五字を
彫
(
ほり
)
つけしは、是より左り
蛾眉山下橋
(
がびさんかのはし
)
なりと人にをしゆる
標準
(
みちしるべ
)
なりとかたられき。是にて
義理
(
ぎり
)
渙然
(
くわんぜん
)
たり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
むすめにとっては、まま母や
義理
(
ぎり
)
の妹の顔を見ないですむだけでも、うれしかったのです。
森のなかの三人の小人
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
おめえやお
袋
(
ふくろ
)
に、
会
(
あ
)
わせる
顔
(
かお
)
はねえンだが、ちっとばかり、
人
(
ひと
)
に
頼
(
たの
)
まれたことがあって、
義理
(
ぎり
)
に
挟
(
はさ
)
まれてやって
来
(
き
)
たのよ。おせん、
済
(
す
)
まねえが、おいらの
頼
(
たの
)
みを
聞
(
き
)
いてくんねえ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
黙れッ! おのれお艶、痩せても枯れても武士の妻ともあろう者が、
正邪
(
せいじゃ
)
の別、
恩愛
(
おんあい
)
義理
(
ぎり
)
をもわきまえず、言わせておけば際限もなく、よッくノメノメとさようなことがいえるな。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
朧
氣
(
け
)
な
記憶
(
きおく
)
を
辿
(
たど
)
れば、久保田さんのは
私
(
わたし
)
も二三
度
(
ど
)
一緒に行つた事のある、
淺
(
あさ
)
草の十二
階
(
かい
)
近
所
(
しよ
)
の球
突塲
(
つきば
)
を
背景
(
はいけい
)
にしたもので、そこに久保田さん
獨特
(
どくとく
)
の
義理
(
ぎり
)
人
情
(
ぜう
)
の
世界
(
せかい
)
を扱つてあつたやうに
思
(
おも
)
ふ。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
此樣
(
こん
)
な
身
(
み
)
に
成
(
な
)
つても
其方
(
そちら
)
への
義理
(
ぎり
)
ばかり
思
(
おも
)
つて
情
(
なさけ
)
ない
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
し
居
(
を
)
る、
多少
(
たせう
)
教育
(
けういく
)
も
授
(
さづ
)
けてあるに
狂氣
(
きやうき
)
するといふは
如何
(
いか
)
にも
恥
(
はづ
)
かしい
事
(
こと
)
で
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は
暫
(
しばら
)
く
好
(
すき
)
な
煙草
(
たばこ
)
に
屈託
(
くつたく
)
して
居
(
ゐ
)
たが
漸
(
やうや
)
く
日
(
ひ
)
が
暖
(
あたゝか
)
く
成
(
な
)
り
掛
(
か
)
けたので、
稀
(
まれ
)
に
生存
(
せいぞん
)
して
居
(
ゐ
)
る
往年
(
わうねん
)
の
朋輩
(
ほうばい
)
や
近所
(
きんじよ
)
への
義理
(
ぎり
)
かた/″\
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
す
積
(
つもり
)
で
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「そうだ、たしかにギンネコ号だ。救援の電信を受取って、現場へいそいでくれたんだな。なかなか
義理
(
ぎり
)
がたい艇だ」
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
畜生
(
ちくしやう
)
、
人
(
ひと
)
の
女房
(
にようばう
)
を
奪
(
うば
)
つた
畜生
(
ちくしやう
)
、
魔物
(
まもの
)
に
義理
(
ぎり
)
はあるまいが、
約束
(
やくそく
)
を
違
(
たが
)
へて
済
(
す
)
むか、……
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
つて
約束
(
やくそく
)
した——
婦
(
をんな
)
の
彫像
(
てうざう
)
を
拵
(
こしら
)
へろ、
其
(
そ
)
の
形代
(
かたしろ
)
を
持
(
も
)
つて
来
(
こ
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
自然
(
しぜん
)
叔父
(
をぢ
)
の
家
(
うち
)
に
足
(
あし
)
が
遠
(
とほ
)
くなる
樣
(
やう
)
になつた。たまに
行
(
い
)
つても、
義理
(
ぎり
)
一遍
(
いつぺん
)
の
訪問
(
はうもん
)
に
終
(
をは
)
る
事
(
こと
)
が
多
(
おほ
)
いので、
歸
(
かへ
)
り
路
(
みち
)
には
何時
(
いつ
)
も
詰
(
つま
)
らない
氣
(
き
)
がしてならなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうとも、たとえ
人間
(
にんげん
)
ほどに
道理
(
どうり
)
がわからなくとも、
俺
(
おれ
)
たちにだって
義理
(
ぎり
)
はあるからな。」といいました。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小さな
袋
(
ふくろ
)
を
幾
(
いく
)
つもとりだして
縁側
(
えんがわ
)
の板の間に積みかさねた。
袋
(
ふくろ
)
には名前が書いてある。それはみな、
義理
(
ぎり
)
がたい岬の村から、大石先生への
見舞
(
みま
)
いの米や豆だった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
(下に図するこれなり)
彫
(
きざみ
)
たる人の
頭
(
かしら
)
を左りに
顧
(
むか
)
せ、その
下
(
しも
)
に五字を
彫
(
ほり
)
つけしは、是より左り
蛾眉山下橋
(
がびさんかのはし
)
なりと人にをしゆる
標準
(
みちしるべ
)
なりとかたられき。是にて
義理
(
ぎり
)
渙然
(
くわんぜん
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
斯て
天眼通
(
てんがんつう
)
を得たる大岡殿が
義理
(
ぎり
)
明白
(
めいはく
)
の吟味にさしも
強惡
(
きやうあく
)
の平左衞門一言の答へもならず心中
歎息
(
たんそく
)
して居たりしかば越前守殿
然
(
さ
)
もあるべしと思はれ
乃至
(
よしや
)
其方此上
富婁那
(
ふるな
)
の
辯
(
べん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
本当
(
ほんたう
)
に困るぢやアないかね、
私
(
わたし
)
も
義理
(
ぎり
)
ある
間
(
なか
)
だから
小言
(
こごと
)
も
云
(
い
)
へないが、たつた一人の
兄
(
にい
)
さんを
置去
(
おきざ
)
りにして
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
るなんて……なに
屹度
(
きつと
)
早晩
(
いま
)
にぶらりと
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
るのが
落
(
おち
)
だらうが
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
義理
(
ぎり
)
でもらった
女房
(
にょうぼう
)
より、
浮気
(
うわき
)
でかこった
女
(
おんな
)
より、
心
(
しん
)
から
思
(
おも
)
うのはお
前
(
まえ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
これは何か訳があると
白眼
(
にら
)
んで、黒門町に
義理
(
ぎり
)
を立てて喬之助を助けるために、とっさに似た人を思い出して、わざと間違えたのか——とにかく金山寺屋の音松が、笑い出してそう言うから
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
憎
(
に
)
くしと
思
(
おも
)
へど
流石
(
さすが
)
に
義理
(
ぎり
)
は
愁
(
つ
)
らき
物
(
もの
)
かや、
母親
(
はゝおや
)
かげの
毒舌
(
どくぜつ
)
をかくして
風
(
かぜ
)
引
(
ひ
)
かぬやうに
小抱卷
(
こかいまき
)
何
(
なに
)
くれと
枕
(
まくら
)
まで
宛
(
あて
)
がひて、
明日
(
あす
)
の
支度
(
したく
)
のむしり
田作
(
ごまめ
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「どうも
御馳走樣
(
ごつゝおさま
)
でがした」と
義理
(
ぎり
)
を
述
(
の
)
べて
土間
(
どま
)
の
下駄
(
げた
)
をがら/\
掻
(
か
)
き
探
(
さぐ
)
つてがや/\
騷
(
さわ
)
ぎながら
歸
(
かへ
)
り
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
で、
中二日
(
なかふつか
)
と
數
(
かぞ
)
へたのは、やがて
十四日
(
じふよつか
)
には、
自分
(
じぶん
)
も
幹事
(
かんじ
)
の
片端
(
かたはし
)
を
承
(
うけたまは
)
つた
義理
(
ぎり
)
の
宴曾
(
えんくわい
)
が
一
(
ひと
)
つあつた。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
人間
(
にんげん
)
の
義理
(
ぎり
)
なんて、あてになるもんじゃないよ。」と、りすが、
小
(
ちい
)
さな
頭
(
あたま
)
を
振
(
ふ
)
りました。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、
其上
(
そのうへ
)
修業
(
しうげふ
)
をさせるとなると、
月謝
(
げつしや
)
小遣
(
こづかひ
)
其他
(
そのた
)
は
宗助
(
そうすけ
)
の
方
(
はう
)
で
擔任
(
たんにん
)
しなければ
義理
(
ぎり
)
が
惡
(
わる
)
い。
所
(
ところ
)
が
夫
(
それ
)
は
家計上
(
かけいじやう
)
宗助
(
そうすけ
)
の
堪
(
た
)
える
所
(
ところ
)
でなかつた。
月々
(
つき/″\
)
の
收支
(
しうし
)
を
事細
(
ことこま
)
かに
計算
(
けいさん
)
して
見
(
み
)
た
兩人
(
ふたり
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
好事として
義理
(
ぎり
)
も人情もなき惣内方へ入
込
(
こみ
)
夫
(
それ
)
にても
尚
(
なほ
)
倦足
(
あきたら
)
ず無罪の九助を
咎
(
とが
)
に
陷
(
おと
)
し罪科に行はせんと
巧
(
たくみ
)
し段人面獸心とは汝がことなり今見よ
確成
(
たしかなる
)
證據
(
しようこ
)
を出し二言とは
吐
(
はか
)
せぬぞ又同じ
衣類
(
いるゐ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なん
)
だとえ、
今
(
いま
)
聞
(
き
)
いてゐれば、
彼奴
(
あいつ
)
の顔は
此
(
こ
)
んなだとか
彼
(
あ
)
んなだとかでいけないから、さらけだしてしまひ、
小春姐
(
こはるねえ
)
さんと
夫婦
(
ふうふ
)
に
成
(
な
)
らうと
宜
(
よ
)
く
云
(
い
)
つたな、お
前
(
まへ
)
其様
(
そん
)
なことが
云
(
い
)
はれた
義理
(
ぎり
)
かえ
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
我
(
わ
)
が
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
に一
錢
(
せん
)
の
融通
(
ゆうづう
)
も
叶
(
かな
)
ふまじく、いはゞ
寳
(
たから
)
の
藏
(
くら
)
の
番人
(
ばんにん
)
にて
終
(
おは
)
るべき
身
(
み
)
の、
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らぬ
妻
(
つま
)
までとは
彌〻
(
いよ/\
)
の
重荷
(
おもに
)
なり、うき
世
(
よ
)
に
義理
(
ぎり
)
といふ
柵
(
しがら
)
みのなくば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
然
(
しか
)
も、
先方
(
さき
)
は、
義理
(
ぎり
)
、
首尾
(
しゆび
)
で、
差當
(
さしあた
)
つては
間
(
ま
)
の
惡
(
わる
)
い
處
(
ところ
)
を、お
前樣
(
まへさま
)
が
突詰
(
つきつ
)
めて、
斷
(
た
)
つて、
垣
(
かき
)
も
塀
(
へい
)
も、
押倒
(
おしたふ
)
し
突破
(
つきやぶ
)
る、……
其
(
そ
)
の
力
(
ちから
)
で、
胸
(
むね
)
を
掻毮
(
かきむし
)
るやうにあせるから、
婦
(
をなご
)
も
切
(
せま
)
つて
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
どうせ、
今度
(
こんど
)
きた
時分
(
じぶん
)
に、なにか
持
(
も
)
ってきてやれば、それで
義理
(
ぎり
)
がすむのだ。
宝石商
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
日歩
(
ひぶ
)
とかや
言
(
い
)
ひて
利金
(
りきん
)
安
(
やす
)
からぬ
借
(
か
)
りなれど、これなくてはの
金主樣
(
きんしゆさま
)
あだには
思
(
おも
)
ふべしや、三
公
(
こう
)
己
(
お
)
れが
町
(
まち
)
へ
遊
(
あそ
)
びに
來
(
こ
)
いと
呼
(
よ
)
ばれて
嫌
(
い
)
やとは
言
(
い
)
はれぬ
義理
(
ぎり
)
あり
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
尤
(
もつと
)
も
其
(
それ
)
までにも、
小當
(
こあた
)
りに
當
(
あた
)
ることは、
板屋
(
いたや
)
を
走
(
はし
)
る
團栗
(
どんぐり
)
に
異
(
こと
)
ならずで、
蜘蛛
(
くも
)
の
巣
(
す
)
の
如
(
ごと
)
く
袖褄
(
そでつま
)
を
引
(
ひ
)
いて
居
(
ゐ
)
たのを、
柳
(
やなぎ
)
に
風
(
かぜ
)
と
受
(
う
)
けつ
流
(
なが
)
しつ、
擦拔
(
すりぬ
)
ける
身
(
み
)
も
痩
(
や
)
せて
居
(
ゐ
)
た
處
(
ところ
)
、
義理
(
ぎり
)
ある
弟
(
おとうと
)
、
内氣
(
うちき
)
の
女
(
をんな
)
。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
分
(
わか
)
らぬなりに
菊
(
きく
)
の
井
(
ゐ
)
のお
力
(
りき
)
を
通
(
とほ
)
してゆかう、
人情
(
にんじよう
)
しらず
義理
(
ぎり
)
しらずか
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
も
思
(
おも
)
ふまい、
思
(
おも
)
ふたとて
何
(
ど
)
うなる
物
(
もの
)
ぞ、
此樣
(
こん
)
な
身
(
み
)
で
此樣
(
こん
)
な
業體
(
げうてい
)
で、
此樣
(
こん
)
な
宿世
(
すくせ
)
で
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
壁
(
かべ
)
の
破
(
やぶ
)
れも、
防
(
ふせ
)
がねばならず、
雨漏
(
あまも
)
りも
留
(
と
)
めたし、……その
何
(
なに
)
よりも、
火
(
ひ
)
をまもるのが、
町内
(
ちやうない
)
の
義理
(
ぎり
)
としても、
大切
(
たいせつ
)
で、
煙草盆
(
たばこぼん
)
一
(
ひと
)
つにも、
一人
(
ひとり
)
はついて
居
(
ゐ
)
なければならないやうな
次第
(
しだい
)
であるため
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
子心
(
こごヽろ
)
にも
義理
(
ぎり
)
に
引
(
ひ
)
かれてか
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
ちて
胡亂胡亂
(
うろうろ
)
するを、
敏
(
さとし
)
いろ/\に
頼
(
たの
)
みて
此度
(
このたび
)
は
封
(
ふう
)
じ
文
(
ぶみ
)
に、あらん
限
(
かぎ
)
りの
言葉
(
ことば
)
を
如何
(
いか
)
に
書
(
か
)
きけん、
文章
(
ぶんしやう
)
の
艶麗
(
えんれい
)
は
評判
(
ひやうばん
)
の
男
(
をとこ
)
なりしが。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
不足
(
ふそく
)
を
言
(
い
)
へた
義理
(
ぎり
)
ではないが……
言
(
い
)
つた
通
(
とほ
)
り
干瓢
(
かんぺう
)
も
湯皮
(
ゆば
)
も
見當
(
みあた
)
らぬ。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
薄情
(
はくじやう
)
もの
義理
(
ぎり
)
しらずと
押
(
おし
)
くるめてのお
詞
(
ことば
)
お
道理
(
だうり
)
なれど
御無理
(
ごむり
)
なり
此身
(
このみ
)
一
(
ひと
)
つに
科
(
とが
)
があらば
打
(
う
)
たれもせん
突
(
つ
)
かれもせん
膝
(
ひざ
)
ともといふ
談合相手
(
だんがふあひて
)
に
遊
(
あそ
)
ばしてよと
涙
(
なみだ
)
ながら
控
(
ひか
)
へる
袂
(
たもと
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
のやうなものでも、
義理
(
ぎり
)
にも、
嫌
(
きら
)
ひだなんて
言
(
い
)
はれませんもの。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
露
(
つゆ
)
の
世
(
よ
)
といへばほろりとせしもの、はかないの
上
(
うへ
)
なしなり、
思
(
おも
)
へば
男
(
をとこ
)
は
結髮
(
いひなづけ
)
の
妻
(
つま
)
ある
身
(
み
)
、いやとても
應
(
おう
)
とても
浮世
(
うきよ
)
の
義理
(
ぎり
)
をおもひ
斷
(
た
)
つほどのこと
此人
(
このひと
)
此身
(
このみ
)
にして
叶
(
かな
)
ふべしや
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
然
(
さ
)
うかと
言
(
い
)
つて、
焚
(
も
)
えても
構
(
かま
)
ひませんと
言
(
い
)
はれた
義理
(
ぎり
)
ではない。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
形
(
かたち
)
は
行
(
い
)
つても
心
(
こゝろ
)
は
決
(
けつ
)
して
遣
(
や
)
るまいと
極
(
き
)
めて
置
(
お
)
いたを、
今更
(
いまさら
)
に
成
(
な
)
つて
何
(
なん
)
の
義理
(
ぎり
)
はり、
惡人
(
あくにん
)
でも、いたづらでも
構
(
かま
)
ひは
無
(
な
)
い、お
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らずばお
捨
(
す
)
てなされ、
捨
(
す
)
てられゝば
結句
(
けつく
)
本望
(
ほんまう
)
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いはれた
義理
(
ぎり
)
ではなからうでないか。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
種々
(
さま/″\
)
曰
(
いは
)
くのつきし
難物
(
なんぶつ
)
のよしなれども、
持
(
もた
)
ねばならぬ
義理
(
ぎり
)
ありて
引
(
ひき
)
うけしにや、それとも
父
(
ちゝ
)
が
好
(
この
)
みて申
受
(
うけ
)
しか、その
邊
(
へん
)
たしかならねど
勢力
(
せいりよく
)
おさ/\
女房天下
(
にようぼうてんか
)
と申やうな
景色
(
けしき
)
なれば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“義理”の解説
義理(ぎり)とは、相互関係を維持するために定められた道筋。対人関係や社会関係において、守るべきとされる慣習。
(出典:Wikipedia)
義
常用漢字
小5
部首:⽺
13画
理
常用漢字
小2
部首:⽟
11画
“義理”で始まる語句
義理合
義理堅
義理立
義理人情
義理固
義理見
義理責
義理会解