トップ
>
人間
>
にんげん
ふりがな文庫
“
人間
(
にんげん
)” の例文
それは、
広
(
ひろ
)
い、さびしい
野原
(
のはら
)
でありました。
町
(
まち
)
からも、
村
(
むら
)
からも、
遠
(
とお
)
く
離
(
はな
)
れていまして、
人間
(
にんげん
)
のめったにゆかないところであります。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
といいながら、
鉢
(
はち
)
をつかんで
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げますと、
下
(
した
)
から
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
が
現
(
あらわ
)
れたので、びっくりして、
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
して
逃
(
に
)
げていってしまいました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「なあに、できないことがあるものか。
波
(
なみ
)
の力でできるのに、
人間
(
にんげん
)
にできないってことがあるものか。ようするに、
時間
(
じかん
)
の
問題
(
もんだい
)
さ。」
ラクダイ横町
(新字新仮名)
/
岡本良雄
(著)
それが
前
(
まへ
)
に
言
(
い
)
つたように
人間
(
にんげん
)
が
多
(
おほ
)
くなるにつれて
木材
(
もくざい
)
がいよ/\
多
(
おほ
)
く
必要
(
ひつよう
)
となり、どんどん
伐
(
き
)
るため、
村落
(
そんらく
)
に
近
(
ちか
)
い
山
(
やま
)
の
木
(
き
)
はもとより
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
人間
(
にんげん
)
女房
(
にようぼう
)
の
恋
(
こひ
)
しく
成
(
な
)
るほど、
勇気
(
ゆうき
)
の
衰
(
おとろ
)
へる
事
(
こと
)
はない。それにつけても、それ、その
鞄
(
かばん
)
がいたはしい。
行
(
や
)
つた、
又
(
また
)
ばしやり、ばしやん。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
でもまあ
無事
(
ぶじ
)
でよかつた。
人間
(
にんげん
)
め! もうどれほど
俺達
(
おれたち
)
の
仲間
(
なかま
)
を
殺
(
ころ
)
しやがつたか。これを
不倶戴天
(
ふぐたいてん
)
の
敵
(
てき
)
とゆはねえで、
何
(
なに
)
を
言
(
ゆ
)
ふんだ。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
(なんというはくじょうな、ひれつなやつらだ。
幕府
(
ばくふ
)
の
人間
(
にんげん
)
は、みな、これだからいけない。よし、おれが
一人
(
ひとり
)
でひきうけてやる。)
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
代助は
父
(
ちゝ
)
を
怒
(
おこ
)
らせる気は少しもなかつたのである。
彼
(
かれ
)
の近頃の主義として、
人
(
ひと
)
と喧嘩をするのは、
人間
(
にんげん
)
の堕落の一
範鋳
(
はんちう
)
になつてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが、
人間
(
にんげん
)
というものは、あんまり ものがたくさんあると、
神
(
かみ
)
さまが おめぐみをくださることも、つい わすれてしまいます。
麦の ほ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
そして
冷靜
(
れいせい
)
な藝術的
鑑賞
(
かんしやう
)
は、
熱烈
(
ねつれつ
)
な
生理
(
せいり
)
的
憧憬
(
どうけい
)
となつて、
人形
(
にんぎやう
)
には
魂
(
たましい
)
が入つた。何も不思議はないことだらう。周三だつて
人間
(
にんげん
)
である。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
それで
其
(
そ
)
の一
町
(
ちやう
)
四
方
(
はう
)
は
晝間
(
ひるま
)
も
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
めたといふほど、ひどい
臭氣
(
しうき
)
が、
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
の
腐
(
くさ
)
つた
人間
(
にんげん
)
の
心
(
こゝろ
)
のやうに、
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
さてさういふ
猿
(
さる
)
と
人間
(
にんげん
)
との
中間
(
ちゆうかん
)
のものゝ
骨
(
ほね
)
が
今日
(
こんにち
)
までにいかほど
發見
(
はつけん
)
されたかといふに、
殘念
(
ざんねん
)
ながら
中々
(
なか/\
)
思
(
おも
)
ふように
出
(
で
)
てまゐりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
で、
私
(
わたくし
)
は
堅
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じています。もし
来世
(
らいせい
)
が
無
(
な
)
いとしたならば、その
時
(
とき
)
は
大
(
おお
)
いなる
人間
(
にんげん
)
の
智慧
(
ちえ
)
なるものが、
早晩
(
そうばん
)
これを
発明
(
はつめい
)
しましょう。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
……
畜生
(
ちくしゃう
)
、
兩方
(
りゃうはう
)
の
奴等
(
やつら
)
め!……うぬ!
犬
(
いぬ
)
、
鼠
(
ねずみ
)
、
鼷鼠
(
はつかねずみ
)
、
猫股
(
ねこまた
)
、
人間
(
にんげん
)
を
引掻
(
ひっか
)
いて
殺
(
ころ
)
しをる!
一二三
(
ひふうみい
)
で
劍
(
けん
)
を
使
(
つか
)
ふ
駄法螺吹家
(
だぼらふき
)
め!
破落戸
(
ごろつき
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
(やつの
魂
(
たましい
)
は
悪魔
(
あくま
)
にみいられているにちがいない。でなければ、ふつうの
人間
(
にんげん
)
に、そんなおそろしいことがたえきれるはずがないんだ)
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
などと
年甲斐
(
としがひ
)
もなく
男
(
をとこ
)
一
匹
(
ぴき
)
がそんな
下
(
くだ
)
らないことを
考
(
かんが
)
へたりするのも、
麻雀
(
マアジヤン
)
に
苦勞
(
くらう
)
した
人間
(
にんげん
)
でなければ
分
(
わか
)
らない
味
(
あぢ
)
かも
知
(
し
)
れない。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
イヤイヤあれは
例
(
れい
)
によりて
人間
(
にんげん
)
どもの
勝手
(
かって
)
な
仮構事
(
つくりごと
)
じゃ。
乙姫様
(
おとひめさま
)
は
決
(
けっ
)
して
魚族
(
さかな
)
の
親戚
(
みうち
)
でもなければ
又
(
また
)
人魚
(
にんぎょ
)
の
叔母様
(
おばさま
)
でもない……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
だのに、
人間
(
にんげん
)
の
死体
(
したい
)
のことではなくて、
死
(
し
)
んだ
金魚
(
きんぎょ
)
のことを
先
(
さ
)
きにいつたから、いかにもそれは
滑稽
(
こっけい
)
な
感
(
かん
)
じがしたのであつた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
が、その
間
(
あひだ
)
も
勿論
(
もちろん
)
あの
小娘
(
こむすめ
)
が、
恰
(
あたか
)
も
卑俗
(
ひぞく
)
な
現實
(
げんじつ
)
を
人間
(
にんげん
)
にしたやうな
面
(
おも
)
もちで、
私
(
わたくし
)
の
前
(
まへ
)
に
坐
(
すわ
)
つてゐる
事
(
こと
)
を
絶
(
た
)
えず
意識
(
いしき
)
せずにはゐられなかつた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その
貧
(
まづ
)
しさには決して
堪
(
た
)
へられません。私達はもう少し
人間
(
にんげん
)
らしく生きなければなりません。今にもうすぐ私達の一生にも
冬
(
ふゆ
)
がまゐります。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
なんてまぶしくって、
人間
(
にんげん
)
がどっさりいて、馬だの
車
(
くるま
)
だのが
走
(
はし
)
りまわって、おまけに、
寒
(
さむ
)
い身をきるような風が、
吹
(
ふ
)
きまわっているのだろう。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
見るは此御白洲が
始
(
はじ
)
めてなり一言も有のないのと言るゝは如何なる事やと
空嘯
(
そらうそぶ
)
いて
居
(
ゐ
)
たりしかば無量庵は然樣で有う
人間
(
にんげん
)
と
生
(
うま
)
れて
恩
(
おん
)
を知らぬを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
勿論
(
もちろん
)
彼
(
かれ
)
の
仲間
(
なかま
)
だけが
特
(
こと
)
にさうだとは
言
(
い
)
へなかつた。
見渡
(
みわた
)
したところ、
人間
(
にんげん
)
は
皆
(
みん
)
な
一
(
ひと
)
つ/\の
不完全
(
ふくわんぜん
)
な
砕片
(
かけら
)
であるのに、
不思議
(
ふしぎ
)
はない
筈
(
はず
)
であつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかしこの句の生命は、
人間
(
にんげん
)
という言葉の奇警で力強い表現に存するのだから、某氏のように読むとすれば、平凡で力のない作に変ってしまう。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「
誰
(
だれ
)
から
聞
(
き
)
かねえでも、おいらの
眼
(
め
)
は
見透
(
みとお
)
しだて。——
人間
(
にんげん
)
は、四百四
病
(
びょう
)
の
器
(
うつわ
)
だというが、
重
(
しげ
)
さん、おめえの
病
(
やまい
)
は、
別
(
べつ
)
あつらえかも
知
(
し
)
れねえの」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
恐
(
おそ
)
らく
私
(
わたくし
)
の
想像
(
さうぞう
)
は
誤
(
あやま
)
るまい、
實
(
じつ
)
に
天
(
てん
)
の
禍
(
わざはひ
)
は
人間
(
にんげん
)
の
力
(
ちから
)
の
及
(
およ
)
ぶ
處
(
ところ
)
ではないが、
今更
(
いまさら
)
斯
(
かゝ
)
る
災難
(
さいなん
)
に
遭
(
あ
)
ふとは、
實
(
じつ
)
に
無情
(
なさけな
)
い
次第
(
しだい
)
です。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ですから
諺
(
ことわざ
)
は、
命令
(
めいれい
)
の
意義
(
いぎ
)
から、だん/\
變化
(
へんか
)
して、
社會的
(
しやかいてき
)
の
訓戒
(
くんかい
)
あるひは、
人間
(
にんげん
)
としての
心
(
こゝろ
)
がけを
説
(
と
)
くといふ
方面
(
ほうめん
)
に、
意味
(
いみ
)
が
變化
(
へんか
)
して
來
(
き
)
ました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
神
(
かみ
)
が
創造
(
さう/″\
)
の
御心
(
みこゝろ
)
は
人間
(
にんげん
)
を
楽
(
たのし
)
ましめんとするにありて
苦
(
くるし
)
ましめんとするにあらず。
無為
(
むゐ
)
は
天則
(
てんそく
)
なり、
無精
(
ぶしやう
)
は
神慮
(
しんりよ
)
に
協
(
かな
)
へり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
恐
(
おそ
)
ろしく
潔癖
(
けつぺき
)
な
霜
(
しも
)
は
其
(
そ
)
の
見窄
(
みすぼ
)
らしい
草木
(
さうもく
)
の
葉
(
は
)
を
地上
(
ちじやう
)
に
躪
(
にじ
)
りつけた。
人間
(
にんげん
)
の
手
(
て
)
を
藉
(
か
)
りたものは
田
(
た
)
でも
畑
(
はた
)
でも
人間
(
にんげん
)
の
手
(
て
)
を
藉
(
か
)
りて
到處
(
いたるところ
)
をからりとさせる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夫
(
それ
)
は
深刻
(
しんこく
)
な
印度
(
いんど
)
の
化物
(
ばけもの
)
とは
比
(
くら
)
べものにならぬ。
例
(
たと
)
へば、ケンタウルといふ
惡神
(
あくしん
)
は
下半身
(
しもはんしん
)
は
馬
(
うま
)
で、
上半身
(
かみはんしん
)
は
人間
(
にんげん
)
である。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
私
(
わたし
)
は
若
(
も
)
しや
地球
(
ちきう
)
を
貫
(
つらぬ
)
いて一
直線
(
ちよくせん
)
に
落
(
お
)
ちて
行
(
ゆ
)
くのぢやないかしら!
逆
(
さか
)
さになつて
歩
(
ある
)
いてる
人間
(
にんげん
)
の
中
(
なか
)
へ
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つたらどんなに
可笑
(
をかし
)
いでせう!オー
可厭
(
いや
)
なこと
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
いや
何
(
ど
)
うも
永持
(
ながもち
)
はあるまいと
思
(
おも
)
はれる、
殆
(
ほと
)
んど
毎日
(
まいにち
)
死
(
し
)
ぬ
死
(
し
)
ぬと
言
(
いつ
)
て
見
(
み
)
る
通
(
とほ
)
り
人間
(
にんげん
)
らしき
色艷
(
いろつや
)
もなし、
食事
(
しよくじ
)
も
丁度
(
ちやうど
)
一週間
(
いつしうかん
)
ばかり
一粒
(
いちりふ
)
も
口
(
くち
)
へ
入
(
い
)
れる
事
(
こと
)
が
無
(
な
)
いに
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見世物が出る。手軽な飲食店が出る。
咽
(
のど
)
を
稗
(
ひえ
)
が通る様に、店の間を押し合いへし合いしてぞろ/\
人間
(
にんげん
)
が通る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
あゝ
是
(
こ
)
れ『
浮
(
う
)
きたる
心
(
こゝろ
)
』だらうか、
何故
(
なにゆゑ
)
に
自然
(
しぜん
)
を
愛
(
あい
)
する
心
(
こゝろ
)
は
清
(
きよ
)
く
高
(
たか
)
くして、
少女
(
せうぢよ
)
(
人間
(
にんげん
)
)を
戀
(
こ
)
ふる
心
(
こゝろ
)
は『
浮
(
う
)
きたる
心
(
こゝろ
)
』、『いやらしい
心
(
こゝろ
)
』、『
不健全
(
ふけんぜん
)
なる
心
(
こゝろ
)
』
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
しかし
御老人
(
ごろうじん
)
が
心
(
こころ
)
のよいお
方
(
かた
)
で、わしらをまっとうな
人間
(
にんげん
)
のように
信
(
しん
)
じていて
下
(
くだ
)
さるのを
見
(
み
)
ては、わしはもう
御老人
(
ごろうじん
)
をあざむいていることができなくなりました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
その男というのは、ほかの人に
影響
(
えいきょう
)
を
与
(
あた
)
えるなどとは自分でも思っていなかったし、
誰
(
たれ
)
が
見
(
み
)
ても
平凡
(
へいぼん
)
な
人間
(
にんげん
)
だった。——それはクリストフの
母親
(
ははおや
)
ルイザの兄だった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
運命
(
うんめい
)
人間
(
にんげん
)
の
形
(
かたち
)
を
刻
(
きざ
)
めり、
境遇
(
けふぐう
)
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
を
作
(
つく
)
れり、不可見の苦繩人間の手足を縛せり、不可聞の魔語人間の耳朶を穿てり、
信仰
(
しんこう
)
なきの
人
(
ひと
)
、
自立
(
じりつ
)
なきの
人
(
ひと
)
、
寛裕
(
かんゆう
)
なきの
人
(
ひと
)
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
泣出
(
なきだ
)
しもしまいと
知
(
し
)
つたから、
久
(
ひさ
)
しぶりで、こちらも
人間
(
にんげん
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
き
)
きたくなつて、
口元
(
くちもと
)
の
手
(
て
)
を
離
(
はな
)
してやると、あとを
拭
(
ふ
)
きさうにもしないのだ。
眼
(
め
)
は
他
(
よそ
)
を
見
(
み
)
てゐるやうだ。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
なにひとつ人にすぐれたことのない
人間
(
にんげん
)
からみると、ああいう人間のほうがたしかにおもしろい。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
わたしはどの点より見ても、しごく
有福
(
ゆうふく
)
になったのです。お
給金
(
きゅうきん
)
を
払
(
はら
)
いもどして、一本だちの
人間
(
にんげん
)
にしていただこうとおもえば、いつでもそのくらいのことはできるのですよ。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
あやしげな一
個
(
こ
)
の
人間
(
にんげん
)
は、蛾次郎がここへ
入
(
はい
)
ったとき、上へ身を
避
(
さ
)
けていたものであろう。
今
(
いま
)
になって知れば、馬糧小屋の天井の
梁
(
はり
)
につかまって、ジッと、
身動
(
みうご
)
きもしないでいる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
火脉
(
くわみやく
)
の
気息
(
いき
)
に
人間
(
にんげん
)
日用
(
にちよう
)
の
陽火
(
ほんのひ
)
を
加
(
くはふ
)
ればもえて
焔
(
ほのほ
)
をなす、これを
陰火
(
いんくわ
)
といひ
寒火
(
かんくわ
)
といふ。寒火を
引
(
ひく
)
に
筧
(
かけひ
)
の
筒
(
つゝ
)
の
焦
(
こげ
)
ざるは、火脉の気いまだ陽火をうけて火とならざる
気息
(
いき
)
ばかりなるゆゑ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
七
里
(
り
)
ひと
跳
(
と
)
びの
靴
(
くつ
)
というのは
船
(
ふね
)
のことです。だって、
船
(
ふね
)
のことをいうのにこれよりいい
名前
(
なまえ
)
がありますか? ですから、
道
(
みち
)
というのは、
人間
(
にんげん
)
が人間のためにこしらえた川のようなものです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
今夜
(
こんや
)
あなたのお
父
(
とう
)
さんが、
僕
(
ぼく
)
を
罵倒
(
ばたう
)
して
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
したのも、
親
(
おや
)
として
無理
(
むり
)
なことではありません。
全
(
まつた
)
く
僕
(
ぼく
)
といふ
男
(
をとこ
)
は、あなたを
何
(
なに
)
ひとつ
幸福
(
かうふく
)
にしてあげる
事
(
こと
)
なんかできない
人間
(
にんげん
)
なんですから……
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
『
然
(
さ
)
うだ/\、
全體
(
ぜんたい
)
杉村君
(
すぎむらくん
)
は、
我々
(
われ/\
)
の
蠻勇
(
ばんいう
)
を
見
(
み
)
て
驚
(
おどろ
)
いて
了
(
しま
)
つたのだ。
迚
(
とて
)
も
太刀打
(
たちうち
)
が
出來
(
でき
)
ないから、それで
見物
(
けんぶつ
)
へ
廻
(
まは
)
つたのだ。
人間
(
にんげん
)
は
利口
(
りこう
)
に
出來
(
でき
)
てる。
我々
(
われ/\
)
は
馬鹿
(
ばか
)
に
出來
(
でき
)
てるよ』と
水谷氏
(
みづたにし
)
も
言
(
い
)
ふ。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
今
(
いま
)
までに、
度々
(
たび/\
)
お
話
(
はなし
)
しようと
思
(
おも
)
ひましたが、
御心配
(
ごしんぱい
)
をかけるのもどうかと
思
(
おも
)
つて、
打
(
う
)
ち
明
(
あ
)
けることが
出來
(
でき
)
ませんでした。
實
(
じつ
)
を
申
(
まを
)
しますと、
私
(
わたし
)
はこの
國
(
くに
)
の
人間
(
にんげん
)
ではありません。
月
(
つき
)
の
都
(
みやこ
)
の
者
(
もの
)
でございます。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「どうせ
人間
(
にんげん
)
だもの、このくらいのことをするのは当然だ」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
お
前
(
まへ
)
の
影
(
かげ
)
は
人間
(
にんげん
)
の
形
(
かたち
)
を
失
(
うしな
)
ひ、お
前
(
まへ
)
の
姿
(
すがれ
)
は
背嚢
(
はいのう
)
に
隠
(
かく
)
れ
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
さもあれヂュウス
人間
(
にんげん
)
の祈願すべてを受け納れず
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
人間
(
にんげん
)
の
声
(
こゑ
)
して
挑
(
いど
)
み、飛びかはし
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“人間”の解説
とは、以下の概念を指す。
人の住むところ。世の中。世間。人が生きている人と人の関係の世界。またそうした人間社会の中で脆くはかないさまを概念的に表す。仏教用語。
上記から転じて、社会性または人としての人格を中心に捉えたありかたや関係性。また、その全体。
ひとがら。「人物」。
(出典:Wikipedia)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“人間”で始まる語句
人間業
人間界
人間的
人間性
人間以上
人間万事金世中
人間道
人間並
人間世界
人間生活