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歩
>
ぽ
ふりがな文庫
“
歩
(
ぽ
)” の例文
「どいておくれ。」と、
男
(
おとこ
)
は、ぶあいそうにいった。
少年
(
しょうねん
)
は、一
歩
(
ぽ
)
退
(
の
)
いて、
目
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
くして、
雲切
(
くもぎ
)
れのした
秋
(
あき
)
の
空
(
そら
)
を
仰
(
あお
)
いでいました。
火を点ず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一
度
(
ど
)
でもしめやかに
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
うた
兩性
(
りやうせい
)
が
邂逅
(
であ
)
へば
彼等
(
かれら
)
は一
切
(
さい
)
を
忘
(
わす
)
れて、それでも
有繋
(
さすが
)
に
人目
(
ひとめ
)
をのみは
厭
(
いと
)
うて
小徑
(
こみち
)
から一
歩
(
ぽ
)
木
(
き
)
の
間
(
あひだ
)
に
身
(
み
)
を
避
(
さ
)
ける。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見ないうちは、夜も昼も心のおちつくことはあるまい。おまえがあけてくれるまで、わたしはこの
場
(
ば
)
を一
歩
(
ぽ
)
もうごかぬぞ。
忠義者のヨハネス
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
其以上
(
それいじやう
)
、
私
(
わたし
)
の
詰問
(
きつもん
)
の
矢
(
や
)
の
根
(
ね
)
は
通
(
とほ
)
らぬ。
通
(
とほ
)
らぬ
処
(
ところ
)
に
暗
(
くら
)
い
不安
(
ふあん
)
の
影
(
かげ
)
が
漂
(
たゞよ
)
うてゐるのであるが、
影
(
かげ
)
は
影
(
かげ
)
で、一
歩
(
ぽ
)
も
私
(
わたし
)
の
足迹
(
そくせき
)
を
容
(
い
)
るゝを
許
(
ゆる
)
さぬのである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
……
竹童
(
ちくどう
)
はまずよかったと、そこでいっそう身をかがませながら、はうようにして、石段を一
歩
(
ぽ
)
一歩とのぼっていく……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
と
沈
(
しづ
)
んで
云
(
い
)
ふ。
果
(
はた
)
せる
哉
(
かな
)
、
殿
(
しんがり
)
の
痩按摩
(
やせあんま
)
で、
恁
(
か
)
う
口
(
くち
)
をきく
時
(
とき
)
、
靄
(
もや
)
を
漕
(
こ
)
ぐ、
杖
(
つゑ
)
を
櫂
(
かい
)
に、
斜
(
なゝ
)
めに
握
(
にぎ
)
つて、
坂
(
さか
)
の二三
歩
(
ぽ
)
低
(
ひく
)
い
處
(
ところ
)
に、
伸上
(
のびあが
)
るらしく
仰向
(
あをむ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
とうとう
堪
(
こら
)
えきれなくなって、
私
(
わたくし
)
はいつしか
切株
(
きりかぶ
)
から
離
(
はな
)
れ、あたかも
磁石
(
じしゃく
)
に
引
(
ひ
)
かれる
鉄片
(
てつきれ
)
のように、一
歩
(
ぽ
)
良人
(
おっと
)
の
方
(
ほう
)
へと
近
(
ちか
)
づいたのでございます……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
けれども
彼
(
かれ
)
は
最初
(
さいしよ
)
の
解決
(
かいけつ
)
より
外
(
ほか
)
に、一
歩
(
ぽ
)
も
此
(
この
)
問題
(
もんだい
)
にちかづく
術
(
すべ
)
を
知
(
し
)
らなかつた。
彼
(
かれ
)
は
又
(
また
)
いくら
考
(
かんが
)
へても
此
(
この
)
最初
(
さいしよ
)
の
解決
(
かいけつ
)
は
確
(
たしか
)
なものであると
信
(
しん
)
じてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし、
諭吉
(
ゆきち
)
は、これまでとはちがって、
福沢家
(
ふくざわけ
)
のあととりとなったのですから、
藩
(
はん
)
のゆるしがなければ、
中津
(
なかつ
)
から一
歩
(
ぽ
)
も
外
(
そと
)
へでることができません。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
夜業
(
やげう
)
の筆を
擱
(
さしお
)
き、
枝折戸
(
しをりど
)
開
(
あ
)
けて、十五六
歩
(
ぽ
)
邸内
(
ていない
)
を行けば、栗の
大木
(
たいぼく
)
真黒
(
まつくろ
)
に茂る
辺
(
ほとり
)
に
出
(
い
)
でぬ。
其
(
その
)
蔭
(
かげ
)
に
潜
(
ひそ
)
める井戸あり。
涼気
(
れうき
)
水
(
みづ
)
の如く
闇中
(
あんちう
)
に
浮動
(
ふどう
)
す。
虫声
(
ちうせい
)
※々
(
じゞ
)
。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
ここより百
歩
(
ぽ
)
ばかり浜の方に、
麻
(
あさ
)
おほく植ゑたる畑の
主
(
ぬし
)
にて、
其所
(
そこ
)
にちひさき
庵
(
いほり
)
して住ませ給ふなりと教ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「然うさ、五十
歩
(
ぽ
)
百歩
(
ひやくぽ
)
さ」と、友は
感慨
(
かんがい
)
に
耐
(
た
)
へないといふ
風
(
ふう
)
で、「
少許
(
すこし
)
字
(
じ
)
が
讀
(
よ
)
めて、少許
知識
(
ちしき
)
が
多
(
おほ
)
いといふばかり、
大躰
(
だいたい
)
に
於
(
おい
)
て餘り
大
(
たい
)
した變りはありやしない。 ...
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
それから三
代目
(
だいめ
)
四
代目
(
だいめ
)
とは、
無關係
(
むくわんけい
)
で、
構内
(
こうない
)
へは一
歩
(
ぽ
)
も
足
(
あし
)
を
踏入
(
ふみい
)
れなかつたが、
到頭
(
たう/\
)
その
鷄屋
(
とりや
)
は
亡
(
ほろ
)
びて
了
(
しま
)
つたので、これを
幸
(
さいは
)
ひと
佛骨子
(
ぶつこつし
)
をかたらひ、
又
(
また
)
少
(
すこ
)
し
掘
(
ほ
)
つて
見
(
み
)
た。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
二連銃
(
にれんじう
)
の
銃身
(
じうしん
)
を
握
(
にぎ
)
つて
水兵
(
すいへい
)
を
顧見
(
かへりみ
)
ると、
水兵
(
すいへい
)
は
勢
(
いきほひ
)
鋭
(
するど
)
く五六
歩
(
ぽ
)
此方
(
こなた
)
へ
走
(
はし
)
り
近
(
ちか
)
づく、
此時
(
このとき
)
二發
(
にはつ
)
の
彈丸
(
だんぐわん
)
を
喰
(
くら
)
つた
猛狒
(
ゴリラ
)
は
吾等
(
われら
)
を
打捨
(
うちす
)
てゝ、
奔馬
(
ほんば
)
の
如
(
ごと
)
く
馳
(
は
)
せ
向
(
むか
)
ひ、
一聲
(
いつせい
)
叫
(
さけ
)
ぶよと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
貴方
(
あなた
)
が
例證
(
れいしよう
)
に
引
(
ひ
)
きなすつたストア
派
(
は
)
の
哲學者等
(
てつがくしやら
)
は
立派
(
りつぱ
)
な
人達
(
ひとたち
)
です。
然
(
しか
)
しながら
彼等
(
かれら
)
の
學説
(
がくせつ
)
は
已
(
すで
)
に二千
年以前
(
ねんいぜん
)
に
廢
(
すた
)
れて
了
(
しま
)
ひました、もう一
歩
(
ぽ
)
も
進
(
すゝ
)
まんのです、
是
(
これ
)
から
先
(
さき
)
、
又
(
また
)
進歩
(
しんぽ
)
する
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私はこれから
一生懸命
(
いつしやうけんめい
)
勉強
(
べんきやう
)
をしようと思つてゐます。私がこんど六十の
手習
(
てなら
)
ひのやうな
語學
(
ごがく
)
を初め出しましたのは、その
第
(
だい
)
一
歩
(
ぽ
)
のつもりなんです。私達は決して今のまゝで
死
(
し
)
んではなりません。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
そして、その無言の影二つは、
歩
(
ほ
)
一
歩
(
ぽ
)
、川なかのうへへ近づくのである。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
わたしは、十
歩
(
ぽ
)
ごとにうしろをふりかえりながら歩いて行きました。マレイはわたしが歩いて行くあいだ、ずっと自分の馬といっしょに立ったまんま、わたしのうしろを見送っていてくれました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
あゝ野の
路
(
みち
)
君とわかれて三十
歩
(
ぽ
)
また見ぬ顔に似る秋の花
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
いそいで、その
方向
(
ほうこう
)
へいきかけましたが、五、六
歩
(
ぽ
)
もいくと、きゅうに
思
(
おも
)
いとまって、もどりかけました。そして、
店
(
みせ
)
の
前
(
まえ
)
まできたので
道の上で見た話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
依然
(
いぜん
)
として
苦
(
くる
)
しい
生活
(
せいくわつ
)
の
外
(
そと
)
に一
歩
(
ぽ
)
も
遁
(
のが
)
れ
去
(
さ
)
ることが
出來
(
でき
)
ないで
居
(
ゐ
)
る。お
品
(
しな
)
が
死
(
し
)
んだ
時
(
とき
)
理由
(
わけ
)
をいうて
借
(
か
)
りた
小作米
(
こさくまい
)
の
滯
(
とゞこほ
)
りもまだ一
粒
(
つぶ
)
も
返
(
かへ
)
してない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そう
思
(
おも
)
って、一
歩
(
ぽ
)
退
(
しりぞ
)
いて
見直
(
みなお
)
しますと、
良人
(
おっと
)
は
矢張
(
やは
)
り
元
(
もと
)
の
通
(
とお
)
りはっきりした
姿
(
すがた
)
で、
切株
(
きりかぶ
)
に
腰
(
こし
)
かけて
居
(
い
)
るのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
學問
(
がくもん
)
は
社會
(
しやくわい
)
へ
出
(
で
)
るための
方便
(
はうべん
)
と
心得
(
こゝろえ
)
てゐたから、
社會
(
しやくわい
)
を一
歩
(
ぽ
)
退
(
しり
)
ぞかなくつては
達
(
たつ
)
する
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
ない、
學者
(
がくしや
)
といふ
地位
(
ちゐ
)
には、
餘
(
あま
)
り
多
(
おほ
)
くの
興味
(
きようみ
)
を
有
(
も
)
つてゐなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
伊那丸
(
いなまる
)
のするどい
切
(
き
)
ッさきと、忍剣の
禅杖
(
ぜんじょう
)
をうけかねて、息をあえぎ、
脂汗
(
あぶらあせ
)
をしぼりながら、一
歩
(
ぽ
)
一
歩
(
ぽ
)
追いつめられたが、そのうちに、ドンとうしろへつまずいた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ものの
半道
(
はんみち
)
とは
上
(
のぼ
)
らないのに、
車
(
くるま
)
の
齒
(
は
)
の
軋
(
きし
)
り
強
(
つよ
)
く、
平地
(
ひらち
)
でさへ、
分
(
わ
)
けて
坂
(
さか
)
、一
分間
(
ぷんかん
)
に一
寸
(
すん
)
づゝ、
次第
(
しだい
)
に
雪
(
ゆき
)
が
嵩
(
かさ
)
増
(
ま
)
すので、
呼吸
(
いき
)
を
切
(
き
)
つても、もがいても、
腕車
(
くるま
)
は一
歩
(
ぽ
)
も
進
(
すゝ
)
まずなりぬ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
はツと
思
(
おも
)
つたが、
最
(
も
)
う
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
い。
余
(
よ
)
は
既
(
すで
)
に一
歩
(
ぽ
)
を
横穴
(
よこあな
)
に
踏入
(
ふみい
)
れて
居
(
ゐ
)
るのだ。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
一
時
(
とき
)
でも、
彼
(
かれ
)
から
離
(
はな
)
れて
見
(
み
)
たく
思
(
おも
)
ふので
有
(
あ
)
つたが、
友
(
とも
)
は
自分
(
じぶん
)
より
彼
(
かれ
)
を一
歩
(
ぽ
)
でも
離
(
はな
)
す
事
(
こと
)
はなく、
何
(
なん
)
でも
彼
(
かれ
)
の
氣晴
(
きばらし
)
をするが
義務
(
ぎむ
)
と、
見物
(
けんぶつ
)
に
出
(
で
)
ぬ
時
(
とき
)
は
饒舌
(
しやべ
)
り
續
(
つゞ
)
けて
慰
(
なぐさ
)
めやうと、
附纒
(
つきまと
)
ひ
通
(
どほ
)
しの
有樣
(
ありさま
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
きみは、
文法
(
ぶんぽう
)
を、あたらしく
第
(
だい
)
一
歩
(
ぽ
)
からやりなおすひつようがあるね。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
紀念塔
(
きねんたふ
)
の
建立
(
けんりつ
)
は
終
(
をは
)
つて、
吾等
(
われら
)
は五六
歩
(
ぽ
)
退
(
しりぞ
)
いて
眺
(
なが
)
めると、
麗
(
うる
)
はしき
大理石
(
だいりせき
)
の
塔
(
たふ
)
の
表面
(
ひやうめん
)
には、
鮮明
(
あざやか
)
に『
大日本帝國新領地朝日島
(
だいにつぽんていこくしんりようちあさひたう
)
』。あゝ
之
(
こ
)
れで
安心
(
あんしん
)
々々、
一同
(
いちどう
)
は
帽
(
ぼう
)
を
脱
(
だつ
)
して
大日本帝國
(
だいにつぽんていこく
)
の
萬歳
(
ばんざい
)
を
三呼
(
さんこ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
もし、そうであったら、あの
母
(
はは
)
ぐまと
子
(
こ
)
ぐまは、いまごろどうなっているだろうと
考
(
かんが
)
えながら、一
歩
(
ぽ
)
、一
歩
(
ぽ
)
、
奥
(
おく
)
へとはいってゆきました。
猟師と薬屋の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
を
滿足
(
まんぞく
)
せしめる
程度
(
ていど
)
は、
譬
(
たと
)
へば
目前
(
もくぜん
)
に
在
(
あ
)
る
低
(
ひく
)
い
竹
(
たけ
)
の
垣根
(
かきね
)
を
破壤
(
はくわい
)
して一
歩
(
ぽ
)
足
(
あし
)
を
其
(
その
)
域内
(
ゐきない
)
に
趾
(
あと
)
つけるだけのことに
過
(
す
)
ぎないのである。
然
(
しか
)
も
竹
(
たけ
)
の
垣根
(
かきね
)
は
朽
(
く
)
ちて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
蘇生
(
よみがへ
)
つた
樣
(
やう
)
にはつきりした
妻
(
さい
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
て、
恐
(
おそ
)
ろしい
悲劇
(
ひげき
)
が一
歩
(
ぽ
)
遠退
(
とほの
)
いた
時
(
とき
)
の
如
(
ごと
)
くに、
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
で
卸
(
おろ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
な
)
にしろここは
幽界
(
ゆうかい
)
、
自分
(
じぶん
)
は
今
(
いま
)
修行
(
しゅぎょう
)
の
第
(
だい
)
一
歩
(
ぽ
)
をすませて、
現世
(
げんせ
)
の
執着
(
しゅうじゃく
)
が
漸
(
ようや
)
くのことで
少
(
すこ
)
しばかり
薄
(
うす
)
らいだというまでのよくよくの
未熟者
(
みじゅくもの
)
、これが
幾
(
いく
)
十
年
(
ねん
)
ぶりかで
現世
(
げんせ
)
の
良人
(
おっと
)
に
逢
(
あ
)
った
時
(
とき
)
に
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
あの
坂
(
さか
)
の
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
の
所
(
ところ
)
で、
上
(
うへ
)
から
來
(
き
)
た
男
(
をとこ
)
が、
上
(
あが
)
つて
行
(
ゆ
)
く
中年増
(
ちうどしま
)
の
媚
(
なまめ
)
かしいのと
行違
(
ゆきちが
)
つて、
上
(
うへ
)
と
下
(
した
)
へ五六
歩
(
ぽ
)
離
(
はな
)
れた
所
(
ところ
)
で、
男
(
をとこ
)
が
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けると、
其
(
そ
)
の
媚
(
なまめ
)
かしいのは
直
(
す
)
ぐに
聞取
(
きゝと
)
つて、
嬌娜
(
しなやか
)
に
振返
(
ふりかへ
)
つた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
時
(
とき
)
でも、
彼
(
かれ
)
から
離
(
はな
)
れて
見
(
み
)
たく
思
(
おも
)
うのであったが、
友
(
とも
)
は
自分
(
じぶん
)
より
彼
(
かれ
)
を一
歩
(
ぽ
)
でも
離
(
はな
)
すことはなく、
何
(
なん
)
でも
彼
(
かれ
)
の
気晴
(
きばらし
)
をするが
義務
(
ぎむ
)
と、
見物
(
けんぶつ
)
に
出
(
で
)
ぬ
時
(
とき
)
は
饒舌
(
しゃべ
)
り
続
(
つづ
)
けて
慰
(
なぐさ
)
めようと、
附纒
(
つきまと
)
い
通
(
どお
)
しの
有様
(
ありさま
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『
夫人
(
おくさん
)
、とてもいけません。』と二三
歩
(
ぽ
)
進
(
すゝ
)
んだ
私
(
わたくし
)
は
振返
(
ふりかへ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そうして、自分の身の
危険
(
きけん
)
を、一
歩
(
ぽ
)
一歩とわすれていった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余
(
よ
)
が
藏品中
(
ざうひんちう
)
の
第
(
だい
)
一
位
(
ゐ
)
を
占
(
し
)
めて、
未
(
いま
)
だ一
歩
(
ぽ
)
も
下
(
さが
)
らずに
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
ただしい
勉強
(
べんきょう
)
の
第
(
だい
)
一
歩
(
ぽ
)
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
いつになく、くろねこは
機嫌
(
きげん
)
がよく、のどをゴロ、ゴロならして、ふとった
足
(
あし
)
で、
肩
(
かた
)
をいからしながら、二、三
歩
(
ぽ
)
前
(
まえ
)
へ
大
(
おお
)
またに
歩
(
ある
)
きましたが
春の真昼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
十
歩
(
ぽ
)
に
足
(
た
)
らぬそゞろ
歩行
(
あるき
)
も、
山路
(
やまぢ
)
を
遠
(
とほ
)
く、
遙々
(
はる/″\
)
と
辿
(
たど
)
るとばかり
視
(
なが
)
め
遣
(
や
)
る……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかしながら
彼等
(
かれら
)
の
学説
(
がくせつ
)
はすでに二千
年以前
(
ねんいぜん
)
に
廃
(
すた
)
れてしまいました、もう一
歩
(
ぽ
)
も
進
(
すす
)
まんのです、これから
先
(
さき
)
、また
進歩
(
しんぽ
)
することは
無
(
な
)
い。
如何
(
いかん
)
となればこれは
現実的
(
げんじつてき
)
でない、
活動的
(
かつどうてき
)
で
無
(
な
)
いからである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「君
行
(
い
)
くなら、一所に
出様
(
でやう
)
。僕も散
歩
(
ぽ
)
ながら、
其所
(
そこ
)
迄
行
(
い
)
くから」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
退
(
たい
)
一
歩
(
ぽ
)
堕地獄
(
だじごく
)
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これはかなわぬと
思
(
おも
)
ううちに、
足
(
あし
)
が
重
(
おも
)
くなって、もう一
歩
(
ぽ
)
も
前
(
まえ
)
へふみ
出
(
だ
)
せなくなってしまったのです。それから
後
(
あと
)
のことは、すこしもわかりませんでした。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
(おい/\、
松本
(
まつもと
)
へ
出
(
で
)
る
路
(
みち
)
は
此方
(
こつち
)
だよ、)といつて
無雑作
(
むざふさ
)
にまた五六
歩
(
ぽ
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
エヒミチは
窓
(
まど
)
の
所
(
ところ
)
に
立
(
た
)
って
外
(
そと
)
を
眺
(
なが
)
むれば、
日
(
ひ
)
はもうとッぷりと
暮
(
く
)
れ
果
(
は
)
てて、むこうの
野広
(
のびろ
)
い
畑
(
はた
)
は
暗
(
くら
)
かったが、
左
(
ひだり
)
の
方
(
ほう
)
の
地平線上
(
ちへいせんじょう
)
より、
今
(
いま
)
しも
冷
(
つめ
)
たい
金色
(
こんじき
)
の
月
(
つき
)
が
上
(
のぼ
)
る
所
(
ところ
)
、
病院
(
びょういん
)
の
塀
(
へい
)
から百
歩
(
ぽ
)
ばかりの
処
(
ところ
)
に
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
進
(
しん
)
一
歩
(
ぽ
)
生極楽
(
しょうごくらく
)
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みんなはたがいに
慰
(
いた
)
わり
合
(
あ
)
いながら、
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
を
頼
(
たよ
)
りに
歩
(
ある
)
いてきましたが、このとき、ちら、ちら、と
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
ってくると、もはや、一
歩
(
ぽ
)
も
前
(
まえ
)
へは
進
(
すす
)
めなかったのです。
春になる前夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
与助
(
よすけ
)
は、
足
(
あし
)
がすくんでしまいました。そして、もう一
歩
(
ぽ
)
も
動
(
うご
)
くことができなかったほど、おそれを
覚
(
おぼ
)
えたのであります。
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
命
(
いのち
)
は
助
(
たす
)
からないものだと
思
(
おも
)
いました。
おおかみと人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
歩
常用漢字
小2
部首:⽌
8画
“歩”を含む語句
歩行
徒歩
行歩
歩廊
漫歩
散歩
歩調
御歩行
一歩
進歩
反歩
急歩
歩出
濶歩
歩哨
歩合
出歩行
十歩
速歩
歩板
...