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末
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すゑ
ふりがな文庫
“
末
(
すゑ
)” の例文
『見ろ、何が食へる。薄ら寒い秋の
末
(
すゑ
)
に熱い汁が一杯
吸
(
す
)
へないなんて
情
(
なさけ
)
ないことがあるものか。下宿屋だつて汁ぐらゐ吸はせる。』
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
南滿洲
(
みなみまんしゆう
)
には、やはり
石器時代頃
(
せつきじだいころ
)
からすでに
人間
(
にんげん
)
が
住
(
す
)
んでをりましたが、
周
(
しゆう
)
の
末
(
すゑ
)
から
漢
(
かん
)
の
初
(
はじ
)
めに
支那人
(
しなじん
)
が
盛
(
さか
)
んに
植民
(
しよくみん
)
してゐたのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
主上
叡感
(
えいかん
)
有りて「たぐひありと
誰
(
たれ
)
かはいはむ
末
(
すゑ
)
匀
(
にほ
)
ふ秋より後のしら菊の花」と申す古歌の心にて、白菊と
名附
(
なづ
)
けさせ
給
(
たもう
)
由
(
よし
)
承り候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此間
(
このあひだ
)
生
(
うま
)
れた
末
(
すゑ
)
の
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
が、
乳
(
ちゝ
)
を
呑
(
の
)
む
時刻
(
じこく
)
が
來
(
き
)
たものか、
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
まして
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
したため、
賊
(
ぞく
)
は
書齋
(
しよさい
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
庭
(
には
)
へ
逃
(
に
)
げたらしい。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
蒙
(
かうむ
)
り度此上は我々共御家來の
末
(
すゑ
)
に召し出さるれば身命を
抛
(
なげう
)
つて
守護仕
(
しゆごつかまつ
)
るべし御心安く思し召さるべし然れども我々は
是迄
(
これまで
)
惡逆
(
あくぎやく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
此一
ト
言さへ
思
(
おも
)
ひ
出
(
いで
)
らるゝを、
無情
(
つれなか
)
かりしも我が為、厳しかりしも我が為、
末
(
すゑ
)
宜
(
よ
)
かれとて尽くし給ひしを、思ふも勿躰なきは伯母君のことなり。
雪の日
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鏡子は我子の言葉から、春の
末
(
すゑ
)
の薄寒い日の夕暮に日本の北の港を
露西亜船
(
ろしやぶね
)
に乗つて離れた影の寂しい女を
幻
(
まぼろし
)
に見て居た。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
或一年
(
あるひとゝせ
)
春
(
はる
)
の
末
(
すゑ
)
つ
方
(
かた
)
遠乗
(
とほのり
)
かた/″\
白岩
(
しらいは
)
の
塔
(
たふ
)
を
見物
(
けんぶつ
)
に、
割籠
(
わりご
)
吸筒
(
すゐづゝ
)
取持
(
とりも
)
たせ。——で、
民情視察
(
みんじやうしさつ
)
、
巡見
(
じゆんけん
)
でないのが
先
(
ま
)
づ
嬉
(
うれ
)
しい。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
後
(
ご
)
も
低落
(
ていらく
)
して十二
月
(
ぐわつ
)
末
(
すゑ
)
には百六十二・九九となり六
月
(
ぐわつ
)
に
比
(
くら
)
べて十三・三二
即
(
すなは
)
ち七
分
(
ぶ
)
五
厘
(
りん
)
餘
(
よ
)
の
下落
(
げらく
)
となつたのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
蒲原
(
かんばら
)
郡の
新潟
(
にひがた
)
は北海第一の
湊
(
みなと
)
なれば福地たる
㕝
(
こと
)
論
(
ろん
)
を
俟
(
また
)
ず。
此余
(
このよ
)
の
豊境
(
はうきやう
)
は
姑
(
しばらく
)
略
(
りやく
)
す。此地皆十月より雪
降
(
ふ
)
る、その
深
(
ふかき
)
と
浅
(
あさき
)
とは
地勢
(
ちせい
)
による。
猶
(
なほ
)
末
(
すゑ
)
に
論
(
ろん
)
ぜり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それのみならず去年の夏の
末
(
すゑ
)
、お
糸
(
いと
)
を
葭町
(
よしちやう
)
へ送るため、
待合
(
まちあは
)
した
今戸
(
いまど
)
の橋から
眺
(
なが
)
めた
彼
(
あ
)
の大きな
円
(
まる
)
い/\月を
思起
(
おもひおこ
)
すと、もう舞台は舞台でなくなつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
月
末
(
すゑ
)
が
近
(
ちか
)
づくと、青木さんはいつも
暗
(
くら
)
い
顏付
(
かほつき
)
でそんな
事
(
こと
)
をつぶやきながら、ため
息
(
いき
)
づいたり、いらだつたりした。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
或時
(
あるとき
)
六
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
、ドクトル、ハヾトフは、
院長
(
ゐんちやう
)
に
用事
(
ようじ
)
が
有
(
あ
)
つて、
其室
(
そのへや
)
に
行
(
い
)
つた
所
(
ところ
)
、
居
(
を
)
らぬので
庭
(
には
)
へと
探
(
さが
)
しに
出
(
で
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
翁は画集を喜んで
姑
(
しばら
)
く
巻
(
くわん
)
を放たずに眺め込み、
蕙斎
(
けいさい
)
の略伝を問うた
後
(
のち
)
、日本人の名は覚えにくいからと云つて画集の
末
(
すゑ
)
に作者と水落君との名を記す事を望まれた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
末
(
すゑ
)
には
最
(
も
)
う「
初雪
(
はつゆき
)
やせめて
雀
(
すゞめ
)
の三
里
(
り
)
まで」どころではない
雀
(
すゞめ
)
が
首
(
くび
)
つたけになるほど雪が
積
(
つも
)
りました。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
然
(
さ
)
れば小松殿も時頼を
末
(
すゑ
)
頼母
(
たのも
)
しきものに思ひ、行末には御子維盛卿の
附人
(
つきびと
)
になさばやと常々目を懸けられ、左衞門が
伺候
(
しこう
)
の折々に『茂頼、
其方
(
そち
)
は善き
悴
(
せがれ
)
を持ちて
仕合者
(
しあはせもの
)
ぞ』
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
柿本人麿
(
かきのもとのひとまろ
)
は、
平安朝
(
へいあんちよう
)
の
末
(
すゑ
)
になると、
神樣
(
かみさま
)
として
祀
(
まつ
)
られる
程
(
ほど
)
の
尊敬
(
そんけい
)
をうけるようになりました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
頭の毛は
春夏秋冬
(
しゆんかしうとう
)
の風に一度に吹かれた様に残りなく逆立つて居る、しかも其一本々々の
末
(
すゑ
)
は丸く平たい蛇の頭となつて、
其
(
その
)
裂目から消えんとしては燃ゆる如き舌を出して居る。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
時は一
月
(
げつ
)
末
(
すゑ
)
、雪と氷に
埋
(
うづ
)
もれて、川さへ大方姿を隠した北海道を西から東に横断して、
着
(
つい
)
て見ると、華氏零下二十—三十度といふ空気も
凍
(
いて
)
たやうな朝が毎日続いた。氷つた天、氷つた土。
弓町より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
此
(
こ
)
の
前年
(
ぜんねん
)
の
末
(
すゑ
)
に
私
(
わたし
)
を
訪
(
たづ
)
ねて来たのが、
神田
(
かんだ
)
南乗物町
(
みなみのりものちやう
)
の
吉岡書籍店
(
よしをかしよじやくてん
)
の
主人
(
しゆじん
)
、
理学士
(
りがくし
)
吉岡哲太郎
(
よしをかてつたらう
)
君
(
くん
)
です、
私
(
わたし
)
が
文壇
(
ぶんだん
)
に立つに
就
(
つ
)
いては、
前後
(
ぜんご
)
三人
(
さんにん
)
の
紹介者
(
せうかいしや
)
を
労
(
わづらは
)
したので、
其
(
そ
)
の第一が
此
(
こ
)
の
吉岡君
(
よしをかくん
)
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
かういふ風に僕は郊外に住んでゐるから
余計
(
よけい
)
そんな感じがするのだが、十一月の
末
(
すゑ
)
から十二月の初めにかけて、夜
晩
(
おそ
)
く外からなんど帰つて来ると、かう
何
(
なん
)
ともしれぬ物の
臭
(
にほひ
)
が立ち
籠
(
こ
)
めてゐる。
一番気乗のする時
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
カピ長 いや、
速
(
はや
)
う
成
(
な
)
るものは
速
(
はや
)
う
壞
(
くづ
)
るゝ。
末
(
すゑ
)
の
頼
(
たの
)
みを
皆
(
みな
)
枯
(
から
)
し、
只
(
たゞ
)
一粒
(
ひとつぶ
)
だけ
殘
(
のこ
)
った
種子
(
たね
)
、
此土
(
このよ
)
で
頼
(
たの
)
もしいは
彼兒
(
あれ
)
ばかりでござる。さりながら、パリスどの、
先
(
ま
)
づ
言寄
(
いひよ
)
って
女
(
むすめ
)
の
心
(
こゝろ
)
をば
動
(
うご
)
かしめされ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
先方
(
せんぱう
)
では
大
(
おほい
)
に
恐縮
(
きようしゆく
)
して、いろ/\
相談
(
さうだん
)
の
末
(
すゑ
)
、
或
(
あ
)
る
名高
(
なだか
)
い
針醫
(
はりい
)
が
亡
(
なくな
)
つて、
其
(
そ
)
の
藥箱
(
くすりばこ
)
の
不用
(
ふよう
)
になつてゐたのを
買
(
か
)
ひ
取
(
と
)
り、それを
療法
(
れうはふ
)
の
禮
(
れい
)
として
贈
(
おく
)
つて
來
(
き
)
たのが、この
藥箱
(
くすりばこ
)
で、
見事
(
みごと
)
な
彫刻
(
てうこく
)
がしてあつて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
こは諸人のもち
拜
(
いつ
)
く
竈
(
かまど
)
の神なり。次に
大山咋
(
おほやまくひ
)
の神。またの名は
末
(
すゑ
)
の
大主
(
おほぬし
)
の神。この神は近つ
淡海
(
あふみ
)
の國の
日枝
(
ひえ
)
の山にます
三
。また
葛野
(
かづの
)
の松の尾にます
四
、
鳴鏑
(
なりかぶら
)
を
用
(
も
)
ちたまふ神なり。次に
庭津日
(
にはつひ
)
の神。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
東方、早川の谿谷が、群峰の間にたゞ一筋、開かれてゐる
末
(
すゑ
)
遥
(
はるか
)
に、地平線に雲のゐぬ晴れた日の折節には、いぶした銀の如く、ほのかに、雲とも付かず空とも付かず、光つてゐる相模灘が見えた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
笹屋
(
さゝや
)
とは
笹
(
さゝ
)
のやうに
繁
(
しげ
)
る
家
(
いへ
)
、
扇屋
(
あふぎや
)
とは
扇
(
あふぎ
)
のやうに
末
(
すゑ
)
の
廣
(
ひろ
)
がる
家
(
いへ
)
といふ
意味
(
いみ
)
からでせう。でも
笹屋
(
さゝや
)
と
言
(
い
)
つてもそれを『
笹
(
さゝ
)
の
家
(
や
)
』と
思
(
おも
)
ふものもなく、
扇屋
(
あふぎや
)
と
言
(
い
)
つても『
扇
(
あふぎ
)
の
家
(
や
)
』と
思
(
おも
)
ふものはありません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
九一
目鼻
(
めはな
)
あざやかなる人の、
僧衣
(
そうえ
)
かいつくろひて座の
末
(
すゑ
)
にまゐれり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
寂しく貧しくましますが故、
遜
(
へりくだ
)
り、常に悲しくましましき。いといと悲しくましましき。それ故に
末
(
すゑ
)
遂に神を知らしき。その
聖
(
ひじり
)
道のべに立たしたまへば雀子は
御後
(
みあと
)
べ慕ひ、
御手
(
みて
)
にのり、肩にとまりき。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
げに
末
(
すゑ
)
つ世の反抗表裏の日にありては
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
末
(
すゑ
)
は
朧
(
おぼろ
)
に
見
(
み
)
ゆれども
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
今迄
(
いままで
)
小六
(
ころく
)
に
就
(
つい
)
て、
夫程
(
それほど
)
の
注意
(
ちゆうい
)
を
拂
(
はら
)
つてゐなかつた
宗助
(
そうすけ
)
は、
突然
(
とつぜん
)
此
(
この
)
問
(
とひ
)
に
逢
(
あ
)
つて、すぐ、「
何故
(
なぜ
)
」と
聞
(
き
)
き
返
(
かへ
)
した。
御米
(
およね
)
はしばらく
逡巡
(
ためら
)
つた
末
(
すゑ
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが五年目に突然
此
(
この
)
手紙、何事かと驚いて読み
下
(
くだ
)
すと
其
(
その
)
意味は——お別れしてから種々の
運命
(
め
)
に
遇
(
あつ
)
た
末
(
すゑ
)
今は
或
(
ある
)
男と夫婦同様になつて居る
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
この
土器
(
どき
)
も
石器
(
せつき
)
も、
日本
(
につぽん
)
のものは
餘程
(
よほど
)
違
(
ちが
)
つたところがありまして、
石器時代
(
せつきじだい
)
の
末
(
すゑ
)
、
金屬
(
きんぞく
)
が
使用
(
しよう
)
されるようになつた
時代
(
じだい
)
のものかも
知
(
し
)
れません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
末
(
すゑ
)
に
下
(
しも
)
の識語がある。「万延元年庚申小春二十八夜三更燈下収筆、養竹翁五十四歳。」是は浜野氏の曾て寓目する所である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
投
(
なげ
)
空敷
(
むなしく
)
なりたりけり
案
(
あん
)
ずるに鬼女の如き
面體
(
めんてい
)
になりしを
恥
(
はぢ
)
て死にけるか
但
(
たゞし
)
亂心にや一人は
末
(
すゑ
)
に名を上一人は
末
(
すゑ
)
に名を
穢
(
けが
)
せりと世に
風聞
(
さた
)
せしとなん
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夕
(
ゆふ
)
げ
終
(
おは
)
りての
宵々
(
よひ/\
)
家
(
いゑ
)
を
出
(
いで
)
ては
御寺參
(
おんてらまい
)
り
殊勝
(
しゆしよう
)
に、
觀音
(
くわんをん
)
さまには
合掌
(
がつしよう
)
を申て、
我
(
わ
)
が
戀人
(
こひびと
)
のゆく
末
(
すゑ
)
を
守
(
まも
)
り
玉
(
たま
)
へと、お
志
(
こゝろざ
)
しのほどいつまでも
消
(
き
)
えねば
宜
(
よ
)
いが。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
蒲原
(
かんばら
)
郡の
新潟
(
にひがた
)
は北海第一の
湊
(
みなと
)
なれば福地たる
㕝
(
こと
)
論
(
ろん
)
を
俟
(
また
)
ず。
此余
(
このよ
)
の
豊境
(
はうきやう
)
は
姑
(
しばらく
)
略
(
りやく
)
す。此地皆十月より雪
降
(
ふ
)
る、その
深
(
ふかき
)
と
浅
(
あさき
)
とは
地勢
(
ちせい
)
による。
猶
(
なほ
)
末
(
すゑ
)
に
論
(
ろん
)
ぜり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
六
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
であつた。
府下
(
ふか
)
澁谷
(
しぶや
)
邊
(
へん
)
に
或
(
ある
)
茶話會
(
さわくわい
)
があつて、
斯
(
こ
)
の
工學士
(
こうがくし
)
が
其
(
そ
)
の
席
(
せき
)
に
臨
(
のぞ
)
むのに、
私
(
わたし
)
は
誘
(
さそ
)
はれて
一日
(
あるひ
)
出向
(
でむ
)
いた。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
気候が夏の末から秋に移つて
行
(
ゆ
)
く時と同じやう、春の
末
(
すゑ
)
から夏の始めにかけては、
折々
(
をり/\
)
大雨
(
おほあめ
)
が
降
(
ふり
)
つゞく。
千束町
(
せんぞくまち
)
から
吉原田圃
(
よしはらたんぼ
)
は
珍
(
めづら
)
しくもなく例年の
通
(
とほ
)
りに水が出た。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
三
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
つ
方
(
かた
)
、
消
(
き
)
えがてなりし
雪
(
ゆき
)
も、
次第
(
しだい
)
に
跡
(
あと
)
なく
融
(
と
)
けた
或夜
(
あるよ
)
、
病院
(
びやうゐん
)
の
庭
(
には
)
には
椋鳥
(
むくどり
)
が
切
(
しき
)
りに
鳴
(
な
)
いてた
折
(
をり
)
しも、
院長
(
ゐんちやう
)
は
親友
(
しんいう
)
の
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
の
立歸
(
たちか
)
へるのを、
門迄
(
もんまで
)
見送
(
みおく
)
らんと
室
(
しつ
)
を
出
(
で
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この
人
(
ひと
)
は
明治
(
めいじ
)
以後
(
いご
)
の
新派
(
しんぱ
)
の
和歌
(
わか
)
といふものに、
非常
(
ひじよう
)
な
影響
(
えいきよう
)
を
與
(
あた
)
へた
人
(
ひと
)
ですが、それまではあまり
人
(
ひと
)
から
騷
(
さわ
)
がれなかつたのです。
江戸
(
えど
)
の
末
(
すゑ
)
から
明治
(
めいじ
)
の
始
(
はじ
)
めにかけて
生
(
い
)
きてゐた
人
(
ひと
)
です。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
夫
(
それ
)
より
両国尾上町
(
りやうごくをのへちやう
)
、
京屋
(
きやうや
)
が
楼上
(
ろうじやう
)
に
集会
(
しふくわい
)
する事十
歳
(
とせ
)
あまり、
之
(
これ
)
を聞くものおれ
我
(
わ
)
れに語り、今は
世渡
(
よわた
)
るたつきともなれり、
峨江
(
がこう
)
初
(
はじめ
)
は
觴
(
さかづき
)
を
泛
(
うか
)
め、
末
(
すゑ
)
は
大河
(
たいが
)
となる
噺
(
はなし
)
も
末
(
すゑ
)
は
金銭
(
きんせん
)
になるとは
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
汽車から持つて出た氷を包んだタオルはこの時まだ大事さうに鏡子の手に持たれて居たので、指ににじむその
雫
(
しづく
)
を
冷
(
つめた
)
く思つたのは十月の
末
(
すゑ
)
の日比谷の寂しい木立の中を車の進む時であつた。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
藥屋
(
くすりや
)
が
主
(
しゆ
)
の
寫眞材料店
(
しやしんざいれうてん
)
、名
刺
(
し
)
形
(
かた
)
の
乾
(
かん
)
板の
半
(
はん
)
ダース、
現像液
(
げんぞうえき
)
に
定
(
てい
)
着
液
(
えき
)
、
皿
(
さら
)
、赤色
燈
(
とう
)
、それだけは
懇願
(
こんぐわん
)
の
末
(
すゑ
)
、
祖
(
そ
)
母から
資
(
し
)
金を
貰
(
もら
)
つたのだつたが、
胸
(
むね
)
を
躍
(
をど
)
らせながら、
押
(
おし
)
入へもぐり
込
(
こ
)
んで
乾
(
かん
)
板を
裝置
(
そうち
)
して
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
併
(
しかし
)
ながら十
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
から
英米
(
えいべい
)
共
(
とも
)
に
金利
(
きんり
)
は
段々
(
だん/\
)
低落
(
ていらく
)
して十一
月
(
ぐわつ
)
の二十
日
(
か
)
になると
日本
(
にほん
)
の
金利
(
きんり
)
が
外國
(
ぐわいこく
)
の
金利
(
きんり
)
より
寧
(
むし
)
ろ
高
(
たか
)
いと
云
(
い
)
ふ
事情
(
じじやう
)
になつたから、
其虞
(
そのおそれ
)
は
更
(
さら
)
になくなつて、
從
(
したがつ
)
て
金解禁
(
きんかいきん
)
を一
月
(
ぐわつ
)
十一
日
(
にち
)
にしても
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
寂しくて貧しきが故、
遜
(
へりくだ
)
り、常に悲しくましましき。いといと悲しくましましき。それ故に、
末
(
すゑ
)
遂に神を知らしき。その聖道のべに立たしめたまへば、雀子は
御後
(
みあと
)
べ慕ひ、
御手
(
みて
)
にのり、肩にとまりき。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
此の度勝四郎が
商物
(
あきもの
)
買ひて
京
(
みやこ
)
にゆくといふをうたてきことに思ひ、
言
(
ことば
)
をつくして
諫
(
いさ
)
むれども、
一四
常の心のはやりたるにせんかたなく、
一五
梓弓
(
あづさゆみ
)
末
(
すゑ
)
のたづきの心ぼそきにも、かひがひしく
一六
調
(
こしら
)
へて
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
而
(
さう
)
して
末
(
すゑ
)
には
天下
(
てんか
)
を…………などゝ
云
(
い
)
ふ
大気焔
(
だいきえん
)
も有つたのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
末
(
すゑ
)
へは たしみ竹
一一
生ひ
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
『
末
(
すゑ
)
さま。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
“末”の意味
《名詞》
(すえ)終わり。
(出典:Wiktionary)
末
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
“末”を含む語句
結末
末期
末子
末葉
顛末
本末
木末
月末
末席
末流
末端
行末
末裔
末枯
終末
末造
末方
末姫
粗末
始末
...