“末造”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すえぞう25.0%
ばつざう25.0%
ばつぞう25.0%
まつぞう25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この小使の一人に末造すえぞうと云うのがいた。ほかのはひげの栗の殻のように伸びた中に、口があんごりいているのに、この男はいつも綺麗にった鬚のあとの青い中に、くちびるが堅く結ばれていた。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
徳川幕府の末造ばつざうに当つて、天下の言論は尊王と佐幕とに分かれた。いやしくも気節を重んずるものは皆尊王にはしつた。其時尊王には攘夷じやういが附帯し、佐幕には開国が附帯して唱道せられてゐた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
下谷の家の旧主人鷲津毅堂は江戸時代の末造ばつぞうから明治の初年にわたって世に知られた儒者である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ただ今の世の礼法は末造まつぞうにして、流れて虚偽刻薄と為るを以て、誠朴忠実、以てこれを矯揉せんと欲するのみ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)