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勇
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いさ
ふりがな文庫
“
勇
(
いさ
)” の例文
「
私
(
わたし
)
が、お
約束
(
やくそく
)
をいたします。
勇
(
いさ
)
ましい、
遠
(
とお
)
い
船出
(
ふなで
)
から、あなたのお
帰
(
かえ
)
りなさる
日
(
ひ
)
を、
氏神
(
かみさま
)
にご
無事
(
ぶじ
)
を
祈
(
いの
)
って、お
待
(
ま
)
ちしています。」
海のまぼろし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
勇
(
いさ
)
みに勇む第十三潜水戦隊は、その日から
船脚
(
ふなあし
)
に鞭うって、東南東の海面へ進撃してゆきました、いよいよ×国は近くなる一方です。
太平洋雷撃戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
寔
(
まこと
)
に彼はさも思へらんやうに
勇
(
いさ
)
み、喜び、誇り、楽める色あり。彼の
面
(
おもて
)
は為に
謂
(
い
)
ふばかり無く輝ける程に、常にも
愈
(
ま
)
して
妖艶
(
あでやか
)
に見えぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その火のぬくみに
全身
(
ぜんしん
)
の血が
活々
(
いきいき
)
とよみがえってくるのをおぼえて、かれは、この新しい力を、どこへそそごうかと
勇
(
いさ
)
みたった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兄
(
にい
)
さんはお
父
(
とう
)
さんとマリちゃんの
手
(
て
)
をとって、みんなそろって、
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで、
家
(
うち
)
へ
入
(
はい
)
り、
食卓
(
テーブル
)
の
前
(
まえ
)
へ
坐
(
すわ
)
って、一しょに
食事
(
しょくじ
)
をいたしました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
丁度通り掛つたのは、お
宅
(
たく
)
の前で御座います。捕物の名人と言はれながら、滅多に人を縛らないといふ義に
勇
(
いさ
)
む親分にお願ひして、この急場を
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
くるり棒の調子を合わして、ドウ、ドウ、バッタ、バタ、
時々
(
ときどき
)
群
(
むれ
)
の一人が「ヨウ」と
勇
(
いさ
)
みを入れて、大地も
挫
(
ひし
)
げと打下ろす。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ヂュリ ほんにロミオの
顏
(
かほ
)
を……
死顏
(
しにがほ
)
を……
見
(
み
)
るまでは、
妾
(
わたし
)
ゃ
如何
(
どう
)
しても
心
(
こゝろ
)
が
勇
(
いさ
)
まぬ、
從兄
(
いとこ
)
がお
死
(
し
)
にゃったのが、それ
程
(
ほど
)
に
心
(
こゝろ
)
に
沁
(
し
)
みて
悲
(
かな
)
しい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
翌朝
(
あけのあさ
)
、
棟
(
むね
)
の
雲
(
くも
)
の
切
(
き
)
れ
間
(
ま
)
を
仰
(
あふ
)
いで、
勇
(
いさ
)
ましく
天守
(
てんしゆ
)
に
昇
(
のぼ
)
ると、
四階目
(
しかいめ
)
を
上切
(
のぼりき
)
つた、
五階
(
ごかい
)
の
口
(
くち
)
で、フト
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
に、
金色
(
こんじき
)
の
光
(
ひかり
)
を
放
(
はな
)
つ、
爛々
(
らん/\
)
たる
眼
(
まなこ
)
を
見
(
み
)
た
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さらに進んで青年の修養を論ずる段になると、かれの佩剣の
鞘
(
さや
)
が、たえ間なく演壇の床板をついて、
勇
(
いさ
)
ましい言葉の
爆発
(
ばくはつ
)
に
伴奏
(
ばんそう
)
の役割をつとめた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
代助は斯んな話を聞く
度
(
たび
)
に、
勇
(
いさ
)
ましいと云ふ気持よりも、まづ怖い方が先に
立
(
た
)
つ。度胸を買つてやる前に、
腥
(
なま
)
ぐさい
臭
(
にほひ
)
が
鼻柱
(
はなばしら
)
を抜ける様に
応
(
こた
)
へる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
七八
間先
(
けんさき
)
を
小
(
こ
)
きざみに
往
(
い
)
く
渋蛇
(
しぶじゃ
)
の
目
(
め
)
の
横
(
よこ
)
を、一
文字
(
もんじ
)
に
駆脱
(
かけぬ
)
けたのも
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
、やがて
踵
(
くびす
)
を
返
(
かえ
)
すと、
鬼
(
おに
)
の
首
(
くび
)
でも
取
(
と
)
ったように、
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで
駆
(
か
)
け
戻
(
もど
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その
勢
(
いきお
)
いがあんまり
勇
(
いさ
)
ましかったものですから、
逃
(
に
)
げ
腰
(
ごし
)
になっていた
外
(
ほか
)
のねずみたちも、ついうかうかつり
込
(
こ
)
まれて
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ついに
海蔵
(
かいぞう
)
さんは、
帰
(
かえ
)
って
来
(
き
)
ませんでした。
勇
(
いさ
)
ましく
日露戦争
(
にちろせんそう
)
の
花
(
はな
)
と
散
(
ち
)
ったのです。しかし、
海蔵
(
かいぞう
)
さんのしのこした
仕事
(
しごと
)
は、いまでも
生
(
い
)
きています。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
私
(
わたくし
)
は
斷言
(
だんげん
)
する、
鷲
(
わし
)
の
如
(
ごと
)
く
猛
(
たけ
)
く、
獅子
(
しゝ
)
の
如
(
ごと
)
く
勇
(
いさ
)
ましき
列國
(
れつこく
)
の
艦隊
(
かんたい
)
が
百千舳艫
(
ひやくせんじくろ
)
を
並
(
なら
)
べて
來
(
きた
)
るとも、
日章旗
(
につしようき
)
の
向
(
むか
)
ふ
處
(
ところ
)
、
恐
(
おそ
)
らくば
風靡
(
ふうび
)
せざる
處
(
ところ
)
はあるまいと。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
寢室の窓を開けて、何も
彼
(
か
)
もすつかり、きちんと
整
(
とゝの
)
へて、化粧臺の上に置いてあるのを見ると、私は
勇
(
いさ
)
んで室を出た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
みんなは小さいけれども、
勇
(
いさ
)
ましくあるいていました。そして、たがいに
助
(
たす
)
けをもとめようとでもするように、ぴったりとかたまりあっていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
あのおいぼれじじいと一騎うちの勝負をしても、このおねえさまを救わないでおくものかと、少年の胸には、
勇
(
いさ
)
ましいいきどおりがこみあげてきました。
妖怪博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
箱根
(
はこね
)
、
伊豆
(
いづ
)
の
方面
(
はうめん
)
へ
旅行
(
りよかう
)
する
者
(
もの
)
は
國府津
(
こふづ
)
まで
來
(
く
)
ると
最早
(
もはや
)
目的地
(
もくてきち
)
の
傍
(
そば
)
まで
着
(
つ
)
ゐた
氣
(
き
)
がして
心
(
こゝろ
)
も
勇
(
いさ
)
むのが
常
(
つね
)
であるが、
自分等
(
じぶんら
)
二人
(
ふたり
)
は
全然
(
まるで
)
そんな
樣子
(
やうす
)
もなかつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
貨車
(
かしゃ
)
の
横腹
(
よこばら
)
にある大きな
板戸
(
いたど
)
の、すきまをもれていましがた上がったと思われる月がさしこんできたのであった。自分は、なんというわけもなく
勇
(
いさ
)
みたった。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
古代の人のような
帽子
(
ぼうし
)
——というよりは
冠
(
かんむり
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ、
天神様
(
てんじんさま
)
のような服を着換えさせる間にも、いかにも
不機嫌
(
ふきげん
)
のように、
真面目
(
まじめ
)
ではあるが、
勇
(
いさ
)
みの無い、
沈
(
しず
)
んだ
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
兵士
(
へいし
)
の
軍楽
(
ぐんがく
)
を
奏
(
そう
)
しますのは
勇
(
いさ
)
ましいものでございますが、
此
(
こ
)
の時は
陰々
(
いん/\
)
として
居
(
を
)
りまして、
靴
(
くつ
)
の
音
(
おと
)
もしないやうにお
歩行
(
あるき
)
なさる事で、
是
(
これ
)
はどうも
歩行
(
ある
)
き
悪
(
にく
)
い事で
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
車上
(
しやじやう
)
の
人
(
ひと
)
は
目早
(
めばや
)
く
認
(
みと
)
めて、オヽ
此處
(
こゝ
)
なり
此處
(
こゝ
)
へ
一寸
(
ちよつと
)
と
俄
(
にはか
)
の
指圖
(
さしづ
)
に
一聲
(
いつせい
)
勇
(
いさ
)
ましく
引入
(
ひきい
)
れる
車
(
くるま
)
門口
(
かどぐち
)
に
下
(
お
)
ろす
梶棒
(
かぢぼう
)
と
共
(
とも
)
にホツト
一息
(
ひといき
)
内
(
うち
)
には
女共
(
をんなども
)
が
口々
(
くち/″\
)
に
入
(
い
)
らつしやいまし。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
申
喜悦
(
よろこび
)
勇
(
いさ
)
みて下りけり依て
瀬川
(
せがは
)
が評判江戸中
鳴渡
(
なりわた
)
り諸方より
貰
(
もら
)
はんと云者
數多
(
あまた
)
あれ共
當人
(
たうにん
)
は是を
承引
(
うけひ
)
かず今迄の
難澁
(
なんじふ
)
とても世に云
苦勞性
(
くらうしやう
)
なるべし遁世して父と夫の
後
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
孔子
(
こうし
)
の
弟子
(
でし
)
なる
子路
(
しろ
)
は
勇
(
いさ
)
ましい男性的の者であって、つねに勇を好んだ。ある日
孔子
(
こうし
)
にたずねた
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
われ
知
(
し
)
らず
愛
(
あい
)
ちやんは
小枝
(
こえだ
)
の
切
(
きれ
)
ッ
端
(
ぱし
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ
上
(
あ
)
げ、それを
犬
(
いぬ
)
ころの
方
(
はう
)
へ
出
(
だ
)
してやると、
犬
(
いぬ
)
ころは
直
(
たゞ
)
ちに四ッ
足
(
あし
)
揃
(
そろ
)
へて
空
(
くう
)
に
跳
(
と
)
び
上
(
あが
)
りさま、
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで
其枝
(
そのえだ
)
に
吠
(
ほ
)
えつきました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そして
男子
(
だんし
)
のものには、
身
(
み
)
に
甲胄
(
かつちゆう
)
をつけ
劍
(
つるぎ
)
を
佩
(
は
)
いてゐる
勇
(
いさ
)
ましい
形
(
かたち
)
をしたのがあり、
婦人
(
ふじん
)
の
像
(
ぞう
)
には、
髮
(
かみ
)
を
結
(
むす
)
びたすきをかけ、
何
(
なに
)
か
品物
(
しなもの
)
を
捧
(
さゝ
)
げてゐるようなのもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
我
(
わ
)
が
朝日新聞社員
(
あさひしんぶんしやゐん
)
横川勇次氏
(
よこかはゆうじし
)
を送らんと、
朝
(
あさ
)
未明
(
まだき
)
に
起
(
おき
)
出
(
いで
)
て、
顔
(
かほ
)
洗
(
あら
)
ふ
間
(
ま
)
も心せはしく車を
急
(
いそが
)
せて
向島
(
むかふじま
)
へと
向
(
むか
)
ふ、
常
(
つね
)
にはあらぬ
市中
(
しちう
)
の
賑
(
にぎ
)
はひ、三々五々
勇
(
いさ
)
ましげに
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふて
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
世がくだるにしたがつて、それが表面化し、
勇
(
いさ
)
み
肌
(
はだ
)
といへば、職業的な
任侠
(
にんけふ
)
の徒や、
見得
(
みえ
)
を大切にする根性になりさがつたが、
大根
(
おほね
)
はいまいつたやうなところにあつたのだ。
初かつお
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
六兵衛はびっくりするやら、ホッとするやら、
夢
(
ゆめ
)
のような気がしてぼんやりしてしまいました。が、やがてたくさんの
御褒美
(
ごほうび
)
をいただいて、
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで村へ帰って来ました。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
そこでたとえば
勇
(
いさ
)
ましい
戦争
(
せんそう
)
の曲をひきながら、かれはジョリクール
大将
(
たいしょう
)
が登場を知らせた。大将はインドの戦争でたびたび
功名
(
こうみょう
)
を
現
(
あらわ
)
して、いまの高い
地位
(
ちい
)
にのぼったのである。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
少
(
すこ
)
し
重
(
おも
)
いけれど、かうして
歩
(
ある
)
けば
途中
(
とちう
)
が
威張
(
ゐば
)
れて
安全
(
あんぜん
)
だといふので、
下男
(
げなん
)
は
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
つて
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
した。
成
(
な
)
るほど
葵
(
あふひ
)
の
紋
(
もん
)
と『
多田院御用
(
ただのゐんごよう
)
』の
木札
(
きふだ
)
は、
行
(
ゆ
)
き
逢
(
あ
)
ふ
人々
(
ひと/″\
)
に
皆々
(
みな/\
)
路
(
みち
)
を
讓
(
ゆづ
)
らせた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
一
方
(
ほう
)
は
自分達
(
じぶんたち
)
の
仲間
(
なかま
)
から
親
(
した
)
しい
人
(
ひと
)
を
失
(
うしな
)
うのでございますから、
沈
(
しず
)
み
切
(
き
)
って
居
(
お
)
りますのに、
他方
(
たほう
)
は
自分達
(
じぶんたち
)
の
仲間
(
なかま
)
に
親
(
した
)
しき
人
(
ひと
)
を
一人
(
ひとり
)
迎
(
むか
)
えるのでございますから、
寧
(
むし
)
ろ
勇
(
いさ
)
んでいるような
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
されば信長公の招きを受けたウルガン
伴天連
(
バテレン
)
(おや、またウルガンが現はれたぞ!)
弘法
(
こうぼう
)
の好機ござんなれと喜び
勇
(
いさ
)
んで京を指して
上
(
のぼ
)
つたが、そのとき
摂州
(
せっしゅう
)
住吉の
社
(
やしろ
)
、たちまち鳴動して
ハビアン説法
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「
勇
(
いさ
)
み立つ
鷹
(
たか
)
引すうる嵐かな」という
発句
(
ほっく
)
をもって始まっている
一聯
(
いちれん
)
である。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
江戸前
(
えどまえ
)
を誇った
勇
(
いさ
)
み
肌
(
はだ
)
の寿司屋など跡を絶たねばならなくなるだろう。
握り寿司の名人
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
身震いの出るような心の
勇
(
いさ
)
みは、なぜか、すこしも感じられなかった。
ひどい煙
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そして音楽の
天分
(
てんぶん
)
がゆたかだったので、まだ何の
意味
(
いみ
)
も持たないものではあったけれど、ともかくも
楽句
(
がっく
)
をこしらえ上げることができた。すると彼は喜び
勇
(
いさ
)
んで、それを
祖父
(
そふ
)
のところへ持っていった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
国には
盗人
(
ぬすびと
)
家に鼠と、
人間
(
ひと
)
に憎まれ
卑
(
いやし
)
めらるる、鼠なれどもかくまでに、恩には感じ義には
勇
(
いさ
)
めり。これを彼の猫の三年
飼
(
こう
)
ても、三日にして主を忘るてふ、烏円如きに比べては、雪と炭との
差別
(
けじめ
)
あり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
これでも
勇
(
いさ
)
みの
山王
(
さんのう
)
の
氏子
(
うぢこ
)
だ。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「いまごろ、
弓
(
ゆみ
)
なんか
持
(
も
)
ったかがしなんてあるものでない。どこの
田
(
た
)
や、
圃
(
はたけ
)
でも、
鉄砲
(
てっぽう
)
を
持
(
も
)
った、
勇
(
いさ
)
ましいかがしを
立
(
た
)
てている。」
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
というのは、なにか見えるだろうと喜び
勇
(
いさ
)
んで甲板に出てみても、いつも周囲は真暗な洋上で、灯台の灯も見えなかった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いや、
勇
(
いさ
)
んだの
候
(
さふらふ
)
の、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
姉
(
あね
)
はべたりだが、
江戸
(
えど
)
ものはコロリと
來
(
く
)
るわ、で、
葛西
(
かさい
)
に、
栗橋北千住
(
くりはしきたせんぢゆ
)
の
鰌
(
どぢやう
)
に
鯰
(
なまづ
)
を、
白魚
(
しらを
)
の
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
つて、
腮
(
あご
)
を
撫
(
な
)
でた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
またかの
天女
(
てんによ
)
の
如
(
ごと
)
き
春枝夫人
(
はるえふじん
)
が、
萬一
(
まんいち
)
にも
無事
(
ぶじ
)
であつて、
此
(
この
)
勇
(
いさ
)
ましい
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
たならば、どんなに
驚
(
おどろ
)
き
悦
(
よろこ
)
ぶ
事
(
こと
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
とおっしゃって、
弓矢
(
ゆみや
)
と
太刀
(
たち
)
をお
取
(
と
)
りになり、
身方
(
みかた
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
のまっ
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
って
勇
(
いさ
)
ましく
戦
(
たたか
)
って、
仏
(
ほとけ
)
さまの
敵
(
てき
)
を
残
(
のこ
)
らず
攻
(
せ
)
め
滅
(
ほろ
)
ぼしておしまいになりました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ふかいわけはわからないが、
竹童
(
ちくどう
)
はそう聞いて、なんとなく胸おどり血わいて、じぶんも、
甲斐源氏
(
かいげんじ
)
の旗上げにくみする一人であるように
勇
(
いさ
)
みたった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下田の金さん
宅
(
とこ
)
では、去年は
兄貴
(
あにき
)
が抽籤で
免
(
のが
)
れたが、今年は稲公が
彼
(
あの
)
体格
(
たいかく
)
で、砲兵にとられることになった。当人は
勇
(
いさ
)
んで居るが、
阿母
(
おふくろ
)
が今から
萎
(
しお
)
れて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それに、これらの
勇
(
いさ
)
ましい少年たちは、
後日
(
ごじつ
)
、またどのような手がらをたてないものでもないのです。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
大路
(
おほぢ
)
を
見渡
(
みわた
)
せば
罪
(
つみ
)
なき
子供
(
こども
)
の三五
人
(
にん
)
手
(
て
)
を
引
(
ひき
)
つれて
開
(
ひ
)
いらいた
開
(
ひ
)
らいた
何
(
なん
)
の
花
(
はな
)
ひらいたと、
無心
(
むしん
)
の
遊
(
あそ
)
びも
自然
(
しぜん
)
と
靜
(
しづ
)
かにて、
廓
(
くるわ
)
に
通
(
かよ
)
ふ
車
(
くるま
)
の
音
(
おと
)
のみ
何時
(
いつ
)
に
變
(
かわ
)
らず
勇
(
いさ
)
ましく
聞
(
きこ
)
えぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ところで、鐵火とは、卷き舌で、齒ぎれのよい肌合を差していつたものだが、氣のあらい
勇
(
いさ
)
み
肌
(
はだ
)
のなかでも、鐵火といはれるのは、どうしたことかすこし下品さをふくんでゐる。
凡愚姐御考
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“勇”の意味
《名詞》
(ゆう) 心が強く。いさましいこと。勇気。
(出典:Wiktionary)
“勇”の解説
勇(ゆう)とは、儒教における徳目のひとつ。勇気(おそれない心)のこと。儒学においては、三徳のひとつに数えられる。
(出典:Wikipedia)
勇
常用漢字
小4
部首:⼒
9画
“勇”を含む語句
勇士
勇気
勇猛
剛勇
勇敢
驍勇
侠勇
勇者
大勇
勇怯
勇氣
勇躍
吉井勇
勇壮
近藤勇
武勇
忠勇
勇治
蠻勇
勇坊
...