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無論
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むろん
ふりがな文庫
“
無論
(
むろん
)” の例文
しかしこの戦争には必ず勝つと信じている。当局者も
無論
(
むろん
)
信じている。ことに軍隊は最も大なる自信力を以て戦いつつあるのである。
東亜の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
「いいね。
普通
(
ふつう
)
の
野菜物
(
やさいもの
)
は
無論
(
むろん
)
として、
外
(
ほか
)
にトウモロコシだのトマトウだの、トマトウのとり
立
(
た
)
てつて、ほんとにおいしいからな。」
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
無論
(
むろん
)
、部屋全体が暗いせいでしょうが、私はその丸いものが、余りに白々と、まぶしく見えるのを、ちょっと不思議に思いました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それだのに、
私
(
わたし
)
の
家
(
いへ
)
までは
聞
(
きこ
)
えない。——でんこでんこの
遊
(
あそ
)
びではないが、
一町
(
いつちやう
)
ほど
遠
(
とほ
)
い
遠
(
とほ
)
うい——
角邸
(
かどやしき
)
から
響
(
ひゞ
)
かないのは
無論
(
むろん
)
である。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕の手柄は
手前味噌
(
てまえみそ
)
ですから書きません。
無論
(
むろん
)
戸浪が犯行につかったインチキ・ピストルも発見せられた。いいですね、帆村さん。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
無論
(
むろん
)
です、けれど
本船
(
ほんせん
)
の
當番
(
たうばん
)
水夫
(
すゐふ
)
は
眼
(
め
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
に、
情
(
こゝろ
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
です、
一人
(
ひとり
)
は
茫然
(
ぼんやり
)
して
居
(
ゐ
)
ます、
一人
(
ひとり
)
は
知
(
し
)
つて
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
ます。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さて
最初
(
さいしょ
)
地上
(
ちじょう
)
に
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でた
一人
(
ひとり
)
の
幼児
(
おさなご
)
——
無論
(
むろん
)
それは
力
(
ちから
)
も
弱
(
よわ
)
く、
智慧
(
ちえ
)
もとぼしく、そのままで
無事
(
ぶじ
)
に
生長
(
せいちょう
)
し
得
(
う
)
る
筈
(
はず
)
はございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それも
何
(
ど
)
うあらうかと
母
(
はゝ
)
などは
頻
(
しきり
)
にいやがるので
私
(
わし
)
も
二
(
に
)
の
足
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
んで
居
(
ゐ
)
る、
無論
(
むろん
)
病院
(
びやうゐん
)
へ
行
(
ゆ
)
けば
自宅
(
じたく
)
と
違
(
ちが
)
つて
窮屈
(
きゆうくつ
)
ではあらうが
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
利害
(
りがい
)
の
打算
(
ださん
)
から
云
(
い
)
へば
無論
(
むろん
)
の
事
(
こと
)
、
單
(
たん
)
に
隣人
(
りんじん
)
の
交際
(
かうさい
)
とか
情誼
(
じやうぎ
)
とか
云
(
い
)
ふ
點
(
てん
)
から
見
(
み
)
ても、
夫婦
(
ふうふ
)
はこれよりも
前進
(
ぜんしん
)
する
勇氣
(
ゆうき
)
を
有
(
も
)
たなかつたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
紡
(
つむ
)
ぐことゝ
扭
(
よ
)
ることサ、
無論
(
むろん
)
、
初
(
はじ
)
めから』と
海龜
(
うみがめ
)
は
答
(
こた
)
へて、『それから
算術
(
さんじゆつ
)
の四
則
(
そく
)
、——
野心
(
やしん
)
、
亂心
(
らんしん
)
、
醜飾
(
しうしよく
)
、それに
嘲弄
(
てうろう
)
』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
無論
(
むろん
)
長吉
(
ちやうきち
)
は
何
(
なん
)
とでも
容易
(
たやす
)
く
云紛
(
いひまぎ
)
らすことは
出来
(
でき
)
ると思ふものゝ、
其
(
そ
)
れだけの
嘘
(
うそ
)
をつく良心の苦痛に
逢
(
あ
)
ふのが
厭
(
いや
)
でならない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
寒念仏といふのは無縁の
聖霊
(
しょうりょう
)
を弔ふために寒中に
出歩行
(
である
)
く者なればこの句も
無論
(
むろん
)
寺の内で僧の念仏し居る様には非るべし。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そりや
無論
(
むろん
)
道具よ。女に道具以上の
價値
(
かち
)
があツて
耐
(
たま
)
るものか。だがさ、早い話が、お前は大事な着物を
虫干
(
むしぼし
)
にして
樟腦
(
しやうなう
)
まで入れて
藏
(
しま
)
ツて置くだらう。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
もしこの
家扶
(
かふ
)
が
下座敷
(
したざしき
)
にゐたまゝであつたならば
無論
(
むろん
)
壓死
(
あつし
)
したであらうが、
主人
(
しゆじん
)
思
(
おも
)
ひの
徳行
(
とくこう
)
のために
主人夫妻
(
しゆじんふうふ
)
と
共
(
とも
)
に
無難
(
ぶなん
)
に
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
されたのであつた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
...
私
(
わたくし
)
は
無論
(
むろん
)
哲人
(
てつじん
)
でも、
哲學者
(
てつがくしや
)
でも
無
(
な
)
いのですから。』と、
更
(
さら
)
に
激
(
げき
)
して。『ですから、
那麼事
(
こんなこと
)
に
就
(
つ
)
いては
何
(
な
)
にも
解
(
わか
)
らんのです。
議論
(
ぎろん
)
する
力
(
ちから
)
が
無
(
な
)
いのです。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
従って直訳くさいから米国からの輸入だとも言えないとともに、高田がただ一つの出発点だとも
無論
(
むろん
)
認められない。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
錫のコストは
無論
(
むろん
)
下るだけ下った。これでH・デューラン氏を技師長とする雲南錫鉱公司は、群小鉱山が競ってこれに
倣
(
なら
)
うほどの成績をあげたのである。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
之
(
これ
)
だけ
讀
(
よ
)
んだので
此
(
こ
)
の
言葉
(
ことば
)
の
意義内容
(
いぎないよう
)
が
私
(
わたし
)
の
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
にハツキリして
來
(
き
)
た。
大和魂
(
やまとだましい
)
を
表象
(
へうしやう
)
する、
朝日
(
あさひ
)
に
匂
(
にほ
)
ふ
山櫻
(
やまざくら
)
がコスモポリタン
植物
(
しよくぶつ
)
でない
事
(
こと
)
は
無論
(
むろん
)
である。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
電車はその時
神保町
(
じんぼうちょう
)
の通りを走っていたのだから、
無論
(
むろん
)
海の景色なぞが映る道理はない。が、外の往来の
透
(
す
)
いて見える上に、浪の動くのが浮き上っている。
妙な話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一体下等社会の者に
附合
(
つきあ
)
うことが
数寄
(
すき
)
で、出入りの百姓町人は
無論
(
むろん
)
、
穢多
(
えった
)
でも乞食でも
颯々
(
さっさつ
)
と近づけて、軽蔑もしなければ
忌
(
いや
)
がりもせず言葉など
至極
(
しごく
)
丁寧でした。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
福子さんどうぞゆるして下さい
此
(
こ
)
の手紙雪ちやんの名借りましたけどほんたうは雪ちやんではありません、さう
云
(
い
)
ふたら
無論
(
むろん
)
貴女
(
あなた
)
は私が誰だかお分りになつたでせうね
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
初心
(
しよしん
)
の
發掘
(
はつくつ
)
としては
此
(
こ
)
の
權現臺
(
ごんげんだい
)
は
大成功
(
だいせいこう
)
であつた。
無論
(
むろん
)
遺物
(
ゐぶつ
)
が
豐富
(
ほうふ
)
でも
有
(
あ
)
つたのだが、
宅
(
たく
)
から
近
(
ちか
)
いので、
數々
(
しば/″\
)
行
(
ゆ
)
き
得
(
え
)
られたのと、
人手
(
ひとで
)
が
多
(
おほ
)
かつたのも
勝利
(
しやうり
)
の
原因
(
もと
)
であつた。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
馬
(
うま
)
の
顏
(
かほ
)
を
斜
(
はす
)
に
見
(
み
)
た
處
(
ところ
)
で、
無論
(
むろん
)
少年
(
せうねん
)
の
手
(
て
)
には
餘
(
あま
)
る
畫題
(
ぐわだい
)
であるのを、
自分
(
じぶん
)
は
此
(
この
)
一
擧
(
きよ
)
に
由
(
よつ
)
て
是非
(
ぜひ
)
志村
(
しむら
)
に
打勝
(
うちかた
)
うといふ
意氣込
(
いきごみ
)
だから一
生懸命
(
しやうけんめい
)
、
學校
(
がくかう
)
から
宅
(
たく
)
に
歸
(
かへ
)
ると一
室
(
しつ
)
に
籠
(
こも
)
つて
書
(
か
)
く
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
無論
(
むろん
)
離縁
(
りえん
)
さ。
子
(
こ
)
でも
出来
(
でき
)
たら、
其
(
それ
)
こそ
挽回
(
とりかへし
)
がつかぬ。」と
私
(
わたし
)
は
独
(
ひとり
)
で
心
(
こゝろ
)
に
叫
(
さけ
)
んだ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
まづ
責任
(
せきにん
)
を
閑過
(
かんくわ
)
する一
例
(
れい
)
を
申
(
まを
)
しませう。それは
重
(
おも
)
に
外出
(
ぐわいしゆつ
)
などに
就
(
つい
)
て
起
(
おこ
)
る
事柄
(
ことがら
)
で、
塾生
(
じゆくせい
)
の
身
(
み
)
は
無論
(
むろん
)
私
(
わたくし
)
が
其
(
そ
)
の
親
(
おや
)
から
責任
(
せきにん
)
を
持
(
もつ
)
て
預
(
あづか
)
つてゐるのですから
出入
(
ではいり
)
に
就
(
つき
)
ては
行先
(
ゆくさき
)
を
明瞭
(
めいれう
)
にして
置
(
お
)
きます。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
「
無論
(
むろん
)
、
私
(
わたくし
)
は
炎
(
ほのお
)
の中の方が熱いと思います」とひとりの
紳士
(
しんし
)
がいいました。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
無抵当の信用貸ちうのが幾口何万あるか分らねえんだから……役場員だ、村の有志だっちう人間には、全くひでえ奴らよ、判一つで何百何千でも貸したっちうんだから……
無論
(
むろん
)
そいつがみんな
瘤
(新字新仮名)
/
犬田卯
(著)
是は
無論
(
むろん
)
一時の慰めの言葉だろうけれど、——
洪水のように
(新字新仮名)
/
徳永保之助
(著)
そして、
撮影法
(
さつえいほう
)
にも、
現像法
(
げんぞうほう
)
にも、
無論
(
むろん
)
手
製
(
せい
)
の
裝置
(
そうち
)
にも
改善
(
かいぜん
)
を
加
(
くは
)
へて
更
(
さら
)
に何
枚
(
まい
)
かを
試
(
こゝろ
)
みたが、あゝ、それは何といふ
狂喜
(
けうき
)
だつたか?
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
無論
(
むろん
)
声には聞き覚えがなかった。局に問合せて見ると、自働電話からという答えで、やっぱり相手の正体を掴む手掛りがなかった。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
無論
(
むろん
)
斯
(
こ
)
うして
紐
(
ひも
)
で
繋
(
つな
)
がれているのは、まだ
絶息
(
ぜっそく
)
し
切
(
き
)
らない
時
(
とき
)
で、
最後
(
さいご
)
の
紐
(
ひも
)
が
切
(
き
)
れた
時
(
とき
)
が、それがいよいよその
人
(
ひと
)
の
死
(
し
)
んだ
時
(
とき
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
無論
(
むろん
)
蓋
(
ふた
)
はして
有
(
あ
)
るが
往來
(
わうらい
)
へ
飛出
(
とびだ
)
されても
難儀
(
なんぎ
)
至極
(
しごく
)
なり、
夫等
(
それら
)
を
思
(
おも
)
ふと
入院
(
にふゐん
)
させやうとも
思
(
おも
)
ふが
何
(
なに
)
かふびんらしくて
心
(
こゝろ
)
一
(
ひと
)
つには
定
(
さだ
)
めかねるて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
專門上
(
せんもんじやう
)
の
知識
(
ちしき
)
のない
小六
(
ころく
)
が、
精密
(
せいみつ
)
な
返答
(
へんたふ
)
をし
得
(
う
)
る
筈
(
はず
)
は
無論
(
むろん
)
なかつた。
彼
(
かれ
)
はたゞ
安之助
(
やすのすけ
)
から
聞
(
き
)
いた
儘
(
まゝ
)
を、
覺
(
おぼ
)
えてゐる
限
(
かぎ
)
り
念
(
ねん
)
を
入
(
い
)
れて
説明
(
せつめい
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
無論
(
むろん
)
、
婿
(
むこ
)
がねと
一所
(
いつしよ
)
で、
其
(
それ
)
は一
等室
(
とうしつ
)
はあつたかも
知
(
し
)
れない。が、
乗心
(
のりごゝろ
)
の
模様
(
もやう
)
も、
色合
(
いろあひ
)
も、いま
見
(
み
)
て
思
(
おも
)
ふのと
全
(
まつた
)
く
同
(
おな
)
じである。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そうだ。大変も大変だ、自分の身体が
箱詰
(
はこづ
)
めになってしまうんだ。
無論
(
むろん
)
息の根はない。再び陽の光は
仰
(
あお
)
げなくなるのだ」
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
外
(
ほか
)
は数世紀掛って
露西亜
(
ロシア
)
の新経営をしたところの
西比利亜
(
シベリア
)
。これは
無論
(
むろん
)
日本はことさらに地を侵略する目的はない。
東亜の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
『
無論
(
むろん
)
解
(
わか
)
らないわ』と
愛
(
あい
)
ちやんは
極
(
きは
)
めて
速
(
すみや
)
かに
答
(
こた
)
へて、『けど、それは
全
(
まつた
)
くそんなに
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
同
(
おな
)
じ
年
(
とし
)
でゐるからだわ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
無論
(
むろん
)
、
妻
(
つま
)
は
大佐
(
たいさ
)
の
病氣
(
びやうき
)
次第
(
しだい
)
で
早
(
はや
)
かれ
遲
(
おそ
)
かれ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
ますが、
兒
(
こ
)
は
永
(
なが
)
く/\——
日本帝國
(
につぽんていこく
)
の
天晴
(
あつぱ
)
れ
軍人
(
ぐんじん
)
として
世
(
よ
)
に
立
(
た
)
つまでは、
芙蓉
(
ふよう
)
の
峯
(
みね
)
の
麓
(
ふもと
)
を
去
(
さ
)
らせぬ
積
(
つもり
)
です。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
然
(
しか
)
し
無論
(
むろん
)
、
彼
(
かれ
)
は
自身
(
じしん
)
に
何
(
なん
)
の
罪
(
つみ
)
もなきこと、
又
(
また
)
將來
(
しやうらい
)
に
於
(
おい
)
ても
殺人
(
さつじん
)
、
窃盜
(
せつたう
)
、
放火
(
はうくわ
)
などの
犯罪
(
はんざい
)
は
斷
(
だん
)
じて
爲
(
せ
)
ぬとは
知
(
し
)
つてゐるが、
又
(
また
)
獨
(
ひとり
)
つく/″\と
恁
(
か
)
うも
思
(
おも
)
ふたのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
これがまた彼の心を他へ
誘
(
そゝの
)
かして、
幾分
(
いくぶん
)
其の製作を
妨
(
さまた
)
げてゐる。
無論
(
むろん
)
藝術家が製作に熱中してゐる場合に、些としたひつかゝり
氣懸
(
きがゝり
)
があつても他から
想像
(
さう/″\
)
されぬ位の
打撃
(
だげき
)
となる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
と
清元
(
きよもと
)
の一派が他流の
模
(
も
)
すべからざる
曲調
(
きよくてう
)
の
美麗
(
びれい
)
を
托
(
たく
)
した
一節
(
いつせつ
)
である。
長吉
(
ちやうきち
)
は
無論
(
むろん
)
太夫
(
たいふ
)
さんが首と
身体
(
からだ
)
を
伸上
(
のびあが
)
らして
唄
(
うた
)
つたほど
上手
(
じやうず
)
に、
且
(
かつ
)
又
(
また
)
そんな大きな声で
唄
(
うた
)
つたのではない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
わが
國
(
くに
)
に
於
(
お
)
ける
地震學
(
ぢしんがく
)
は
無論
(
むろん
)
第一
(
だいゝち
)
の
方面
(
ほうめん
)
には
著
(
いちじる
)
しい
發達
(
はつたつ
)
を
遂
(
と
)
げ、
決
(
けつ
)
して
他
(
た
)
に
後
(
おく
)
れを
取
(
と
)
つたことがないのみならず、
今後
(
こんご
)
に
於
(
おい
)
てもやはり
其先頭
(
そのせんとう
)
に
立
(
た
)
つて
進行
(
しんこう
)
することが
出來
(
でき
)
るであらうと
信
(
しん
)
じてゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
一
番
(
ばん
)
「
彼女
(
かのぢよ
)
」を
不幸
(
ふかう
)
にしたことは、
彼
(
かれ
)
の
性格
(
せいかく
)
が
普通社会人
(
ふつうしやくわいじん
)
として
適当
(
てきたう
)
な
平衡
(
へいかう
)
を
保
(
たも
)
つてゐないことであつた。
無論
(
むろん
)
こんな
仕事
(
しごと
)
へ
入
(
はい
)
つてくる
人
(
ひと
)
のなかには、
性格
(
せいかく
)
の
平衡
(
へいかう
)
と
調和
(
てうわ
)
の
取
(
と
)
れない
人
(
ひと
)
も
偶
(
たま
)
にはあつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
大日本
(
だいにほん
)
の
妾宅用
(
せふたくよう
)
に
制限
(
せいげん
)
された
狆君
(
ちんくん
)
が、コスモポリタン
動物
(
どうぶつ
)
でない
事
(
こと
)
も
亦無論
(
またむろん
)
である。
日本主義者
(
にほんしゆぎしや
)
、
帝國主義者
(
ていこくしゆぎしや
)
、
國家主義者
(
こくかしゆぎしや
)
、
愛國者
(
あいこくしや
)
、
國自慢者
(
くにじまんしや
)
などがコスモポリタン
人
(
じん
)
でない
事
(
こと
)
も
亦
(
ま
)
た
實
(
じつ
)
に
無論
(
むろん
)
である。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
無論
(
むろん
)
直覺的
(
ちよくかくてき
)
である。
理論
(
りろん
)
を
立
(
た
)
てるには
未
(
いま
)
だ
材料
(
ざいれう
)
が
少數
(
せうすう
)
であるが。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
念力
(
ねんりき
)
は
無論
(
むろん
)
大切
(
たいせつ
)
で、
念力
(
ねんりき
)
なしには
小雨
(
こさめ
)
一
(
ひと
)
つ
降
(
ふ
)
らせることもできぬが、しかしその
念力
(
ねんりき
)
は、
何
(
なに
)
は
措
(
お
)
いても
自然
(
しぜん
)
の
法則
(
さだめ
)
に
協
(
かな
)
うことが
肝要
(
かんよう
)
じゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
無論
(
むろん
)
妙子は、名探偵としての明智小五郎を知っていた。で、この妙な打開け話も、彼にすがって、彼の判断を乞う為であったかも知れない。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もしくは
夫等
(
それら
)
から
棄
(
す
)
てられた。
學校
(
がくかう
)
からは
無論
(
むろん
)
棄
(
す
)
てられた。たゞ
表向
(
おもてむき
)
丈
(
だけ
)
は
此方
(
こちら
)
から
退學
(
たいがく
)
した
事
(
こと
)
になつて、
形式
(
けいしき
)
の
上
(
うへ
)
に
人間
(
にんげん
)
らしい
迹
(
あと
)
を
留
(
とゞ
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
立
(
た
)
てゝ
糶
(
せり
)
呉服
(
ごふく
)
の
見
(
み
)
るかげもなかりしが
六間間口
(
ろくけんまぐち
)
に
黒
(
くろ
)
ぬり
土藏
(
どざう
)
時
(
とき
)
のまに
身代
(
しんだい
)
たち
上
(
あが
)
りて
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
二人
(
ふたり
)
の
内
(
うち
)
兄
(
あに
)
は
無論
(
むろん
)
家
(
いへ
)
の
相續
(
あととり
)
弟
(
おとゝ
)
には
母方
(
はゝかた
)
の
絶
(
たえ
)
たる
姓
(
せい
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
無論
(
むろん
)
、
私
(
わたし
)
には
望
(
のぞ
)
みの
好敵
(
こうてき
)
手だつた。大正十三年から十四年への
晩
(
ばん
)
を
除夜
(
じよや
)
の鐘を
聞
(
き
)
きながら、先生と
勝負
(
せうふ
)
を
爭
(
あらそ
)
つた事もある。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
“無論”の意味
《形容動詞》
無 論(むろん)
言うまでもないさま。
(出典:Wiktionary)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
論
常用漢字
小6
部首:⾔
15画
“無論”で始まる語句
無論内外二科