意見いけん)” の例文
みんなはいろいろまよったすえ、けっきょく、かみさまの奇跡きせきのあらわれた人を法王にえらぼうということに、意見いけんがまとまりました。
「それは感心かんしんですね。このあいだの教員会議きょういんかいぎのときに、この学校がっこうにも託児所たくじしょもうけたらという、先生せんせいがたのご意見いけんたのですよ。」
汽車は走る (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると良人おっとわたくし意見いけんちがいまして、それはあま面白おもしろくない、是非ぜひ若月わかつき』にせよとって、なんもうしてもれないのです。
ところ叔父をぢ意見いけんによると、あの屋敷やしき宗助そうすけ自分じぶん提供ていきようしてつたのだから、たとひ幾何いくらあまらうと、あまつたぶん自分じぶん所得しよとく見傚みなして差支さしつかへない。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、それらの人々ひとびとなかにも、これをよんでいくうちに、諭吉ゆきちのかたよらないかんがえかたや、ただしい意見いけん感心かんしんしてくるものもでてきました。
何者なにものにもと意味いみ世評せひやうとか、先輩せんぱいせつとか、女學校ぢよがくかう校長かうちやう意見いけんとか、さういふ他人たにん批判ひはんふのである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
斯迄かくまでに取立し事やと存じ仰天ぎやうてんは仕つり候へども萬一荒立あらだてに成らんかと心をしづめ其後機を見合せ意見いけん致し候へども勿々なか/\以て用いひまじき樣子やうすに付兎に角事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しか其頃そのころはもうさういふこと他人たにん批難ひなんするのは馬鹿々々ばか/\しいといふ意見いけんつてゐる學生がくせいかたおほかつた。
「ただいまのこと、一同評議ひょうぎ結果けっか、これはやはり御岳みたけ神慮しんりょにおまかせいたすのがとうぜんであろうという意見いけんに一けつしたが、双方そうほうごいぞんはないであろうか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹村たけむらはそのことについて、その当時たうじべつ批評ひひやうがましい意見いけんをもたうとはおもはなかつたけれど、ずつとのちになつて振返ふりかへつてみると、彼女かのぢよかれ作品さくひん実際じつさい手紙てがみによつて
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
こまかいところになると、むかしから多少たしよう別々べつ/\意見いけんはあつても、大體だいたいかういふふうに、意見いけん一致いつちしてゐます。ところが、わたしにいはせると、意味いみだいぶんちがつてます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
はこれにたいしてまつた反對はんたい意見いけんをもつてゐる。いまこゝろみにこれをべて批評ひへうひたいとおも
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
どうしたものかんがへ、こまつたものとなげき、はては意見いけん小言こゞとぜてさまざまかせぬ。
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし小父おじはまごつかなかった。クリストフがをたたいて、よろこんでまわりをはねまわるのをながら、人がよさそうに笑っていた。そしていつもの意見いけんをもちした。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
水谷氏みづたにしも、余等よらも、彌生式やよひしきついては、意見いけん發表はつぺうせず、またべついうしてらなかつた時代じだいである。
兩親りやうしんあに意見いけんなどは、あしかぜほどもみないで、朋輩ほうばい同士どうしには、何事なにごとにも、きにの、おれおれががついて𢌞まはつて、あゝ、ならばな、と口癖くちぐせのやうにふ。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
著者ちよしや七年前しちねんぜんたときは、つぎの大噴火だいふんかは、あるひ十年じゆうねん以内いないならんかとの意見いけんおほかつたが、このとし九月三十日くがつさんじゆうにちたときは、大噴火だいふんか時機じき切迫せつぱくしてゐるようにおもはれた。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
女子教育上ぢよしけういくじやう意見いけんとしては別段べつだん申上まをしあげることも御在ござませんが、わたくしが一昨年さくねんはる女子英學塾ぢよしえいがくじゆくひらいてから以來いらい種々いろ/\今日こんにち女子ぢよしすなは女學生ぢよがくせいつい經驗けいけんしたことがありますから
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
昨日きのふ我々われ/\那麼あんなはなしたのですが、なににはか御立腹ごりつぷくで、絶交ぜつかうすると有仰おつしやるのです、なにれともさはることでもまをしましたか、あるひ貴方あなた意見いけんはんかんがへしたので?』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こののちひでりがあっても困らないようにと、おじいさんの意見いけんで井戸は大きく、ふかく掘りました。みかん掘りといわれる通り、みかんのような形に中がひろがっている井戸です。
柿の木のある家 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「それじゃ我々われわれえら方々かたがたなにかものをときでも意見いけんしちゃいけないぜ。」
學者がくしやあひだにも種々しゆ/″\意見いけんがありまして、ある學者がくしやは、人間にんげんくはへてつくつたものであるといひ、またある學者がくしやは、いや自然しぜんいしがぶつかったり、なにかの機會きかい出來できたにすぎないものだといふ。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
島本医師しまもといし意見いけんでも、またあとできた市警しけい医師いし意見いけんでもんだのは前日ぜんじつ夕方ゆうがたからかけて九時頃じごろまでのあいだらしい。大輪たいりんはなをつけたぼたんのはちが、金魚鉢きんぎょばちにほどちか庭石にわいしうえにのせてあつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
「ごもっともな意見いけんです。その方針ほうしんで、かならず逮捕たいほしてみせます」
いくか、んでいって、それがいといってかえってくることができるだろうか?」と、ビーがんが、むしろ、反対はんたい意見いけんをもらしました。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、可児才蔵かにさいぞうかたをならべてゆきながら、さけにおいのたえない井上大九郎に、しきりと意見いけんしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
石之助いしのすけ其夜そのよはをとなしく、新年はる明日あすよりの三ヶにちなりとも、いへにていはふべきはづながら御存ごぞんじのしまりなし、かたくるしきはかまづれに挨拶あいさつ面倒めんどう意見いけんじつきゝあきたり
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けれども、今日こんにちまで宗助そうすけは、小六ころくたいして意見いけんがましいことつたこともなければ、將來しやうらいつい注意ちゆういあたへたこともなかつた。かれおとうとたいする待遇たいぐうはうはたゞ普通ふつう凡庸ぼんようのものであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おくり居たり然るに嘉川主税之助かがはちからのすけは惣右衞門に永の暇を遣してより今は意見いけんする者なく益々ます/\惡事あくじ増長ぞうちやうなし藤五郎を彌々いよ/\干殺ほしころさんときびしく食止しよくどめをし其上弟藤三郎當年わづか五歳に成を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
昨日きのう我々われわれはあんなにはなしたのですが、なににわか御立腹ごりっぷくで、絶交ぜっこうすると有仰おっしゃるのです、なにかそれともさわることでももうしましたか、あるい貴方あなた意見いけんわんかんがえしたので?』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ひとあるひはわがはいのこの意見いけんもつて、つまらぬ些事さじ拘泥こうでいするものとしあるひは時勢じせいつうぜざる固陋ころう僻見へきけんとするものあらば、わがはいあまんじてそのそしりけたい。そしてつゝしんでそのをしへをけたい。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
議会ぎかいがあって、政党せいとうというものが、おたがいに政治せいじのやりかたや、意見いけんのうえであらそい、せんきょによってったほうの政党せいとうくに政治せいじをやるしくみになっているときかされましたが、諭吉ゆきちには
軍人ぐんじんにか、それはいい。おまえは、ひくいが、なかなか強情ごうじょうだから、いい軍人ぐんじんになれるだろう。」と親方おやかたは、達吉たつきち意見いけんに、反対はんたいしませんでした。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、おりふしおとずれた白髯はくぜん高士こうし意見いけんもここにくわわっているのである。その高野の僧の名は明かしがたいが、高士の名はあかしてもよい。それは、鞍馬くらま隠士いんし僧正谷そうじょうがたに果心居士かしんこじである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そんなに意見いけんしなければならないほどむのか」と宗助そうすけすこ案外あんぐわいかほをした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たとい我々われわれ意見いけんくらいちがっても、ここに我々われわれの一するところがあるのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかくしてなだめてみつすかしてみつ意見いけん
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
委細ゐさいに聞て其場へ立出樣々さま/″\いさかせし末畢竟ひつきやう花街くるわの小夜衣とか云娼妓おいらんも長庵とは伯父をぢめひとかの中成なれば一ツあなむじなならん然すれば勿々油斷ゆだんなら旁々かた/″\以て小夜衣が事は判然さつぱり思ひきり再度ふたゝびくるわゆかれぬ樣此久八が願ひなりとなほ眞實しんじつ委曲こま/″\との意見いけん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その責任せきにんなら、なれたおとうさんにあるのだよ、いえのことは、なんでもおとうさんの意見いけんできめたのだからね。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
縱令たとひ我々われ/\意見いけんくらゐちがつても、こゝ我々われ/\の一するところがあるのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いたまぬならねどしゆうへなほさらにづかはしくかげになり日向ひなたになり意見いけん數々かず/\つらぬきてや今日けふ此頃このごろそでのけしきなみだこゝろれゆきてえんにもつくべしよめにもかんと言出いひいでしことばこゝろうれしく七年越しちねんごしのえて夢安ゆめやすらかに幾夜いくよある明方あけがたかぜあらくまくらひいやりとして眼覺めさむれば縁側えんがは雨戸あまど一枚いちまいはづれてならべしとこ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
にんは、おもい、おもいの意見いけんをいいましたが、わたしは、またしてもこうちゃんのあわれな姿すがたかんだのでした。
草原の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、みんなが一ずつやってみようよ。そしてたらなかったら、一、二、三で、いっしょにげることにしよう。」と、真坊しんぼうが、意見いけんしました。
真坊と和尚さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「よくったひとなら、れるかもしれませんけれど、おなどへ、おあしをたずに、いくひとはありません。」と、おかあさんは、おじいさんの意見いけんに、賛成さんせいでした。
かたい大きな手 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それで、どうしたらいいの?」と、ぜんちゃんは、おばさんの意見いけんいたのでありました。
草原の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは意見いけんをしてやろうとおもいましたが、このようすではなにをいっても、いまはこのおとこみみにはいらないとおもいましたので、明日あすいのさめているときにするつもりで
いいおじいさんの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あにのところへ、ともだちが、たずねてくると、しぜんと生活せいかつ感想かんそうや、世間せけん様相ようそうはなしにのぼりました。あにのこれらの意見いけんも、このくつをはいて、あるくうちにられた体験たいけんでありましょう。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうして意見いけんがまちまちであったので、かれらは、そのままさきんでいくこともできずに、すすきのえているうえそらを、二、三べんもぐるぐるまわって、はなっていましたが、こんなことに
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いいひとだったけれど、あんまりはなしがちょうしよくて、信用しんようがされなかった。」という意見いけんもありました。そんなやさきへ、ちいさなはこが、おじさんの遺族いぞくから、ぼくのところへとどけられたのです。
緑色の時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)