意氣いき)” の例文
新字:意気
同時どうじに、一藝いちげいたつした、いや——從兄弟いとこだからグツとわりびく——たづさはるものの意氣いきかんじた。神田兒かんだつこだ。かれ生拔はえぬきの江戸兒えどつこである。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
汽車で露西亞や獨逸を過ぎて巴里へ來ると、先づ目に着くのは佛蘭西の男も女もきやしやな體をして其姿の意氣いきな事である。
巴里の旅窓より (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
わたくしだつて、其樣そんな無鐵砲むてつぽうことはない、この工夫くふうは、大佐閣下たいさかくか仲々なか/\巧妙うまい感心かんしんなすつたんです。』と意氣いき昂然こうぜんとして
リン家のヘンリイとフレドリックは、實に、めかしたてゝ意氣いき伊達者だてしやだ。デント大佐は立派な軍人らしい人、地方長官のイィシュトン氏は紳士らしい人だつた。
仕立したてかけの縫物ぬひものはりどめしてつは年頃としごろ二十餘はたちあまりの意氣いきをんなおほかみいそがしいをりからとてむすがみにして、すこながめな八丈はちぢやうまへだれ、おめしだいなしな半天はんてん
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
としつたとつたところで四十二三ですもの、人間にんげん働盛はたらきざかりです。精神せいしん意氣いきかはりのあるはずもないのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
持物等もちものとうに至る迄風雅ふうがでもなく意氣いきでも無くどうやら金の有さうな浪人らうにんとおゆうは大いに重四郎に惚込ほれこみしが翌日は上の宮へ參詣さんけいなし額堂がくだうにて重四郎はお勇とたゞ兩人差向さしむかひの折柄をりからお勇は煙草たばこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どれだけ勵行れいかうされたかはらぬが、その意氣いきさうとすべきである。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
聲張りあぐるこころ意氣いき
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
をんなでさへその意氣いきだ。男子だんしはたらかなければならない。——こゝで少々せう/\小聲こごゑになるが、おたがひかせがなければかない。……
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これほどのひと他人たにんられてるまじとの意氣いきごみにて、むこさま拂底ふつていなかなればにや華族くわぞく姫君ひめぎみ高等官かうとうかん令孃れいぢよう大商人おほあきんど持參金ぢさんきんつきなどれよれよと申みの口〻くち/″\より
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
リン家の人たちの意氣いきな容子のよさ、イングラム卿のおだやかな上品さも何であらう——デント大佐の軍人らしい立派さゝへ彼の生れながらの活氣と眞の力にくらべては何んであらう。
先生せんせい言論げんろんには英雄えいゆう意氣いきみちながら先生せんせい生活せいくわつ一見いつけん平凡へいぼんきはまるものでした。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
就中なかんづく意氣いきむき湯上ゆあがりのあしを、しなに、もう一度いちどあつひたしてぐいとげて、ゆきにうつすりと桃色もゝいろしたつまさきに下駄げた引掛ひつかけたとふ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あゝあのこゑ旦那樣だんなさま、三せん小梅こうめさうな、いつののやうな意氣いき洒落しやれものにたまひし、由斷ゆだんのならぬとおもふとともに、心細こゝろほそことえがたうりて、しめつけられるやうなるしさは
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
が、いづれものにちかいのであるから、またばける、といはれるのをおもんぱかつて、内々ない/\遠慮ゑんりよがちにはなしたけれども、じつは、みゝづくはきである。第一だいいちかたち意氣いきだ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ねへ美登利みどりさん今度こんどしよ寫眞しやしんらないか、れはまつりのとき姿なりで、おまへ透綾すきやのあらじま意氣いきなりをして、水道尻すいだうじり加藤かとうでうつさう、龍華寺りうげじやつ浦山うらやましがるやうに、本當ほんたうだぜ彼奴あいつ屹度きつとおこるよ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
旦那だんな、お待遠樣まちどほさまづらえ。」何處どこだとおもふ、伊達だて建場たてばだ。組合くみあひつらにかゝはる、とつた意氣いきあらはれる。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此方こつち意氣いきあらはれる時分じぶんには、親仁おやぢくるまのぞくやうに踞込しやがみこんで、ひげだらけのくちびるとんがらして、くだ一所いつしよに、くちでも、しゆツ/\いきくのだから面白おもしろい。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鴛鴦をしどり濃艷のうえんでおむつまじい、が、いたばかりで、翡翠かはせみ凄麗せいれいにして、所帶しよたい意氣いきである。たくなつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかりとはいへども、雁金かりがね可懷なつかしきず、牡鹿さをしか可哀あはれさず。かぶと愛憐あいれんめ、よろひ情懷じやうくわいいだく。明星みやうじやうと、太白星ゆふつゞと、すなはち意氣いきらすとき何事なにごとぞ、いたづら銃聲じうせいあり。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
金鍔きんつば二錢にひやく四個よんこあつた。四海しかいなみしづかにしてくるまうへ花見はなみのつもり。いやうもはなしにならぬ。が意氣いきもつてして少々せう/\工面くめんのいゝ連中れんぢうたれ自動車じどうしや……ゑんタクでもい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
突然いきなりどんつくの諸膚もろはだいだいきほひで、引込ひつこんだとおもふと、ひげがうめかた面當つらあてなり、うでしごきに機關ぜんまいけて、こゝ先途せんど熱湯ねつたうむ、揉込もみこむ、三助さんすけ意氣いき湯煙ゆげむりてて
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さゝに、大判おほばん小判こばん打出うちで小槌こづち寶珠はうしゆなど、就中なかんづく染色そめいろ大鯛おほだひ小鯛こだひゆひくるによつてあり。お酉樣とりさま熊手くまで初卯はつう繭玉まゆだま意氣いきなり。北國ほくこくゆゑ正月しやうぐわつはいつもゆきなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
手鍋てなべぐる意氣いきげきして、所帶しよたい稽古けいこ白魚しらうをめざしつくなりしかすがいぢらしとて、ぬきとむるはなるをよ。いといろも、こぼれかゝる袖口そでくちも、篝火かゞりびたるかな。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あんなことつて、おまへさんまたおだましだよ。筑波つくばへおまゐりぢやありますまい。博奕ばくち元手もとでか、うでなければ、瓜井戸うりゐどだれさんか、意氣いき女郎衆ぢよらうしうかほにおいでなんだよ。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この能役者のうやくしやは、木曾きそ中津川なかつがは避暑中ひしよちうだつたが、猿樂町さるがくちやう住居すまひはもとより、寶生はうしやう舞臺ぶたいをはじめ、しば琴平町ことひらちやうに、意氣いき稽古所けいこじよ二階屋にかいやがあつたが、それもこれもみな灰燼くわいじんして
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あぶない、たな破鍋われなべちかゝるごとく、あまつさへべた/\とくづれて、薄汚うすよごれた紀州きしうネルをひざから溢出はみださせたまゝ、……あゝ……あゝつた!……男振をとこぶり音羽屋おとはや特註とくちう五代目ごだいめ)の意氣いき
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いまだと早速さつそく千匹屋せんびきやへでもおろしさうなものを、川柳せんりうふ、(地女ぢをんなりもかへらぬ一盛ひとさかり)それ、意氣いきさかんなるや、縁日えんにち唐黍たうきびつてかじつても、うちつたすもゝなんかひはしない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いはく、(金子かねをとこなんにもらぬ微醉機嫌ほろよひきげん人力車じんりきしや)——少々せう/\間違まちがつてるかもれないが、間違まちがつてれば、藝妓げいしや心掛こゝろがけで、わたしつたことではない。なにしろうした意氣いきうたつてあつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……などとふ、わたしだつて、湯豆府ゆどうふ本式ほんしきあぢは意氣いきなのではない。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つたな、親方おやかた。お救米すくひまいみながら、江戸兒えどつこ意氣いきおもふべしである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うしたことか、今年ことし夏帽子なつばうし格安かくやすだつたから、麥稈むぎわらだけはあたらしいのをとゝのへたが、さつとつたら、さそくにふところへねぢまうし、かぜられてはことだと……ちよつと意氣いきにはかぶれない。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うたのぼんんだだけでも一寸ちよつと意氣いきだ、どうしてわるくない。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つゆすくないのを、百間堀ひやくけんぼりあられふ。田螺たにしおもつたら目球めだまだと、おなかくなり。百間堀ひやくけんぼりしろほりにて、意氣いき不意氣ぶいきも、身投みなげおほき、ひるさびしきところなりしが、埋立うめたてたればいまはなし。電車でんしやとほる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
この意氣いきかんじては、こちらも、くわつと氣競きほはざるをない。「ありがたい、おちやづけだ。」と、いまおもふとあせる。……鮪茶漬まぐちやづうれしがられた禮心れいごころに、このどんぶりへ番茶ばんちやをかけてんだ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これ、のあくるにつれての人間にんげん意氣いきである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)